2006年5月アーカイブ

夏の夕暮れを思わせる気候。気がつけば、6月の声を聞くころとなりました。

ブックバザールの目録締め切りまであと5日。
振り市で買ってきたもの、あ、これはいいかもと載せようとしたとたん、
あらら、表紙に大きなマジック落書きが…。
これを他店と競り合って買った私の目はいったい…。
きちんと見たつもりだったのに、表紙にそんな文字があるとは…。
見ているつもりで見ていないことってあるのだ。
古書の状態を見るときにはよほど気をつけないといけない。
中ページに2ページ落丁があるだけでも即座に気づいて、
しっかり値引き交渉できる他店を尊敬します。
人が皆えらく見える今日。

新聞を開くたび、どきっとさせられる。
エッセイを何冊か読ませていただいていた米原万里さん。
言葉が見つからない。ご冥福をお祈りいたします。

洗濯、発送、新着本、合間に電話何本か。
さてもう夜。今宵、志賀直哉を読みたい感じ…。
手にとるのは違う本だと思うけれど。

(追記 もう一仕事終え、ねこと遊んでから本の整理。
新着本に入れた本はトランクルームに移動することにして、
あいた棚に未更新の「こどものとも」「かがくのとも」を整理して加えた。
どちらも古いものはなかなか良いなあ。手離すのがちょっと惜しいぐらい…。
散在していたチェコ本をまとめて、ブックバザールの目録用に何冊か選ぶ。
結局また本の整理で一日が終わった。お疲れさまでした)

そうそう、カヌー犬ブックスさんから注文本が届いた。
前にも注文したことがあり、相変わらずきちんとした仕事ぶり。
こつこつ、きちんとやっている人に接すると、しゃんとしなければと思う。

28日は、買取の査定。そして、月末支払いのあれこれ。

夜7時ごろ、高円寺文庫センターへ。
岡崎武志さんの「気まぐれ古書店紀行」2刷があるかどうか尋ねたところ、
店主さん(?)
「こんなにたくさん積んであったはずだけど、あれ? ないなあ」
と熱心に探してくださった。
結局ほとんど売れてしまったようで、1冊しか残っていないと判明。
すでにサイン入り。
サイン入りでないほうがよかったので、やめておく。

前に初版を、家人と半額ずつ出し合って買ったのに、
私だけが岡崎さんに似顔絵を描いていただいた。
家人は「オレも描いてもらいたかった」と、ちょっと不服そう。
それで、2刷分には、家人の似顔絵を描いていただけたらいいねと相談していたのだ。

高円寺文庫センターには古書、CD、雑貨もある。
品揃え、陳列などに工夫をこらし、若い人でにぎわっている。
欲しい本が次々に見つかってしまうオソロシイ店。チェコ関連の本2冊購入。

コクテイルへ行くと、すでに岡崎武志さん、
文科系女子メガネコンビ「カネコウノ」がスタンバっていた。

古本界のお笑いコンビ「カネコウノ」こと金子さんと河野さんが、
師匠岡崎武志にぶつける50の質問ーーー。

「浮気をしたことはありますか」
「岡崎さんの書庫にベッドがありますが、夫婦一緒に寝ないんですか」などなど、
どんな質問にもきちんと答える岡崎さん。
もっと軽いノリでおもしろおかしく答える光景を想像していたが、違った。
カネコウノのふたりーー金子さん河野さんは師匠に何をどう聞けばいいのか、
ずいぶん前から悩み、コクテイル狩野さんに相談したり、
質問を練りに練っていた様子。
ふたりの労をねぎらうかのように、
ひとつひとつの質問にしっかり耳を傾け、誠実にこたえようとする岡崎さん。
ちょっとダラダラしそうになると一問一答が挿入されたりと変化をつけてあり、
構成もよかった。
何よりも、師弟三人の結束感が、
コクテイルのあかりのように暖かく伝わってきた。

以下、メモしてきた問いと答え。
飲みながらメモしていたため、間違いがありましたら失礼。
よかったら、どなたかご訂正くださいね。

●好きな言葉は?ーー105円(会場、笑い)

●好きな作家5人ーー志賀直哉、梶井基次郎、庄野潤三、開高健、木山捷平。
そういえば、卒論は志賀直哉論だったということが、
「気まぐれ~」古書 一路さんとの話に出てきましたね。

●文章を書くうえで影響を受けたのは?--丸谷才一、開高健、川本三郎。
 「文章のリズム感といいますかね、音楽といった感じで」

●好きな映画ーー男と女(クロード・ルルーシュ) 麦秋(小津安二郎)

●海外で行きたいところーードーヴィル(「男と女」の舞台)。「ミーハーだけど」

●亡くなった人で、取材したかった人ーー(「そうですね~。たくさんいますけどねえ、
だれかなあ」とかなり考えて)
「田中小実昌。試写室などでよくお見掛けしていて、話してみたかった」

●よく見る夢ーー「電車関係。取材に行くとき、遅刻して
電車に乗り遅れたらどうしようなどと、よく心配しているからでしょう」

●犯しやすそうな罪ーー(即答)「盗作でしょう。
何かの拍子で、読んだことが無意識に出てしまうかも」

●前世があるとしたら何だったと思いますか?ーー
「カバとか。一週間でもヌターっとしていられるほうなので」

岡崎さんのブログから、お嬢さんとのやりとりを抜粋したものを金子さんが用意。
「付箋がついているところを読んでみてください」ということで、岡崎さんが読み上げる。

笑って笑って、やがて、ほろり。会場から大拍手。
「それ、よかったらどうぞ」と金子さんが師匠に差し上げて、
岡崎さんもヤラれたなあという感じの笑顔。
みごとな演出。さすが、カネコウノ。タダモノじゃないね。

「本を出すなんて無理だと思っていて、自分の本を出すのが夢でしたから。
かなった時点でもういいかなと。いつ死んでもいい、みたいな」
「古本は掘っても掘っても出てくる宝箱」
といった言葉も印象的。

会場に集まった人へのプレゼントは、ジャンケンで決まった。
集英社文庫「風に吹かれて」(五木寛之 装幀・佐野繁次郎)、
すみません、私、いただいてしまいました。いいのでしょうか。
岡崎さんがご持参になったものか、
晩鮭亭さんがお持ちになったものか、
どちらかよくわかりませんが、ありがとうございます。

オンライン古書店「黒猫亭」のb.k.ノムラさんご夫妻と
お目にかかれたのも、この日、ひじょうにうれしかったこと。
ノムラさんは、コクテイルのWEB制作担当でもあります。

そうそう、「気まぐれ古書店紀行」2刷はコクテイルにあった分を購入。
岡崎さんに念願の似顔絵を描いていただいた家人、
岡崎さんとジャズ話などさせていただく。

なかなかすべての人とお話できなくて残念だけれども、
コクテイル、なぜ居心地がいいのだろう?
店を終えてやってきた石田書房さん、金子さん、
家人、私、そして店の狩野さんほか終電ぎりぎりまで
飲んでしゃべって。帰宅したのは2時。


(photo by Mongo。2点とも)

翌29日、あまり仕事ができず、発送もお急ぎの方の分をどうにかこうにか。
すぐお送りできなかった方、申し訳ありません。
30日から身を引き締めてやっていきます。

岡崎さんが京都の古書展のとき、
崖書房でトーク・イベントをなさるそうですが、いつでしょう?
話をしていて、うっかり日にちを聞きそびれてしまった。
藤田嗣治を見たいし、時期をあわせて行こうかなあ。
京都の古書展も行ってみたいしね。

お客様からお預かりした買取本に
「図書ーー岩波書店の児童書」(1993年)を入れていただいた。

巻頭で神宮輝夫さんが書き記している。
長くなるが引用させていただく。

一九五〇年代末、新しい日本の子どもの文学が
本格的に出版されはじめたとき、
外国作品の翻訳出版も大きく動きはじめたのだが、
新しい作品を翻訳紹介しようとしていた人たちの目の前には、
傑作がずらりと並んでいた。
リンドグレーン、ヤンソン、C・S・ルイス、プロイスラー、
フィリパ・ピアス・・・どの作家の作品も、明るい未来を確信した楽天性を持ち、
わかりやすく、おもしろく、そして、大きな理想を語りかけていた。
当時訳された作品のどれにも見られたこうした特徴は、
長い時の流れの中で、人間について深い洞察力を持つ大人たちが、
子どもに向かって最高のものを手渡そうとした努力の末に生み出されたものである。
だから、彼らの作品は、子どもの文学という枠を超えた高い評価を受けた。

私は、こうした作品がつぎつぎに翻訳出版された時代に、
子どもの文学の仕事をはじめた。
つまり、自分の「癖」にぴったりで、
しかも最高の品質を持つ新鮮な本につぎつぎ出会っていたわけである。
幸せな時間だったと思う。
そして今、あの頃矢継ぎばやにという感じで訳出された作品を
一つ一つ読みかえすと、そのたびに、
あの頃とすこしも変わらず生きている喜びを感じて力づけられる。

世の中がどんなに変わっても、こういう本がそばにあれば、
なんとかやっていけると思う。

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エンデが生前、日本で記者会見をおこなったとき
雑誌の取材のため、その場にいあわせる幸運に恵まれた。
エンデは、世界平和のためにはファンタジーが重要である。
すぐれたファンタジー作品は人の心を救うことができる。
人間にとって、もっとも大切なのは想像力・創造力だといったことを話した。
通訳の解釈、私の記憶力に間違えがなければ、そういうことだったと思う。

すぐれたファンタジーの翻訳本がたくさん出版されていたのである。
にもかかわらず、おそらく「売れない」という理由から
次々に絶版になってしまって、入手しにくい状況はどうだろう。
人が死ぬというのは、大きな図書館が丸ごと焼けてしまうのと同じだと
言ったのは誰だっただろう。
日本語の翻訳版が絶版になり、入手しにくくなるのは、
それと似たようなことではないか。

それらの魅力をもっともっと感じ取り、
人に伝えることを私たちはもっともっとしなければと思うのだ。

私の周囲には、子育てが落ち着いて
そういったことを伝えられる大人たちがたくさんいることを知った。
彼ら彼女たちにどんどんやってもらいたいと思う。

それにしても、本を読む時間がもっと欲しいなあ。
買取本が箱単位で届くと、
送り主の読書傾向が伝わってくる。
ああ、こういう本を日々読んでいる人と
忙しがって本を読めずにいる自分とは
どれほどかけ離れたものになっていくのだろうかと怖くなる。

