2007年7月アーカイブ

以下、ポラン書房のHPより引用。



ポランの夏祭り 「 2箱3日古本市

  8/17(金)~19(日)開催 @ポラン書房店内


 ☆★店頭販売を行なっていない古書店が集まって、

   ポラン書房店内にて2箱3日の古本即売会を開催★☆


 個性的な品揃えの古本屋さんばかりです。

 古書券が当たる大抽選会も 期間中 開催します!!


◇会場: ポラン書房

◇会期: 8/17(金)~19(日)

      午前11時~午後10時 (最終日は午後8時まで)


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  参加店の紹介

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※蔵書の売却・整理については、下記各書店へ直接お問い合わせ下さい。

古書窟揚羽堂

 八月の濡れた古書窟揚羽堂、涙の海に捨て去りたし、破れたハートを売り物に、 値札を付けて箱二つ、詰めに抓めたり、さらば青春の光―

 TEL/FAX: 03-5809-1231

古本海ねこ

 絵本・洋書絵本・昭和の女性誌を扱うオンライン古書店です。

 URL: http://www.umi-neko.com

 E-mail: tomobash@parkcity.ne.jp

 FAX: 0422-32-6693

M&M

 “おもしろい石・きれいな石”

 水晶、メノウ、蛍石、磨き小石などを持っていきます。

 地球の宝物を手にしてみてください。

 鉱山に関心のある方もお待ちしております。

 E-mail: minekichi3@jcom.home.ne.jp

かんがるー文庫

 山形県川西町でインターネット販売を中心に行なっている古本屋です。

 詳しくはホームページをご覧下さい。

 URL: http://kgrbk.com/



グリム書房

 来る10月25日~28日まで開催する横浜・有隣堂イセザキ本店での古書展で並べる予定の絵本のごくごくごく一部です。

 詳しくはHPをご覧下さい。。。

 URL: http://www.d6.dion.ne.jp/~grimm

 E-mail: grimm@d6.dion.ne.jp

黒沢書店

 練馬区の古本屋で店員をやってます。

 3日間だけ本を出しますのでよろしくおねがいします。

 TEL: 03-3815-3328

ごたごた荘古本部

 家内制小出版◎ポポタム

 大林えり子とサワダトールの企画・編集ユニット。

 絵本とギャラリーの店ポポタム(目白)を経営。

 ごたごた荘OB・OG。

 E-mail: Popotame.m78.com

石神井書林

 「ゴタゴタ荘古本部通信」第2号発行!

 E-mail: bon@kt.rim.or.jp

じゃんがら堂

 福島県いわき市にあります。民俗学/古本屋。

 比重としては民俗学の方が大きいですが、そろそろ、重心を古本へシフトさせていく予定です。

 会期中に三十路になります。

 福島県いわき市平字五色町65 店主 太田史人

 TEL: 090-9749-5009

苔花堂

 講談名作文庫・たくさんのふしぎ・その他

 大人も子供も楽しみな本

 ここにありますin苔花堂書店のダンボール2箱

 URL: http://business1.plala.or.jp/taikado/

辰書房

 自分の店を店主が紹介する・・・・無理です。

 ホームページを見ていただけますか。

 Webページから1920年代の雰囲気を感じて頂ければ、それで満足です。

 URL: http://www.factsiba.net/

月の輪書林

 大泉学園は、井草高校三年のとき(授業をサボって)、級友の佐藤元君の家で アリVS猪木戦をTV観戦した懐かしい町です。

 TEL: 03-3734-2696

徳尾書店

 普段はホームページと自家目録で漫画、音楽、美術等の本を扱っています。

 外売りは初参加です。よろしくお願いします。

 TEL/FAX: 0426-36-7390

 URL: http://www.tokuno-o.com/

なないろ文庫ふしぎ堂

 『彷書月刊』という雑誌をだしております彷徨舎の田村と申します。

 「なないろ文庫ふしぎ堂」という店名でいささか古本を商っております。

 FAX: 03-3812-4320

日本古書通信社

 「日本古書通信」の発行が主業務ですが、古書部も代理部もある古本屋でもあります。

 ウブ口の仕入れが多く、安いとの噂もあります。

 今回初の外売りに挑戦。

 TEL: 03-3292-0508

 FAX: 03-3292-0285

ひと葉書房

 「日本の古本屋」に参加しています。

 人文、社会系を全般的に扱っています。

 URL: http://www.hitohashobo.aki.gs/

風船舎

 和洋・ジャンル問わず店主がグッ!ときた曲者を、古書・紙モノを中心に扱っています。

 只今HP作成中、お楽しみに!

 E-mail: fusensha@hotmail.co.jp

股旅堂

 エロ、アングラ、異端、モンドな古本を雑多に取扱。

 URL: http://www.matatabido.net

港や書店

 茗荷谷の資料屋。

 「誰が買うんだ、こんなもの」と、大泉学園の皆さんに あきれられるような、「困った2箱」を思案中です・・・。

 E-mail: minatoya@tky2.3web.ne.jp

宣伝したくて仕方がなかったのですが、
ようやく声を大にしてお知らせできます!

8月17日(金曜)~19日(日曜)、大泉学園・ポラン書房にて
「ポランの夏祭り 2箱3日古本市」を開催します。

17日(金曜)11時から22時
18日(土曜)11時から22時
19日(日曜)11時から20時

通常、店頭販売をしていない古書店19店が結集。
各店が厳選した古書を2箱ずつ持ち寄ります。

ツワモノ揃いですよ。
なんと、あの! 月の輪さんが! 石神井さんが! 港やさんが!
なないろさんが! グリム書房さんが!
そして、風船舎さんが! 揚羽堂さんが! そして、あの店もこの店も・・・!

目録やネット、わずかな催事ぐらいでしか
接する機会のない店がどんな本を持ち寄るのか。
そして、新しくなったポラン書房とどう合体するのか。
夏の予定に、どうぞ加えてやってください。

正直なところ、この顔ぶれが一堂に会するって、
なかなかないんじゃないでしょうか。
果たして、どんな本が集まり、どんな場になるのかーー。
猛暑に負けず、ぜひ足を運んで、ご自分の目で確かめてくださいね。

●参加店(あいうえお順)●
古書窟揚羽堂、古本 海ねこ、M&M、カンガルー文庫、
グリム書房、黒沢書店、ごたごた荘古本部、石神井書林、
じゃんがら堂、苔花堂、辰書房、月の輪書林、徳尾書店、なないろ文庫ふしぎ堂、
日本古書通信社、ひと葉書房、風船舎、股旅堂、港や書店

ポラン書房の連絡先・地図などは、
こちらをご覧ください。

8月15日から21日、池袋西武本店「夏の古本まつり」。
ハシゴもよいかも!

宣伝が足りないまま当日になりそうな気もしなくないですが・・・。
皆さん、お友達に、お知り合いに、どうかご紹介をお願いいたします。

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本日の市場(明治古典会)

出品量が膨大でした。
海ねこが最後の最後までいるなんて珍しい。
実は最終台に欲しいものがあったのですが、
あえなく散りました・・・。
獲得したお店に拍手です。力が違いすぎ。嗚呼・・・。
でも、手にとることができ、眼福でした。
遠方から仕入れてきたお店に感謝。

それにしても、出品量が少ないよりずっとずっとありがたいことですが、
あまりの多さに、目チカチカ、足ふらふら・・・。
某店さんと「はあー。ふだんの倍、
ふだんの市場2回分ぐらいの量だったよね。
集中力がもたない。目に入ってるような入ってないような」
「耐久レースみたいでしたね」などと言い合いながら帰途につく。
前日から仕分け作業をしていた経営員の方、お疲れさまです。

今晩は更新作業を休みます。
あ、でも、発送しなくちゃ。

こころが
ちりぢりにちらばり
世界の騒音のなかに
まぎれこんでいったら
そうしたら
どんなにせいせいすることか
(黒田三郎 「誕生日」より)

良い週末になりますよう。

パソコンにいまだ慣れない。
なんだよ、Vista。なぜか、すぐフリーズしちゃうんだもの。
ネット見ながら、テキストファイルだのエクセルだのいくつか
同時に使っているだけでフリーズしちゃう。
なんでよー。メモリー1GBなのになぜ? 使い方が悪いの?
聞けば、会社によってはまだVistaの使用を認めていないとか。
なんとかしてくださいよ、マイクロソフトさん。
今のままじゃ、打ち込む内容よりも、パソコンのストレスに振り回されてばかり。
効率が悪いといったらありゃしない。なんとか慣れないと。

今晩は入金確認のためネットバンキングにアクセスしようとしたら失敗。
何度アクセスしようとしてもうまくいかない。
そうなると、無駄にあせるばかり。
何度も失敗してやり直しているうちに、
ついにロックがかかってしまった。
銀行に電話して問い合わせるやら、
初期設定し直すやら。
残業でくたくたになって帰ってきた家族にやってみてもらったら、
あれ、案外すんなり初期設定に成功。
おかしいなあ、でも、事なきを得られて良かった。

