2007年6月アーカイブ

昨日、月の輪書林さんから3冊(目録を見て7冊応募)、
今日は海風舎さんから7冊、本が届く。
尊敬している先輩書店さんから本を受け取ると、わくわくします。
おおいに学びます。

海ねこ業はというと、やりかけの新着が途中でとまったまま、
日々、こつこつ梱包・発送作業にいそしんでおります。
今宵、海ねこより旅立ってゆくのが
「日本少國民文庫」(新潮社 昭和11年ー12年)。

恩地孝四郎の装丁はいわずもがな(函の表裏・側面・扉、どこもかしこも)、
口絵の写真、挿絵、文章、訳文、構成、活字、作品の選択
…どこをどうとっても上品で豪華で…。
こんな本がつくられていた時代に生まれたかった…。
生まれていたとして、買ってもらえる家庭環境だったかどうかは別として。

別れがちょっと惜しいけれども、かわいがってもらいなさい、
達者でな、という心境。海ねこに来てくれてありがとう。

次は、函の裏面(2巻)。

日本少國民文庫(全16巻)
このうち当方の在庫分は、1・2・4・5・6・11・12・13・14・15・16の11巻。
元パラがかなりついていました。
ちなみに、すでに品切れのため、ご購入にはなれません。

以下、本体表紙。

裏表紙も美しいです(2巻)。

1 人間はどれだけの事をして来たか(一)大阪商大講師・恒藤恭
2 人間はどれだけの事をして来たか(二)理学博士・石原純
3 日本人はどれだけの事をしてくるたか 文学博士・西村眞次
4 これからの日本、これからの世界   法学博士・下村宏
  挿絵・恩地孝四郎・鈴木園衛
5 君達はどう生きるか 山本有三 挿絵・脇田和
6 人生案内 水上瀧太郎
  挿絵・漫画・図表 上田健一・鈴木園衛・津田穣
7 日本の偉人 菊池寛
8 人類の進歩につくした人々 山本有三
9 発明物語と科学手工 特許局機械部長・廣瀬基
10 世界の謎 理学博士・石原純
11 スポーツと冒険物語 飛田穗洲 豊島与志雄 
   挿絵・恩地孝四郎・高畠達四郎・宮本三郎・鈴木朱雀
12 心に太陽を持て・胸にひびく話・20篇 山本有三
   挿絵・恩地孝四郎・鈴木朱雀・大野隆徳・
   鴨下晁湖・田中良・中村研一・齋藤五百枝
13 文章の話 里見弴
   挿絵・恩地孝四郎・津田穣・脇田和・鈴木そのゑ・硲伊之助
14 世界名作選(一)山本有三・選
   挿絵・恩地孝四郎・大野隆徳・武井武雄・宮本三郎
15 世界名作選(二)山本有三・選
   挿絵・伊勢正義・内田巌・恩地孝四郎・小柴錦侍・佃武昭・硲伊之助・脇田和
16 世界名作選(三)山本有三・選
   挿絵・足立源一郎・恩地孝四郎・鴨下晁湖・木村荘八・鈴木朱雀・
   武井武雄・深澤省三・松山とも子・宮本三郎・山村耕花

赤ノッポ青ノッポ(漫画)武井武雄 各巻4ページずつ。
詩・短歌・小話などもはさみこまれています。

口絵も工夫されています(写真は2巻。顕微鏡でのぞいた世界)。

日本少國民新聞が1部ついていました(15巻)。

「「今度もおくれました」なんて、もうお詫びは致しません。
泣いても笑つても、とうとう残すところ後一冊になりました。
そして、お別れしなければならない日も間近になりましたが、
私たちは悲しみますまい。
なぜといつて、われわれ「日本少國民文庫」を愛する者は、
その心の中に、文庫十六巻の持つ高く美しい、
知識を愛する精神によつて貫かれ、
それに依つて何時でも、手をつなぎ合ふ事が出来るからです」
(日本少國民新聞 第15号 より)

「東京の一読者より
日本少國民文庫編集部の皆様、いつもいつも
立派な御本をお造り下さつて有難うござます。
私の本箱には十三冊の本がきちんと並んでをります。
私はひまがあると本箱の中から
少國民文庫の中どれかを出して読み出します。
本箱を開けて、金色(こんじき)の字の題名が
ずらりと並んだ色とりどりの十三冊の本から、
今日はどれを読まうかと考へて、
やがて一冊を取り出してパラパラと頁をめくる時の気持、
その時のたのしさは全く快よいものです。
そして読んでゐる間ほんたうにわき目も振らずに一生懸命です。
もうこの文庫で二回読まないものは殆どありません。
一回読んでよくのみこめないところも二回読めば大体わかります。
三回読めば全部わかるといつた工合に、
読む回数を重ねるほど進歩して行くことも嬉しうございます」
(日本少国民新聞 第15号 反響欄より)

以下、14~16巻の目次より。
●14巻

たとへばなし レッシング
リッキ・ティキ・タヴィ物語 ラッディアード・キプリング 中野好夫・訳
身体検査 ソログーブ 米川正夫・訳
牧場(詩)ロバート・フロスト 阿部知二・訳
人は何で生きるか レフ・トルストイ 中村白葉・訳
日本の小学児童たちへ、他一篇 アルベルト・アインシュタイン 石原純・訳
母の話 アナトール・フランス 岸田國士・訳
笑ひの歌(詩)ウィリアム・ブレイク 吉田甲子太郎・訳
私の少年時代 ベンジャミン・フランクリン 阿部知二・訳
山のあなた(詩)カルル・ブッセ 山田敏・訳
母への手紙 シャルル・フィリップ 山内義雄・訳
ジャン・クリストフ ロマン・ローラン 豊島与志雄・訳
二つの歎き(詩)フランシス・ジャム 堀口大学・訳
点子ちゃんとアントン エーリヒ・ケストネル 高橋健二・訳
赤ノッポ・青ノッポ・スキーの巻(漫画)武井武雄