ファンタジーの世界にどっぷり浸りたい。
忙しすぎると、文字どおり心を亡くしますね。
今の生活、いいのかなという思いはつねにある。
結局そこに戻っちゃうなあ。

●とある本の検索からスタート。うーん、見つけられず。
ご注文メールに「やっと見つけて涙が出そうでした」
「在庫があるかどうか祈るような気持ち」などとコメントをいただくことがある。
素人くさいと言われようが、店をやり続ける以上、
欲しい本を探し求める気持ちを忘れたくない。
忘れられるはずもないが。

●お待たせしていた買取の査定、ようやく1件。
83年の雑誌をめくっていたら、エズラ・ジャック・キーツの追悼記事が。
サンリオの古い雑誌に挿画本の記事が含まれていて、
興味深くパラパラめくる。ああ、ゆっくり読みたい。

●スチール棚を入れるため、トランクルームの採寸を家人に手伝ってもらう。
「よくこんなに運んだね」という言葉に報われた気がしたが、
私が「よくこんなにたくさん家に入っていたよね」と言うと
「絶対、うちには持って帰らないでね」と釘をさされた。

本が山積みすぎて、テーブルの足元も階段も
どこもかしこも本だらけでグチャグチャ、
扉も満足にあけられないという状況が実はかなりイヤだったらしい。
まあ、いってみれば、
未整理の古本屋の店内で食事したり寝たりするようなものでしたから、
数日前まで。
週末もカタカタカタカタ、パソコンに向かいっぱなしで入力している妻。
「ああ、~~しなくちゃあ」とブツブツ独り言が多い妻。
こんな妻の夫って、なんだか気の毒な気がしてきました。
トランクルームを借りたのは、
夫へのお詫びもかねて、ってことにしておきます。

●テレビで竹内栖鳳のねこ絵を見る。
いろいろ知りたくなり、
著作や関連本を何冊かネットで注文。
買えるのだろうか。

28日、注文メールは受け付けておりますが、
基本的にお休みをいただきます。
久々にコクテイルへ。
夕方以降、ご連絡が遅れる場合があります。

26日中に入金確認分は、夜23時現在、すべて発送いたしました。
27日、個別にご連絡を差し上げますが、とりいそぎご連絡まで。
ありがとうございます。

26日は電車で、石井桃子「児童文学の旅」を電車で読む。
若かりしころ渡米。
児童文学にたずさわる人々、重鎮たちと交流したさまが生き生きと描かれている。
人物の観察力、表現力がすぐれ、ひとりひとり、
どんなキャラクターの人なのかよく伝わってくる。
その場に自分がいるかのようだ。

神保町の明治古典会(業者の市)へ。
垂涎ものの品が大量に出品されている。
買いたくても買えるとは限らない。
入札方式なので、最高値を書かないと買うことができないのだ。
4件入札。
たぶんダメだろうなあ…と思いながら、神保町の古書店を見る。
すばらしい。
こういう店が明治古典会で買うんだなあと、
ぜんぜん買えない自分に劣等感。
アンダーグラウンド・ブック・カフェー地下室の古書展Vol.7
(6月4日~7日、東京古書会館 地下ホール)の目録を見る。
すばらしい。自店の貧弱さを認識して、めげる。
地下の「趣味の古書会」展へ。何冊か買う。
各書店の品揃えがすばらしい。
自分で店をやらなくてもいいんじゃないかと、めげる。

最寄の調布駅に戻る。
ずっと探していたものをPARCOで見つけた。
それは何かというと、甕出し紹興酒。
年二度の限定販売だそう。思わず11本購入。
1本は持ち帰りにして、10本は取り置きにしてもらい、
改めて車で取りに行くことにする。

発送を終えて甕出し紹興酒1本を味わう。美味。
そんなことでとたんに元気になるのですから、我ながら単純なものです。
ただのノンベ?

「雨0%予報」は久しぶり? 窓をあけ、洗濯機を2回転させる。
すると、そこにやってきたのは東京ガスさん。
「ガス台の下からガス漏れするケースが多いので
点検にまいりました。1-2分で済みます」と言われる。
とても室内にお入りいただける状況ではなく、あわてて掃除。

勢いづいて、本の整理をしながらあちらこちら掃除する。
5部屋+廊下といたる場所が本の山で、
整理する気力がわかずにいた。
ここ数日だいぶトランクルームに運んだため整理しやすくなり、
ずいぶん効率アップしたと思う。
あら、こんな本があった、また同じ本を買ってしまったなど、気づくことが多数。
未整理の本はまだまだ大量にあるので、
当分は本の整理をしながら日々やっていく感じ。
未整理の山が増えすぎないよう、
量より質の仕入れを心がけ、こまめに更新したいものだ(理想)。

南部古書会館の振り市へ。
「銀座ブックバザール」の目録締め切りが迫ってきたため、
集書に励むべし。

最寄り駅に戻ってきたら、ざーっと雨が降り出した。
本が濡れたら大変。タクシー代を奮発する。
帰宅して知ったのは、目録の締め切りが伸びたこと。
週末をはさんでわずか3日伸びただけだが、それでもずいぶん助かる。

おかげで気持ちにゆとりができて、新着本に着手。
当分こまめにアップしていきたいものです。
買取でお待たせしている方々、お待たせして恐縮です。
順にお返事いたします。

仕事で外出の1日。
農家による路上販売店で、サニーレタス、ラディッシュ、
空豆、きゅうりぬかづけを購入。
空豆は、お客様から教えてもらったとおり
皮ごとグリルで焼いてみたら、中がふんわり。おいしかったです。

ロンドンの古書店から1868年の挿画本が届きました。
メールで問いあわせたところ"Condition is very Good"との返事だったのですが、
届いてみたら、ムレ、ヤブレ、シミ多数…。
が、当時、本を贈った人が書き込んだ献辞がすばらしく、ぐっときてしまう。
家人に見せたら「明治元年、戊辰戦争の時代だよ。
江戸を東京と改称した年だよ。
そのころの本なんだからイタミがあって当然でしょう」と言われる。
むべなるかな。
よくぞこの状態を保っていると思う。
いずれ販売する日がくるかもしれませんが、それまでは大事に愛でることにします。

私には実店舗を切り回す能力はないと思ってきたのですが…。
トランクルームの棚に当店の商品を並べてみて、
壁一面、当店の商品(要するに自分好みの本)っていいかも、
店をやるっていいかもと夢想する。
「自分の店がかわいい」と言う人の気持ちを垣間見たような。
複数の方々からの買取本7箱、無事に届きました。
これほど良い本をお譲りいただけるのであれば
「せーの」で並べてみたい、
実店舗の棚にだーっと並べてみたらどうだろうと夢見ました。
想像するのは自由ですから…。

寺村輝夫さん、さびしいです。

締め切りありの仕事が続いています。
22日は「月曜倶楽部」の目録を印刷所に入稿。
買取本も次々に到着しています。
23日24日あたりに合計7箱、本が届く予定です。
発送いただいた方、ありがとうございます。
23日は出かけなければいけないので、受け取り次第、ご連絡いたします。

それにしても、7箱の中身はどんなでしょう。とっても楽しみ! 
ですが、置き場がかなり必要なので、
海ねこにアップした本をよいしょこらしょとトランクルームに運んでは、
新たな買取本の置き場所をこしらえています。
つい先ほどトランクルームの近くで火事があったらしくヒヤリ。
急いで火災保険をかけなければと思っているところ。
梅雨どきの湿気がどうかも気になります。
次々に新しいことをやるのが好きな私ですが、
次々に自分自身で苦心のタネをまいているような!?
ただタネをまくだけでなく、きちんと育てて、おいしく食べたいものです。

ま、コツコツやっていけば大丈夫でしょう
(映画「かもめ食堂」の小林聡美、よかった)。

4月、買取の問い合わせをいただいていた方から、
着々と本が届いております。
今日もとても良い本が1箱届きまして、ひとりニコニコしております。
読書の趣味が合う方から本をお送りいただけるというのは、
店として幸福のきわみではないかと。
日々、あれやこれやとやることがあって、
ホームページに反映する作業になかなか着手できず。
いずれご紹介していけたらと思います。

ツバメが今年も我が家の軒先にやってきました。
「メダカのおなかが大きいよ。卵を持っているのかも」と家人。
春ですねえ。
では、もう一仕事してから本を読んで休みます。

出先の近くにあった(ブ)で買物。
「ただいま福引を行なっています!」
と元気な声で案内されてトライしたところ、
思い切り大声で「おめでとうございまーす! 3等賞でーす!」と言われる。
おねえさんが立派な金券みたいなものをたくさん渡してくれたので、
"きゃあ、何ー?"と思ったら、50円値引き券10枚でしたー。
飛び上がるほどではないものの、ちょっとニッコリ。
これで運を使い果たしたんじゃないといいなあ。

いろいろやって疲れたので本日は店じまいにします。
無理はしない、楽しく続けるーーこの線でいきたいと思います。
ってことで。
メール対応など、少しお待たせしますが、お許しください。
良い週末を。

朝、買取の本がどさりと届く。買取で2度めのご利用をいただき、ありがたい。

明治古典会(神保町・業者の市)に行くべきか、
五反田展(南部古書会館)に行くべきか。
迷った末、明治古典会に行っても何も買えないことも多いので、
今日のところは五反田へ。
出店している人は大半が顔見知り。
のんきに買いにいったのがどこか恥ずかしく、頭を下げつつ何冊も購入。
均一は相変わらず安いなあ。
こんなに買って2千円ですか。うれしいなあ。皆さんもぜひぜひ。

2階に行き、さらにいろいろ買い込む。2階も安くて良いものがたくさんある。
「小川書店さんでも買いましたよ」と書名を告げたら、
小川書店さん&九曜書房さんに思い切り笑われた。
事情はあまり書けないけれども、しろうとくさくてすみませんってことです。とほほ。
「失敗から学べばいいんだから」と九曜さん。

目録にあった天誠さんの本、欲しかったのだが、
予想どおりすでに注文が入っていた。
文紀堂クンに「悲しいですね」と言われて「悲しい…」としょんぼり。
遠慮しないできちんと応募すればよかったのだ。

それにしても古書展、本を買いにいくのも楽しいが、
出店するのも楽しい。
販売しながらおしゃべりしていて、いいなあ。
今夜は皆、飲み会だろうなと思ったら羨ましくなった。
古書展に出店するのは大変。けれども、その後のビールは格別。
まるで学園祭(体を使うので、どちらかというと体育祭か)のあとの
打ち上げ、みたいなんですよ。