旅猫さんがアップした富士山ブログ2回目を何度も見かえす。
写真がよく撮れているものだから、
記憶が蘇り、息苦しいような気がしてくる。
スイッチバックの連続、本当にキツかった。
日照りの延々下り坂、地獄だった。
それでも、また行ってみたいと思わせるのが山の魔力。
山に登る古本屋、海に潜る古本屋、、、ありじゃない?
体力なしじゃ、何もできませんて。
持久力なしに長く仕事を続けていけませんて。
できれば、カウブックスさんみたいに本を車に積み込んで、
あちこちの山を登り、海を潜りながら全国行脚してみたいもんだ。

重い荷物を背負って坂道を上り下りする自信がなく、
1グラムでも軽くしなければとビビった私たち。
その点、富士山の山小屋に文庫を持っていくってのが
旅猫さんならでは。さすがだった。
読書灯のライトウェッジ(かな?)私も買おうかなあ。
富士山8合目で読む本、何がよいだろうか。

逆に山小屋で仮眠する程度の場合、
不要だったのは、着替えの下着、Tシャツ、靴下、予備タオルだった。
スポーツ用品店で吸湿性・速乾性に優れたタイプが売られている。
そういったものを入手すれば、身に着けていく分だけで十分。
(繰り返すが、山小屋で仮眠する程度の場合)

私のオススメは、膝や股関節をサポートする効果が高いタイツ。
マラソンのとき、短パンの下に黒っぽいタイツみたいなのを
履いている男性や女性、見たことありませんか? あれです。
1万5千円ほどとかなり高価で、普通、二の足を踏むと思う。
1万5千円分、本を買ったらどうよと思う。
しかしながら
「疲れ方がぜんぜん違いますよ。
私はふだんから履いてます」
と店員さんに言われ、半信半疑ながら購入。
藁にもすがりたい思いだったのだが、
店員さん、あなたの言うとおりでした。
あのタイツは侮れない。
ロードレース、五反田催事でも履くことにしよう。

最近は古書店業でハードかなと思うとき、
意識的に速乾性の服や下着を身に着ける。
汗をかいてもサラリと乾いて快適。
セドリや買い入れのときなんかも良いかも。
最近、無印良品よりスポーツ用品店に行く頻度が増えつつある。
古書店業の人も、山岳用のウエアや下着って使えると思うな。
小さくたためる機能的な雨具、ダウンジャケットなど
防災用にも良いそうだ。

次なる運動チャレンジは、9月のロードレース。
走ったあとの豚汁はなぜあれほど旨いのか。
達成感を口にしながらのビールが文句なく旨いのか。
もっとも楽しみなのは、近くに旨い寿司屋があることだったりする。
セグロイワシ、食べられるだろうか。

さて、メールを何通か書いて本読んで眠ります。
メールが遅れている方、お待たせしてすみません! 少々お待ちくださいー。

昨日、市場でいろいろな人に声をかけてもらった。
「富士山、登ったんだね!」「やりましたね!」
そして「あのー、富士山登山に興味があるんですが、
普通の人でも登れるんでしょうか。
屋久島は歩いたことがあるんですがー・・・」。

ご関心のある向きはこちらもぜひ。
旅猫雑貨店さんがいよいよ、ブログに連載開始です。

旅猫さんの写真には定評がありますが、
時計を撮影して記録したり、
冷静な観察力、洞察力、知的好奇心が全開です。
おもしれえー!(けど、写真見てると苦しさが蘇る。はあはあ)

店をなんとかどうにか続けていくのと、
山歩きと、なんか共通点があるような気がする。
でっかく言えば「人生」も?
ひとりでこつこつ努力する面と
励ましあい支えあいながら進んでいく面が共存する点、
先が読めないけれど、読めないからこそやっていける点も。
苦しいことばかり多かりき、じゃないといいなあ。
富士登山、苦しいながらも、歩いていくとさまざまな展開があり、
視界が開けて、それまで見えなかった景色に出会えますから。
ときにご来光まで拝めちゃうんですからねえ。

こんなふうに・・・。
photo by 旅猫さん Thanks to Kayoko Kaneko

本日の市場(中央市会)では、いつもながらに苦戦。
欲しいものは、他店も目をつけるのが当然で、
同業店にことごとく負けてばかり。目も当てられない・・・。

3階の開札が終わり、4階の開札が始まるころ、
某店から言われる。
「海ねこさん、3階(開封順序の)はじめのほうすぐ、裏側のあたりに
~がありましたよね。海ねこさんが落札したんですか?
違うんですか。てっきり海ねこさんかと思ってましたよ」。

ぎゃっふーん。さっき、他店が落札したものが2階に置いてあったっけ。
“え、こんなのあったっけ? あれ、いつどこの市場に出てたんだろう?”
と、ビックリしたものがそれなんだろう。
とほほ、今日、出品されていたの? 
出品されていたことさえ気づかなかった。
はじめのほうはたいていコミック・写真集ばかりなのでノーチェックだった。
ノミラに言われなくても、ぬるすぎ。

最終台のほうにもっとも欲しかったものがございまして。
貯金の残額を考えつつ当方にとってはめいっぱい投入。
・・・にもかかわらず、やはりダメだったようだ。
買えすぎても支払いが大変で苦しいのだが、買えないとやはり悔しい。

もうイヤんなっちゃう。
でも、買えたものもあった。
行ってよかった。買えてよかった。
どんなに貧窮していても、
どんなにモチベーション低下ぎみでも、
足繁く通わないことには出会うことすらない。
通っていたところで、漫然と眺めていただけでは見逃してしまう。
市場通いも、また修行だなあと思う。

帰り、神保町駅付近を歩いていたら、目に入ったのが「テナント募集」の文字。
某書店のあと、テナント募集しているのですね。
店舗を探している友人に連絡してあげようと早速、不動産屋に電話して、
家賃を聞く。家賃+保証金10か月分。すでに申し込みがきているとか。
そりゃそうでしょう。駅近くでいい場所ですからねえ。
いいなあ・・・、スポンサーになってくれる奇特な人はいないかなあなど妄想しつつ。
いやなに、それだけお金を使えるなら、
市場でもっと自由に買う資金にしたいような気もする。

でも、店舗を営むP書房さんから「僕はドラマが好きなので。
先日、お客さんとこんなことがあって」と素敵な話を聞いたばかり。
店舗には店舗の良さがあることは間違いなし。
そのP書房における夏のイベント、参加店が確定したようです。
驚きますよ! たぶんね。またドラマが生まれそうな予感です。
イベント名の正式決定、情報解禁はいつなんでしょう、Pさん。
詳細は追ってお知らせします。

さて、入荷しました。

花森安治、大橋鎮子らにより「美しい暮しの手帖」が創刊されたのは、
昭和23年のこと。
暮しの手帖社の前身である“衣裳研究所”から
刊行されていた「スタイルブック」です。
デザイン・花森安治。
画像はクリックすると大きくなります。

↓スタイルブック 1946年夏
 衣裳研究所版 昭和21年5月

↓スタイルブック真夏の号 和服地を使つたデザイン
 衣裳研究所版 昭和22年6月

↓働くひとのスタイルブック
 衣裳研究所版 昭和22年10月

↓アクセサリの実物大型紙
 衣裳研究所版 昭和23年1月

目録に掲載するよりは、ホームページに掲載して、
中ページも見ていただけるようにしたい。
なので、近々、関連雑誌とあわせましてホームページにアップしたいと思います。
お待ちくださいませ。

家族の付き合いごとで恋ヶ窪。
DSにちょこっと詳しくなる。あくまでちょこっと。

帰りに、鷹の台・みどり文庫へ立ち寄る。
店主さんは、連れが勤務している会社のOB。
購入した土地にご自宅を建てて、
その一角を古書店として開放しているそうだ。

吹き抜けが高い。窓の向こうに玉川上水の緑。
クラシック音楽が響いていた。
年一度、仕入れのため訪れる先で
200万冊ほどの中から欲しい本を探すのが
何より楽しみだと、穏やかに笑って話していらした。

絵本1冊、児童書1冊、詩集3冊を購入させていただく。

詩集といえば、先日の市場(明治古典会)で
装丁と詩に引き付けられた1冊があり、
相場をまったく知らないまま入札してみた。
忘れないように恥を承知で書いておこう。
「古き世界の上に」という書名だ。
落札されていった額と1ケタ違っていて、まったくお呼びでなかった。
なぜそこまで高く評価されている本なのか、
薄々感じとっていくにつれ、自分の無知に薄ら寒くなる。

富士山登山の疲れが徐々に出てきたのか、
燃え尽き症候群か、魂をどこかに置き忘れてしまったかのようだ。
連れは、冗談めかして言う。
「富士山で頭痛がしたから、
高山病で脳細胞が壊れてしまったのかもね」と。
しばらく休養が必要とわかっていても、
何かしないといけないような気がする。
実際することが山積していて、心から休むことができない。

食事しながらNHK-BSのブックレビュー、録画分を観る。
高野教授、ちょっとしたことからちょっとした誤解を勝手に抱いていたが、
選んでいた本に興味を持った。
詩人・蜂飼 耳さんの話に惹かれた。
南陀楼さん、知れば知るほど凄い人だな。
なのに、どういう口聞いてたんだろう自分、と恥ずかしくなる。

世界は、自分とはるか遠いところで、
くるくる順調に回っているかのようだ。
どこにいるんだろう、自分。
ひとりだけ疲れて、よれよれ濡れ雑巾みたいな気分。
きっと疲れているのだろう。そんな日もあるさ。

今夜は、買ってきた詩集を読んで寝てみよう。
心に溶け込んでくる詩があるといい。

富士山に登ってしまいました。
19日、5合目から8合目の山小屋へ。
ご年配の方、外国の方・・・、大勢、挑んでいました。
もうちょっとスイスイ登れるのかと想像していたところ、
行けども行けども果てしなく坂が続き、
岩盤を手足使ってよじのぼり、足を持ち上げるのも辛い連続・・・。
20日、深夜1時半、山小屋を出て山頂を目指し、ひたすら登る。
これが行けども行けども急な坂・不安定な足場ばかりで
息切れ・胸苦しさなど、さながら難行苦行。
幸運にも天候に恵まれ、ご来光を拝む。

登ったからには下らねばならぬ。
下りは、踏みしめ不能、瓦礫の坂道。
木々がないため、さえぎるものがまったくない炎天下。
陽射しが痛く、足場が悪い状態を延々5時間、ひたすら下って
進んでいかねばならない状況って想像つきますか?

