かもめ食堂

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5日4日、早くも旅先から2箱、本が届いた。
エコノミーで送ったのになんという速さ。驚いた。
5月5日も朝から本が1箱届く。作家のEさんから。
以前、お世話になったとき不要本があったら
買い取りますとお伝えして着払い伝票をお渡ししたのだ。
本に走り書きしたメモが添えてあった。
差し上げるから好きにしていいよ、という内容なのだが、
こちらに負担にならないようお気遣いいただき、
ユーモア交じりでシャレた何行か。
さすが作家だなあ。
Eさん、お元気そうで何よりです。懐かしいです。

明治古典会かと勘違いして古書会館へ。
あらら、休みでした。ぐろりや会をのぞき、本を買い込む。
以前、明治古典会で買ったものに関して相談したところ、
木鶏堂書店さんが丁寧に対応してくださった。

注文本が南部のロッカーに入ったものだったので南部古書会館へ。
ついでに振り市に出す本を少し束ねてくる。

さて、家人と待ち合わせて映画「かもめ食堂」、ようやく観ました。
評判は聞いていたが、しみじみと良い映画だった。
大事件が次々、起こるわけでもないのに、ちっとも退屈しない。
「人にはそれぞれ事情がありますから」とさらりと言いながら、
「事情」の描写はきわめて抑え目。
観る人の想像にゆだねるといったスタンス。
が、けっしてだれも幸福に満ち溢れているわけではない
様子は伝わってくる。

かもめ食堂もはじめ、ぜんぜんお客さんが来ない。
「でもね、毎日しっかりやることをやっていれば、
たぶん大丈夫じゃないかなあって」と、
まっすぐな笑顔で語る小林聡美。
毎日、グラスを丁寧に磨きあげ、
店をきれいに保ち、コーヒーを丁寧に入れる。
店のあと、プールで泳ぎ、夜は子供のころから続けてきた
合気道の構え?をして、心身ともに鍛える。

片桐はいりの影響もあり、新メニューを考案。
店の前を通り過ぎて噂するばかりだったおばさんたち3人、
焼きたてのシナモンロールの良い香りにひきつけられて、
店に入ってきたときは、
映画を観ている側まで「やったー!」と思う。
これから観る人のために、あまり書き過ぎてはいけないですね。

淡々としていながら、あたたかみがあった。
音楽もよかった。映像もきれい。
海辺でねこを抱いて散歩する男性、
毎日タダコーヒーを飲みにくる日本びいきの若者、
夫に逃げられてアル中になりそうだった女性、
ランチを食べにくるようになるフィンランド人たち・・・、
皆、よかった。

堀越絹衣さんスタイリングの衣裳も素敵。
もっともっと長く観たいと思う映画は久々だった。
ヘルシンキは、私から見るとチェコの光景と似ていた。
海辺が良い感じ。街並もいいなあ。行ってみたい。

あとで、家人に
「あの映画は、ある程度年齢を重ねて
少しでも苦心を知っている女性だったら、
きっとわかるわかるって思うよね」と言ったら、
家人も「男だって、そうだよ」と。
人それぞれ事情があり、けっして平坦な人生じゃないけれど、
それでも、日々ちゃんとやっていこう、
楽しくやっていこう、と。
当たり前のことを、感じよく描いていた。
好きだったのは、登場人物それぞれ、
仲良くなってもきちんと敬語を使いあっていた点。
助け合うけれど、ベッタリ依存しあうのではない。
互いに敬意を抱きながらも、
ひとりひとり自分の足で立っているのが気持ちよかった。
なかなかできないからこそ、映画になるのかな。

なんといっても、もたいまさこの存在感が圧倒的。
小林聡美、大好きになった。
いかにも普通にいそうな女性を普通に演じてみせた片桐はいり、
とても難しかっただろう。すごいなと思った。
「片桐はいりは、やっぱりさびしがりの役が多い」と家人。

観た人、いかがでしたか? また、これから観る人、いかがでしょう?

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