西部古書会館の優良市・下見へ。
帰宅して受注やらメール対応やら。
さて、発送しに出てきます。
帰ってきてから今日届いた本を見るのが楽しみ。

プラハで宿泊したのは、中心部から地下鉄、
さらにバスを乗り継いだところにあるホテル。
プラハ4という地域です。
団地が多い郊外。

地下鉄の駅を降りて、バスはどれなのかキョロキョロおろおろ。
ようやく見つけて、大きな荷物をひきずってバスに乗りこみます。
すると、すぐさま、近くにいたおばさんがチェコ語で何か聞いてきます。
一緒にいた息子さんは英語ができました。
「どこへ行くんですか?」「停留所であと3つ!」「次!」
「あのホテルですよ」と面倒を見てくれます。
ロンドンでも地下鉄の乗り換えや道に迷っているとすぐだれか助けてくれますが、
プラハの人も親切。

ホテルの裏手に数分歩いただけで素敵な渓谷が。
静寂の中に、川のせせらぎ、鳥のさえずり・・・。
犬と、あるいは、赤ちゃんと散歩する人と、ときどきすれ違いました。

(写真はクリックすると大きくしてごらんになれます)

ホテルから渓谷を抜けて、郵便局まで歩いて15分から20分ほど。
あちらこちらで、花が咲き乱れていました。

前にプラハを訪れたのは、2004年秋。
そのときは紅葉がみごとでした。
今回はタンポポや桜が咲き、新緑と陽射しが大変美しい季節。
日中は汗ばむほどの陽気で、初夏を感じさせました。

↓郵便局前の広場。

大きくしてごらんになるとわかりますか。
団地のベランダにイスを置いて、くつろげるようにしているお宅も多かったです。
次の写真、右手のほうで犬が2匹、のぞいています。

次の写真はよくわからないと思いますが、ねこを飼っているお宅。
ねこがいたので見ていたところ、じーっと鳥を狙っていました。
私に気づいたねこが逃げ込んだのが1階のこの部屋。
壁の一角に穴をあけてあり、ねこが上り下りしやすいように台が置いてあります。
どんな人が住んでいるんでしょう。

プラハは市のセンター部に宿泊するのもよいですが、
ちょっと郊外に滞在するのもお薦め。
地下鉄やバス、トラムが整備されているので便利だし、
人々の暮しに触れられるようで、楽しい。
市の中心より、ホテル代はずっと安いです。
ロンドンと同じぐらい出せば、何十倍も広い部屋に泊まれます。
リビング、ベッドルームと2ルーム、いずれもゆったり。
ひとりで泊まるには、ムダすぎるぐらい広かった。

難点は、団体客が多くて、朝食のときテーブルの争奪戦が激しかったこと。
郵便局が遠かったこと。
絵本をめいっぱい詰めた大箱20キロ以上を
アップダウンの道を経て運んだときは
なんで古本屋になったのだろうかと泣きそう。
キャリーがあってもしんどいしんどい。
郊外の郵便局には、外国人など来ないのでしょう。
送るための用紙にはチェコ語とスロヴァキア語(らしきもの)しか書いてありません。
郵便局員さんはまったく英語を話さず。用紙を書くのに一苦労。

今回は、プラハに2泊。
まわった古書店は6軒。
初めて入った古書店が2軒。そのうち1軒は、ここ↓
道を間違えて、偶然見つけた店。
アドルフ・ボーン、ヘレナ・ズマトリーコヴァ、トゥルンカほか。
本の状態が極めて良く、値段は手ごろ。
会計をしたら、1冊ずつPC入力。
もらったレシートには書名、値段がきちんと打ち出されていました。
在庫管理がこれほどしっかりしている店は、プラハで初めて。

本のストックは、丈夫なバナナの箱に入れて置かれていました。
天井と並行に渡した板の上に箱が山積み。
さらに、書棚の下にも置かれていました。
店の人は感じがよく、きちんとした良い店。また行きたい。

今回は、おなじみの作家ばかりでなく、
アート色の強いイカした絵本もいろいろ購入。
チェコ絵本の世界は、とめどなく幅広く、奥行きが深いようです。

一昨年も行ったヨゼフの店へ行ってみました。
店の前は、このような公園↓
花が咲き乱れて、なんて美しい。

「前に来たとき、アドルフ・ザブランスキーを買いました」と言うと、
「ザブランスキー! そこに原画がありますよ」と店主さん。
壁に貼ってありました。

値段を聞いてみたら、すぐさま購入できる額ではないので、ちょっと考え込む。
「写真を撮っていいですか」と聞いたらOK。
高いところに貼ってあったので、背の低い私が撮影に苦心。
どうにか撮影したのが次の写真。

店に遊びにきていた店主の友達が
見るに見かねたのか、撮影を手伝ってくれることに。
ヨゼフは彼のことを" tall man"と、おかしそうに紹介。
身長2メートル近く?
Mr.tall manが近くから撮影してくれたのが、次の写真。
私が撮影したよりは、ずっと近寄れているでしょう?

Tall manの正体は、マリオネットのアーティストらしいです。
名刺をもらったので、
帰国してウェブサイトを見てみたら,、
かなりアーティスティックなマリオネットでした。おもしろい。
このウェブサイト、英文もありますので、ぜひ見てみてください。
彼の幼少時の写真がまた、いい感じ。

ザブランスキーのリトグラフのポスターがあるから、
ぜひ見てほしいと案内されたのはアトリエ。
ふたり乗ればもういっぱいの木製エレベーターでガタゴトと
店がある建物の最上階へ。
ガラスの扉を開くと、何世帯かで共同で使っているフロアー。
ヨゼフのアトリエにはベランダがついています。
眺めがいいのがご自慢でした。

リトグラフのポスターは私の身長ほどの大判。
なるほど素敵です。
なんでも、出版社のイベントか何かのときのものらしい。
「出版社」という英単語が思い出せず、苦心していたヨゼフ。
「すばらしい。だけど、原画のほうが好きかな」と言ったら、
「店にあるもの以外にも自宅にあるので、
明日持ってきますよ。
店は11時から18時までだから絶対来なさいね」と。
メモ用紙に「11」と書いてくれたのですが、
チェコ人の数字の書きかた、日本人とちょっと違うのです。
とくにクセがあるのが「1」「4」「7」など。
「Eleven o’clock?」と念押ししたら、
「11」「12」「13」「14」「15」「16」「17」「18」と数字をすべて
わざわざメモ用紙に書き付けて豪快に笑っていました。
とにかくひょうきん。愉快な人です。

商売上手のヨゼフに薦められて、あれこれ買った一部が、次の写真。
下にある2冊のうち、右が店頭で見つけて高かったけれども
思い切って買った本。
「同じ作家の本ですよ」と薦められたのが左。
上・左は「ザブランスキーの作品集だよ。これはすばらしいから」と
薦められて購入。
ひとつ好きだとわかると、次から次へと関連の本を出してきて
本当に薦め上手です。やり手だなあ。
その本のおかげで、ザブランスキーが絵本ばかりでなく、
共産政権時代、プロパガンダ色が強いポスターを描いていたことを知りました。

プラハ最終日、以前にも行った
ねこが店番をする古本屋へ。
女店主によるショーウインドウのディスプレイがかわいい。
店内には、手前のほうには古レコードもたくさん売っていて、
ジャズがかかっています。

奥のほうにはアート本。レジ脇には絵本が。
すでに1箱、郵送ズミで送料が安くないことを承知していたので、
もう手荷物にできる量しか買わないつもりでした。
ところが、棚を見始めたら、前回同様、欲しい絵本が次々に…。
クヴィエタ・パツォウスカーを見ていたら、
「こっちにもたくさんありますよ」と箱ごとどさりと出してきて、
あらあら、パツォウスカーがたくさん。
私はオタ・ヤネチェクが好きなので聞くと、即座に何冊か出してみせます。
ほかにも、彼女の趣味の良さが伝わって来るようなセレクト。
思わず、どうやって仕入れているのか知りたくて
「だれかから買ったのですか(買い取ったんですか、と聞きたかった)」と聞いてしまう。

わあああ、買います買いますー。
送れるかどうか聞くと
「郵便局があります。トラムで1駅です」と
私の地図を開いて、場所を書き込んでくれます。
自分で送ってきてくださいっていうことです。
店の奥からごそごそ探し出してきたのは、
ペナペナの箱(下の写真にうつっています)。
厚紙を切ってフタを作って、
日本では信じられないほどささっ、ぱぱっと本を詰めこんでいました。

古いチャペック、古いトゥルンカは、同じ本でも
年代の違う版、出版社の違うものを何冊か揃えていました。
値段が違う理由については、この出版社は~年になくなったからと
印刷物を調べながら明解に説明。

プラハで人気の絵本作家と、日本で人気の絵本作家と
多少異なるようですね。
ヤン・クドゥラーチェクは新刊が新刊書店にずらりと飾られていましたが、
今回、古書店では見つけられませんでした。
パレチェクは1冊だけ。
ミルコ・ハナークにいたっては、今回はまったく見ませんでした。
女店主に聞いてみたのですが、
私の発音が悪いせいかどうか、彼女はよく知らないようでした。

「もう手持ちがポンドしかないのだけど、ポンドで支払えますか」と聞くと
銀行で両替してくればいいとのこと。
結局、トラムで銀行まで行って両替して戻ったのでした。
そして、箱詰めしてもらった絵本に
新たに買った絵本を加えて、徒歩とトラムで郵便局へ運びました。
はあ、本は重い。しんどー。汗だっくだく。

1箱送り終えて戻ると、心配そうに店の前で待っていた店主。
私の戻るのが遅いと思ったのか、
食事に行きたかったのか、用があったのか、ちょっと悪かったかな。
ねこの絵入り名刺を渡して「ねこ、大好き」と言うと、
商売ヌキと思われる笑顔でにっこり。受けたようでよかったです。
繁華街からちょっと離れているのですが、
客足が途絶える時間は少なく、はやっているようでした。さすが!