3千メートルを超えると空気が薄くなり、うまく息が吸えない感じ。
うっかり浅い呼吸などしたものなら、すぐ頭が痛くなります。
しかし、雲海や青空の美しさ、雲海の彼方にのぞむ八ヶ岳、
物音のない静けさ、次第に木々がなくなり緑がなくなり
生物が減っていく火山の世界は独特。

登山にお誘いくださった旅猫雑貨店ご夫婦の
助け合いを間近に見たのも興味深く。
しっかり者のご主人、そして、しっかりしていながらも、
ご主人を立て、とってもかわいらしい面もある旅猫さん。
マイペース・ユアペースを尊重してくださった。
過剰に気をつかいすぎず、ほどほどに気をつかってくださる感じが
まるで旅猫雑貨店の店内のように心地よい。
「今度から五反田や神保町で疲れたとは
とても言えないね」
と言い合いつつの1泊2日。
帰宅したところ、平らな道を普通に歩けて、
普通に呼吸できることに驚きました。

筋肉痛の様子を見ながら、また店のほうも再開していきたいと思います。
よろしくお願いいたします。

上に書いたのは20日アップ分。
21日、下の写真を更新しました。

クリックすると大きくなります。
↓19日、午前5時半起床。
 8時7分、我が家近くにある中央高速・深大寺バス停から高速バスに乗る。
 午前11時すぎ、5合目から登山。
 山頂は雪山同然の寒さと聞いて、
 リュックの中には防寒具各種。さらに水、スポーツ飲料。
 重たくて投げ捨てたくなる・・・。

↓気圧が高いため、カロリーメイトの袋がぱんぱんに膨張。
 私たち人間の体も同様の様子。実のところ、やたらガスっぽい。

↓すでに目が死んでいる海ねこ・・・。
 ケイタイ酸素(缶入り濃縮酸素 800円ぐらい)を吸いながら。
 効き目があるのかないのかわからないけれど、
 おまじない程度に思って持参した。 
 ところが、途中からは空気が薄くて呼吸がしにくく、ちょっと気を抜くと頭痛が。
 結局、8合目でもう1本購入。8合目あたりで買うと1500円。

↓ところどころに花が。

↓こんな感じの道を延々、歩く。
 まだ6合目。歩けども歩けども・・・。
 ちなみに、いちばん手前は旅猫さん。

↓7合目。海ねこの後姿に、かなりの疲労が見られます・・・。
 「修行だね」「修行修行」「なんの修行?」などと言い合いながら。

↓体が求めているのか、やたら腹が空く。
 持参したチョコレートやらプリッツやら「食べるアミノ酸」やら、
 口にするものがことごとく美味しく感じられるのが不思議。
 また、高山病の対策として、こまめに水分補給
 ふたりで500mリットルのペットボトル9本消費。
 歩いては飲んで食べて、歩いては飲んで食べて。
 ここで買ったクリームパンが旨かったこと! 命のクリームパン。200円。
 今まで食べたクリームパンでいちばん旨かった。

↓海抜2900メートルにある山小屋・鳥居荘(写真上も同じ)。
 山小屋の店頭で、このようにいろいろ売られている。
 命のバナナ。200円。バナナがあんなに美味しいなんて。

↓ところどころに花が。

↓8合目。植物なんてもうないかと思いきや苔(コケ)各種。
 「蟲(文庫)さんに送ってあげなくちゃ」と撮影していたのは旅猫さん。

↓午後6時半すぎ、8合目の途中にある山小屋「元祖室」に到着。
 海抜3280メートル。

↓緑の地帯をはるか遠くに見下ろす。
 よく登ってきたなあー、とお互い言い合う。

↓山小屋から見た夕焼けと残雪(手前)。
 もっと暗くなってトイレに行くとき、天上に星空が広がっていた。
 晴れてるみたいだな。ご来光、見えるかな。

↓山小屋での夕食は、定番のカレー。
 よく汗をかくので、塩気のあるものがやたら旨い。

↓雪が残っているところが結構ある。
 ペットボトルは7合目の最初の店で300円、次の店で350円、その次は400円
 と、標高とともに値段が上がっていく。
 高いなんて言ってられないし、高いと徐々に思わなくなる。
 この場所で手に入るのが心底、有難い。運んでくれた人に感謝。

↓仮眠するものの、あまり寝付けないまま深夜1時。
 1時半ごろ8合目の山小屋を出発。
 ヘッドランプをつけ、夜道を登ってゆく。あ、明るくなってきた・・・。 

↓明るくなってきて、雲海をはるか彼方に見下ろす。
 夏休みギリギリ直前でも、結構、混雑している。
 混雑しているおかげで、歩みがゆったり。
 ちょっと歩くと息がはあはあしてしまうので、ゆっくりで丁度よい。
 逆にバスツアーなどで「この後はどうにか頑張って歩いてください。
 僕のあかりが見えるところまでは休まないでくださいねー」
 と煽られて歩かなくちゃならないのは、運動不足の人にとって過酷かも。
 道の脇でしゃがんで吐いていた外国人女性も。

↓「あと10分ほどで日の出です」とガイドさんらしき声が聞こえる。
 日の出までに山頂へたどりつけるかどうか。
 進みたくても上がらない足、深く吸えない空気。
 二の鳥居か? この鳥居が見えるといよいよ山頂。
 あ、太鼓が鳴り始めた。もう日の出だー。

↓4時半ごろ、山頂よりご来光を拝む。
 旅猫夫妻、連れと手を叩き合う。
 もともと富士山登山に関心は持っていたものの、
 以前5合目にバスで行っただけで怖気づいていた私たち。
 ご夫妻にお誘いいただかなかったら、富士山に登ることもなかったかも。
 ありがとうございました!

↓山頂でのバテバテ海ねこ。
 明るく輝く太陽、波打つ雲海。
 あまりの寒さに、この後、さらにダウンジャケットを着込む。
 一転、下り坂は真夏の海辺なみの灼熱地獄。
 どんどん服を脱いでいき、あっという間に半袖Tシャツに戻る。
 日焼けで、鼻の頭と腕が真っ赤になった。
 
 日焼け防止にタオルを肩から腕にかけたのですが、
 旅猫さんからお借りした「わめぞバッジ」が
 タオルのストッパーとして大変役立ちました。
 わめぞの皆さん、旅猫さん、ありがとう。

なお、連れもアップしています。
ご興味のある方はどうぞ
連れのブログも、写真はクリックすると大きくなります。
旅猫さんも、そのうちブログにアップするようです。
お互い、じっくりじわじわ、よいお店にしていきましょう。
皆様、旅猫雑貨店と古本 海ねこを
今後ともよろしくお願いいたします。

母親が長野の出なので、小学生だったころ、
一度だけ日本海に遊びにいったことがあります。
柏崎の民宿に泊まりました。確か、線路のそばの民宿でした。
海中を水中マスクでのぞいて、魚を見えたのは、そのときが初めてでした。
江ノ島あたりだと砂が舞って何も見えないのに、
冷たく澄んだ海中を泳ぐ魚たち。鮮烈な記憶。
小さいフグみたいな魚ーー今思えば、キタマクラという名の魚かーーを
泳ぎながら網ですくいました。
震災お見舞い、心より申し上げます。

17日は仕事で月島へ。
路地裏に入ると、古い家並が連なっていてタイムトリップするよう。
隅田川沿いにはにょきにょき高層ビル。
対岸には、朝日新聞社の社屋。
小雨にけぶる東京タワーが遠方に。
雨とともに、タワーが半分になり、やがて3分の1になり、
ついには見えなくなってゆくーー。

連休あけで発送が立て込みました。
夜までかかりましたが、
17日に入金確認させていただきました方には
一部を除き、発送いたしました。

7月19日・20日、登山のため、お休みをいただきます。
メールの返信、少々お待ちいただけますでしょうか。
お急ぎの方、大変恐縮ですが18日のうちに対応できることはやりますので、
18日のできるだけ早めにどうぞご連絡ください。
ご不便・ご面倒をおかけいたします。

18日は時間刻みで、あれやこれやしないと。
ロシアへの発送をしないと。
明日リミットの仕事をしないと。
登山の準備もしないと。
18日中に発送が間に合わない分は、週末もしくは来週早々に
ということで堪忍してください。