●15巻

シャベルとつるはし ジョン・ラスキン 中野好夫・訳
一握りの土 ヘンリ・ヴァン・ダイク 石井桃子・訳
郵便配達の話 カレル・チャペック 中野好夫・訳
塀を塗るトム・ソーヤー マーク・トウェイン 吉田甲子太郎・訳
断章(詩)ポール・クローデル 堀口大学・訳
スポーツについて、わが子へ シオドー・ルースヴェルト 阿部知二・訳
北海の医師 メアリ・パークマン 西村孝次・訳
わが橇犬ブリン サー・ウィルフレッド・グレンフェル
スガンさんの山羊 アルフォンス・ドーデー 櫻田佐・訳
職業を選ぼうとする人に トマス・ヘンリ・ハックスリ 吉田甲子太郎・訳
絶望No.1(詩)エーリヒ・ケストネル(海ねこ注・ケストナー)
日本紀行 アン・モロー・リンドバーグ 深澤正策・訳
幸福の王子 オスカー・ワイルド 阿部知二・訳
鮪釣り ビセンテ・ブラスコ・イバーニェス 永田寛定・訳
一粒の麦 アンドレ・ジイド 岸田國士・訳
兄への手紙 アントン・チェーホフ 中村白葉・訳
フェルディナンドをぢさん クシチャン・エルスター 千葉静一・訳
花の学校(詩)ラビンドラナート・タゴール 平松幹夫・訳
蜜蜂マーヤの冒険 ワルデマル・ボンゼルス 高橋健二・訳
赤ノッポ・青ノッポ・年賀状の巻(漫画)武井武雄

●16巻

子供のため 島崎藤村
杜子春 芥川龍之介
天下一の馬 豊島与志雄
漳(サンズイに章)洲橋のほとりに立ちてくちずさめる(詩)佐藤春夫
大人の眼と子供の眼 水上瀧太郎
道風の見た雨蛙 薄田泣菫
二人の勇者 鈴木文史朗
五疋のやもり 浜田廣介
母性の芽ばえ 平塚明
正太と蜂 坪田譲治
オッペルと象 宮澤賢治
短歌 中村憲吉
上泉信綱 直木三十五
孝行飛行 久米正雄
百年後の世界 馬場恒吾
落葉松(詩)北原白秋
葭五位の放飼 中西恒堂
親 里見弴
俳句 萩原井泉水
とんぼ 志賀直哉
出世 菊池寛
一本松と松林 草野俊介
猪之吉と赤吉 宇野浩二
道程(詩)高村光太郎
人の人たる所以 穂積重遠
むかでの室、蛇の室 鈴木三重吉
俳句 松瀬青々
感想 武者小路実篤
地図を眺めて 吉村冬彦
短歌 若山牧水
少年時代 夏目漱石
山椒大夫 森鴎外
赤ノッポ・青ノッポ・ハイキングの巻(漫画)武井武雄

高田敏子のエッセイを読んでいたら、
子供のころは夕方、さびしい
大きくなってからは、夜、さびしい
年をとると、朝、さびしいといった記述とともに、
萩原朔太郎の詩が引用されていた。

「だから、私、朝さびしいのかな。
つらくて起きられないのは年のせいかな」
と言ったら
「年をとると朝早く目が覚めてしまうからじゃない?
君の場合は、そうじゃないでしょ」
と家のものに言われた。

ときにちょこっと頑張りすぎては、
その反動でしばらく何もしたくなくなってしまう。
ずいぶん前、青森へ取材しにいった
不登校の子と似てるかもと、ときどき思う。
布団から出られない。
ねこが何度も起こしにくるが、それでも布団から出られない。
ついに市場もサボってしまった。
サボる自分が許せないと思いつつ、体が動かず。
モチベーションが甦るのを待とうと思いつつ、
果たして甦るのだろうかと焦燥感。
五月病だろうか? 怠け病?
あれもしなければこれもしなければと思えば思うほど
億劫になり、何も手につかなくなるのだ。

宅配が届いても出られないので
ガレージに置いてもらうようインターホンごしに頼む。

そうして、届いていたのが「ちくま」7月号。
取材していただいた掲載誌をお送りいただいた。
定期購読しているので、ふだんは月はじめに届くが、
今回ずいぶん早い。
まず、著者宅へ。次に取材協力者に届いて、
そのあとで定期購読者に届く仕組みなんだろう。

写真が私じゃないみたいで驚いた。
うへえ、呑んでいるみたいだけど、呑んでませんよ!
風呂上りみたいにボーっとしてるけど、むろん風呂上りでもありません。
よく見たら、後ろに寝ているねこが
ぽつりと写っていた。ちょっとうれしい。
以前、他紙から取材いただいたとき、
ねこと一緒に撮影をということになりトライしたが、
ねこが大慌てで逃げてしまい、無理だったのだ。

だれかも言っていたが、
岡崎さんの文章、旨いなあと思う(失礼にお感じになったら申し訳ないです)。
力がある。
心に響いた。
励みになった。
この記事は海ねこが主役なのではなく、
あくまで、岡崎さんなのだなあと思う。
岡崎さんのような人がライター、作家としてやっていくべきだし、
私は私のすべきことをしていくしかないのだろうと思い知った。

生き恥を晒すようで恥ずかしいけれども、
すでにこうして活字になったものを見ると、
あきらめるというか開き直るというか、やはり嬉しい。
海ねこのことはともかく、岡崎さんの文章がすばらしいです。
思えば、海ねこのホームページをつくるとき、
子猫(当時)と岡崎さんの文庫本を撮影した写真を使ったのだ。
この写真はいまなお掲載中。

奈良美智の表紙、
最相葉月、笙野頼子、中野翠…、1冊でかなり楽しめます。

たくさん分けていただいたので、
海ねこのお客様に本をお送りするときに
同封して、お分けしようかと思う。
あ、けれど、ご迷惑だと申し訳ないな。
ご希望の方がいらっしゃいましたら、一言メールにそう書いておいてください。
お客様でなくても、ご入用の方、メールくだされば
今度お目にかかるときにでもお持ちします。
「ぬるい」「甘い」「顔がヘン」など、なんでもおっしゃって
酒の肴にでも…。

単行本になったとき、
「海ねこは 年 月、廃業」と注意書きが入らないようにしないと。
五月病なんて寝ている場合じゃなく、
もうちょっと頑張ってみよう。
力をくださったすべての方、ありがとうございます。

先に書いた分ですが、
あまりにも愚痴っぽかったため自主的に削除しました。

コメントを書いてくださった方、申し訳ありません。
お気持ち、ありがたく思っています。
お菓子、おいしくいただきました。

西荻窪・昼本市が終わり、
目録の発送はおおかた終了。
本が届いた方からご感想のメールを次々いただき、
貧しいながらも楽しき古書店業である。
日々の梱包・発送もまあ順調に。
あとは、新着本をコツコツ入れていくことなり。

