以前、蒐集なさっていた蔵書のご整理を任せてくださった方
(ー勝手ながら、Yさんと呼ばせていただきます)に賀状を出したのですが、返事がないままでした。
「Yさん、どうしてるんだろう」と先日も話していたところです。

たった今、お兄様から1通の寒中見舞い状を受け取りました。
「弟は昨年10月に亡くなりました。生前のご厚情を感謝申し上げます」と
書いてありました。

以前より血液の癌によって余命宣告を受けつつ、通院しながら治療を続けていたYさん。
2012年夏、奥様を癌で見送った1週間後、
蒐集し続けていた絵本を整理することを決意され、当方にメールをくださったのでした。
絵本を置いてミニギャラリーとして公開していたYさんでしたが、
そのスペースを整理してアトリエにし、
1作でも2作でも、自身の絵を描くことに集中したいのだと。
そこには、写真を撮られるのが嫌いだったという奥様の
若きころの写真が飾られていました。
奥様はずっと絵を描くことを応援していたそうで、
写真があると奥様がそばにいて
「良い絵を描きなさいね」と励ましてくれているような気がすると
話していました。

Yさんにとって、1作でも自分の良い絵を描き残したいというのは
切なる願いであり、強い希望でもあったのだと思います。
自然の色を描くのに、絵の具をどう使っても、
思ったような色を出しにくいのだと話していました。

本をご整理されたことについて、いろいろな思いがあったことでしょう。
ただ、蒐集し続けてきた絵本がなくなって、寒さは募る晩など、
どれほどさびしい思いをなさることかと想像するのは難くありませんでした。

本を運び出す私たちをじーっと見ていたYさん。
何をどう話せばいいのか、、、、
沈黙を埋めるかのように、あれこれ口走っていた私でした。

そして、私はYさんにお願いごとをしました。
きっと、蒐集された本からたくさん吸収なさったことと思います。
作品なり絵本なりおつくりになれましたら、
ぜひ当方のHPに掲載させていただけませんか、とお願いしました。

最後にメールをいただいたのは、
2013年4月20日のことでした。
勝手に引用させていただくこと、きっとご本人はお許しくださるのではないかと、、、
はっきりとはわかりませんが、、
どうでしょう、Yさん、答えはどこにあるのでしょうか。

私はこの方のことを忘れてはならないと思う。
そして、古書店という仕事の重さ、責任を痛感します。
こういう重さを認識し、じくじくと、噛み締めていかないといけないのですね。

Yさん、作品はいただけませんでした。
ですが、軽自動車で2往復して運んだ絵本を託していただき、ありがとうございます。
おかげ様で、大勢の方が本を手にさせていただきました。
橋渡ししながら私もいろいろ勉強させていただきました。
そして、何よりも、たくさんのことを教えていただき、
本当にありがとうございます。
教えていただいたことを活かしていけますよう、努めてまいります。
ご本人にメールできないのが残念ですが、この場を借りまして
ご冥福をお祈り申し上げます。

では、最後に、4月20日にいただきましたメールより。
このメールにも、実は、欲しい本があるので
何とか手に入りませんか、と書いてありました。
Yさん、私、ちょっとはお役に立てましたか・・・・。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

海ねこ様

大変ご無沙汰致して申し訳ございません。

以前入院してる時に絵本用に書いた短い物語などが出て来ました。
今、それをリライトしています。
書き終わりましたらお送りしたいと思っていますのでもうしばらくお待ちください。
絵本については「おにぎり」というタイトルで幼年〜低学年用にラフスケッチは仕上がっていますので
こちらもそのうちお送り致します。