さて、どこまで登れるのか、あのお山。
心を空っぽにして、ゆっくりゆっくり
登っていけるといいのですが。
脚力のこと、高山病のこと、あれこれ心配。
雨具を引っ張り出してみたら思った以上に劣化していてアワアワ。
よろしくお願いします、ご同行させてくださる方々。
無事に戻れたとしても筋肉痛ですぐには動けないかもしれませんが、
復活しますので、皆様、またよろしくお願いします。

震災お見舞い申し上げます。

パソコンをWindows XPからVistaに替えたばかり。
昨晩遅くにどうにかメールの送受信はできるようになったものの、
プリンター、スキャナー、ホームページのあれこれ
・・・何かしようとするたび、設定しなおさなければならず。
ホームページに「品切れ表示」を出すなど、
これまで何の苦もなく、すいすいできていた作業が
突然できなくなるなんて、予想だにせず。

家人に丸二日ずっといじってもらって(むろんノーギャラではない)、
深夜どうにかこうにかプリンターを使えるようになり
発送作業ができそうな状態になりました。

ソフト各種を使っているため、
XPからVistaへの移行には家人もかなり苦心している様子。
ましてや私ひとりだったら何もできずに頭を抱えていたのでは・・・。
私のようなアナログ人間には、とてもついていけない。
新しいことに取り組むのがどんどん億劫になっていくと思われますし・・・。
暗澹たる思いですが、少しずつ慣れていくしかありません。
締め切り仕事、登山など立て込みそうですが、
少しずつパソコンに慣れるよう心がけます。

いやいや、物入りな連休。
7月14日、乾燥機2台        
7月15日、パソコン         
7月16日、ハイソな結婚式に参列
これに、13日の市場で買った支払いが加わってくると・・・。
ひゃあ、海ねこ商店の明日は一体???

新潟・長野の方、皆様、どうぞご無事で。


Photo by Mongo

飲んで書いております。
読みにくい点、意味不明な点が多々ある可能性は
最初からお断りしておきます。

映画「NARA:奈良美智との旅の記録」を観る。
下高井戸シネマにて。

台風接近。
倉庫に近寄るが、買ったばかりの除湿機を下ろすのが精一杯。
倉庫に収めようと思う本が、万一、暴風に晒されたらと思うと
車から降ろすに降ろせない。
そんな折、ついにパソコンが立ち上がらなくなった。
ハードディスクが読み取れない
…何度、立ち上げても英文。
無常に同じ文句が出るのみ…。
パソコンのことをまかせている家人にやってみてもらうが、
状況は変わらず。
何度も何度もトライしてもらうが、状況に変化は起こらず、
「ダメだね、これは」と言い放たれる。

「NARA:奈良美智との旅の記録」
下高井戸シネマでの最終回が今晩9時25分からだという。
家人があれこれいじって、奇跡的に、
文字どおり奇跡的に起動した。
「パソコンを再度、見られるかどうかわからないよ。
これで切ったら最後かもね。いいんだよね?」と確認される。
パソコンに通じている家人がそこまで言うのだから、よほどなのだ。
が、OAの恩恵をさんざん蒙っている身であるにもかかわらず、
そのことによって敗北、生活が変わるのは心情的にイヤなのだ。
どんなにパソコンが再起動不能だと言われても、
映画館に奈良美智を観にいきたかった。

映画が終わって通常すぐには何か言わない家人が、
家に戻ってきて、飲んで飲んで、
何時間もたって、ようやく口を開く。
昨晩に続き奈良美智のムービーを二度観た見た家人が
思い出したのは
“ピアノが愛した女。SUPER FOLK SONG 矢野顕子”だという。
初めて観た私も、上演中、実はそう思っていた。

“ピアノが愛した女。SUPER FOLK SONG"は、
私がかつて歌声において苦手だった矢野顕子の
良さに目覚めたムービーなのだ。
本人がもっとも見せたくないのではなかったのではないのか、
製作過程でもがいている絵柄など…、どうなのさ、と思うのだ。
それでも公表しようと勇気を持つに至ったいきさつ。
直接的にスクリーンに現れないかもしれないが、
もっとも大事な部分は、そこなんじゃないか。
本当に大事なことは、
言葉にしにくい、音にもしにくい、映像にもしにくい、
しにくいしにくいしにくい「そこ」なのではないか。
で、そこを形にする人でないと一段階、先に進めないのではないか…。

アーティストでもそう。ブログを書く人でもそうなのだが、
皆さん、もっと自分を出せばいいのではないか。
どんどん出せばいいのではないか。
どんなに出したところで、文字にしにくい「そこ」は
めったには出せようはずがなし。
「そこ」と葛藤し続けてきた文学者たち、アーティストたちが
今の時代、どのように扱われているのか、どのように評価されているのか…、
など考えると鬱が入ってくるのだが。

韓国の人たちが、奈良美智さんの絵を見て、
涙したり、笑ったり、口をあけて、眺めいっていた。
そんな画像が次から次へとスクリーンで映し出された。
日本人はドライだ。
家人に言わせれば「日本人が変わったらしい。
昔は、韓国の人のように笑ったり、泣いたり、怒ったりと
感情表現が素直だったらしいよ」とのこと。
良い悪いは別として、日本人は同じ作品を観ていても、
ほとんどその場に立ち尽くすのみである。泣けない。笑えない。
ドライなのか? ドライを装っているのか?
そうだとしたら、ドライを装うのは、それほどいいことなのか。
ブログでも同じである。
別に、いいじゃないですか。
ダメな自分を公表するのはそんなに良くないことですか。
破綻を恐れすぎているのではないか。
気持ちとして、イメージをつくっていく過程として
人として当然かもしれないが、
それほど失って怖いものなど、あるのだろうかとも思う。
いや、私だって、本当に書いてはいけないことは書いていませんよ。
でもねえ…。もうちょっと書いても大丈夫ですよ、たぶんね。

「NARA:奈良美智との旅の記録」
を家人が二度目に観ながら思い出したのは、先にあげた矢野顕子、
そして、ジョー・ストラマーなのだという。
で、深夜の今、我が家ではジョー・ストラマーが流れている。
よいねえ、私の希望としては
日本語がはっきり聞こえるロックで、
魂の叫びと言えるものを聴きたいのだ。
スクリーンに出し切っていない奈良美智の希望・迷い…。
もどかしさとともに、希望を抱きたいとも思いつつ、
そんなことを感じている。

誤解されると困るので書くが、奈良美智を私は愛しています。
映画もよかった。
村上春樹、くるり、奈良美智、ふちがみとふなと、あたりは
何かあっても、たぶん嫌いにはならないでしょう。
八方美人、優柔不断、情緒不安定だと言われ続けてきた
私が、30年、いやもっとかーかけてようやくここまでブログに書けるとは。
不思議な世の中であります。
台風接近。どうか、お互い無事でありますように。

まだ発表段階ではないので詳細はまたにしますが、
8月中旬、ちょっとしたイベントに参加しそうです。
わずか2-3箱ではありますが、
しまいこんである本たちを参加させたいと思います。
このままではいったいいつになったら更新できるやら、だし、
商品化していない本は、いつまでたっても皆さんにお届けしようがないし。
参加店が驚くほどゴージャスなイベントになりそう。
その点には、どうぞご期待ください。

昨日は、神保町での市場(明治古典会)。
合間に、イラン絵本作家の作品をのぞきにギャラリーへ。
書肆アクセスに立ち寄り、荻原魚雷さんのすすめる20冊を見る。
「散歩もの」(久住昌之・作 谷口ジロー・画)を購入したところ、
懐かしい吉祥寺の光景やらビー・ラビッツの店頭光景やら。
アクセスでは畠中さんとおしゃべりした。
さらに近くの店で登山用品を買い込み、
急いで五反田へ移動。南部・入札市の下見のため。

五反田のたまり場といえば、フレッシュネスバーガー。
飲みたい人は生ビール。
そのあと、もっともっと飲みたい組は居酒屋へ移動。
凄腕店の意外な一面を垣間見る。いしし。

フレッシュネスバーガー段階では、
あの方もあの方もあの方もいらした。
たまたまの流れで、
湿気、乾燥、水、地震その他…の対策で苦心する話になる。
ああ、古書店は皆、苦心しているのだな。
市場やら何やらでこつこつ集書し続けた本を
年1度か2度、まとめて目録で公開する店は
祈るような思いのようだ。

物置、納戸などにしまいこまれていたような本は
市場に出てきた段階で、すでにかなり水分を含んでいる場合もある。
古い本の写真は貼り付きやすく、涙ながらにはがす。
逆に、乾燥しすぎる冬だと、
仙花紙本、革表紙本など触れればホロホロ崩れてしまうほどだと。

某A店がマンションの配水管の故障で水漏れ。
目録用に集めた本がずぶ濡れになった現場を
目の当たりにして、衝撃を受けた某B店。
光景が脳裏に焼きついてしまい、
それ以来、大事な本は必ずビニール袋に入れるようになったのだという。
A店では、ビニールに入れてあっても上を折り曲げてないものは、
ビニール袋の中じゅう浸水し、水中に本が浮かぶ状態だった。
だから、B店はビニールに入れて、
さらに上を折り曲げるか向きをかえて置くのだとか。
目録が完成したものの、地震の予言を聞いたら、
発行日を少し遅らせるとか。
ついに最近、地震保険に入った。
入ったおかげで地震がくればちょっとオッシと思うし、
来なければ来ないでよしと思えるようになったとか。
市場で本が崩れ落ちてきて頭に当たって死ぬとしたら、
どんな本だったら情けないか、せめてあの本であってほしい…云々。