空港へ運ぶ荷物の重さに
一昨年立ち寄った店1軒は断念。

「明日来なさいね」と言われていたので、またヨゼフの店へ。
ザブランスキーの原画を3枚、見せてもらう。
1枚は絵本の表紙だが、入稿前の何段階か前のもの?
迷った末、3枚のうちもっとも大きな原画を1枚購入。
少年、そして、清流を泳ぐ魚、水辺のカワセミなど、
ひじょうに丁寧に描かれています。
裏にラフ・スケッチがあり、
ねこの絵柄があったのも気に入って。

ヨゼフはチャペック本のコレクターでもあり、
来年、展覧会があるので日本に行くと話していました。
"ハイ、ヨゼフってメールくださいね"と別れ際に言うヨゼフ。

ああ、もう空港に行かなくちゃ。
ところが、雨。原画が濡れたら大変!
重い荷物に苦戦しながら急いで店に戻ると、
大きなビニール袋があいにく切れているという。
店にあった最大の袋を切ってつなぎあわせてテープどめして
持たせてくれたのでした。
雨の中、地下鉄で空港へ。
その晩にはロンドン着。

予約していたつもりの安宿にたどりついたら
部屋がとれていないと言われて、
やむなく、アールズコートの線路づたいのホテルをしらみつぶしに探す。
線路沿いならあいているのでは、というヨミのもと。

相変わらずの珍道中でしたが、
ロンドンもプラハも良いところ。
季節が異なると、景色がまったく違う。
同じ店でも、二度目に行くと、商品がまったく違う。
何度も通って、いろいろ買ってこそ、店の人との距離も近くなる気がします。
帰ってきてしばらくたった今、むしょうに懐かしい。
ぜひまた行きたいです。

本の置き場に関する問題はたえず店主を悩ませてきたのだが、
とうとう動くことにした。
いっそ近所に店舗スペースを借りて夜だけ、
あるいは週末だけオープンにしようかとも思ったが、
今の経営状態で家賃・光熱費・ネット環境ほか
経費を捻出することは困難。
小さな小さなトランクルームを借りることにした。

思えば、3年間、よくぞ狭い我が家だけでもちこたえてきたものだと思う。
それだけ在庫が少なかったということだろう。

借りる気持ちになった決定打は、
トランクルームがもともととある会社の倉庫だったため、
壁面一面分、可動式の棚がついていたこと、
きちんと空調設備があること、盗難・火災センサーがあること。

倉庫のためにお金を使うぐらいならその分、仕入れにまわしたいと思ってきたが、
必要経費かなと。
ひとり暮しならともかく、家族がいる家庭で
廊下も玄関もリビングも寝室も…
いたる部屋、海ねこの売り物だらけとなりつつあるのはねえ。

足の踏み場もなく、整理をするスペースさえなくなりつつある。
買取の本を近々また何箱かお送りいただく予定だが、
一体どこに置けばいいのかと。
仕分けするスペースさえなくなりつつある。
ねこが本を傷めないよう、かたっぱしにアクリルケースに入れているのも
本を整理しにくい要因となっていた。

今後、理想としては、家族と過ごす居住空間には売り物は置かず、
オンとオフを切り替えられるようにしたい。
更新した本は空調設備のあるトランクルームに運び、
分類整理して、きちんと保管できるようにしたい。
理想どおりにいくかどうかはやってみないとわからないこと。
最低限、トランクルームに本をどさどさっと入れっぱなしで
未整理のままとならないよう自戒しております。

トランクルームの中にスチール棚を足したい。
市場にスチール棚が出たら、ぜひ買いたい。
古書店が、これほど本の整理・分類に時間をかけなくてはならないとは
まったく知らなんだなあ。
経費が増えるということは、働かなくちゃということでもある。
ふーん。皆さん、お互い大変ですよねえ。お元気ですかあ?

ささやかな望み。眠る前の数時間、ゆっくり飲みながら本を読みたい。
読むことにしよう。
その前に、買取の査定をしないとね。
目録の締め切りも迫ってきたのに、どうしようか。
さて、もう一仕事。

ひとつ仕事を終え、開放感も手伝って新着本をアップ。
お待たせしてしまいました。

16日は洋書会の大市へ。
大変すばらしい洋書絵本、ロシアバレエの本など眼福でしたが、ちっとも買えず。
もう帰ろうと思ったところ、最終台に鎮座していた本に仰天。
挿画展で1ページだけ展示されていて、憧れた本。
保護用の帙に入っていたので、はじめ気づかず。
あやうく見落とすところだった。

私が尊敬する店の人など、本当に時間をかけて、
ひとつひとつよく見ている。
手にとって中ページまで見られるのが、入札市のありがたいところ。
その本の中ページまですべて、初めて見た。

清水の舞台から飛び降りる気分で入札。
が、夕方まで時間をつぶして戻ってみたところ、
待っていたのは絶望の2文字。
1冊何万もする本を山積みにするほど買う書店に
一体どうやって太刀打ちするのか。

しかし、私の中の"魔物"が覚醒。
帰宅後、海外など探しまくったのでした。
なければないほど燃えてしまうのが不思議。
彼女に猛烈アタックする男って、こんな気分なのかなあ。

南部古書会館の入札会へ行ったところ、
南部の方、何人もに心配されていたことに気づく。
「大丈夫ですか? すごく大変そうですが」
「日記も休んでるみたいですけれど、どうかしたんですか」
「もう店やめちゃうのかと思った」とまで言われて、
ええーーっ? 私のほうが驚いてしまった。
っていうか、そんなに読んでくださっているなんて
ネット社会ってすごいなあと思います。
そういえば、初めてご利用いただくお客様が
私のことをとてもよくご存知でいらして、しばしば驚きます。
自分であれこれ書いているくせにね。

突然、休みますなどと書いたがために、
かえってご心配をおかけすることとになってしまい、
申し訳ありませんでした。
いたって元気ですので、ご安心ください。

これまでも海ねこ、あれやこれやの事情により、
ときどき新着本を休んだ時期がありました。
長く店を利用してくださっている方ならご存知と思いますが、
半月ほど休んでいた時期もあったのでは?
それでも、またご利用くださるお客様に感謝しておりました。

ちょっと、店のやりかたを考える時期がきているのかなとは思っています。
本の置き場がどんどん足りなくなり、
リビングも寝室も廊下も、どこもかしこも商売道具だらけ。
起きればすぐパソコンに向かい、眠る直前までパソコンに向かったまま。
一日中、メール対応やら発送やらが気になり、
ブログに書く内容も始終気にして、
外にいても自宅にいても
落ち着ける瞬間がなくなりつつありました。
遊びにいくお誘いをいただいても、
ああ、新着本やらなくちゃーと思うと断わったりして、
気がついたら、いつしか
♪24時間、闘えますかー(古いっ)みたいな。

オープンして3年、とにかくがむしゃらに
頑張ってくる必要はあったのだと思います。
ただ、要領が悪いので、力加減の調節が苦手。
このままでは、ひとりで店を続けていくのは
精神的にも肉体的にも無理ではないかと気づきました。

今日、小川書店さんにも言われたのですが、
「買取の仕方にしても、
持ち込んでもらえるスペースを作るとか考えたほうがいいですよ」と。
いつも周囲に適切な助言ができる小川書店さん。
ネットで買取って一見よさそうですが、実はよい面ばかりでもないです。
店舗だったら、お客さんが本を持ち込んでくれて、
ぱぱっと見れば本の状態・内容などだいたいはつかめると思いますし、
その場で値段もお客さんに伝えやすいと思いますが、
ネットだとそうはいきません。
お客様とことこまかにやりとりを重ねていく必要があり
(うちはそうしてきたつもり)、お客様も書店側も楽ではないですね。
新着本の更新にも、うちの場合、あの程度ですが、
なぜかむやみに時間がかかります。
最初素敵でも、じきに更新が減っていくサイトは多いですから、
やはり、皆さん、更新はそう楽ではないのでしょう。
海ねこは「1冊1冊、丁寧に説明があるのがいいと思います」
というお声をいただき、
豚もオダてれば木にのぼる? 必死にやってきたつもりでしたが、
気がついてみれば時間がかかりすぎて、オーバーフローぎみでした。
毎日、大変大変と書きすぎて、皆さんまで
息苦しい気分に巻き込んでいたのでは? 情けねえですたい。

とりあえず、しばらく目録の準備もありますので、
新着本を休みますが、
目録の出る時期にあわせて海ねこサイトでも紹介したいと思っています。
新着本を再開する日も遠くないと思いますので、
どうぞ、ゆるりと見守ってやってくださいませ。
ご心配をおかけしました。

メールをくださっても、なかなかお返事できないときが多々ありますが、
どうかお許しください。
「書かなくちゃ書かなくちゃ」と思うと、かえって逆効果みたいです。
ブログも私の性格だと「書かなければ!」とはりきりすぎて
自分で勝手に疲れてしまうので、毎日書かなくてもご心配なく。
日本人はすぐ「頑張ってね!」と口にしますが、
皆それぞれ、すでに充分、頑張っているんですよね。
ガイジンさんふうに"Take It Easy!"ってのもいいのでは?
それがもっとも必要なのは、私自身なのかも、ね。
余裕を持って素敵に、とはいかないものか、自分。

では、いつかまた。See You!

少々立て込んできてしまいました。
誠に勝手ながら、「古本 海ねこ」、少し休みをいただきます。
日記も休みます。
ご注文の受付、発送(土日祝日はのぞく)、
すでにお約束している買取の対応は通常どおりです。
ご迷惑をおかけいたします。

体調がいまいち。といってもご心配なく。
昨夜ワインが進みすぎてしまったため。
情けないなあ。オヤジのような私です。

家人の帰宅を待って、近くにできた温泉「鷹場の湯」へ。
古材木を組み上げた高さ8メートルの湯殿。
入浴料2250円(岩盤浴500円)と安くはないが、
ゆったり落ち着いていて、なかなかよかった。
岩盤浴を初体験。
はじめは気持ちよく、次第に熱くて熱くて苦しくなる。
想像していたよりずっとハード。
私以外の女性は、20分ほどで退出していた。
ひとりだけ30分ぎりぎりまで頑張ったら汗だく。
かなり運動したあとのようにぐったり。よく眠れそう。
そういえば、南部古書会館の近くに
女性専用の岩盤浴ができるようだ。
気分転換にはいいかもしれないが、
仕事の途中だと、眠くなりそうだなあ。

明日からまた頑張ります。
買取の対応をお待ちいただいている方、
ようやく皆様の対応が進みつつあり、
まだお待たせしている方も、あともう少しだけお待ちください。
今日はお客様からすばらしい郵便物が届きました。
ありがたいことです。

いつも店主がお世話になってます。海ねこんちのねこです。

うちの店主は、いつでも忙しがっている。
「忙しい忙しい」と言いながら、ぐーがー、よく寝る。
ダンナに「今日中に洗濯しないと、その後天気が崩れるらしい」と
おどされて洗濯物を干して出かけたところ、みごとに雨。
洗濯物はすっかりズブ濡れだ。バカだねえ。

さて、店主は今日、僕を散歩させたあと車で出かけていった。
なんでも神保町できのう買った本を引き取りにいったらしい。
買ったうちの1冊に書き込みが何箇所か見つかって、
あいにく売り物にならない。
組合の係の人に相談しにいったらしい。
有名な女流作家の詩集だが、傍線をひいて
「あっ!!」と書いてあったりする。
「何をどう『あっ!!』と思ったんでしょうねえ。
この書き込みした人の気持ち、知りたいですねえ」
と係のおねえさんが言ったのがおもしろかったらしい。
「本当おもしろいんだけどねえ(笑)!
ただ、自分の本だったらいいんだけど…、
売り物にするにはちょっとつらいからなあ」と答えたらしい。