目下の悩みーー
取るに足らぬことだろうが、本人にとっては大きな悩み。
それは、目の前にあるDVDを観たいのに、お預け状態にあることだ。

たとえれば、何になるんだろう。
甘党の人にとっては、目の前においしそうなスイーツが置かれていて、
「夜までとっておきなさい」と言われているようなもの?
十代の男の子にとっては、すぐそばに
薄着の美女がいて欲情しかかっているようなもの?
ねこにとっては、手に届く範囲に動く動物がいるのに
「ダメよ、ダメダメ」と手をかけることを妨げられているようなもの?
たとえがヘンだな。

昨晩、1話観たので、続きを見たくて仕方ないのだが、
昼から観始めると止まらなくなりそう。
そうなると、間違いなく仕事が手につかなくなる。
市場に行くのさえやめて、観続けてしまいそうなので。
我慢我慢である…。
連れも観たがっていたので、
ひとり先にどんどん観たら家庭不和になりそうだし。

昨晩、出かけた帰り、TSUTAYAに立ち寄ってみた。
わめぞSさんMさんご推奨の「北の国から」を探したら、
残念、1・2巻が貸し出し中。
で、借りたのは、Mさん推薦の韓流ドラマ
「バリでの出来事」。

本のことも少しは書こう。
前に読んだとき、いまひとつ入り込めずにいたため
買い直して読んだ「富士日記」。
一箱古本市で旅猫雑貨店から買った。
山中湖ロードレースに出場する際、
富士山だからと思って持っていった。
いまさら、この本の話をすると遅れていると思われそうだが、
きちんと読んでみたら、ひじょうに打たれて。
ごくごく普通の日常を描きながら、
生と死、無常観をじんじん伝えてくるあたり。
武田百合子の著作をすべて読みたくなり、
KAWADEのムックで
「武田百合子単行本未収録コレクション」を読み始めたら、
言葉の選び方にはっとさせられる連続だった。
その一方で、高田敏子・高田喜佐をめぐる周辺、
同時期のあれやこれや考えようとしていた。
市場で先日まとめ買いした牧野信一(日本の古本屋に入力ズミ)、
できれば売る前に読めたら、と思っていた。
そうこうしているうちに、昨日、愛猫が風呂桶に落ちた。
ずぶ濡れになっただけで済んだが、
あわや溺れ死んでいたら私は
一生、十字架を背負わねばならぬところだった。
同じ日の夕方、回覧板が届いて、
ご近所の方がお亡くなりになったことを知った。
つい最近までお見かけしていた人なのに…。
こんなとき、何をどう読めばいいのだろう、と思いつつ、
目の前にあるのは「バリでの出来事」なんである。

ああ、早く観たい。
連れとペースをあわせるなど、待ちきれない。
飲みたいとき、目の前に酒をチラつかせられて
飲まずにいられましょうか。

煩悩と闘いつつ、まずは仕事をしよう。
山歩きに備えて歩こう。
悩ましきは、目の前にあるDVDである。

西荻窪の昼本市、無事終了しました。

初出店だったので様子がわからず早めに行ったところ
開始時刻の11時ごろは、まだ閑散。
「ビール呑みにきました」とただよう魚雷さん、
軒先のねこは、動かずお昼寝。

抽選で日当たりよすぎる場所をあてがっていただき、
冬なら暖かくて大喜び。
ところが、あいにくの夏日? 直射日光に朦朧とする頭&ヤケそうな本たち。
昭和の情緒を残す軒先から見上げれば、
ピーカンの空にどかーんとそびえる高層マンション。
次第に大変な活気となり、
人いきれ、あちらこちらで巻き起こる歓声、
楽器の音、屋台から漂う煙、エスニックな香り…。
ここは何処? 何時の世? 私は誰?

水分補給に呑んだビールはすぐ蒸発していき、
さらに補給。
作り手さんたち、みんな優秀で、
出来立てエスニックフードのなんて美味なることか。

きのう一日だけで、本当にいろいろな方と
お目にかかることができました。
そこに何かがあるから人が集う。
人が集う市だからこそ、さらに人が集う。
市場で盛大な祭り、といった感じ。
やはり祭りは参加することに意義ありで、
出店したおかげで、居場所を確保できたのもありがたい。
各所の味あるトイレに、すっかり愛着が増す。
居ながらにして、時空をとびこえて、どこか別の場所へ
旅しているかのようだった。
バサラブックスさん、皆様、楽しい時間をありがとうございます。

弟一家が来たけれど、
子どもふたりはフンイキに呑まれて言葉少な。
下の弟も来てくれて、残り本1箱、店に置いてと
持ち帰ってもらう。ごめん&ありがと。

終盤、残り本を運ぶ体力仕事で幕となり、
終了後、早くから呑んでいたわめぞの人たちに混ぜていただき、
通りの韓国料理店前で楽しく過ごす。
風が心地よく「ここはハワイ?」「ハワイ行ったことあるの?」
「私、地中海にいるのかしら~」と言いながらビール。
夜が更けて、次第に風が冷たくなり、韓国料理店の店内へ移動。
さらに食べる、さらに呑む。
Mさんの韓国ドラマ「バリでの出来事」
Sさんの「北の国から」推奨に爆笑。
「北の国から」を薦めるMさんSさんの潤い帯びての描写、
対する武藤さんのやりとりがおかしくって。
「海ねこさん、飲みすぎ注意」とブログで心配してくださった
古書現世・向井さんに電話で無事の(?)ご報告。

人が増えてゆく市のさま、ピークのさま、そして、人が帰っていくさま、
夜になって別の顔を見せる飲み屋街のさま。
喧騒がやみ、いつもと変わらず往来をゆくねこら…。
終日の移り変わりを目の当たりにして、
映画の中に紛れ込んだかのような一日でした。

買った本 3冊
飲み食い ミネラルウォーター(にわとり文庫さんからいただきもの)
      生3杯、コロナビール(バサラブックスさんからいただきもの)
      缶コーヒーとジンジャーエール(音羽館・広瀬さんからの差し入れ)
      マトンロール、汁なし麺、牛フィレ焼き、生春巻、鶏肉コリアンダーかけご飯
夜の部:生1杯、マッコリ?杯、
      チーズ、カクテキ、肉と野菜を焼いて包んで食べる韓国料理、
      チャプチェ、ズンドゥブ、米のジュース      