私は今、抗がん剤の副作用と戦いながら懐かしい昭和の子供遊びのイラストと童話に絞り制作をしています。
どうぞ温かい気持ちで見つめ続けて下さい。

春なのに寒さが身に凍みます。
今日は午前中雪がちらつきました。

どうかお身体に気を付けてお過しください。

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ネット検索したところ、11月の個展を前に亡くなったことが判明。
個展の案内 に出ていた絵が大変素晴らしかったです。
Yさん、願いどおり、渾身の作を遺すことができたのですね。
人の力とは、なんと偉大なのかと、胸を打たれました。感謝です。
 好き嫌いのハッキリ分かれるチャールズ・キーピング。
実は、海ねこは、かねてより心ひかれて集めてまいりました。
万人受けするものよりむしろ、好きな人はたまらなく好き、といったものが個人的には好みです。
そういうものこそ、扱っていきたい。そんな店があってもいいじゃないですか。
 嫌いな人に別に無理に押し付ける気はありませんが、
ご存じない方には、一度お手にとってみては、と思う次第です。

 絵柄の重苦しさ、一筋縄ではいかない難解さ、などから敬遠する人もいるのですが、
これほど、繊細にしてダイナミック、
詩的ともいえる独自の世界観を貫こうとした人もいないのでは?
光は闇があってこそ輝く、闇あってこその光、いう話を思い出させられます。
 長年、じっくり支え続けたOxford University Pressもスゴイと思う。

 チャールズ・キーピング(Charles Keeping 1924年~1988年)は
ロンドンの下町、ランベス生まれ。
14歳のとき印刷所へ奉公に出され、技師として働いたのち海軍へ従事。
海軍退役後の5年間、リーゼントストリート工芸学校で、リトグラフ、エッチングを学びました。
そののち、作家として活動しながら、同校で石版を教えていた時期も。
 サトクリフ作品の挿絵などでも有名ですが、自ら文章・絵ともに手掛けた絵本も多数。
絵本では、自身の少年時代の体験をもとに、多感な子どもの心を描き続けました。
一貫して舞台としたのは、自らが働きながら生まれ育った下町でした。

"Charley, Charlotte and the Golden Canary"(日本語版「しあわせどおりのカナリヤ」)で1967年ケイト・グリーナウェイ賞、
また"The Highwayman"1981年にも同賞を受賞。
1975年には"Railway Passage"(日本語版「たそがれえきのひとびと」)でBIB金のりんご賞を受賞しました。

ごく一部ではありますが、作品を紹介します。

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↑"Charley, Charlotte and the Golden Canary"1967年。
日本語版「しあわせどおりのカナリヤ」。
移り変わってゆく街に暮らす少年少女。カナリヤを通して二人は・・・。
もっとも入りやすいので、キーピングの入門にもオスススメ。

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↑"Alfie and the Ferryboat"(日本語版「アルフィーとフェリーボート」)1968年。
テムズ川の川岸、砂糖工場の裏に住むアルフィー少年。
毎週金曜ごとにやってくるバンティおじさんは、すりきれたレコードを古びた蓄音機でかけます。
そして、船乗りだったころ、冒険をした話をしてくれました。
キーピングのおじいさんも、やはり船乗りで、すぐれたストーリングテラーだったそうです。
日本語版は、神宮輝夫・訳。

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↑"The Christmas Story"1968年。
カバーにはこんな紹介文が。
Charles Keeping has been illustrating books for  about twelve years,
and has come to be recognised as one of the outstanding English artists in this field."
(キーピングは12年間ほど、絵本を作り続けてきて、
この分野において、卓越した英語のアーティストの一人として認識されるようになってきました")
やはり、個性的すぎるというのか、英国でも、そうそう簡単に売れたわけではない、ようです。

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↑"Joseph's Yard"(日本語版「ジョゼフのにわ」)1969年。
れ果てた庭に1本のバラを植えた少年のお話。
ようやく育ったバラのつぼみを目にしたとたん、ついつい大好きなあまりに摘みとってしまい、
バラをダメにしてしまった少年は・・・。

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↑"Through the Window" (日本語版「まどのむこう」)1970年。
ジェコブ少年が「まど」を通してみた、現実とも夢ともつかない1日の出来事。

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↑"Richard"(1973年)。
スコットランドの警察馬として働くリチャードを力強くも優しく、独特のタッチで描いた作品。