五反田の一角に集結した諸先輩たちは、
きっと皆さんご存知のような面子揃い。
たまたま混ぜてもらった自分はペエペエのヒヨコなみ。
とても自分から話をできるほど心臓が強くない私は、
先輩から話をふられて口を開くのだが、
「それはね」と子どもをたしなめるような言葉をかえされ、たじたじ。
が、ともあれ、
その場に混ぜていただき、同じ空気を吸わせていただいたのだった。
凄腕の店であっても湿気やら乾燥やらと闘い、
地震におびえているという話に共感したし、勇気づけられた。

ブログに書けない話も多いが、
同業者どうし弱みを打ち明けあったり、
叱咤激励しあったりして、皆さん、支えあっている様子。
いずこも同じだ。

なお、帰宅後、
昨夜から家の周辺で鳴いている子ねこの捜索。
大島弓子さんのように、ねこの鳴き声で呼べないので、
我が家の母性ねこをキャリーバッグに入れて連れ出す。
母性ねこは子ねこの声に反応して、母ねこらしい声で鳴く。
母ねこかと思って近寄ってくる子ねこ。
呼応して鳴き合うが、
粘れども粘れども警戒心が強く、場所を移動してしまったり。
ついに姿を現すかと思ったそのとき、
どこかの成ねこに追われて逃げてしまった。
夜中の保護作戦、失敗…。

西荻窪にて「だいこんの会」。
阿佐ヶ谷・だいこん屋から始まったから「だいこんの会」。
だいこん屋は居心地のいい店だが、
だんだん人数が増えてきて入りきれなくなってきたため、
3度めのきのうは、西荻窪・北口の三善にて。
三善、よかった! あと5人、詰めれば10人ぐらいは入れるかも?

皆さんのご尽力のもと、楽しい会でした。
岡崎武志さんも書いていらっしゃるとおり、
何かをしようやろうなど目的はなく、
ただただ純粋に皆で飲んで食べて楽しんで、というのが面白い。
三善の薄暗いあかりの中、楽しそうに笑って語らう面々。
今日の集いがどういう展開になるのか
先が読めず、ストーリーを知らない映画を観ているかのよう。
でいながら、自分もまた映画の脇役もしくは
エキストラのU(注・酔いねこではない)であり。
わくわくした。

岡崎さんの地下書斎の湿度対策をお聞きしたところ、
乾燥機を置いているとのこと。
「一晩でこのぐらい水がたまるよ。
この空間のどこにこんなに水分があるんだろうと思うぐらい」とのこと。

海ねこのお客様からのメールより。
このブログをお読みくださっているようなので、
この場をお借りして、お礼と、勝手ながら引用させていただくお詫びを。

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大切な蔵書のシミ・カビ・・・、ショックと御心痛を察して余りあるものがございます。

日本の情緒の大切な要因であるところの「湿気」なんですが、
ホントにやっかいな困り者で・・・
(でも、私たちの肌や髪の毛がバリバリにならずにしっとりしているのは、
そのおかげなのですけどね。
ヨーロッパにいると、即全身カサカサのドライフラワーになりますね。)。

本も、乾燥しすぎればまたボロボロになってしまうわけですし、
でもそういうやっかいな「紙」というのがまた本の魅力の重要部分であるような気が致します。
「生き物」を扱っていらっしゃる、と腹をくくっていただいて、
どうぞこれからの湿度との戦い、善戦してくださいますように。

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生き物を扱っているーー
やっかいな「紙」がまた本の魅力ーー
なるほど、そういう考え方もできるのかと。
ちょっと目が覚めるような思いです。

ちなみに、この方、
愛猫を肩にのせてサイクリングで遠出なさるそうな。
今度、お目にかかったら、どうしてそんなことができるようになったのか
聞いてみたいものです。
私ももうちっと賢く、タフにならんと。Mさん、ありがとうございます。

問題の部屋に早速、乾燥機をセットしたら、
一晩で水分がほぼいっぱいたまった。
ああーあ、こんなところに本を詰め込んでいたら、
まるでシミ・カビの培養である。
いったんついてしまったら、コーティングしてあるものは
消毒用エタノールで拭いて陰干しするなど多少方法はあるのかもしれないが、
コーティングしていない函・本体はなかなか難しそうに感じている。

魔の巣窟にぎゅうぎゅう詰めにしていたのは
大半は蔵書(私物)なのでまだしも、
否、未更新本・目録用もあったので、
これを機に整理する、更新できるものはどんどん更新しながら
倉庫に移動させるぞ(要! 倉庫の整理と湿度調整)と心に決める。
あんまり悔しくて自分に腹がたって、
昨日は朝まで新着本にかかり、
「バリでの出来事」19話を観て就寝、朝6時すぎ。

思えば、6年ほど前だろうか。
引っ越した当初、
知り合いの電気店から照明器具やエアコンをまとめて購入した。
そのとき「おすすめですよ」と言われて購入したのが
床に置くタイプの乾燥機。
じめじめした時期、室内で洗濯物を乾かすのに最適と。
エアコンと違って、可動式なので、
必要に応じて、どこででも使うことができる。

こういった乾燥機をさらに買い足すこと。
それから、検索していたらデジタルの湿度計を発見。
この手のものを各部屋に設置して、こまめに見てまわることにする。

買取の際、何十年も前のセットものであっても
お客様によって驚くほど状態がよい場合がある。
その逆もあり。査定の値段が苦しく、先方への説明が切ない。
本を長年、保存しておくのはたやすいことではない。
紙の保存に、美術館も図書館も古書店もそれぞれ苦心していると思う。
何もせずに放置しているなど言語道断で、
それなりに工夫が必要だということ。
保存しておく自信がないものは持たない(え、古書店なのに?)。
痛みを伴って、ようやく気づくとは、なんと愚かな我。嗚呼。
さ、気分切り替えるよ。行動せよ。GOGO!

一度削除しかけたのですが、思い直しました。
恥もいいところですが、
反省を込めて、あえて残しておくことにします。
いやはやいやはや。落とし穴だらけだよ、村上春樹つぁん。

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だれかに迷惑をかけたわけではない。
が、古書店を始めて最大の失敗を冒したと自分では思っている。
後悔 先に立たず。

同じ本がこの世に何冊あるとしても、
あの人があの人に献呈署名入りで送ったあの本は
たぶん1冊しかないだろうに。
私が市場で買っていなければ、
本は傷まないで済んだだろうに。
「かわりがないんだよ。取り返しがつかないんだよ」
とヒステリックに荒れ狂う女を見る家族よ。

どなたかのもとにお届けする前に
本を傷めてしまってどうするんだ、古書店主。
自分の本なら許されるとしても、大事な本を
お届けする前にこんな目にあわせて失格じゃないか。
しかも、当方にとっては目ん玉出るぐらい高かったのでごじゃる~。

自宅と倉庫、何部屋かずつあるのだが、
できるだけ窓をあけて換気していたつもりだった。
ねこのせいにするのもどうかと思うが、
完全室内飼いの彼らが出てしまうため、どうしても開けられない窓もあり、
通気ができていなかったのかも。
まさか、あの部屋、それほど湿度がひどいとは気づかなかった。
もっと、こまめに本の状態を確認しておけば、
もっと早く気づくことができたのに。
未然に防げないにしても、もうちょっと浅い段階で気づけたはずなのに。
積み上げて巣窟状になったままだったのが致命傷。

湿度管理ができないなら、整理整頓ができないなら、
本を買ってはいけなかったのだろうか。
明日、貯金をおろして乾燥機と乾燥剤を買います。

本が痛んだからといって、人の命が損なわれるわけではない。
私が死ぬわけでもない。挽回挽回。
凹むな自分、ふさぐな自分、ヒステリーをおこすな自分。
損なわれたのは、巣立ったばかりのツバメの命。
あやめたのは、わがねこ。
ねこは本能に従って、飛びついただけのこと。
だれが悪い、だれの責任、ではないが、
覆水 盆にかえらず。
「私たちもいつか死ぬんだしね」
そう自分に言い聞かせながら葬った。

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ああ、火曜にお目にかかる方々、
多少凹んだやつが伺うかもしれませんが(←やあね。自意識過剰)、
そんな程度の理由なので、あまり気にしないでくださいね。
たぶん、乾燥機3台とか買い込んで、
ウインウインうならせて、たぶん火曜夜には元気になっているでしょう。

それにしても。
仕入れた本を回転よくどんどん売るのが一番とは思うものの、
目録用の本を大量に保管する場合、半年も1年もどのようにすればよいのでしょうか。
シミも出ないように、カビないように、さまざまな害で
本が傷まないように。この湿気国・ジャパンで。
美術館並みに湿度調整でもなさっているのですか?
どんな立派な書庫に本を入れているのですか?
わたしゃ失格。自信なしです。
先輩書店さん、今度、こっそり教えてください。