いただきもの 手ぬぐい(某店店主さん)
         手作りらっきょう(弟)
         フィンランドのお菓子(&スペシャルな絵本 海ねこお客様 Fさん)
         赤福(Takezo!?)
         ポストカード(名前出していいのかどうか? 元・なわとび少女さん)

帰宅後、PCすら開く力なし。
歯磨いてシャワーを浴び、倒れこむように寝る。

日があけて月曜。
祭りの後、ひっそり閑とした心。
目録の発送をしなければ、メール対応をしなければ。
海水浴後みたいな日焼け肌、重たい本の移動であちらこちら痛いカラダを
もてあまし気味であります。
メールの返信、お待たせしてます。順にかかります。

市場でいろいろあったけれども…。

今、書くべきは、日曜17日、11時から16時まで
西荻窪「昼本市」のこと。

ご参考になりますか。まあ、こんな感じですよ。
こんなのや
こんなのや
こんなのなど

呑みましょ、食べましょ、買いましょ…。
なんてステキな西荻窪の白昼。
梅雨空はどこへ行ったのでしょうか。
できれば、月曜以降に雨よ、降ってくれ。水不足はマジ、ヤバイっす。

今日は市場のあと、締め切り仕事などもあり、
あれこれあれこれあれこれと終えて、
ビール、焼きそば(キャベツ、油揚げ)、水菜とトマトのサラダ、枝豆、
セロリとみょうがの浅漬け、チーズ、韓国のり、
ワイン1本、マッコリ1本、チーズケーキ。

「僕らの音楽」はUAと細野晴臣。
「夢見る約束」(82年)をふたりが歌い、演奏。
「戸川純がやってた曲だ。
この曲を、作者の細野さん自身が演るのを初めて観た」と家人。

残りのマッコリをベランダで飲んでみる。
夜間、めったにベランダに出ないのだが、
白鳥座のひれと、尾と、おそらく頭らしきものが見えた。
捨てたもんじゃないぜ、東京。

土曜は、目録「月曜倶楽部」の対応。
注文が重なりました分は、心苦しくも抽選させていただくことになる。
ご応募くださった方、ありがとうございます。
きちんとやりますので、ご安心ください。
あとは、日曜の準備をします。
(PS 抽選は夜することにします)
余裕があれば、登山用のリュックをみにいきたし。

さっき書いた文章、ねこがキーボードを踏んでいって
はっと気づいたら、すべて消えていた。
ムカっときてねこに当たろうとして、
家人がいたら言われるであろう言葉が浮かぶ。
昨日読んだ本の内容が頭をよぎる。

本にひきずられている。
何を見ても、読んでいた本の一文一文がよみがえってくる。
続きを読みたい。
が、続きが手元にない。
古書店に探しにいくまで待てない。
ネット古書店から取り寄せるのもじれったい。
読みたいときに読みたい。
いずれ買うつもりだが、まずは図書館にリクエストして、
用意できましたのメールが来るや否や受け取りにいってきた。

追って読むつもりの関連本、ネットで注文しておく。
関連雑誌は確か倉庫にあるはず。
あとで、注文本をとりにいくとき見てこよう。

早く読みたい。
仕事を終えて読みたい。

ところで、
「月の輪書林 高橋徹ロングインタビュー」
の文字に引き寄せられ、何を今頃と笑うなかれ。
「本の雑誌」98年3月号を入手。
知りたいことも書かれていた。えびなさんの目録を見たい。
が、インタビューの後半は
市場での入札についての問答で終わってしまった。
え、これでおしまい…?

月の輪さんの目録、
掲載されていた本や書簡など
とある人物がらみのものが欲しい。欲しい。
実物を見てみたい。先立つものが欲しい。

明日は市場。
支払いがいくつもたまっている。
先立つものが欲しい。

お金が欲しいだなんて
下卑た考えだと軽蔑視していた時期があった。
が、今は欲しい。切実に欲しい。
市場に行くたび、支払いだけのつもりなのに、
何かしら欲しいものが見つかってしまう。

「売っても売っても、そのお金で違うものを買いたくなるんだから。
お金がただ回ってるだけですよね。何やってるんだろう」
と、古書店をやっているだれか。
笑いあう古書店主たち。

市場で他店に負けない強い札をばんばん入れる強い心とお金が欲しい。
ないから無理だ、と、いじけてしまいたくない。
N書店さんがメールくださったように、
山の中に紛れているものを探し出せればいいのだが。
探しあてるための知識と教養が欲しい。根気が欲しい。
ないものだらけ、と、しょげていても意味がないじゃないか。

昨日入手した山歩き用の靴を履き慣らさなければ。
心・懐…ともに虚弱であっても、
ごついゴアテックスの靴で市場を闊歩してやるんだ。

心身とも疲れがたまり、
少々ヤサぐれかけていたところ、
救いの主、現る。

ポストに入っていたのは「五反田古書展」目録。
おありがとうございます~。
揚羽さん、今回はこう来たのですね~。
五反田古書展は6月22日(金曜)23日(土曜)
五反田・南部古書会館にて開催されます。

そして…。
ポストから現れいでたるは大先輩のお葉書き。
そしてそして…。
詳しくは書きませぬが、
大先輩の偉大なる仕事ぶりに触れさせていただき、
どれほど勇気を与えていただいたことか。
ブログを読んでくださっていると前にお聞きしましたので、
まさかまさかと半信半疑ではおりましたが、ひとまず、
三鷹市より声を大にして御礼申し上げます、先輩!

ヤサぐれている余裕などない、と、わが身を奮い立たせました。
しばらく前より、やりかけていた新着本、
もう本当にどうしてこんなに時間かかってしまうんでしょう…
ヤレヤレ、アーア…と思いつつ、
なんとかやり遂げました。草木も眠る丑三つ時であります。

大日本図書 子ども図書館シリーズ
コツコツ集めてきたもの+市場での収穫でございます。
市場での集書分はビニールカバー・帯つき。
60年代のものとは思えないほど状態が良く、
どこでどなたがお持ちだったものなのか…。ありがたいことです。
皆様にオススメでございます。

梱包・発送、あれこれの対応だけで毎日、時間が過ぎてしまって、
未更新本は増える一方。
買取関係の対応も、まったく追いつきません。
ご連絡もできないままの方、深謝いたします。
順に返信させていただきます。