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↑"Wasteground Circus"(1975年)。
さびれた街にサーカスがやってきたさまを、二人の少年の目を通して描いています。

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↑ほとんど文字がない不思議な絵本"Inter-City"1977年。
メトロで移動する人々の様子、
そして、窓によりかからないで、と小さく書かれていますが、
心の窓から眺めたかのような心象風景・・・。

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↑"Willie's Fire-Engine"1980年。
消防士に憧れる少年ウィリー。
でも、実生活でのヒーローは、ミルク売りおじさんミックでした。
ミックがやってこない日が続いて・・・。
同じくミックを探す少女と出会います。
怖いけど、目を離せないような・・・。
キーピングの絵本にはいつも驚かされますが、これもまた、一体なんという絵本なのか。

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↑Adam and Paradise Island"1989年。
巻末に"Charles Keeping 1924-1988"として、
オックスフォード大学出版のために30年以上、イラストレートブックを作ってきたこと、
キラリと光る、オリジナリティーあふれるアーティストとして広く認められていること、
1988年5月16日に亡くなったこと、
これがオックスフォード大学出版にとって
キーピング、最後の作品であることが記されています。

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↑Ferdinand(はなのすきなうし 文・マンロー・リーフ 絵・ロバーロ・ローソン)は、60カ国語以上に訳されて今なお愛され続ける名著。4月にNYのブックフェアで見かけたのですが、初版の美本は、目の玉が飛び出すぐらいお高いです。
これは1938年の12printing で多少イタミはあるのですが、なんとマンロー・リーフの献呈署名、直筆イラスト入り。マンロー・リーフ(1905年ー1976年)は、「おっとあぶない」などでおなじみのとおり、独特のタッチで絵本を描いた画家でもあります。お子さんのために、さらさらっと描いたマンロー・リーフさんのにこやかな笑顔までが目に浮かぶよう。もちろん1冊限りです。

ほかにもNYで見つけたウォルター・クレインのサイン入り本など、フェイスブックに掲載しました。
「海ねこ」「FACEBOOK」(「フェイスブック」)で検索。


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1年ぶりのご無沙汰でした。
古本 海ねこ 古書目録 第6号が完成しました。

かなり偏った内容ですので、どなた様もがお楽しみになれる内容とは言えないかもしれません。
逆に、蒐集家や研究者、専門家の皆様にはちょっと物足りないかもしれない内容ですが、
この1年間、少しずつコツコツ集書しました本を1冊にまとめました。

そして、大事な商品を抱え持って、お客様のところまで1軒1軒、お訪ねし
御用聞きでもさせていただくような気持ちで、目録を送り出しました。

私が集めたというよりも、本によって、そして、お世話になっております方々の力によって
いったん、この場所へ、「仮に」集めさせていただいたという思いです。

お世話になっております方おひとりおひとりへ
お礼の電話をかけたい欲がわき上がっておりますが、
自分ひとりの興奮によって、お忙しい方の貴重なお時間を頂戴しますのも恐縮ですので、
この場での挨拶にとどめておきます。
簡単には言い尽くせない思いがありますが、
本当にありがとうございます。

あとは、行き着いていくべき場所に古書が無事きちんと行き届いていくよう、
祈っております。今この場所で(目録という形において)いったん記録をしましたので、
それぞれ、収まるべき場所に無事に収まってもらいたい、
そして、個々の方々の書架へお収めいただくなり、眺めてお楽しみいただくなり、
所蔵品に加えていただくなり、
ご研究にお役立てていただくなり、どうぞどうぞご自由に、といった心境です。
ご応募の締切は9月8日(日曜)いっぱいです。

掲載品の原物をご覧になりたい場合は、
京王線・調布駅から徒歩6分 古本 海ねこ事務所にて対応可能です。
お手数ですが、事前に必ずご予約ください。
予約可能な曜日・時間帯は土曜・日曜、火曜から木曜の昼から21時頃までです。
ご覧になりたい本を事前にある程度、お知らせいただけましたら
確実にご覧いただけますようご用意しましてお待ち申し上げます。
ただし、商品のお渡しは早くて9月9日(月曜)以降になります。ご了承ください。

