日曜の銀座

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銀座・教文館 ナルニア国にて
絵本「ディック・ウィッティントンとねこ」(マーシャ・ブラウン)出版を記念して、
松岡享子さんサイン会。

“Dick Whittington and His Cat”の英語版を海ねこで販売したことがあるが、
日本語版が出版されるのは本邦初とのこと。
編集担当したのは、わが友人・ナンダンナ こと 小宮由さん(アリス館)だ。
(以下、敬称略)
ナルニア国では、マーシャ・ブラウンの原画展が開催中だった。

ナンダンナのもとに
今朝、マーシャ・ブラウンからじきじきにメールが届いたそうだ。
マーシャ・ブラウン自身、
今回の日本語版の出来に大変満足しているとのこと。
編集ナンダンナは、胸を撫で下ろしたようだ。

この絵本、アメリカですでに版元が変わりに変わって
3社めなのだという。
今現在、流通している絵本は、
どういうわけか、色合いがオリジナルとかなり異なり、
マーシャ自身もちょっと???な出来らしい。
今回のアリス館バージョンは、
アメリカで出版されていた初版と照らし合わせながら
入念に作られている。
現在入手可能なものは、初版といえども、見返しが白地だが、
初版の中でも、ごくごくごく初期のものに限り(入手はほぼ不可能。
いわば幻の初版中の初版)見返しがワインレッドなのだという。
マーシャによれば、主人公の成功のあかしが
ワインレッド色に象徴されているのだとか。

今回の日本語版は、マーシャからの希望で
見返しをこのワインレッドにしてある。
しかも、マーシャ・ブラウンから「DEEP RED WINE COLOR」と指示された
ナンダンナ、いったいどんな色にすればいいのか、
確証がないため本当にこれでいいのだろうかと、おおいに悩んだらしい。

ほかにもカバー・表紙に入れるクレジットについて
「マーシャ・ブラウン作」とすべきか、
「マーシャ・ブラウン文」とすべきか、
「マーシャ・ブラウン再話」とすべきか、
マーシャ・ブラウンに確認したところ、
ぎりぎりのところでようやく返信が届き、
カバーに入れる描き文字に追加が出たりと、大わらわだったとか。

訳文を担当した松岡享子さんとも
ほぼ1年近くかけて、何度も何度も何度も何度もやりとりをしたのだそうだ。
もう時間的に無理というぎりぎりまで、
松岡さんがご熱心に訳文にこだわっていらしたとか。
具体的にどこの文章の訳文に
松岡さんと編集ナンダンナが苦心したのかという話も、
友人ゆえ聞くことができた。とても興味深かった。

1冊の絵本、私たちは気軽に楽しく手にするが、
その裏には、さまざまな人のたゆまぬ努力がある。
たかが1冊の本と感じる人もいるのだろうが、
大勢による努力の結晶なのだと思う。
「ディック・ウィッテントンとねこ」いかがでしょうか。

ところで、ナルニア国にいると欲しい本が次々に見つかって、
うれしい悲鳴、といったところ。
いやあー、買い込んだ買い込んだ、堀内誠一、石井桃子、薮内正幸ほか。
スタッフがいろいろ教えてくださり、対応がとても良い。
ナルニア国に人が集まる理由がわかるような気がする。

ナンダンナ&ナンダ夫妻&愛児・ういたんと
皆で食事&銀ブラ。
歩行者天国をジミー大西が
きれいな女性と歩いていた(笑)。

帰りに、阿佐ヶ谷・よるのひるねへ。
よるひるの古本市「よるひるふる Vol.4」。
股旅堂、阿佐ヶ谷駅前「ふるほんや」など出店していたため。

股旅堂さんに関係者に紹介してもらう。
「海ねこさんのブログ、削除した分を読んだんですけれど、
僕と一緒だなあって。僕も似てるので」
と股旅堂さん。
「ええー、読んだんだあー」と戸惑いつつも、
股旅堂さんには、いつも慰めてもらっているなあと思った。

今夜は観ますよ、「メントレG」も「情熱大陸」も観ますよ。
「バリでの出来事」も観ます。
ここのところ連日まとまった発送があったので、
今日は受注作業だけして、あとは休ませていただくことにします。

追伸 ナンダンナさん、何か間違えていたら訂正お願いします。

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コメント(2)

特に間違いはございません。丁寧な解説、ありがとございます。フリーのライター時代を彷彿とさせる文章で、大変光栄です。

確かに1冊の本の裏側には、たくさんの人のたゆまぬ努力が隠されていますが、読者にはあくまで結果で勝負。あまりそこを強調しても、ね。だからわたくし、講演会等で本を売りまくる人、嫌いです。うんちくがないと魅力が伝わらんのか、と。

「読者にはあくまで結果で勝負。」
以下の部分、ナンダンナさんらしい!
くれぐれも長生きして、じっくり良い本を作っていくのだぞ。お願いします。

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