ビッグ(?)登山計画に備えて、行ってきました、高尾山。
子供のころから何度か登ってきましたが、
何年ぶりでしょうか。
のぼりは1号路。くだりは沢沿いの6号路。

下の写真でわかりますでしょうか。
看板の後ろがもやもやっとしていると思いますが、
湿気が多く、足元はぬかるみ多し。
今にも雨が降りそう。雨具を買い込みました。

この季節ならではか、各種アジサイ、シダ、コケがしっとり美しい。
ウグイス、キセキレイはじめ、鳥の鳴き声がBGM。

帰り、文雅堂に立ち寄りました。
ああ、欲しい本が久々にたくさん。
しかも「え、いいの? この値段で?」と驚く連続。
9冊、買い込んで帰りました。
店主さん、万一読んでいらしたらご挨拶もせずに失礼しました。
今度お目にかかりましたとき、きっと。

電車の友は、井上荒野さん。
ご主人は古書組合に入られているあの方。
お住まいが近くで、
ああ、知ってる、この光景…と目に浮かべながらの読書。

帰宅して、メールを見て、うれしい驚き!
ありがたい買取のお申し出をいただきました。
足はへとへとに疲れていますが、心は満たされた宵の口。
今夜はおいしく呑んで、ぐっすり眠れそう。

池袋・往来座周辺はじめ、わめぞ地区の盛り上がりが
目に浮かぶようです。
明日、動けないぐらいの筋肉痛でなければ行きたいと思います。

日が暮れて、暑さが落ち着いてから梱包・発送。
運動不足なので、歩きがてら隣の市の図書館へ。
沼辺信一さんがブログに書いてらっしゃる
「まぼろしの子どもたち」(ルーシー M・ボストン作 瀬田貞二・訳
堀内誠一・挿絵 山口はるみ・装丁デザイン
学研 少年少女・新しい世界の文学 68年)
を確かめたくて。
瀬田貞二・訳 堀内誠一・挿絵に驚くが、
山口はるみ・装丁デザインというのにも声をあげてしまう。

学研、私が仕事を始めた80年代前半には、
すでに絵本・児童書にはさほど力を入れていなかったような気が…。
知り合いが絵本担当の部署にいるので
頑張ってほしいです。以上。

パルコのMinamiスポーツで登山用品をまた買う。
吸汗性・速乾性にすぐれた下着、Tシャツなど。
スポーツウエアではあるが、ふだんでも使えるものなので。
夏になるとアセモに悩まされるので、
試してみたい一心。

パルコの食品売り場であれこれ買ってきた。
最近凝っている「ラ・トマトートマトのお酒」を呑みながら
NHKの「プレミアム10 YMO特集」を観る。
いい感じに年を重ねた3人。
若いころの演奏にある勢いこそないが、
今の3人も素敵。
どうなんだろう、50年後100年後、YMOの人気はどうなっているのか?
「いまだにYMOを超える人は出てこないね。
50年後、YMOの名前は残っているのかな」と言ってみたところ、
「残ってるよ」と連れに断言された。
今晩は、まぼろしの子どもたちを読みながら眠ります。

ところで、パソコンの調子がよくない。
ハードディスクが読み込めないとしばしば表示され、
青い画面が次々に出てきてしまう。
しかも、異なる文字の画面が次々に。怖い…。
連れには「今すぐ壊れてもおかしくない状態」と断言されている。
バックアップはとっているつもりだが、
本当にきちんととれているのだろうか。
新品のPCを買ってきたとしても、
連れに助けてもらわないと復旧できそうにない。
万一、壊れてしまって、すぐ連絡がとれない状態になってしまったら
申し訳ありません。
壊れてからでは遅いので、
今のうちから書いておくことにします。
それじゃダメかな。ダメだろうね。
思い切って即PC購入かとも思うのだけれど、
自分ひとりではデータ、ソフトを入れられないし。
嗚呼、いっそワープロ時代に戻りたいぐらい。

通常と異なる市場になっているため、
出かける機会が激減している。
夜昼逆転して、生活のペースがおかしくなる。
歩いていない。まずいな。
やることはいくらでもあるので、
ひとり家にこもって仕事をしているが、
無性にだれかと口を聞きたくなる。
ふだんは億劫なのに、外へ出る仕事がしたくなる。

立派なものでなくていい、
薄手のから始めればいいと思いつつ
自家目録に取り掛かっているが、早くも行き詰まりを感じる。
たやすくない…。その6文字である。
ただ並べていけばいいのか? そうではないだろう。構成が難しい。
こんなのでいいのか? だれひとり見向きもしないのでは?
もっと人をひきつけるものが必要じゃないか? 
かえって店のマイナス・イメージになるのでは? すぐ不安になる。
何百冊、何千冊と掲載するのであれば、
目録専用の置き場を確保しなければならない、
もっと充実した目録にするため
本を集めたら一体いくら軍資金がかかるんや? 
赤字か? 回収できるんか? 
だれに配るの? こんな目録、見てもらえるんだろうか? などなど。
道は険しい。半年、1年はかかることだろう。

月の輪さん、石神井さん、港やさん、日月堂さん、徳尾さん…
皆さん、この壁をどうやって乗り越えて目録の完成まで
こぎつけているのか。
気が遠くなるようだ。
市場での先輩たちーーマジな視線を思い出す。

で。
登山が近づいてきたことだし、
天気が安定していれば、高尾山にのぼってみようかと
家のものと相談している。

もうひとつ。この週末は池袋に行きたい。
ちょうど同じ時期、鬼子母神のお祭りとか。

メルマガ「早稲田古本村通信 第3回外市 大特集号」が
届いていた。
向井透史さんの文章がよい。
久々、素直に心へ届いてくる文章と出会った。
心のたけがよく出ている。
古書展が苦手だった瀬戸さんが
今日にいたった経過に"ドラマ"を感じる。
外市を楽しくも懸命にやっている気持ちが伝わってくる。

読んでみます?
ご本人が「転載? いいっすよ、どんどんどうぞ」
とおっしゃるのではないかと勝手に信じて
以下、転載させていただきます。

挟み込み以下の7行、まったくの蛇足ながら。
瀬戸さんたちもいろいろ考えているようだが、
とりあえず出来ることとして、
旅猫さんがつくっているマップみたいに、
「わめぞ うまい店ガイドマップ」(クーポンつき?)を
「外市」で配布したらいいかもと思った。
やってるのかな、そういうの、すでに?
もとい、向井さんの文章です。↓
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■■「外市」宣言 改訂版■■ 古書現世・向井透史

 思えば会場である古書往来座店主の瀬戸さんと初めて会ったのは、
2006年の2月だった。その月の終わりに池袋のジュンク堂で岡崎武志
さんと坪内祐三さんのトークショーがあり、そこに知人が数人聞きに
行っているということで、みんなで飲みましょうということになった。
その時、少し前に知り合いになった、「編集会議」の古本屋紹介連載
の筆者で、フリペ「buku」編集長でもあるライターの北條さんが
「誘いたい人がいるんですけど」という話になった。それが瀬戸さん
だった。その後、北條さんから瀬戸さんが飲み会参加に緊張していると
聞いた。知っている人がいない飲み会なので、心配しているという。
そこで、2月中旬に開催されたサンシャインの古本市に行った帰り、
往来座に挨拶をしに行こうと、こちらも少し緊張して店に向かった。
そして初めて瀬戸さんと会った。随分と大きな店で驚いたのだが、店主
である彼が自分より年下だということでもまた驚いた。まだ三十代前半
なのだ。真面目な人だな、というのが第一印象だった。そして当日の
飲み会でも、なんとも言えない味のある瀬戸さんの風情に一発でファン
になってしまった。どちらかといえば「新宿」に行くことが多かった
自分が、用事を「池袋」で済ますようになったのはこのころである。

 その年10月の早稲田青空古本祭が終わったころ、ちょっとした用事
で往来座へ行くと、急遽自分の誕生日を祝う会を開催してくれるという。
往来座のみんなと鬼子母神横の「魚河岸亭」へ行った。その席で、往来
座外の均一があまり売れない、という話になった。あれだけのスペース
を使ってるのに、もったいない気がする、と瀬戸さんは話した。そこで、
以前からやりたいと思っていた案を話した。古本屋の店頭、もしくは中
で小さな古本市を開催するというものである。それを、その均一スペース
でできないだろうか。ちょうど早稲田の催事、BIGBOXの古本市が
終わる、という話が出始めたころだった。そういう不安な毎日に考えて
いた「次の古本市」。交渉事に嫌気がさしていた自分は、気軽な古本市
が欲しかった。以前と違いネット告知が比較的容易になった現在、広い
店先があれば、「店」そのものが「会場」となれないか、と思っていた
のだ。

 現在、古書会館などをのぞいて、古本市は受難の時代ではないだろう
か。新宿伊勢丹の古本市打ち切りは衝撃的だった。あれだけの売り上げ
を出し続け、三十年ほど続いてきた古本市も、ブランド戦略の前にあっ
けなく切られた。他にも他催事との天秤にかけられてできなくなったり
もあるのだという。そうじゃなくても、場所を借りるというのは大変な
ことで、制約は多いし、経費だって売り上げの2割3割は当たり前だ。
品物集めも大変だ。以前ほど簡単に本を集められなくなった。市場に出
品される本も少ないし、一般の古本市で売るような本を1000冊近く
集めるのは本当に大変だ。古本市にあわせて発行される目録なんかで数
百万円売るような古書店と違って、小さな古本屋は現場で売れてなんぼ
だ。でも本が無いから店から抜いたりして、それで店が開店休業状態に
なったりする。そういう本末転倒状態におちいったりもする。妥協して
同じ本を使いまわして、売っていても面白くなかったりもする。