なお、今号の巻末には、
1月26日、調布市 古本 海ねこで開催しました近島哲男さん
「もっとマニアックに絵本を楽しむワークショップ」抄録を掲載しました。

この秋、9月22日(日曜)17時から、西荻ブックマークにて
「印刷で読み解く絵本ー古き良き絵本はなぜ美しいか?」と題しまして
近島さんに再びご登場いただきます。
今回は、近島さんが古い絵本や印刷途中の見本などを
いろいろお持ちくださる予定で、テーブルを部屋の真ん中に配します。
そして、印刷物の原物そのものを
肉眼で眺めたり、ルーペでのぞいたり、手にとって感触を味わったり、
リアルな感触を味わって鑑賞できますようにと。
あえて定員を絞らせていただくことにしました。
お早めにご応募いただけますと幸いです。

詳細は「西荻ブックマーク」HPをご参照ください。
参加のお申し込みは西荻ブックマークへ、あるいは海ねこへメールでお願い致します。

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●もっとマニアックに絵本を楽しむワークショップ ご案内

 始まりは、とあるお客様とのちょっとした会話でした。
「最近、洋書絵本はどう? 売れますか?」
 と、なにげないお尋ねに対して、
「・・・・・そうですね、結構難しいですかね・・・」
 と。

 これまでのやりとりを通じまして、その方も分野こそ異なりますが、ご商売をなさっていることを知っておりましたので、
最近考えておりましたことを、ちょっとお話しさせていただきました。

 洋書絵本ー実際には洋書だけに限らず、古い絵本にも絵雑誌についても全般にいえることなのですがー
 長く一ジャンルの本を極め続けていこうと蒐集し続ける方は少なくなっているように感じていること
 興味を持って買い始めても、じき違う方向へ移行していくこと、
 洋書絵本はとても面白いのですが、言葉の問題などもあり、深い魅力についてさらに彫り上げて知っていくのがそうたやすくないのではないかということ
 経済状況があまりよくないこともあり、以前、熱心にいろいろお買い上げくださっていた方も、最近はお買い上げ額が徐々に少なくなっているように思うこと
 お客様のもとへ買取にいって、自分としては充分にお支払いするつもりであっても、もっとも値段が高い時期に洋書絵本を蒐集なさっている方からすれば、「どうして、買取値がそんな低いのか。自分が買っていたころの10分の1、もっと安くになってしまうのか」とお感じになること、
 それに対して自分も申し訳なくなるし、この先、古書店も古書をお売りになろうとするお客様もどんどん厳しい状況になっていってしまうのでは、と危惧していること・・・などなど。

 すると、長年、本を蒐集しながら、ご自身のご商売を続けていらっしゃるその方は、おっしゃったのでした。
「本の魅力を人に伝えていく努力をさらにしたほうがいいかもしれませんね。
さまざまな世代、さまざまな人に本の奥深い面白さを伝えていくことが必要かもしれないね」