未更新本ばかりがたまっていく状況を打破すべく、
いっそ解説文など抜きにして、在庫すべて
いったん日本の古本屋に打ち込んだろうかとも思います。
けれども、大先輩の仕事を拝見しまして。
足の爪先にも及ばないと無力感に打ちひしがれつつ、
海ねこは海ねこなりにやるのだ、と奮い立たせていただきました。
どんなに非効率的であっても、くじけそうになっても、
当面、海ねこは海ねこ道をズイズイっと歩ませていただきます。
まずは、風邪を完治せねば。

10日は楽しいながらも不慣れな仕事。
10日までに入金確認させていただきました方への発送は
夜までに完了いたしました。日を改めまして個別にご連絡差し上げます。
そのほかのメール対応は遅れております。
順に返信させていただいておりますので、もう少々お待ちくださいませ。

心身ともにヘットヘトでしたが、心の慰めとして観ました。
ようやく「Always 三丁目の夕日」。
ベタだと思いつつ視界がにじんで参りました。

弟が広尾病院で産まれたころ、私も都電で移動していた記憶がありますよ。
副業で駄菓子屋を営む売れない作家・茶川竜之介(吉岡秀隆)と
彼に育てられている少年・古行淳之介(須賀健太)の関係…。
「お前とは縁もゆかりもないのに…」という茶川。
「ゲドを読む。」というか、ゲド戦記と重なる部分あり。

続編の小道具探しを頼まれたのに、
あまりお役に立てませんで申し訳なかったなあと思いつつ。

ところで、もうちょっと何か本を運んでから紹介しようと思っていたところ、
弟の店のほうが先に
海ねこのことまで紹介してくれていました。
今後、もっともっと何か追加していきたいと思います。
リクエスト受け付けますですよ。
海ねこの本で何か中をご覧になりたいようでしたら、
前もってメールしてください。
ご連絡いただけましたらドットビーに持っていっておきますので、
営業時間内、お好きなとき、ご自由にご覧いただけますよ。
その場でのご購入も可能です。

なお、ドットビーは、ビールやワインなど、もっともおいしく飲めるよう、
気をつかったものを出してくれます。
ソフトドリンクだけだったらチャージ不要とか。
吉祥寺駅から至近距離にある割に、
深夜でもない限り落ち着いて休める店。
古書店めぐりの折など、よろしかったらお立ち寄りくださいね。
実は私もぼちぼち休みたし、飲みにいきたし、
吉祥寺方面にお出かけの際は、
よろしかったらお誘いくださいね、と言いたい状況です。でも咳やまず。ゴホゴホ。

冬越ししたのに、ここのところの水温の上昇でダメかと思っていた
メダカが生き延びているのは、希望の星。
ただ、1匹、お亡くなりになりました…。無念。

「ゲドを読む。」をようやく入手。
清水真砂子さんがル・グィンさんお手製の食事をご馳走になったり、
いろいろやりとりした経過が興味深い。
3巻までの訳は苦しく、4巻以降は伸びやかに
開放されて訳すことができたという話も。

出張の際、焼津で立ち寄った居酒屋
「豆富旬才 こころ」で食べた料理が大変おいしかったです。

海つぼ、という名前の貝、しったか、
アジの干し物(干物ではなく、干し物)、寄せ豆腐などなど。

帰り、鮎沢サービスエリアの軒先に
ツバメの巣がどれほどたくさんか。
4つ5つ並んで作られている場所まであり、
子ツバメにエサを甲斐甲斐しく運ぶ
親鳥の姿も何箇所かで見られました。
大雨になったら、エサはどうやって捕ってくるのだろう。

風邪をひいてひたすら眠りながら見た夢。

机の引き出しを整理しても整理しても、
整理しきれずに、どんどん部屋が散らかっていく夢。
(現状、倉庫はすでに満杯。
今回の買取でほぼ限界に近く、
近々、また何箱も買取予定があり、いったいどうしようかと悩みのタネです。
どんどん販売するか、あるいは、市場に出品するか…うーーーーむ)

古書店として「ぬるい」と反省を迫られ、家を襲撃され、
爆竹を足につけられる夢。
ねこらがおびえておりました。
1匹だけ、元気に向かいのノグチさんちの2階書斎まで
駆け上がり、戻ってきました、そんな夢。

昨日すぐ在庫を確認しにいけなかったため、
今晩、ようやく倉庫に行きました。
蔵書にしようかどうしようか迷うほど好きだった本に
ついにご注文をいただきました。
ありがたく販売させていただきます。

未更新のままずっと倉庫に眠ったままの本は、
どこかで思い切って市場に持っていくしかないのだろう。
もっともっと更新にエネルギーを向けなければ、
そして、お客様からご注文をいただいたとき、
つらくても手放さなければと思うほどの本を
もっともっと仕入れていかなければ。思うは易し、行うは難し、ですかね。

まだ風邪が治ったわけではないのですが、
のんびりしてもいられない。
6月17日(日曜)西荻窪・昼市が近づいてきましたよ。
エスニック料理&屋台フードと、ビールと、古本と。
美味しいです、面白いです、論より証拠!
古書店めぐり&散歩の一環にぜひ組み込んでくださいね。
梅雨が来ないと水不足が心配ですが、勝手な都合ながら
17日ばかりはどうか天気がもちますように。

月曜、所用により市場は無理かも。発送がたまってしまったし。
行かないときほど良いものが出そうで、
気もそぞろであります。
されど、海ねこ在庫も仰山ありまっせ、
更新しなければ、どなた様の目にも触れないまま。
いいものお譲りいただいても、そのままじゃあきません、
なんとかせえや、どうにかせえ、と自分に言い聞かせる。
ごほごほ(咳やまず)。

出かける前に仕事しなければ、と
そんなときに限って…。

先日お目にかかった「くまねこ堂」さんのブログ
“鉛筆自動販売機”の写真見たさに読み始める。
鉛筆自動販売機なるものがあったそうで、
先日市場に出ていたそうなんですよ…。

読み始めたら、面白くて、ついついさかのぼって読んでしまいました。
古道具の買取、
閉店する古書店の後片付けの話とか。
人気ブログなのも納得です。

くまねこ堂さん、ブログをどんどん更新して公表なさっているので、
お名前を出しても大丈夫でしたよ…ね?

