2007年4月アーカイブ

いつもながらの寝坊。
「きのうの疲れが残っていて」を言い訳にする。

薫風の季節。
窓からそよいでくる風を感じながら、
ご注文いただいたセットものの状態確認。
1冊ずつ、ヨゴレを落とす。
何のヨゴレなのか、どうしたら落ちるのか考えて、
クリーニング店かダスキンで働く人のような心持。
函のイタミは製本用ボンドで補修する。
手入れをしていくと、次第に本への愛着が増してきて、
目の前の本を嫁ぎ先に送り出す親みたいな気分になってくる。
かわいがってもらうんだよ、よしよし、みたいな。

もう何日もご連絡をお待ちいただいている
お客様からの買取本、ようやく箱をあけて本を拝見する。
この方からの買取はすでに3度めだろうか。
いつも、私のツボな本が次々に出てくるので、なんという楽しさか。
海ねこ向きというより石ころ書房向きかなとも思うが、
個人的に、女流作家の小説やエッセイは大好き。
古い写真集やアート本もありがたい。
この方の読書に関しての好みには信頼を置いている。
書棚を見てみたいものだと、夢さえ抱いている。
実年齢と関係のない話だが、
憧れの先輩宅の書斎から本が移動してきたような。
自分が読みたい本をお譲りいただけるような…。
1冊1冊、眺めながら、しみじみ幸福な時間だ。

家人に誘われてライブハウスに行く予定だが、
先に行ってもらうよう頼んで、
査定にようやく着手したのだった。
自分は、子供のころから、
変なところで集中してしまうと没頭してしまうところがある。
ああ、このまま、目の前の査定本にうずもれていたい…。
ページをめくりたい…。

ですが、連れがライブハウスで待っているので、
出かけてきます。高円寺。ふちがみとふなと ほか。

だんだんこのブログが連絡網かよ? 的な様相を呈してきましたが、
向井さん、メール届きました。ありがとうございます。
またお返事いたします。こんなところから失礼します。

梱包・発送を終えてから一箱古本市へ。
たどりついたところ、すでに午後3時半。
こんな時間に行くのはどうかと思いつつ。
わずかな時間ながら、
見知った顔に次々、出会って立ち話。

コクテイル飲み会、だいこんや飲み会でのおなじみさん、
クボタさん、鈴木H氏、石ころ&シオミン、
旅猫さんご一家、工作舎・石原氏と奥様&おぼっちゃま、
古書 往来座・瀬戸さん、
NEGIさん、N書店さん、などなど。

限られた時間では、
古書ほうろうと貸はらっぱ音地の二箇所しか見られず。
それでも、ほうろう前に並んだ個性的な箱を楽しむ。
古書ほうろう自体、初めて入った。
この品揃えで回転させているということに驚き、
スタッフは何人いるんだろう、と思わず周囲の人に聞く。

はらっぱ音地は、写真展が行われ、
お酒が売られて、はらっぱ そのものがちょっとした「市」みたい。
工作舎の箱はすでにほぼカラッポだった。

往来座の瀬戸さんには初対面だったので
旅猫さんに紹介してもらってご挨拶。
観音開きのディスプレイ棚は手作り。
「いやあ、こんなもの作るのばかり楽しくて。
もっと仕事しろって感じですよね、ははは」と瀬戸さん。
ブログで読んでいたのと同じ印象の人だった。って当たり前?

もう本当に駆け足でしたが、
何冊か購入。ありがとうございます。
●日本の子どもの本歴史展
●The Selfish Old Woman
(Toshiko Kanzawa  illustrated by Yosuke Inoue)
●ねずみ女房
(ルーマー・ゴッテン作 石井桃子・訳 好きな本なので)
●考える人 創刊号
●富士日記 中公文庫 上・中
●こどものとも年少版 ねこもの

旅猫さんのお兄さんは一心不乱に刃物を研ぎ、男前。
旅猫さんのご主人タメさんは、すっかり日焼け。
活気に満ちつつ、なごやかな空気でした。
初夏のような陽射し。まさに"お祭り"日和でしたねえ。
連れも書いてます。写真がありますので、よろしかったら

知人トシさんが始めた古書店「不思議(はてな)」に初めて立ち寄る。
想像をはるかに超えてステキな建物、ステキなディスプレイだった。
詰めかける人で大にぎわい。
トシさん、お忙しそう。

こちらで買ったのは次のとおり。
●ヱホン文庫 ドウブツ デンシャ
(久米元一・文 鈴木壽雄・画 昭和21年)
●1977・藤田嗣治展小冊子
●デザイン 井上洋介の世界
(インタビュアー・長新太 昭和44年)
●岩波少年文庫「ふしぎの国のアリス」
(ルイス・キャロル作 田中俊夫・訳 昭和40年)