 そのとき、自分の頭に浮かんだのは、私の周辺に、仕事柄、絵本や本、製作と関わっていて、さまざまな面白い話をできそうな人が何人もいること。
 これまでお聞きしてきたなかで、さらにその話をじっくり私もお聞きしたいと感じていること。
私自身、知らないことが多すぎる、もっともっといろいろ知りたい、知るのは楽しいことだから。
 そして、関西で、ペール・カストール・アルバムの魅力を伝える講習会を開いている絵本専門店のこと。
 グリム書房さんのこと。ビー・ラビッツさんのこと・・・。
 魅力的な話をできる人がいらっしゃるのですから、その方のお話を私ひとりで聞くのはあまりに惜しい、どなたかとともに魅力的な話を聞き、共有していけないだろうかということ。
 やがては、それぞれがそれぞれの場で、誰かに本の魅力を伝えられるようになっていけたらと。
 どなたかのトークショーというよりは、聞きたいことを聞きたい人が質問しやすいような、全員参加型のワークショップをできないか、
 このワークショップ自体には即効性のある利益を求めることはしない、
 むしろ会場費・人件費など最小限にして(恐縮ながら、お招きする人への謝礼などもあまりお支払いできないかもしれないのですが)
 そのかわり、興味がある人が興味がある人とともに続けていけるように、
 できれば、細くでもいいので長くーできれば長期間にわたって続けていけないか。
 自分はセッティングをして、できれば、トーク内容を全文でなく抄録であっても記録していきたい。
 活字にしていきたいが、海ねこ目録に収録させていただく形をとれば、印刷代をそう多く使わずとも広く読んでいただけるようになるのではないだろうかと。
 まあ大げさかもしれませんが、誰かと何かを共有できる場になっていけたらと。
 いろいろ思いつきが思いつきを呼んでいき・・・。

 思いついた方にちょっとご案内させていただいたところ、ご協力をいただけそうな方がひとり、またひとりと名乗りあげてくださいました。

 そこで。

 5月頃、古書開館でイベントを行うかもしれませんので、いずれはそちらでとも思いますが、
 長期的に続けていくための、まずは第一回といたしまして、
 私がまず最初にお話を聞いてみたいとかねてより思っていた方をお招きすることになりました。
 
 まずは、ご参加したい方がいらっしゃいましたら、まずはご連絡をいただけますと幸いです。
 参加者の人数によって、場所を考える必要があるため。

●日時 2013年1月26日(土曜)

1月26日(土曜)から29日(火曜)14-19時「ベルンさんちの絵本バザール 非英語圏の絵本 クマ&ロジャンコフスキーの絵本」を開催中のため、
その前か後にどうかしら、と思っております。
本をご覧になりたい方、お求めになりたい方にとりましても一石二鳥かと。

●時間 昼から、または、午後5時半、または6時半か7時から
    参加人数によっては、会場を借りる必要が出てくるかもしれないため、時間はまだ流動的です。

●場所 東京 京王線・調布 
    古本 海ねこ事務所(東京都調布市小島町1丁目5-3 調布MTビル1階)
    または、近辺の店にて

遠方の方には恐縮ですが、あくまでお金をさほどかけずに長く続けていきたいため。
そして、ワークショップに必要な本などあれば、
海ねこが調達できるようであればすぐ取り出せますので、会場は近くが便利なのです。

●参加費用 ひとり500円ー700円程度を予定しております
(お招きする講師の方への謝礼にあてさせていただきます。
さぞかし寒いでしょうから、あたたかい飲み物など、お出しできるかもしれません。
いずれは飲み物・食べ物の持ち寄り制などもいいなと考えておりますが、将来のことはまだこれから考えます。
また、お店をお借りする場合は、1ドリンク注文などお願いするかもしれません)

●講師 近島哲男さん

製版・印刷業に関わり30年以上。
「最初に就いたのは印刷の版を作る製版会社であり、絵本専門の製版会社でした。
毎日絵本の原画と格闘(色分解)をしていました」とおっしゃる方です。

以下、ご本人の文によりますプロフィールです。
"夜学で美術史を学んでいる時に出会った仕事が絵本の製版の仕事。
引きこまれるように仕事に没頭し、56歳になった今も同じ仕事を続けています。
最初は製版カメラを担当し、朝から晩まで暗室作業であり、
日常風景より原画に描かれていた風景が身近な存在でした。
小さいころから教科書の挿絵が大好き。
絵本を意識したのは中学時代のすずき大和の小さな絵本、
そして高校時代に出会った至光社の絵本でした。
好きな作家は茂田井武、鈴木義治、おのちよ、ジャクリーヌ・デュエム、他たくさんいます。
現在も至光社の月刊絵本「こどものせかい」を毎月楽しみにしています。
1956年生まれ。神奈川県横浜出身。"(以上・文責・近島さんご自身)