HPを見ると、商いに力を入れているさまが伝わってきます。
買取の案内は、親しみやすく、わかりやすい。
頼りになりそうで、思わず
「買取可能でしょうか?」
と相談したくなる。
刺激を受けます。
海ねこの買取ご案内も、ぼちぼち手を入れなければ。

さあ、仕事して出かけます。GOGO,静岡。

カーネーション・リリー・リリー・ローズさん、
英国から無事ご帰還のご様子。お帰りなさーい!
疲れを癒してください。
そして、次のエッセイ、楽しみにしております。

さて、海ねこは6日から7日、古書を求めて静岡方面まで出張します。
お急ぎのご注文・発送・お問い合わせには対応できないかもしれません。
5日、そして6日午前に入金いただきました方には
発送させていただいた上で出かけたいと思います。

ところで。
海ねこの最寄り駅は京王線の調布駅。
中央線でいうと武蔵境駅になります。
三鷹、吉祥寺も遠くはありません。

海ねこはやはりホームページをメインとしていきたいですし、
やりたい仕事を完成させていくことを考えつつ。
とはいっても、イベントが嫌いなわけではないですし、
皆様にお目にかかりとうございます。
三鷹、吉祥寺、西荻窪あたりで行われる古書関連のイベント
ーーとくに1日とか短い時間で、冊数100冊200冊ぐらいまでのものーーには
ときどき参加したいと思います。

五反田展をお休みしてしまったのに
何たることかと怒られそうですが、ううう。
6月17日(日曜)、西荻窪で開催される「昼市」に初出店します。

詳しくは、バサラブックスさんのブログ
をご覧くださいね。

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以下、バサラブックスさんブログより引用させていただきます。

『謝“肉・書”祭』

個性的な古本屋と飲食店が、そこここに点在する街西荻窪で行われる、
イベントのご案内です。

『昼市』とは、西荻窪柳小路通り有志による月一イベント。
店先に飲食の屋台が並び、昼間から肉を喰らい、
酒を浴びることができます。さらに同じ敷地内で古本メインのフリマも開催。

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日時:6月17日(日) 11時~16時まで ※雨天時は、古本市とフリマは中止です。
場所:西荻窪駅南口柳小路通り飲食街(駅より徒歩30秒)

昨日ご注文いただいたうち、
半分ほどの受注メールを書き終えた。
残りは、倉庫に行って在庫確認してからの返信となるので、
今日中にはなんとか、と思う。お待たせしてます。
「倉庫は自宅(事業所)から近いほうがいいよ」
とアドバイスしてくれたIさん、本当にそのとおり、と今さらながら納得。

ご注文いただいた本を、状態確認も兼ねて、ぱらぱらめくる。
古書価がいまひとつなので、皆さんあまり注目しないけれども、
良い本だ。武井武雄のイラストがよいし。
良い状態のものが市場に出たら、今度こそ買おう。

昨日は、何やってたんだっけ。

「ちくまのゲラ、月曜までに戻してくださいね」
と岡崎さんにおっしゃっていただき、土日でと思っていた。
けれども、結局、月曜午後まで持ち越してしまったんだった。

取材を受け入れた以上、
お書きになる人におまかせし、ゆだねることになるんだと思う。
脚色いただいて面白くなるなら、それはそれでよしと考える場合もあるわけです。
多少、話の前後など違っていても、読みやすいほうがよいかもしれないし、
話の流れがよければよしと考えたり。
ただ、事実関係はある程度、正しいものに近づけておかないと。
ただでさえ自分の歴史って本人の記憶も曖昧だし、
何年とか数字ぐらいは正確にしておかないと
自分の歴史が変わる。自分でもワケがわからなくなってしまう。
あと、読む人の印象を考えると、このままじゃまずいか、と気づくことが多々あり。
活字には力があるし、
いったん出版物になったらブログと違って簡単に直せないし、
ましてや自分の著作物でもないのだし。
しょっちゅう取材していただける立場なら言い直すことができても、
そんな立場ではないから、よけい…。

岡崎さん、何度も汚い字の直しを読んでいただき恐縮しております。
入れていただきたいことがあり、ぜひにとお願いさせていただく。
私のニホンゴ、伝わりましたでしょうか…。
本当はご自由にお書きいただいてよいところですのに、
お忙しいところ、ワガママで七面倒くさいやつ相手に、すみませんでした。

神保町の古書会館へ。
市場にたどりついたら、すでに開札がかなり進んでいた。
あら、びっくり。
お客様から探しています、在庫がありませんかと
問い合わせいただいた本がそこに!
ふだん見ない本なのに、まるであつらえたように。
注意して見るから目に入るのかもしれない。
行ってよかった!
何がなんでも買わねばと、あとから札を改め、高く入札し直す。

自分が出した十数本の大山は、がくっとくるような値段ではあるが、
入札していただき、ありがたい。
十数本も残ったらどうしようかと思っていたので、本当に助かります。
良い本もあるはずなので使ってやっていただければ。
無事、西の方角へと旅立っていった。
あの本よ、この本よ、元気でやってくれー。

月曜の市場(中央市会)は、いつもいつも、出品数も人も多い。
見ごたえ十分。
真剣に見ようと思うとそれだけで目は痛いし、足はクタクタだし。

70年代のあの雑誌(60年代のがちょこっと混ざっていた)は
札が多数入っていて封筒がパンパン。
入札するが、まあ無理でしょう、と思っていたら、本当に無理だった。
みごと落札した店の値段を見たら、上札がとんでもない高値で、
買うぞ、他店には買わせないぞ、と強い意思がみなぎっていた。
気合と経済力がないとダメだと見せ付けられた。しょんぼり。

4階で、札がまったくなかったので、最低入札価格の2千円入れておいた
束は、ほかに入れる人がいなくて落札。
一部は、こつこつ買い集めているラインナップ用、
一部は、6月17日の西荻窪・昼市用にするつもり。

とある束は
他店の「3万、4万、5万とつければ買えるかな」という声に
揺さぶられて弱気になってしまい、失敗。
落札した店の値段を見て、もうちょっと頑張れば買えたのに、と悔しい。

結局、売った本の行方を見届けるつもりもあって市場に行ったのだが、
買ったほうがずっと多かった。
箱づめして宅配で自宅あて郵送する。
更新待ちの本がたまっているので当分買わなくてもいいのに、
見れば買いたくなる。行けば刺激を受け、闘志に火をつけられる。
考えてみれば、皆、売るプロなのだ、買いたくなって当たり前。
市場って、まっことオソロジイとこですばい(何弁?)。