実は、そんなことから瀬戸さんは古本市というものが嫌いなのだと後で
知った。話は彼の独立前、修業時代に遡る。店長があまりいなくて、店
内をまかされていた彼は真面目に店の棚を作った。いろいろと考えて棚
を作った。毎日の積み重ねであるそんな棚を、一瞬で壊してしまうのは
いつも古本市という存在だった。前述のように、店主に棚からごっそり
本を抜かれて棚は壊れる。きっと、真面目な瀬戸さんにとって、自分の
心そのものが抜かれるようにつらかったに違いない。そんな瀬戸さんに、
彼の店で古本市をやろうなんて言ってるのだから、自分はなんと非常識
なのか、と思う。でも、自分だって思いは同じなのだ。自分は「店」の
ために「古本市」をやりたいと思ったのだから。別に「古本市」という
のはどこかへ行ってやる必要がないと思うのだ。実際店舗が売れている
店というのは、店の中に「古本市」的な要素があるのである。「いい本」
というよりは「買いやすい本」がたくさんあるという状況である。とは
言っても口で言うのは簡単だが、それはそれで量もいるし、手間だって
大変である。だから気軽にそのような状況を作るために、その部分は他
の店に頼む。当たり前なのだが、人が来れば店も売れる。自分の店だか
ら、制約はほとんどない。結局は、店にくる「きっかけ」作り。それが
店舗内古本市なのである。

 話変わって。退屈男君のブログ「退屈男と本と街」というのは本当に
いい名前だと思う。彼は街を歩く。本だけではなくて、街のあれこれを
刻みながら歩く。「本」とは関係ない景色を歩き、「本」に関係なさそ
うな人たちとすれちがう。その先に本屋がある。「街」はやっぱり「雑」
がいい。だから自分は「ヘイ・オン・ワイ」のような本屋だらけの街に
は興味がない。何かこう、「ざらつき」が無い。イメージとして、心地
よすぎるのだ。路上とつながった、普通の街角に古本を集めたい。もし
かしたらそれが「古本市」だと気づかない通行人がいるような、そんな
古本市がやりたい。実は往来座の「往来」にはそんなイメージがあるこ
とを瀬戸さんに聞いた。彼には大事にしている言葉がある。HPのトッ
プにある言葉だ。「本は本棚のつづき、本棚は本屋のつづき、本屋は
往来のつづき」。本の中に街はあり、街の中に本はある。「本」にも
「街」にも無限の可能性があるような気がしてくる。これは大学時代の
恩師の言葉だそうだ。
 それから、かつてあたりまえだった道端での立ち読みの姿。今はコン
ビニのガラスの向こうだったり、大書店はビルの中だ。小さい書店の前
で、雑誌を立ち読みしている人たちの風景。そのような、街の中に本が
普通にある風景を、もう一度みたい。店の内と外がきっちりつながって
いる、その場所で外市をやりたい。

 外市のキャッチフレーズは「外、行く?」である。お客さんが気軽に
人を誘って来られるような、そんなイメージで作った言葉だ。でも、実
はそれだけではない。売る側、つまり自分や参加者に向けての言葉でも
あるのだ。たとえば。自分も、思うように店を運営できない。いまだ親
父が社長であり、自分は雇われ店主みたいなものなのだ。だから、流さ
れたまま毎日を送ってしまう時もある。妥協になにも感じなくなってし
まう時もある。でも、言い訳ばっかりしてふてくされていても、何も変
わらない。そんな時、外市が具体的に目の前に現れた。「古本業界」と
か「早稲田」とかのしがらみがない古本市が目の前に現れた。もう15
年以上古本屋をやっているが、もう一度、ゼロから積み上げていける機
会をもらったような気がする。自分が立っている狭い枠の外へ行けるよ
うな気がする。古本市が嫌いだった瀬戸さんは、自分の店でその古本市
をやることを決めた。新しいお客さんや同業者とのつながりに賭けて、
彼は一番最初に「外」へ出た。

 この外市、経費は大棚を使うプロで数千円、他は数百円だ。「この
古本市を開催することによる集客」をもって参加費とさせてもらった。
出品量も自由だ。棚にあわせて量を決めるのではなく、出したい量に
あわせて、棚を決める。自分を表現することに何がベストか、という
ことを一番にしたいのだ。店番に来られなくても参加できるようにし
たい。とにかく無理なく参加できる場を作りたかった。不安なく参加
できる場を作りたかった。実際、プロの古本屋でも古本市をやりたい
けど量がとか、人手がとか、いろんな理由で参加できず「外」へ行け
ない人も多いと思う。そういう人、いまだ出会っていないけど同じよ
うなことを思っている人が気軽に参加できる場であってほしい。今ま
でと違う自分を表現できる場であってほしい。不満だらけの自分の枠
の「外」へ行ける場であってほしい。だから「外、行く?」なのだ。

晴れでも雨でも、空の下で本を見て、少しでも来てくれた人にいつも
と違う「外」を感じていただければと思っています。では最後に。
「外、行く?」。

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古書往来座 外市 明日7日初日。午前11時開始です。雨天決行!
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「外、行く?」
第3回 古書往来座外市~わめぞ七夕、外に願いを!~

■日時
7月7日(土)~8日(日) 

7日⇒11:00~20:00(往来座も同様)
8日⇒11:00~17:00(往来座は22:00まで)

■雨天決行! 一部は店内に移動します。

■会場
古書往来座 外スペース(池袋ジュンク堂から徒歩3分)
東京都豊島区南池袋3丁目8-1ニックハイム南池袋1階
http://www.kosho.ne.jp/~ouraiza/

■参加者

▼メインゲスト(大棚使用約200冊出品)
”古本ソムリエ”山本善行 http://d.hatena.ne.jp/zenkoh/

山本善行(やまもと・よしゆき)
1956年、大阪市生まれ。古本エッセイスト。「エルマガジン」にて「天声
善語」を連載中。著書に「古本泣き笑い日記」(青弓社)、「関西赤貧
古本道」(新潮新書)。


▼わめぞ古本屋軍団(大棚使用約200冊出品)
古書往来座(雑司が谷)http://www.kosho.ne.jp/~ouraiza/
古書現世(早稲田)http://d.hatena.ne.jp/sedoro/
立石書店(早稲田)http://d.hatena.ne.jp/tate-ishi/

■わめぞオールスター(小棚 or 一箱)
m.r.factory 武藤良子(雑司が谷)
http://www.geocities.co.jp/Milano-Aoyama/5403/
旅猫雑貨店(雑司が谷)http://www.tabineko.jp/
リコシェ(雑司が谷)http://www.ricochet-books.net/
ブックギャラリーポポタム(目白)http://popotame.m78.com/shop/
琉璃屋コレクション(目白) 版画製作・展覧会企画
退屈男(名誉わめぞ民)http://taikutujin.exblog.jp/

■スペシャルゲスト(一箱 or 小棚)
岡崎武志堂 http://d.hatena.ne.jp/okatake/
蟲文庫(岡山) http://homepage3.nifty.com/mushi-b/
嫌記箱(塩山芳明)http://www.linkclub.or.jp/~mangaya/
臼水社(白水社有志)http://www.hakusuisha.co.jp/
ハルミン古書センター(浅生ハルミン)http://kikitodd.exblog.jp/
文壇高円寺(荻原魚雷) http://gyorai.blogspot.com/
「朝」(外市アマチュアチャンピオン)
北條一浩(「buku」編集長)http://www.c-buku.net/aboutbuku/index.html
貝の小鳥 http://www.asahi-net.or.jp/~sf2a-iin/92.html
美篶堂 http://www.misuzudo-b.com/
伴健人商店(晩鮭亭)http://d.hatena.ne.jp/vanjacketei/
ふぉっくす舎 http://d.hatena.ne.jp/foxsya/

他、往来座お客様オールスターズ

▼まだ残席ございます! よろしくお願いいたします。

■ワメトークvol.2 『古本暮らし』刊行記念
「三重県人!~わたしたちが東京に来るまで~」

荻原魚雷さんの『古本暮らし』(晶文社)の刊行を記念いたしまして、
トークショーを開催します。お相手は人気イラストレーターの”猫ストー
カー”浅生ハルミンさん。お二人の共通点、それは三重県出身! 三重とは?、
不良との戦い、地方での古本体験から東京に出てくるまでのエピソードを交え
て語っていただきます。

荻原魚雷(ライター)×浅生ハルミン(イラストレーター)
司会・向井透史(古書現世)

■日時
7月8日(日) 14:00~16:00(開場1:30)
■会場
上り屋敷会館2階座敷 東京都豊島区西池袋2-2-15 
地図はコチラです。→http://f.hatena.ne.jp/wamezo/20070413174217
■参加料 600円
■定員 40名

■予約方法
予約・問い合わせは古書往来座が受けます。電話・メール・FAXのいずれか
で、お名前、参加人数をご記入の上、お申し込みください。

◎古書往来座 営業時間11:00~22:00
TEL&FAX 03-5951-3939
ouraiza@kosho.ne.jp

※当日、参加希望の方は、外市会場で直接、もしくは往来座に電話にて座席
の有無をご確認ください。事前に定員に達した場合は「わめぞブログ」にて
お知らせいたします。 http://d.hatena.ne.jp/wamezo/