そのあと、注文本をとりに五反田・南部古書会館のロッカーへ行って、
市に出す本を束ねて束ねて束ねて帰ってきたという。

「疲れた」といいながらメシをばくばく食べていた。
22時半現在、「さあ、発送しなくちゃあ。
ああ、今日こそ新着本やりたかったのに」とつぶやいている。
買取の対応、さっさとやんな、と、ねこでも思う。(のんきなねこより)

♪ああ、どうもー。
あ、さてー、海ねこ、登場いたしました。
海ねこが構ってやれないものですから、ねこら勝手に爆走。
家人とともにようやく夢の世界へ。
夜は、海ねこの独擅場(どくせんじょう。NHKアナウンサーも間違っていますが、
正確にはそう読みます)でございます。いえい!
(朝&午前はまったくダメ)

深夜、発送を終えて戻ったところに、
吉祥寺「のろ」で飲んで帰ってきた家人が帰宅。
「のろ」ご主人・加藤幸和さんといろいろ話して帰ってきた。
もちろん、高田渡のことも。

加藤幸和さん特集の「ぐるり」2006年2月号、
そして、
書肆アクセスで人気のため品切れだった「ぐるり」2006年4月、
特集・岡崎武志の号を買ってきた。

岡崎武志さんが話している内容で
「嬉しかったですよ。毎日高円寺、起きたら。
目が覚めたら「ああ、ここ高円寺や!」って思ってね」という感じ、
ひじょうによくわかる気がした。
下駄屋で、高田渡を取材して、途中で彼が寝てしまったという話、
光景が目に浮かぶようです。
下駄屋といえば、しじゅう通っていたので思い出ありすぎ。
のろで高田渡が酔っていた姿も記憶に新しい。
もちろん、ライブで歌っていた姿も記憶にとても新しいですが。

最近、私は、沼辺信一さん(「幻のロシア絵本 1920-30年代展」監修者)
が語っていた言葉をよく思い出します。
沼辺さんは、ご自身のお言葉を勝手に引用されるのが
お好きではないかもしれません。
意味合いが違っていたら申し訳ありませんとお詫びするばかりですが、
「生きてきた人は必ず、どこかに足跡を残すのです。
探せば必ず見つかる」という言葉、よく思い出します。
このあと「だれもが研究者になれる」という言葉が続きます。
沼辺さん自身のお話をお聞きになりたい方はチャンス。
6月11日、西荻窪でトークショーがあります。
詳細は「西荻ブックマーク」のホームページをごらんください。
私も行きます。
沼辺さん、荻窪あたりにはずいぶん思い出がおありのようですので、
いつかそういったお話も聞きたいです、おもしろいんですよ。
限られた時間で荻窪ライブハウス話までは難しいようでしたら、
続きは、ぜひまた次の機会に! ああ、楽しみです。

ほかには雑誌「coyote」の2005年5月号
「書籍商・松浦弥太郎、ロサンゼルスに立つ」が
おもしろい。ワインを飲みながら、ぱらぱらめくる。
「coyote」初めて見ましたが、なかなか良さそうな雑誌ですね。

5月7日
相変わらず午後半ばまで調子が出ない。
本を整理しながら、目録用の本を探す。
連休あけに到着希望の方々に発送する。

4月から今なお、連日、買取のご希望が多い。
資金、置き場所、腰痛…これらの問題からは離れられないようです。
サボっているわけではないのに、いまだに買取やメールの返事を
お待ちいただいている方々、申し訳ありません。
杓子定規でなく、何か少しでも書き添えようと思うと、なかなか進みません。
要領の悪い自分を雲隠れさせたくなります。
順に対応しておりますので、少々お待ちいただけますとありがたいです。
お力添えくださる方に感謝を、そして、至らない点、お詫びを申し上げます。

キャパがないくせに目録2つ分の締め切りを抱えてしまいました。
しかし、次回からは目録内容をHPにも掲載したいと思います。
目録をごらんになる方は当店HPで画像をごらんいただき、
当店HPをごらんになる方には目録分も見られるという方向に持っていきたいなと。
日々、集書に励みます。
希少本の買取、今がチャンスかも。
頑張って対応しますので、よろしかったらメールください。

5月8日
業者の市(中央市会)へ。
開封の1時半ごろから終わりごろまで粘って、
欲しい本がないかどうかよく見ていく。
いつもは時間が惜しいので3階でぱぱっと買って、
4階はさっと見て帰宅する。
今日は4階で買ったもののほうが多い。
背文字の薄れている本など、
紐をといて表紙をめくってみて
"ああ、この作家の本だったのか。見落とすところだった"
と何度も思った。
ふだん、どれほどたくさん見逃していることだろうかと思う。

もっとも、今日もすでに開封が済んだ本で
「あ、これ欲しかったのに! しまったー!!」
と気づいた本が。
S書店がお買い上げ。
くぅー…、地団太踏む思い。
未練がましく表紙や背を目に焼き付けて、
次回はきっと買うぞと思う。
買いたくても買えなかった本も多いが、まあまあ買った。
量が多いので、日を改めて車でとりにいくことにする。

帰りが遅くなり、本日分の発送をどうにか終える。
無事、届きますように。
ねこらと遊んで、さあ、これから受注メールを書いて、
もう寝なくちゃあ。

5月6日。
なぜだかダルくて、夕方まで調子が出ない。
ブックバザール総会の予定だったが、延期になったそう。
私としては助かった。

そばとそば湯で元気になる。
清算など済ませて、玉川高島屋「ぐりとぐらのともだちあつまれ!」
福音館書店「こどものとも」絵本の世界展へ。
「私は日本の子どもたちに色の少ない簡素な美しさを知ってほしい」
という赤羽末吉さんの言葉、墨絵的要素を盛り込んだ「かさじぞう」がよかった。

日本の昔話、児童書の類がなかなか売れないとは
周囲からも、よく聞こえてくる声。
売れ行きを考えると、当店の商品も、
どうしても翻訳ものに偏りがち。
その点、「こどものとも」は世界各国のお話ーー
欧米からアジアからマイノリティーの人々の民話までまんべんなく取り上げ、
日本の昔話も大事に扱ってきたところがすごいと思う。
大人の偏見・先入観をとっぱらえば、
子どもにとっておもしろいものってたくさんたくさんあるのだろう。
そこをわかっている大人が手抜きをせずに
夢中でこしらえてきたさまに打たれる。

「昔話には知恵のエッセンスのようなもの、
美の珠玉のようなものがあって、子どもには
それがよくわかっておもしろいのだから、
一国の財宝として、それをみがきあげて残していくことが大切なのです」(瀬田貞二)

松居直さんはじめ、編集者たちが
さまざまな作家・画家・識者の声をきちんと取り入れてきたさまが
誌面によく反映されていると思う。
はじめのうち、なかなか売れなかったらしい。
幼稚園関係者からは「子どもの本って赤っぽいでしょう」と言われたとか。
なにしろ創刊号の表紙は、シックな黒ベース。
勇気ある大人たちがいたものである。
社内でも、採算がとれないので休刊を迫る声もあったらしい。
それでも、なんとか続けようと踏ん張ってきて、今日に至っている。
大人たちが「なんだこれ?」と首をかしげるようなアーティスティックな作品も
積極的に絵本化し、子どもたちの人気を獲得。

そんな「こどものとも」づくりの姿勢にひかれて
一流の作家・画家たちがふるって参加。
皆が全力で子どものための一流の本を作ろう! と精魂を傾けてきた。
それは、子どもたちのためだけでなく、
とりもなおさず、自分たちのためでもあったのでしょう。
大正・昭和の絵本・児童書に見られるような
志の高さが感じられるので、好きです。

会場には、「ぐりとぐら」の歌がリピートで鳴り響いていました。
ぐりとぐらの原型は、「母の友」63年6月号に掲載された
「たまご」という3ページのお話。
「ぐりとぐらとすみれちゃん」のラフスケッチが展示され、
「うさぎ、小<くま≒すみれ≒きつね りす≒ぐりとぐら」など
大きさの微妙な変更を書き込んだ山脇百合子さんの鉛筆書きが。
キメ細やかな心づかい、精魂使い果たすほどの努力が裏にあってこそ、
質の高い絵本となって結実しているのでしょう。

スズキコージさんのライブペインティングによる絵に
引き寄せられ、しばし見入りました。

帰りにブックオフで買物。
目録にのせられそうな本がブックオフにあるわけがないと
思ったら、たまたま1冊発見。雨が降ってきました。

5日4日、早くも旅先から2箱、本が届いた。
エコノミーで送ったのになんという速さ。驚いた。
5月5日も朝から本が1箱届く。作家のEさんから。
以前、お世話になったとき不要本があったら
買い取りますとお伝えして着払い伝票をお渡ししたのだ。
本に走り書きしたメモが添えてあった。
差し上げるから好きにしていいよ、という内容なのだが、
こちらに負担にならないようお気遣いいただき、
ユーモア交じりでシャレた何行か。
さすが作家だなあ。
Eさん、お元気そうで何よりです。懐かしいです。

明治古典会かと勘違いして古書会館へ。
あらら、休みでした。ぐろりや会をのぞき、本を買い込む。
以前、明治古典会で買ったものに関して相談したところ、
木鶏堂書店さんが丁寧に対応してくださった。

注文本が南部のロッカーに入ったものだったので南部古書会館へ。
ついでに振り市に出す本を少し束ねてくる。

さて、家人と待ち合わせて映画「かもめ食堂」、ようやく観ました。
評判は聞いていたが、しみじみと良い映画だった。
大事件が次々、起こるわけでもないのに、ちっとも退屈しない。
「人にはそれぞれ事情がありますから」とさらりと言いながら、
「事情」の描写はきわめて抑え目。
観る人の想像にゆだねるといったスタンス。
が、けっしてだれも幸福に満ち溢れているわけではない
様子は伝わってくる。

かもめ食堂もはじめ、ぜんぜんお客さんが来ない。
「でもね、毎日しっかりやることをやっていれば、
たぶん大丈夫じゃないかなあって」と、
まっすぐな笑顔で語る小林聡美。
毎日、グラスを丁寧に磨きあげ、
店をきれいに保ち、コーヒーを丁寧に入れる。
店のあと、プールで泳ぎ、夜は子供のころから続けてきた
合気道の構え?をして、心身ともに鍛える。