徳尾さん、股旅堂さんから昼食に誘ってもらう。
書いていいのかな、わからないので店名は伏せておくが、
初めて話した店主さんがもう二人いらした。

おひとりは在庫は持たない主義、市場で買えばどんどん入力していくので、
3か月前に買った商品はもう手元にはありませんよ、という。
おひとりは「東京・埼玉・千葉・茨城へ
24時間以内の出張買取もご相談に応じます!」というのを売りにしている。
店それぞれ、やり方がある。
戦略がすごいなあー。

売れるジャンルということで、思いもよらないような本の話が出る。
線引きがあっても問題なし、とのこと。
結局、需要と供給のバランスなのである。
他店がやっていないものにいかに目をつけるか。
「とにかく一人であっても買う人がいれば、確実に売れるんですよ。
そういうジャンルがあるんです」
という話が出て、なるほどと思う。
徳尾さんも股旅堂さんも私も
「へえーーー、そうなんだーーー。面白いーーー」
とビックリ。
商売の話ではあるが、さほどガツガツしていないというか、
どこか遊び心、穏やかさが感じられるのは、古書店ならでは、かも。
本当に稼ぎたいなら、お互い違う仕事をしているでしょう。

徳尾&股旅コンビと、すからべさんの店舗 兼 事務所を
見学させていただきにいく。
催事の後片付けでお忙しいところ、お邪魔させていただき、
お話をお伺いさせていただいた。
すからべさん、お時間をいただきすみません&ありがとうございました。

あとはもう、急いで帰る。
出先でメールチェックしたところ、すぐ対応すべき事柄が何件か入っていた。

今さっき、完成してほやほやの目録「月曜倶楽部」を受け取ったばかりだったのだが、
早く見たいというご要望をいただき、急いで対応。
誌面に「書影はホームページでご覧になれます」
としてあるのだが、とにかくホームページ上に文字データのみアップする。
画像は、追って、ということにさせていただく。

週はじめにはたいてい、発送が集中する。
三方向100センチ超の大型本もあり、カバーにイタミがあったので、
梱包に少々苦心した。
発送を終えて、倉庫に行き受注本を探す。
車のキーをどこにやったか、なくしもの探しにオタオタ。
帰宅したら、腹ペコの家人がもう待ちきれないとばかり夕食を作り始めていた。

と、これで書き出しに戻る。受注メールが翌日になってしまったわけだ。
さて、今日はどうするか。
家事をしながら、まずは目録の画像をアップしなくちゃ。
アソビニイキタシイキタシ。サレド、オシゴトオシゴト。

いつもの習慣で、起きるとすぐPCのスイッチを入れてから、
コーヒー用のお湯を沸かす。

本をお送りしたお客様から、うれしいメールが届いていた。

物心ついたころから手元にあった絵本全集。
大人になってからも、心が疲れたとき手が伸びていたのだとか。
その後、諸事情から手放したものの、
ご両親が他界されてからのちも
懐かしく思い起こされて、ずっとお探しだったそうだ。

喜んでいただけたようで、お礼の言葉をいただく。
私からすれば、お礼を言いたいのはこちらだ。
お客様からいただくメールには、
いつも、どれほど力をいただいているか、わからない。

ところで、夏至までカウントダウン。
ずいぶん日が長くなった。

「あれ、私、今日、何をしてたっけ?」
家族に聞いたら
「起きてずっとOliveのこと、やってた。
冷やし中華を食べた以外、ずーっとやってたよ」
と言われて、あ、そうだったっけ、そうか、と思う。

グラフィックデザインに興味があり、長く買い集めていたという
雑誌を、とある男性からまとめてお譲りいただいた。
しかも、遠方から車で我が家までお届けにきてくださったのだ。
小さなお嬢さんがご一緒だったので、
こどものとも の堀内誠一さんの本をプレゼントした。
「Oliveを売りにきて、堀内誠一の絵本とはシャレてますね」
と、爽やかな笑顔を残していったナイス・ガイさん、お元気でしょうか。

あれから数ヶ月が流れて。
海ねこの倉庫にしまってありましたが、
データ入力を手伝ってくれた糸織さんの力強い助けを得まして、
ようやく更新しました(まだまだ工事中のため、残りは後日また追加予定)。

実は、86年のある号に読者モデルとして登場していた
男性の方から
もう一度、あのころの自分に出会いたいというご熱心なメールをいただき、
急いでアップしたのだった。

更新しながら、岡崎武志さんの原稿の一文一文を
思い起こして反芻していた。
岡崎さんにしてみたらお書きになる文章のうちの
ひとつーーOne of  them--かもしれない。
海ねこにとっては、
岡崎さんの内なる部分から発していただいた一文一文が
お贈りいただいた言葉というか、
夏トマトをしのぐ栄養分のように思える。

トマトといえば、
昨日、某居酒屋で「トマロック」なるものを味わって気に入ったので、
トマトのリキュールを買ってきた。
トマトのお酒。
無色透明だが、トマトの香りがする。

3月27日放送の「プロフェッショナル 仕事の流儀」
 映画を創る~宮崎駿・創作の秘密
を録画しておいたまま。今ごろになって観た。
窓の外に緑、そして、道行く人が見えるアトリエ。
「俺たちのしてきた手法を捨てて、どこへ行けばいいのか」
「名声? そんなもの幻でしょう。
過去は過去なんだよ。意味がないよ。
今つくっているものがすべてだよ」
「子どもが面白く思わないものは作りたくない」
「不機嫌な時間から映画は産まれるんだよ」

次回作の公開は、来夏、ではなく、その次の夏になるらしい。
確かなことは、わからないけれども。

岡崎武志さんからの電話で目覚める。
取材していただいた原稿のゲラをFAXでお送りいただく。

ドキドキしながら読む。
冒頭から文末に至るまで流れがあって、
岡崎 語り部さまのお話を聞くようだ。
〆の文章に、わが身のことなのに、ちょっとほろり。
さすがだなあと思う。

ご苦心のうえ、書いていただいたと思うと感謝あるのみ。
それでも、文章を読んだ人がどう思うか、
気にならないと言ったら嘘になる。
家人に読んでもらって、
一読して、どんな印象を持ったか、教えてもらう。
古書店を生業としている同業者からは
「ぬるいよー」
と言われるだろうなあ。