「海ねこさんの意図に合せ、長く続けて行くことを大切に、
ぼくの方も少しずつお話しをさせていただければと思います。
漠然とですが、「原画の力」「装丁・造本の力」「E/DからPへの伝達の力」
「製版の力」「紙の力」「印刷の力」の6つの力の集合体で絵本ができていることを、 
国内外の絵本、新旧の絵本、また絵本から少し外れた本を見ていただきながら、
お話しさせていただければと考えています。
「E/DからPへの伝達の力」とは、EditorやDesignerからの、
PrePress(組版・製版)・Press(印刷)・PostPress(製本・加工)の3Pへの思い(情報)が 
いかに大切であるか、その情報の力を話してみたいと考えています。
現在のモノ作りで一番欠落しているのがこの部分かもしれません。」
 とのことです。
 1度でどこまでおうかがいできるかわかりませんが、感触を見ながら何度か近島さんのお話を聞いていくのもよさそうと感じております。
 ここであまり書けませんが、近島さんは、絵本で有名なあの出版社のお仕事やあの方との関わりもある方なのです。
 ふだん本やマスコミに出てこないような話がきっと聞けると思います。
 なかなか表に出てきにくい、現場でいろいろ体験なさってきた人ならではの、貴重なお話を聞けそうに思い、私自身、今から楽しみでなりません。
 
 ものづくりにご興味がある方、
 今現在の本、出版・販売関係の状況にちょっとどうかなとお感じの方、
 今ある自分の立ち位置、仕事の仕方についてちょっと考えてみたい方、
 さまざまな世代のさまざまな方のお話を聞いてみたい方・・・、

 参加してみたい方、海ねこあてにお気軽にメールをください。
tomobash*parkcity.ne.jp
(*を@ アットマークにかえてください)
 FAX(0422-32-6693)、ハガキ(〒181-0015 東京都三鷹市大沢4-17-13 古本 海ねこ)でも結構です。
 このブログへのコメント欄でも結構ですが、連絡がとれますよう、メールアドレスをお書き添えください。

 私も、これから先どのように展開していけばいいのか考えたく、
 ぜひ加わってほしい方にご案内などさせていただけたらと思っております。

 本来でしたら、イベントがかたまってから、日時・場所などご案内すべきところかもしれませんが、
 私自身、手探りのような形ですので、まずはご興味がある方からの立候補をお待ちしたいと思います。
 最小催行人数は、私と近島さん以外におひとりでもおふたりでも3人でもいらっしゃれば。
 いろいろかたまりましたら、そのときはまたご案内申し上げます。

 
いつもお世話になっております。
「古本 海ねこ 古書目録 第5号」にご注文、さまざまなご意見をいただき、
誠にありがとうございます。

古書目録 5号は、思えば、今までで最短のおよそ半年でつくりあげたのでした。
「2階の古書市」までに何とか間に合わせたいという希望があったからこそで、
締切がなかったら、おそらくまだまだ日々、入力し続けていたことでしょう。
目録を年に二度出すというのは、大きな目標でしたが、
自分の持てる力をすべて注力してみたところで、
半年で集められる本には限りもあります。
やはり、どうしても、すべての顧客の皆様それぞれに
何かお望みの本をご用意するというのは難しいことでした。
目録をご覧になって「う、注文したいものが見つけられない。しょんぼり」とお感じになった方には
本当に申し訳ないばかりです。
注文品を見つけられないお客様もしょんぼりかと思いますが、
あの方からも、あら、この方からもご注文がないと感じながら、
店主もしょんぼりで、日々、非常にしょげておりました。
万一、目録をお届けできていなかったらどうしようかと青ざめてもおりました。
「これ!」とお感じのものをご用意できなかったのは、私の不徳の致すところでございます。
目録の構成や説明不足でお気づきいただけなかった本もあるのではと反省しましたが、
お客様のほうが私よりずっとお詳しいのですから、
こちらが説明しすぎないほうがいいと
ある先輩書店から指摘され、それもそうだ、とも考え直しております。
そして、これまで買い続けて支えて下さった方も、
それぞれ生活環境が少しずつ変わって、
好みも少しずつ変わり、必要としているものが変化しているかもしれません。
変わらずお元気でいらっしゃいますように、とお祈りしております。
いつかまた、何かご用意していけますよう努めます。
今後とも宜しくお願い致します。