片桐はいりの影響もあり、新メニューを考案。
店の前を通り過ぎて噂するばかりだったおばさんたち3人、
焼きたてのシナモンロールの良い香りにひきつけられて、
店に入ってきたときは、
映画を観ている側まで「やったー!」と思う。
これから観る人のために、あまり書き過ぎてはいけないですね。

淡々としていながら、あたたかみがあった。
音楽もよかった。映像もきれい。
海辺でねこを抱いて散歩する男性、
毎日タダコーヒーを飲みにくる日本びいきの若者、
夫に逃げられてアル中になりそうだった女性、
ランチを食べにくるようになるフィンランド人たち・・・、
皆、よかった。

堀越絹衣さんスタイリングの衣裳も素敵。
もっともっと長く観たいと思う映画は久々だった。
ヘルシンキは、私から見るとチェコの光景と似ていた。
海辺が良い感じ。街並もいいなあ。行ってみたい。

あとで、家人に
「あの映画は、ある程度年齢を重ねて
少しでも苦心を知っている女性だったら、
きっとわかるわかるって思うよね」と言ったら、
家人も「男だって、そうだよ」と。
人それぞれ事情があり、けっして平坦な人生じゃないけれど、
それでも、日々ちゃんとやっていこう、
楽しくやっていこう、と。
当たり前のことを、感じよく描いていた。
好きだったのは、登場人物それぞれ、
仲良くなってもきちんと敬語を使いあっていた点。
助け合うけれど、ベッタリ依存しあうのではない。
互いに敬意を抱きながらも、
ひとりひとり自分の足で立っているのが気持ちよかった。
なかなかできないからこそ、映画になるのかな。

なんといっても、もたいまさこの存在感が圧倒的。
小林聡美、大好きになった。
いかにも普通にいそうな女性を普通に演じてみせた片桐はいり、
とても難しかっただろう。すごいなと思った。
「片桐はいりは、やっぱりさびしがりの役が多い」と家人。

観た人、いかがでしたか? また、これから観る人、いかがでしょう?

じっくり書くと1週間ぐらい平気で書き続けてしまいそう。
業務に差し障りがありますので、できるだけ手短にと思ったのですが、
結局、長くなりました。
推敲の時間がないので、書きなぐり状態です。
乱文にて失礼します。ご興味とお時間のある方は、どうぞ。
文字が小さくて読みにくい場合、ウインドウズでしたら
「表示」のところをクリック。フォントを大きくしてごらんになれるかと存じます。


●4月20日(木曜)

乱気流で飛行機が揺れまくるが、朝早かったので爆睡。
隣の席には、バーミンガムで電子工学を学んでいる女子学生(日本人)。
咳がすごく出たので、うるさかったことと思う。申し訳なかった。
15時半、ロンドン ヒースロー空港着。
ロンドンに行ったのは、おそらく15年ぶり?ぐらい。
前回は、美術館、ポートベロー、カムデンマーケット、
バース、ストラットフォード・アポン・エイボンなど旅してからパリへ移動。
途中で友人らと合流。古書店とはまったく無縁の旅だった。

ロンドンに到着したものの、長時間の飛行機でへとへとである。
電車の窓から、家々に煙突がにょきにょき建っていること、
バックヤードが見えるのが印象的。
葉桜、エニシダというのか? 黄色い花の群生が見える。
前に訪れたのは冬だった。
明るいロンドン! まったく印象が異なる。

45分でEarl's Court着。
地図を片手に、ホテルへようやくたどりつく。
部屋は301号室。日本でいう1階はグランドフロアなので、
301号というと実質4階にあたる。
安宿なのでエレベーターはなく、階段が狭い。
読書用にたくさん本を持っていったので持ち上げるのが難儀。
はあはあー。途中で何度か休まないとのぼりきれない。息が切れる。

セーフティーボックスを使わせてもらおうとしたら、
5ポンドと聞かされてビックリ。
ロンドン通の友人に「物価が高いけどビックリしないでね」と
言われていたが、早速、洗礼を受けた。
ひとり旅だと、お金をとられたら、お手上げ。
預けるのをやめて、パスポート、帰りの航空券、
現金をつねに持ち歩く決意を固める。
しかし、ずっとずっと貴重品を肌身離さず持っているって、緊張して疲れる。
地下鉄、乗り換えで方向を間違える。また間違える。さっそく珍道中だ。

もう古書店はどこも閉まっている時間。
新刊の大型書店「Foyles」は確か9時までやっているので、そこへ向かう。
旅に出たら、まず新刊書店で情報収集。
地図や古書店情報の本を購入する。


●4月21日(金曜)

駅近くのマクドナルドにPCがあって、
1ポンドで1時間まで使える(1週間以内有効)。
その後、ネットカフェ2軒も使ったが、だいたい30分1ポンド。
どこの店でも、ソフトを使えば日本語は読めるが、
日本語を打ち込むことはできない。
ローマ字を使って、家に無事を報告する。

朝9時半ごろ開いている古書店はなかなかない。
歩いていける距離に休日は終日営業、
平日は朝9時半から10時半のみ営業という古書店が
あるようなので、立ち寄ってみることにした。
早めに行って待つ。9時半を回っても10分たっても店の人が来ない。
もう帰ろうかと思ったころ、店の店主らしき女性がやってきて
「電車が遅れてしまって~」みたいなことを何度も言う。

↓写真はいずれも、クリックすると大きくなります。

どこの古書店でも、たいてい"Children's Book"コーナーがある。
1849年の古いグリム、挿絵を描いているのがだれか聞いてみた。
「ドイツ語なので、わかりません」と言われる。
その場に居合わせた男性客に聞いてみてくれるが、やはりわからないそう。
別のグリム挿画本も薦められるが、初志貫徹で、ドイツ語版を購入。
ほかにもう1冊。額縁に入った絵も買う。
3点購入。
何冊も値段を見たので、古書の値段の相場を知ることができた。
良いものは高いなあ、というのが率直な印象。

日本を出る時点では、ロンドンの郊外を回るか、
あるいは、ユーロスターでパリに行くのもいいかも、と思っていた。
が、パリも物価は安くないだろう。
プラハにも行きたかったが、ぎりぎりに手配したので、
日本で手ごろな値段のチケットがとれなかった。
ロンドンとプラハ両方に行ける航空会社もあるのだが、
混みすぎていて、キャンセル待ちにさえできなかった。

そこで、Earl's Courtに戻って旅行代理店へ。
プラハ行きのチケットがとれるかどうか相談する。
ホテルつきでなくてもいいと言ってみたら、
ホテル込みでないと飛行機代が高くなるそう。やむなくホテルもとってもらう。
プラハ中心部のホテルはどこも満杯。ま
ったく土地勘がない郊外に宿泊することになった。Prague4という地域。
ロンドンープラハの飛行機往復とホテル2泊で5万5千円ぐらい。
安くない。が、日本から渡欧する移動時間の長さを考えると、
そうしばしば来られるわけではない。お金を使ってでも行きたいところに行きたい。

最初は、BGMにのせて鼻歌まじりに作業していた女性社員だったが、
PCの動きが遅くて遅くて、うめき始める。頭を抱え込む。
ようやく万事完了となったのは、昼ごろ。

腹ごしらえをして、まず向かったのは、
当店がお世話になっているNさんお薦めの地域・店。
いちばん目当てだった店は昼食休憩だかで閉まっていたので、
すぐ近くのRare Booksの店へ。

ねこ本コーナーがあったので、1冊購入。
お客様から探しものを頼まれていたのであるかどうか聞いてみると、
店の女性がすぐPCで調べてくれた。が、ない。
私が探したいものを聞くと、やはりPCの画面で検索してくれる。
あるにはあったが、何十ポンドから何百ポンドもする。
やはり良いものは高いのだ。
「あっちに児童書が多い店がありますよ。行ってみたら」と薦めてもらう。

その「児童書が多い店」というのが、Nさんお薦めの古書店。
店の男性、ものすごい風邪ひき。
クシャミを連発していて、とてもつらそう。
話しかけることさえ躊躇してしまう。

が、Nさんにすばらしいウィリアム・ニコルソンを
見せてもらったので、あるかどうか尋ねてみる。
ガラスケースをあけて出してくれたのは"The Book Of Blokes"。
なんと、ウィリアム・ニコルソンのサイン入り!
値段は450ポンド。とてもではないが手が届く値段…ではない。
「探している本とは違いますか」と笑顔で言われる。
ペール・カストールを聞くと、PCで在庫を調べて
「ああ! 日本の美術館にまとめて売りました」と。
美術館の名前を聞いてビックリ。
Nさんが以前、勤務していた美術館だった。

ロンドンの古書店は、こちらから何か言わない限り、
結構、放っておいてくれるので、1冊1冊、棚のはじからはじまで見ていく。
欲しいと思っていたMargaret Tarrantが何冊か見つかった。
さすだなあ。
古い時代のねこ絵本、ビリビンも1冊見つけたので購入。
5冊購入で、合計2万円近く。
はあー、良いものがたくさんあるけれど、やっぱり安くないなあ。
が、トラベラーズ・チェックで払えるか聞いたら、どこかに電話して確認し、
笑顔で受け取ってくれた。釣り銭も普通にくれた。
私が行った中でチェックが使えたのは、唯一、この店だけ。

未練がましく、サイン入りニコルソン本をもう一度見せてもらう。
タイトルをきちんとメモする。
「下級層の人たちをスケッチした本だと思います、たぶん」と説明してもらった。
図々しくも写真撮影が可能かどうかと頼んでみる。OKだった。
イスの上に本をのせて撮影しようとしたら、
サイン入りのページをきちんと撮りやすいように抑えて手伝ってくれた。

「風邪、お大事に」といって店を出たら、後ろから声をかけてきた。
「日本の女性誌にうちが掲載されているんです」と見せてくれる。
最近取材を受けたのだという。

良い店だった。また行けばきっとぜんぜん違う本と出合えるのだろう。
彼が風邪ひきでなければ、
地下の書庫も見てみたかった。いつかまた行きたい。

地下鉄の乗り換えにようやく慣れてきたかと思ったら、
ロンドンの地下鉄、すぐ遅れたり、突然とまったり。
いつかテロがあったし、結構怖い。
車内放送が聞き取れないので、大丈かどうか、
周囲の人の表情を観察。
またか、といううんざり顔だが、緊迫感はない。
とくに事件ではなさそうだなと内心ほっとする。