市場に出かけなくては…。
じりじり時計とにらめっこで身支度。 
電話が鳴るのは、そんなときに限って、だ。

電話の向こうで
「~市の~ですけど」と話し出したのは
目録で本を注文してくださった方。
足が悪く、耳が遠くなり、外出がおぼつかないと
前に葉書に書いてくださった。

ああ、市場に行かないとと焦るこちらのさまなど、
受話器の向こうに伝わるはずもなし。

本をお送りするとき
「ちくま」を同封したところ、
「楽しく読みました。いろいろ思い出が甦ってね」
と、ひじょうに喜んでくださった。

吉祥寺にお住まいだったこと。
藤井書店に通っていたころの思い出。
昔、田村書店でコーヒー代にしなよと
本代をまけてもらった思い出。
贔屓にしていた古書店の目録で欲しい本が見つかり、
久々に申し込んだどころ、電話で店主が亡くなったと告げられショックだったこと。
その店では昔、目録を見て応募したところ、
店主から「~さんの専門だからお譲りしますよ」と言ってもらった。
ところが、あとから、その本に注文が殺到して、
どういうことかと店主があわてた。
実は店主が値付けを間違って
一誠堂あたりだと三万五千円する本だったこと。
三鷹に住んでいる友人と永らく会っていないことなどなど。

思い出が堰をきったように
受話器の向こうからこぼれだす。
耳が遠いなんて本当? と思うぐらい
こちらの反応もきちんと聞いている。

届いた本を喜んでくださったさまが
いきいき語られる。
「あなたのところから~冊譲ってもらったから、
残り~冊、頑張って集めないとね」
と、さらに集書に励むべく希望に燃えている。
失礼な言い方だとしたら申し訳ないが、
子供のような瞳をしていらっしゃるのではないかと想像した。

当店のお客様といえば、ネット利用できる方のみだったのだが、
本の散歩展、月曜倶楽部など目録に参加するようになり、
客層が広がった。
今回のように、ご年配の方からじきじきに
お礼の電話をいただいたのは初めて。
市場に遅れそうでハラハラしたのは置いておくとして、
新鮮だった。

昨日の市場では、大正のとある雑誌、
古い絵本3山を購入。
ほこりだらけの古い本を箱詰めして、
2箱に入らない分(新しめでまた手に入ると思うものなど)は泣く泣くツブした。

海ねこのしおり追加分を
居ぬさんから受け取る。
お忙しいところ、いつもありがとうございます、居ぬさんミワちん。

まもなく登山計画があるので、神保町の店で買い物。
最新のサポータータイツ、
吸水・蒸散性と速乾性を備えたストレッチパンチ、
たまたまバーゲンだったためダウン、
ストック(杖)、リュック…。

道具を揃えると、俄然、気分が盛り上がってくる。
お金を使うなら本を買えよ、と思いつつ、
体力づくりも仕事のうち、と自分に言い訳しながら支払う。

おなじみ面子の飲み会に、久々参加。
情報交換、ありがたかった。
失言の数々、無礼講とお許しいただけるかどうか…。
京王線の終電がなくなってしまい、
中央線の終電で三鷹まで。

本日、予想どおり起きられず。
声にならない声で呻いてたら、郵便局から電話。
郵便局に振替口座をつくってもらっているところなのだが、
住所・店名・個人名の入ってるパンフレットなど
その住所で商売をやっていることを示す書類を複数提出するようにとのこと。
住所と店名が入ったもの、住所と個人名が入ったものはあるけれども、
住所・店名・個人名の3つが入っているものとなると案外難しい。
あれこれ窓口に持っていってみる。
目録でご注文になるご年配の方は、
慣れている振替用紙での支払いをご希望なさるので、
あわてて振替口座を作ったのだ。
しかし、振替用紙を使って窓口で支払うといまや手数料150円だものね。
ネットで振り込んでも110円。
安くないなあ、民間銀行は振込み手数料0円だって珍しくないのに。

夕方、車で買取に出かける。
翻訳家のお宅だった。
洋書絵本、ビジュアル本のほか、
市場ではまったく買えそうにない幻想文学なども譲っていただく。
幻想文学は1箱分あり、他店で1500円、
また、別の店には1万円と言われたとか。
ビジュアル的にも惹かれるものが多く、
頑張ってもっと払ってお譲りいただいた。
引っ越しなさるそうなので、今後、市場に出品をご希望なさるときは
委託でお手伝いすることを提案して帰ってくる。

市場で買った本、買取で買った本、
日々、本の整理に追われている。
新着本、やりますー。海ねこ、動かしていかないと。
大市のため、通常市が休みになるこの機会に、と思う。

昨日のお電話、
ちょっとよく聞き取れなかった部分は想像で補っていたのだが、
たぶんご著書をお送りくださるとおっしゃっているのかと予測していたら、
たった今、本当に達筆のお手紙つきで本が届いた。
お金儲けも必要なのだろうし、お金は欲しい。
だけど、お金で買えないものもたくさんある。
有形無形のものを、いろいろな方から、
たくさんたくさんいただいているなあ。

銀座・教文館 ナルニア国にて
絵本「ディック・ウィッティントンとねこ」(マーシャ・ブラウン)出版を記念して、
松岡享子さんサイン会。

“Dick Whittington and His Cat”の英語版を海ねこで販売したことがあるが、
日本語版が出版されるのは本邦初とのこと。
編集担当したのは、わが友人・ナンダンナ こと 小宮由さん(アリス館)だ。
(以下、敬称略)
ナルニア国では、マーシャ・ブラウンの原画展が開催中だった。

ナンダンナのもとに
今朝、マーシャ・ブラウンからじきじきにメールが届いたそうだ。
マーシャ・ブラウン自身、
今回の日本語版の出来に大変満足しているとのこと。
編集ナンダンナは、胸を撫で下ろしたようだ。

この絵本、アメリカですでに版元が変わりに変わって
3社めなのだという。
今現在、流通している絵本は、
どういうわけか、色合いがオリジナルとかなり異なり、
マーシャ自身もちょっと???な出来らしい。
今回のアリス館バージョンは、
アメリカで出版されていた初版と照らし合わせながら
入念に作られている。
現在入手可能なものは、初版といえども、見返しが白地だが、
初版の中でも、ごくごくごく初期のものに限り(入手はほぼ不可能。
いわば幻の初版中の初版)見返しがワインレッドなのだという。
マーシャによれば、主人公の成功のあかしが
ワインレッド色に象徴されているのだとか。

今回の日本語版は、マーシャからの希望で
見返しをこのワインレッドにしてある。
しかも、マーシャ・ブラウンから「DEEP RED WINE COLOR」と指示された
ナンダンナ、いったいどんな色にすればいいのか、
確証がないため本当にこれでいいのだろうかと、おおいに悩んだらしい。

ほかにもカバー・表紙に入れるクレジットについて
「マーシャ・ブラウン作」とすべきか、
「マーシャ・ブラウン文」とすべきか、
「マーシャ・ブラウン再話」とすべきか、
マーシャ・ブラウンに確認したところ、
ぎりぎりのところでようやく返信が届き、
カバーに入れる描き文字に追加が出たりと、大わらわだったとか。

訳文を担当した松岡享子さんとも
ほぼ1年近くかけて、何度も何度も何度も何度もやりとりをしたのだそうだ。
もう時間的に無理というぎりぎりまで、
松岡さんがご熱心に訳文にこだわっていらしたとか。
具体的にどこの文章の訳文に
松岡さんと編集ナンダンナが苦心したのかという話も、
友人ゆえ聞くことができた。とても興味深かった。

1冊の絵本、私たちは気軽に楽しく手にするが、
その裏には、さまざまな人のたゆまぬ努力がある。
たかが1冊の本と感じる人もいるのだろうが、
大勢による努力の結晶なのだと思う。
「ディック・ウィッテントンとねこ」いかがでしょうか。

ところで、ナルニア国にいると欲しい本が次々に見つかって、
うれしい悲鳴、といったところ。
いやあー、買い込んだ買い込んだ、堀内誠一、石井桃子、薮内正幸ほか。
スタッフがいろいろ教えてくださり、対応がとても良い。
ナルニア国に人が集まる理由がわかるような気がする。

ナンダンナ&ナンダ夫妻&愛児・ういたんと
皆で食事&銀ブラ。
歩行者天国をジミー大西が
きれいな女性と歩いていた(笑)。

帰りに、阿佐ヶ谷・よるのひるねへ。
よるひるの古本市「よるひるふる Vol.4」。
股旅堂、阿佐ヶ谷駅前「ふるほんや」など出店していたため。

股旅堂さんに関係者に紹介してもらう。
「海ねこさんのブログ、削除した分を読んだんですけれど、
僕と一緒だなあって。僕も似てるので」
と股旅堂さん。
「ええー、読んだんだあー」と戸惑いつつも、
股旅堂さんには、いつも慰めてもらっているなあと思った。

今夜は観ますよ、「メントレG」も「情熱大陸」も観ますよ。
「バリでの出来事」も観ます。
ここのところ連日まとまった発送があったので、
今日は受注作業だけして、あとは休ませていただくことにします。

追伸 ナンダンナさん、何か間違えていたら訂正お願いします。

2012年9月

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