夏のような陽射しに輝く緑を眺めながら運転。
データ入力を手伝ってくれている糸織さんの自宅へ。
仕上げてもらった雑誌を受け取る。

頑張ってもらったので、
私もできるだけ早く画像をスキャナーで読み込んで、
アップしていこう。

ニコニコ堂の支店「月の光」へ。
ゆったりまったりとした時間が流れるお店。
今度お茶してみたい。

店を出て、向かい側に「金・土曜オープン」と書かれた店を発見。
店名もない。
金曜と土曜しかあけられないので、曜日限定でやっているのだという。
古着と古道具のバランスが面白い。
山のぼりしていたそうで、山岳用のリュックなどもある。
ガラスケースの中の雑貨、写真集など面白そう。
古着は、私の好きなセンス。
新品だととても手が届かないが、
ブランドものの古いシャツ、スカート、バッグが手ごろな価格。
うれしく購入させていただき、店の人といろいろ話す。
「こういう店いいなあ。商品面白いですよ。
うちの絵本や洋書絵本を少し置いてもらえないですかねえ」
と気軽に聞いてみる。
あれこれ話す。
縁があれば長く付き合っていけそうな人だと思った。

NYに旅すれば、土地に惚れ込んで住んでみたくなり、
日本人向け新聞に掲載されていた
求人募集に電話をかけたことがある。
私は大変な小心者のくせに、
ときどき、カンだけで衝動的に動く人間らしい。

倉庫の換気。
本の敵は湿気ほかいろいろ。
トランクルームに本を入れたままにしておいて、
痛い目にあったことがある。
「締め切っておくよりも、
できるだけ空気を通したほうがいいですよ」
と、火星の庭・前野さんからもアドバイスしてもらった。

空気を入れ替えながら、
月曜に大量まとめ買いした本のうち、
高額だったものの状態を確認。
線引き、書き込みなどが多いものは
購入後1週間以内に組合まで申し出て事故申請しないと。

帰宅したら、彷書月刊・田村さんからお電話をいただく。
電話をいただくたび、
「どこで聞いたんですか」
と驚かされる。
情報収集の速さ。バツグンの行動力。
ちなみに、田村さんの著書は、
家人が買ったものと私が買ったものと、
我が家に同じ本が2冊ございます。

買取の件で、ご近所のお宅に出かける。
庭につくられたプレハブ小屋は、
亡きお父様の書斎だったそう。
人に歴史あり、古書に文化あり、である。

地域の広報紙に買取広告を出そうかどうしようか。
問い合わせてみた。まずは、地元に根ざすべし。

さあ、続きの仕事をして、
今晩は、近くの武蔵野市場にできた
居酒屋に行ってみようと思う。魚が旨そう。
閉店8時とあって、なかなかのぞく機会がないのだった。
ツバメのつがいが軒先に飛んできて
ぼちぼち卵を産む気配。
春は花を植える余裕もなかったが、
ぼちぼち何か苗を買いたい。
青い花、小ぶりの花が好きなのだけれど、
これからの季節だと何がいいんだろう。

前にも書いたのですが、金曜晩が嫌いです。
自宅にぽつりといると、
世間の楽しい輪から取り残されているようで…。

ですが、市場でまた買ってしまいましたし、
働かなにゃあいかんのです。
印刷博物館だけ立ち寄り、帰ってきました。
昨日、雨のため降ろせなかった本が車に山積みのままですし、
発送・受注がありますし、
明日の約束を考えると二日酔いになっている場合じゃないので…。
また、月末の支払いを一件、うかつにも忘れていた、などなど、
やるべきことが山積しておりまして。金曜晩ではありますが、働くよ。
当分は、コツコツ仕事をしようと思います。

「新着本、楽しく拝見」などと、お客様のメールに一言書き添えていただくと、
ああ、よかったと素直にうれしい。
楽しんでいただけるなら、
もっともっと新着本を更新しようじゃないか、と思います。
豚もおだてりゃ木にのぼる…!?

しかし、本当に買いたいものはなかなか買えない市場。
ああ、東京の市場ってとこは、そげんにおそろしかねえ(何弁?)。

凸版印刷・印刷博物館で6月3日(日曜)まで開催中の
「美人のつくりかた~石版から始まる広告ポスター」展。
沼辺信一さんのブログで知って、
ようやく、どうにか行ったわけですが、
想像以上に楽しめました。
明治のころ欧米より導入され普及した平版印刷。
広告印刷物があってこそ、印刷技術が発展し、
印刷技術が発展したからこそ、より充実した広告印刷物
ーーとくに大判ポスターがつくられていった。
そのさまが、美人ポスターという親しみやすい切り口で
鮮やかに展開されていました。
当時の印刷技術の素晴らしさには、感心するばかり。
原画を見ながら、腕利きの職人さんが
どのインクを何色使えばいいか、ぴたっと読み取ったといった説明がありました。
ときに25色、多いときは30色ものインクが使われ、
あれほどの深い色味が再現されていたのです。
もっとも難しい顔や手の色は、熟練の職人さんが担当したそうです。
ポスターによっては、帯だれそれ、和服だれそれ、背景だれそれと
担当者の名前が入っています。
今も昔も、腕利きの人が信念と誇りを胸に
日々を生き抜き、
若者らの熱い視線を集めるさまは不変でしょう。

ちょっと前まで市場にいて古いものばかり目にしていたため、
状態最良のポスターには嘆息。
これが市場に出たとしたら、
いったいいくらするんだろう、と思ってしまうヘンな私でした。

活版印刷の校正過程について画像を見ながら、
新人編集者だったころ、ゲラに直しをばんばん入れていたわが身を反省。
毎回、活字を拾う、組み直すたび
印刷所の人にご負担をおかけしていたのだろうなあと。

しかし、凸版印刷はさすがにお金があるなあと思う。
常設の展示も面白く、私の博物館と呼びたいぐらい。
今日は女性客も多かったです。次の企画展が楽しみ。
大日本印刷さんなども、
印刷技術を伝えていく展示をどんどん行ってほしいものです。

さあ、車に積んである大量本を倉庫に運んで、
発送しよう。
仕事を終えた自分への褒美は、
FRASCATI SUPERIORE(フラスカティ・スペリオーレ)であります。
ローマ近郊で造られるフルーティな辛口ワイン。

そういえば、初体験ひとつ。
それは「替え玉」。
御茶ノ水に行くたび、立ち寄る博多天神。
隣にいたおねえちゃんが頼んでいたので、
未だかつて一度も叫んだことがない声を発してしまいました。
「替え玉ください」
禁断の替え玉はちょっと重し。
しかも、注文するタイミング、汁に入れるタイミングが案外難しい?
今宵、夕食は抜いて、ワインと軽いつまみだけにしておこう。

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