次は、海ねこのお客様で、買取でもお世話になり、
渡欧前、ロンドン情報をたくさん下さったSさんお薦めの店へ。
Highgateという郊外にある児童書の古書店へ。
郊外へ行くと、緑が濃く空気が違う。空が広い。
トイレに行きたくてカフェに入ったら、窓の外で野生のリスが駆け回っていた。

児童書の古書店へたどりつくと、ビックリ。
先客は、日本人の女性だった。
こんなところに日本人が。
向こうも同じ気持ちだったと思う。
彼女が絵本を見ていたので、
先に、ねこ本、ネイチャー本コーナーを物色する。

絵本も見ていくと、欲しいものがあれこれ見つかる。
しかし、送料が高いので、自分でどうしても欲しいものは別として、
仕入れに使えないものは心を鬼にして買わない方針。
基本的に、新しく、今でも手に入りそうなものは買わない。
物色している間、お客さんが入れ替わり立ち替りやってくる。

ねこのオーランドものが何冊かあった。
人気シリーズだけあって、
現在流通していないものがたくさんたくさん出ていたのだろう。
さほど古くなさそうだが、20ポンド30ポンド40ポンドと、
かなり高めに値つけしてある。
文系女子ふう店主さんに絶版なのかと確認。
「たぶんそうだと思います。念のため、調べてみます」とPCで検索してくれる。
オーランドは印刷がきれいなものを1冊だけ購入。
ほかに、1950年代の絵本、チャールズ・キーピング2冊ほか5冊購入。

レジ脇に店というか彼女のコレクションとでもいうべき古い、
よさそうな本がたくさんあった。
が、そこにたどりつく前に予算オーバー。
もう閉店時間だったのでレジ脇はあまり見られず。
今度また行く機会があったら、レジ脇こそきちんと見せてもらおうと思った。

店主さんとは、さして言葉をかわしていないが、
目と目があっただけでシンパシーを感じた。
かなり広い店。さほど整理されていないが、
それでもよくあれほどの量の本を管理して、うまく切り盛りしていると思う。
気持ちのいい店だった。

朝から動いた初日だけで古本をン万円分、買ってしまった。
古くて良い絵本がきちんとした値つけで売られているようだ。
日本だったら、かなり貴重な絵本・児童書でも、
イタミがあるととたんに値段が下がってしまう。
古書修復の技術があまり広まっていないこともあるだろうが、
ヘタしたら簡単に廃棄処分になってしまう。
ロンドンの古書店では、たとえ破れていても穴があっても、
ビニールなど保護材を使って相応の値段で売られている。

「この国の人々の、古いものに美を見る審美眼と、
それを守る手間を惜しまない意志と余裕に驚くのだろう」
(「英国オックスフォードで学ぶということ」より)

21日の古書店めぐり 4軒 14冊+絵1枚、購入


●4月22日(土曜)

2泊したホテルをチェックアウト。
近くのさらに安いホテルへ移動することにして、
デポジットとしてはじめの1泊分を支払う。
2泊したホテルは、ネットで予約できた中ではもっとも安いランク。
安いと言っても1泊1万円以上もした。
移動先は、1泊25ポンド。
ホテル前に「25ポンド」と目立つように書かれ、人寄せしていた。

さて、宿が決まったところで、
ロンドンのビクトリア・ステーションへ。
ここから1時間ほどかけて、Sさんから情報をいただいた郊外の町へ。
サセックス州のLewes(ルイス)というところへ出かける。
Sさんから石井桃子著「児童文学の旅」を薦めていただいたので、
早速読んだのだが、石井さんが若いころ旅した街でもある。
エリナー・ファージョンの小説の舞台。
ルーマー・ゴッデンもサセックス州生まれだし、
アーサー・ランサム作品にも登場するサセックス州である。
陽光あふれ、南国といった感じ。
人は穏やか。いかにも妖精でもいそうな、素敵な街である。
坂道が多く、川が流れている。
私が行った中では岐阜の高山とどこか似ている。
海が近いので、川辺に海鳥がかなりいた。

ルイスでのんびり本でも読みたい。
インフォメーションで、ホテルを聞くが、
ひとりだとチャージがかかってかえって高くつくと言われてしまう。うーん。
子供向けの本がたくさんある店があると聞いたのですが」と
拙い英語で質問したところ、
「ああ、あそこね」とインフォメーションのおばちゃまが親切に地図を出して教えてくれた。
ところが、行ってみたら、あれ、ちょっと違うみたい。
確かに児童書ばかりの専門店だが、新刊ばかりの店だった。

思い浮かんだ英単語で
「Old Bookはありますか」という質問の仕方をしたら、
店員の女性がしばらく考えた末
「こういうのですか」と見せてきたのは、ピーター・ラビットのシリーズ。
「そうではなくて、アンティークの本が欲しいのです」と言うと
「ああー!」と合点がいった様子。
とても親切。いやな顔ひとつせずに、
地図を指差しながら古書店の場所を説明してくれる。
私が目指したかった古書店は、
ハイストリートのまったく逆側、30分から1時間ほど歩いたところにあるという。
歩きに歩いたが、おかげで、
ルイスの街にある古書店4軒、すべてきちんと見ることができた。

骨董の店などが多い。土曜なので、人々が街に繰り出して楽しんでいる。
ぶらぶら歩きながら、最初に遭遇したのは、
軍記、戦記ものの古書店。
この店にChidren's Bookがあるとは、普通だったら思わない。
が、ショーウインドウに絵本が飾ってあったので、
入ってみたら、ねこ本コーナーがあり、
Chidren's Bookもかなり置いてあった。
古いパフィンブック2冊を含む3冊購入。

トーマスクックに立ち寄る。
現金が少なくなってきたので、トラベラーズチェックを現金に換えたい。
手数料ゼロで換えてくれた。
ロンドンの街中でトラベラーズチェックを現金にしたいと頼んだら、
郵便局では50ポンド分の換金に3ポンド、チャージがかかると言われたのだ。

坂道をのぼってくだって、さらにのぼってくだって…、
途中でトイレと食事休憩。
さらに歩いて歩いて、たどりついたのは
15世紀の建物をそのまま使っているという古書店。
児童書がたくさんあると、Sさんから教えていただいた店だ。

店内には、本がぎっしり積重ねてある。
「本をとるときは必ず店主に声をかけて断ってください」と、
ベタベタと何箇所もに注意書きが貼ってある。
児童書、確かにあるにはあった。
が、想像していたほどなかった。
それに、想像していたような欲しいものがあまりなかった。
だれか絵本・児童書好きがさんざん買い尽くしたあとに
行ったのかもしれない。
せっかくここまで来たのだし、ぜひとも何か探し出したい。必死に探す。

私が、下のほうにある本をそーっとそっととろうとしていたら、
本の山が崩れてしまった。
チック・コリア似の店主さん、つかつかっと来て
「店主に声をかけて断ってください」の貼紙を指差す。す、すみません!
怖い人かと思ったが、3冊、買いたいと差し出すと、にっこり。
1冊1冊、見ながら"Good Job"と言ってくれた。
たいした意味はないのだろう。
「おお、まあまあ、いいやつを選んだね」ぐらいの軽いニュアンス?
(英語のニュアンスまでよくわからないので)

店主さんの後ろにはってあるねこの写真を指して
「あなたのねこですか」と聞くと
満面の笑顔になり
「おお、そうだよ。ねこはいいねー、
ラブリーでファンタスティックだ」
とペラペラしゃべり始める。

せっかく遠くまで来たので、
石井桃子さんも若かりしころのぼったというルイス城を探索。

受付に荷物を預かってもらう。
石段をのぼってのぼってお城の上へ。
青空。花が咲き乱れ、美しい光景が眼下に広がる。
近辺の庭でトランポリンを楽しむ子供たちが見える。
戦続きだった時代、お城で周囲を警戒して
見張っていた人たちの苦心たるや、いかにと思った。

駅に戻る途中、古書店2店をのぞく。
ボタニカル・アートが壁に貼られ、アート本が充実した店で、
ランドルフ・カルデコットの大変古い大型絵本を発見。
間違いではないかと思うぐらい、手ごろな値段で入手することができた。
ああ、やっぱり郊外に来てよかったーと思う。
さっきの古書店にもくまのルパートが、
各時代のさまざまな本、揃っていた。
ここにも1冊あり、手ごろな値段だったので、買っておく。

もう1軒でも、やはりルパート1冊購入。

古書で荷物が重くてならないが、宿が見つからない。
歩いて歩いて空き室があるかどうか聞いてまわるがダメ。
ロンドンに帰ることにした。

ルイスからの車窓には、草地に馬や牛がいて、
いかにもイギリスらしい光景。
電車賃が安くないので日帰りするには惜しいが、行ってよかった。

1泊、地方に宿泊するつもりだったが、
25ポンドのホテルに戻って、部屋があるかどうか尋ねる。
大丈夫とのことで、部屋のキーをもらう。
最初のホテルも狭くて、ベッド以外に居場所はほとんどなかったが、
今度は線路沿い。
地下鉄が地上に出るところで、音がものすごい。

古いし、狭いし、貧乏学生みたいな気分。
天井が高い点、線路なので窓の外に空間があるのは救い。
宿と食事を切り詰めてでも本代に回したいので、
安宿でも、やむをえない。
たとえ監獄のような宿であっても、
カギをかけて部屋にこもればプライバシーは保てる。
住めば都、だと自分に言い聞かせる。

しかし、25ポンドのクラスだとシャンプーすらないんだなあ。
最初のホテルで使わなかったシャンプーを持ってくればよかった。
以後、帰国まで毎日、石鹸でシャンプーする日々となった。

22日の古書店めぐり 4軒 10冊


●4月23日(日曜)

日曜は、普通の古書店はたいてい休みだ。
そのかわり、ウィークエンドのみ営業という店が多少ある。
昨夜、書店・古書店のガイドブックを見ながら、
日曜オープンのところのみピックアップしておいた。

それらのうち、ウィークエンドのマーケットもあるので、
ついでに見るといいと書かれていた郊外の町へ。
まったく知らない町である。

駅からどう行けばいいのか、まったくわからない。
駅前にあった地図を見ても、よくわからない。
雨の中、30分近く歩いてみたが、
それらしい建物がまったくないので断念して帰ろうとした。

が、一度、駅近くまで戻って、駅前の地図を見直したら、
これかなと思うところが見つかった。再度、歩きに歩いて行ってみる。

マーケットそのものは正直、かなりしょぼかった。
閑古鳥が鳴いているが、だれも気にしていない感じ。
が、ここにある古書店は捨てたものではなかった。

私が選んだものを見て、男性店主さん、
「これはどう?」「こういうのもありますよ」と、
店内のあちらこちらから持ってきてくれる。
ウォルター・クレインがすばらしかった。が、200ポンドである。
貧乏店に即決できる値段ではない。
この店主さんは、なかなかのやり手と見た。
古いピクシーブックを3冊、古いペール・カストール、妖精の大型本を購入。
ポンドの所持金が尽きてきたので、
トラベラーズチェックで払えるか聞いたら、カード払いならOKとのこと。