実は昨夕まで本当に沈んでおりました、
家族には気の毒なほどでした。
ですが、悪いことばかりではありませんでした。
ご注文いただきますたび本心より"ありがたい"という気持ちになり、
心の底から「ありがとうございます」という声が出るようになりました。
ものごと、良いばかりのことも、悪いばかりのこともないもので、
厳しい局面からしか感じ取れないこともあります。

それでも、おかげさまで、本当におかげさまで、
ここにきまして、なんとか、はあ、なんとか、
今後も店を続けていくことは出来そうに思えてまいりました。

つい先日は「ーーーはずいぶん注文は入っていますよね? あ、まだないですか。
そうですか。もうちょっと考えて注文できそうならFAXします」とお電話くださった方から
日をおいて、ご注文のFAXが届きました。
その方にとりましては、どれほどお考えの末にご英断いただいたことかと考えますと、
頭が下がるばかりです。一古書店に希望を与えてくださいました。
これまでの注文品、今回の注文品からその方がどのようなものがお好きでいらっしゃるのか
推測できますが、納品先として、これほどふさわしい方もないと安堵しております。
誠にありがとうございます。
(のちほど、天神様にお礼参りしてまいります)
今後もなんとか店を続けていけそうだと感じられるように至りましたのは、
本をお譲りくださった方、本をご注文くださった方、
さまざまな面から自分を支えてくださっている方のおかげです。

本日9月10日いっぱいを、目録5号の応募締切とさせていただいておりますが、
締切が過ぎましても在庫がありますものはいつでもご注文になれます。
今すぐ目録をご覧になりたい方は、
古書往来座(東池袋)、古書ほうろう(千駄木)、音羽館(西荻窪)、善行堂(京都)で、ご入手可能かもしれません。
すでにご注文いただき、「2階の古書市」会場での受け取りご希望をいただいた商品は
(万一ご希望が重複しましたものは恐縮ながら抽選)
会場の中野書店に持参いたします。

そして・・・・。
古本 海ねこ 古書目録6号は当分、出ません。
というのは、ある方から大事にされていた洋書絵本を多数お預かりしましたため。
なるべく丁寧に、必要としている方のもとへしっかり橋渡ししていきたいと考えているからです。
カラー印刷は予算的に不可能と思われるため、
ネット上でのご紹介になるかと存じます。
秋にちょっと予定もありますので、
年内いっぱい、来年にかけて、おそらくかかりきりになることでしょう。

これらの洋書絵本をネット上ですべてご紹介することは難しいかもしれませんし、
それらの現物をお手にとってごゆっくりご覧いただく場所としては、
調布駅から徒歩6分の事務所をご用意しております(予約制)。

ということで、お譲りいただきましたおかげで、たくさん貴重な洋書絵本がありますため、
もはや事務所に貴重な洋書絵本をストックとして眠らせておく必要もありません。
14日・15日の「2階の古書市」には、思い切ってあれもこれも持っていきたい、
商品によりましては思い切って値段の見直しも、と考えております。
ああ、搬入日をのぞいたら、あと3日しか準備期間がないのだわ。頑張ります!
今後とも宜しくお願い致します。
目録を出すと、お喜びいただけた感想も、厳しい声もいただき、
そのどれもが体内にビシビシ響いてきます。

ツイッターやブログで目録のことを一言でも二言でも
ご紹介いただけますのは、本当に有難いです。皆様、ありがとうございます。

うちの目録は、絵本・児童書にそれほど関心がない人には専門的すぎ。
本当のコレクターにとってはちょっと(というか、かなり)物足りない。
客観的に見たら、そんなところではないかと思います。
あれこれ自信がなさすぎて、崩れ落ちそうになる日々ですが、
ぎりぎりのところで、どれほど人さまに支えていただいていることでしょうか。