外は雨。大きなビニール袋がないからと、他店に調達しにいく店主さん。
雨が強まってきたので、口をテープでふさいでほしいと戻ると、
他店にテープを借りにいって丁寧に対応してくれた。

日曜に開店している店ーーー
ピカデリーにヴィンテージ雑誌の古書店があるらしい。
迷った末に、カムデンタウンへ。
骨董の家具があるエリアの間に、古書が多少ある。

最初に入った店で、チャップブックのような
小さな小さなシンデレラなど3冊セットを薦められた。
欲しい。が、ビニールをあけて中を見たら、
3冊のうち2冊はクレヨンの色塗りがすごい。
店主さんが「オークションに出したらすぐ売れてしまうよ」とのたまう。
値札は37.50ポンドとなっていたが
「33ポンドでいい」というので、じゃあ買いますと言ったら、
どうやら1冊33ポンドらしい。
3冊で33ポンドかと勘違いしていた。
こういうときはキッパリやめておくに限る。

ひじょうに古いポップアップと、くまのルパートが交互に出てくる古書を
出してきた。大変すばらしい。
「750ポンドだけれど、まけるよ」と店主さん。
背がすべてとれていなければ多少考えたと思うが、
残念ながらやめておく。

カムデンタウンの別の店で、1冊購入。
ここでは"オリジナル・プリント"と書いた絵がたくさん売られていた。
犬、ねこ、子ども、昆虫…などとジャンルごとに分けて箱に入っている。
ねこのものを何枚か選んだ中から、値段を考えて1枚だけ購入。
頼みもしないのに安くしてくれた。
店主さんに「オリジナル・プリント」というのは何かと聞くと、
壊れた本をバラして売っているのだという。
なるほど、本は壊れても、そのまま捨てたりはしない。
バラして使えるところだけでも再活用する。
さすがイギリスである。

カムデンタウンから歩いて5分ほどの古書店が日曜営業なので行ってみる。
店頭の雨に濡れるか濡れないかぎりぎりのところに、
児童書が乱暴に積み重ねられている。
一目見てわかるほど、本の状態がきびしい。
Children's Bookはどこにあるのかと聞くと、
「店頭に3箱ありますよ。あと、店内にも少しあります」と。
いちばん下の段に多少あったが、
Chldren's Bookに力を入れていないことは一目瞭然。
状態もいまひとつ。欲しいものは見つけられなかった。

歩き疲れた。本を抱え持ったまま、
地下鉄の乗り換えに耐える元気がない。
地下鉄の乗り換えはひじょうに歩くので、
よく路線図を見て、できるだけ乗り換え回数を減らすのがポイントらしい。
ピカデリーに立ち寄らず、わが貧乏宿に戻ることにした。

23日の古書店めぐり 2店 6冊+絵1枚


24日は朝6時起きで、ヒースロー空港からプラハへ。
結局、長くなってしまいました。
続きはまたそのうち書きたいと思います。
明日があるので、もう寝ないと。
長々と乱文失礼しました。

Sさん、情報をいろいろありがとうございました。
ひとりでもさほど孤独を感じずにいられたのは、Sさんのおかげです。
Nさん、役立つ情報をありがとうございました。
次回はぜひパリに行きたいと思います。
メールを書きたいと思いつつ、まずはお礼を!

時差ボケで夜3時起床。
ふっと気づいたのは目録の締め切りがふたつ重なっていること。
5月22日締め切り「月曜倶楽部」だけのつもりでいたら、
松坂屋ブックバザールの目録も、すぐ先が締め切りなのでは?
ああ、目録に掲載できるような本を百何十冊か揃えないといけないのだ。
とたんにあせってくる。

五反田の南部古書会館に9時20分着。
珍しく朝早くから参加したため、皆様に驚かれる。
「ブログ読んだよ。海外で、いい本を仕入れたらしいじゃない。
けど、ブログのあの文章、文字小さいな」と事業部長。
「フォントを大きくして読めばいいんですよ」と私。
(帰ってから、あわてて「事業部長」「飯島さん」で検索。
悪く書いていなかったどうか、冷や汗ものでチェックした)

自分が出品した本が業者間の市場に出品された瞬間、
どんな反応があるのか、初めて目の当たりにした。
「これはあまり見ないよな」
「でも、置き場所をとるのが問題」など、
腕利きの書店さんたちがそれぞれ評価する。
大変興味深い。
海ねこにアップしない本は、市場に出したほうが欲しい人にたどりつきやすいかも。
今後、市場をもっと活用させてもらおう。

寝不足だったため、帰宅後、仮眠して発送。
新着本をスキャナーで取り込んでから行き着けの店にいき外食。
行き着けの店があるというのは、ひとつの大きな幸福。
4日、新着本をアップしたいと思います。
メール連絡が遅れている方にお詫びいたします。

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1週間強、留守にしていた間の残務整理。
買取の査定、買取メールの対応など、あれやこれや。
4月、買取の依頼がかなりあったため、
それでも連絡をお待たせしている方々に申し訳なくてならない。
そう思っているはじから、さらに買取依頼をいただく。
ありがたいが、高額本のため資金不足がこたえるなあ。
もっと本を売らないとどうしようもない。
自分がもうひとりいたらいいのに。

発送してから、
3月4月、注文をいただいたものの入金いただけない方々に
キャンセルでいいかどうか念のため確認メール。
発送待ち本の置き場がいっぱいなので、
確認せざるをえない。
メールの未着事故、行き違いなど問題がないよう祈りつつ。
時差ボケから抜けたかと思いきや、
夜中12時ごろ睡魔が押し寄せ、3時には目が覚めてしまうという変則ぶり。

追記

ビールを飲みながら「古本屋残酷物語」
(揚羽堂 志賀浩ニ 平安工房)を一気に読む。
あーあ、寝不足なのに睡魔が負けました。
最後まで読んでしまいました。
圧巻・・・。

志賀浩二さんしか書けないであろう文体。
登場人物が皆、いい。
人が嫌い、だけど、好き・・・な感じ、わかります。
人が好き、だけど、嫌い…ではなく。

スピード感あふれる劇画調の空気。
映画化されてもおかしくないんじゃないでしょうか。

巻末に寄せられた石神井書林さんの「吹きさらしの日々」を
あわせて読むと、またいい。
うれし泣きしたくなりました。
空っ風の吹きすさぶ中であっても、
私ももうちょっとやってみようと思いました。

志賀さん、ビリーのイラスト、ありがとうございました。
凹みそうになったらこのイラストと
「がんばりましょうネ~」の文字を眺めることにします。

巻末に目録2ページ入っているのがおもしろい。
「地下鉄で劇場テロ」となっています(笑)(本文参照)。

以下、一読者の勝手な感想ですので、適当に流してくださいね。
わらべさんが撮影した?表紙の写真が最高です。
PP加工でなく、マットなカバーだったらベターだったかな。
帯がはずれるともっとよかったですが、予算的にこうなったのでしょうか。
本文の紙をもうちょっと薄手にして、
ツカ(厚さ)が出なくなるでしょうけれど、その分、ページ数を増やしてほしい。
著者の直筆画がもっとあると、もっとよかったかも。

わらべさんって目のつけどころが鋭い。
たくさん増刷して、売って売って売ってくださいね~。
続編、楽しみにしています。

未読の方、ぜひお手にとってみてくださいね。
(以上、酔って書きました。乱文失礼)

久々に市場へ。
本の散歩展、旅の余波で2週間以上、間があいてしまった。
本の置き場を確保しなければ、にっちもさっちもいかない。
そこで、海ねこにアップする予定がない本を出品。
早起きして、何束も車で運び込む。
どうにかこうにか半分は無事、買っていただく。
ほっと胸をなでおろす。
ところが、もう半分が問題。
札が何枚か入っていたので売れたかなと思ったところ、
そうは問屋がおろさず。
事情があってトメ札(これ以上の額でないと
売りたくないという希望価格のようなもの)を入れたところ、
トメ札以上の額を入札した人がいない…。

こちらはまったく専門外の全集。
持ち帰って当店で大事に抱え込んでいても本に気の毒だし、
置き場所がつらいし、
振り市で振ってもらうことにして南部古書会館へ運ぶ。
予定外だが、ほとんど1日仕事になってしまった。

が、南部に行ってよかったことも。
南部で揚羽堂さん、小川書店さん、
文紀堂書店さんら若手ホープ三人衆?にばったり。
揚羽堂さんの著書「古本屋残酷物語」(志賀浩二・著 平安工房)
(著者、渾身の署名とねこ絵入り)を
小川書店さんから購入させていただく約束をしていたので、ありがたく受け取る。
本の散歩展で売れなかった本をロッカーに入れたままなので、
何束か振り市に出品するべく、束ねてくる。

帰宅してから、市場で買えたものをネットで確認。
欲しかった本が1冊、落札できていた。
欲しい人がいると直感した本だったので、
出費は痛いが、うれしい。
そして、「古本屋残酷物語」を手にとり
どれどれ…と、たまたまばさっと開いた中ページを読む。
わずか1-2ページ読んだだけなのに吹き出す始末。
ああ、読みたい。
ダメダメ、読む前にするべきことをしなければ。
心を鬼にしてページを閉じる。

発送、買取の対応など。
ちょっと凹むこともあったのですが、揚羽堂さんの著書を読んで眠ることにします。
元気になれそうで楽しみです。
買取の方、順にお返事を差し上げております。
お待ちの方、もう少々お時間をください。
メールのお返事がなかなかできない方、まこと、かたじけないです。

窓を開け放っていると、気持ちのよい風がそよそよと。
我が家の花たちは、あちらこちらで満開です。

催事やら旅行やらでなかなか手につきませんでしたが、
ようやく新着本の更新。
図書館に本の返却、そして、発送。
帰りに「散歩の達人 吉祥寺・三鷹」を買う。
月曜、中央市会に出品する本を束ねて束ねて束ねまくりました。
テーブル下に足が入るよう、本を少し整理したい。
それが連休中のささやかなる目標です。

買取の対応をお待たせしている方に申し訳なくてなりません。
もう少々お待ちください。
ポラン書房さん、読んでいらっしゃらないと思いますが、
お返事、お待たせしてすみません。
謝ってばかりいる間に行動せんかい、自分。と自分で突っ込んでみたりします。

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