林哲夫さんが、弊店目録を丁寧にご紹介下さいました。

自分は、仕事柄、手にすることができるさまざまな絵本や雑誌の内容・書き手の顔ぶれを
ただひたすら書き付けているのですが、
受け手の方にいろいろ読み取っていただけますと本望です。

古書市場に通っていても滅多に見かけることのない「コドモアサヒ」ですが、
今回、とある方からお譲りいただき、ご紹介することができました。
雑誌を見ながら私が書き出した顔ぶれから、林さんがさまざまな書き手・描き手に思いを抱いてくださった・・・。
いにしえの方たちに思いを馳せた・・・。
ちっぽけな自分ですが、介在させていただいたことで、至福の喜びをいただきました。
「コドモアサヒ」ほかお譲りくださり皆様に紹介させてくださった方、林さん、
本当にありがとうございます。
ご注文いただく際のメールやFAX、ハガキ、それから「今回、注文はないですが」と前置きしていただく感想文の数々にも、本当に力をいただいております。

目録の応募締切は9月10日いっぱいです。
締切すぎても在庫がありますものはいつでもご注文可能です。
何か良いものが欲しいのだけれど、何を買えばいいのかわからない、
でも、長く楽しめる良いものを入手してみたい、という方には、
「コドモノクニ」「コドモアサヒ」を思い切って買ってみては、とオススメしたいです。
1見開き1見開き、良い書き手・描き手が連なる、めくるめく玉手箱です。

面白い雑誌に影響されながら育ち、
大学在学中から雑誌の編集・ライターを20年以上続けてきた私です、
やっぱり雑誌が好きなんです。
古書を扱うようになっても、単行本よりむしろ残っていきにくい雑誌には、とくに目をかけてしまいます。
「コドモノクニ」など、ごく一部に復刻版があったとしても、やっぱり発行当時のものは違います。
素晴らしい文章に絵柄、エディトリアル・・・、宝の1冊になると思います。
今回の目録には、ちょっと状態が良いとはいえないーしかし買いやすい値段のものもかなり掲載しました。
「コドモノクニ」そのもの、古書市場にもなかなか出てこないうえ、
状態が良いものはめっぽう高いため、安くお出しすることは不可能ですが、
今回、ご入手いただく絶好の機会なのではないかと。

「2階の古書市」には、表紙なしのものも何冊か特価でお出しします。
コレクター向けではありませんが、中の絵、紙は発行当時のもの(!)です。
80年以上を経て、当時の印刷はどのように見えるのか。
惜しげなく、思う存分、観察し鑑賞するのに最適。
デザイナーさん、イラストレーターさん、素材・資料としていかがですか。
また、好きな絵を額装して、プレゼントや自宅用にするーそんなゼイタクな楽しさもどうぞ。






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↑ロシアのポップアップ絵本です。素朴な味わいがなんともいえません。80年 1800円

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↑1947年 発行当時のオリジナル・エディション

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↑フランス 親指トムのライブラリシリーズ  豆本3冊 2枚目画像は、3冊それぞれの裏表紙。

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↓堀内誠一・画 カレンター
96年のものですが、堀内誠一描くクラシック作曲家たち。さまざまなタッチで描かれた作曲家 像が見もの。おまけに、堀内誠一による作曲家エッセイ コピーをおつけします。美品 
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いつか、目録を一部でもカラーで印刷できるようになるといいのですが、
まずは、書影をごく一部。
また時間が見つかりましたら追加したいと思います。

なお、お客様からご指摘をいただき、確認しました。
Mさん、的確なご指摘を本当にありがとうございます。
P4にあります"Filles et garçons" 
カラーイラストは10点でなく、12点あります。
ほかにモノクロのイラストが多数。
猛暑の中、頭が朦朧としてイラスト点数を間違えてしまったようです(言い訳ですね、失礼しました)。

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2014年1月

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