帰り、友人お奨めの西荻窪の店に行ってみたら貸切で入れず、
音羽館近く、ねこがいる店に行くが休み。
昼市で頑張っているハンサム食堂へ。
初めて入るが建物のユニークさにヤラれる。
あのトイレは、ベトナムの田舎みたい。懐かしい。
料理は、本場タイっぽい味。
●チャンビール
●黒豆マッコリ
●パパイアのサラダ
●空心菜炒め
●ヤムガイ(炭火でかりっと焼いた鶏肉と、
 トマト、ネギ、コリアンダーなどをあえたもの。大変美味)
●タイの厚揚げ
●竹の子と卵の炒め物
●ヤムヌア(牛肉とセロリ、ネギ、コリアンダーなどのあえもの)

おいしいおいしいとちょっと食べすぎ。
重たい本とおなかを抱えて、
倉庫に立ち寄り受注本を探す。
楽しみましたが、いささか疲れ気味。
箱を出された方、主催者・スタッフの皆様、もっともっとお疲れですよね。
皆様、ありがとうございました。

ちなみに、電車の友は荻原魚雷さんの「古本暮らし」(晶文社)。
急いで読むのは惜しく、愛おしむように味わって読みたい
…と思いながら、一息に読了。

易しい言葉を織り重ねて、深い部分を描いていく文章力に魅了される。
読みたい本がたくさん見つかった。
魚雷さんが自分の意思+本の力によって
穏やかな魚雷さんであり続けていることを再確認する。
どう生きるか、魚雷さんがもがいているさまも描かれ、
魚雷さんが本から力を得ているように、
自分は魚雷さんの著書から力をいただく。
何度も読み返していくことでしょう。

帰宅して、海ねこの受注作業。
ごめんなさい、すべてできず。日を改めて続けます。
火星の庭・前野さんから感動的なメールをいただく。
前野さんてやはり凄い? と思う。
ちくま 岡崎武志の連載を読み返さなくちゃ。
ほかにも、メールをあれこれいただき、すぐ返信できず。
こんな場ですみません、ありがとうございました。

市場(明治古典会)でロシアのユニークな本の束を入手。
大正から昭和初期の雑誌も買うが、こちらは予想外の大出費となった。
大正末の豆本は、自分も欲しかったのだが、くぅー、及ばず。
若手ホープである徳尾書店、股旅堂、芸林荘らに買われていった。
うーむ、さすがだ。

ところで、三月四月と忙しくて果たせぬままだった約束事を順に実行中。
昨日は友人と会合。
地元の初めて行く店に連れていってもらう。
関サバが美味でありました。

なお、海ねこホームページ上で、
5月1日から15日までエッセイ「庭とバラの日々」を連載します。
どんなお話が登場するでしょうか。
連休中、お楽しみのご予定がある人もない人も、エッセイは裏切りません。
乞うご期待!

昨日今日で取り込んだ画像の枚数42点。
打ち込んだ文字数…把握不能。
ということで、新着本、アップしました。
すぐに売れなくても、ゆっくりじわじわ売れるものもあるので(と信じて)、
とにかくサイト上で本を紹介し続けてゆくのです。
そうそう、大田洋子さんの原稿が掲載されていた雑誌があったので、
研究者のあの人にご連絡しておこう。
(追記・なかなかない雑誌で、
ずっとお探しだったそうです。よかった!)

本日は、買取のため、ご近所へ。
いつもお世話になっているご近所さんからのご紹介です。
市場にはなかなか出てこない
あの作家さんの絵本をお譲りいただきました。
ありがたいことです。

お勧めいただくままに、リビングに上がらせていただき、
話し込んでしまいました。
若いころ某絵本雑誌で絵本作家として活躍。
35歳で出産。
47歳の現在は、チャンバラもの小説からタレント取材から
堅めのものまで。
ライターというよりは作家的な活動をお続けの様子でした。

誤解なきよう断っておきますが、
当方、買取のたびに上がりこむわけではありません。
海ねこに買取を依頼しようとお考えの方、
基本的には玄関先で失礼しますので、ご安心ください。

さて、本日、帰宅後は、買取らせていただいた本の整理。
ご注文いただいたセットものの状態確認。
そして、昨日からずっと続けてきた新着本の作業の続きということで、
ドライアイになってしまいました。ああ、目が痛い。

メールの受信箱を見たら、
わおー、仙台・火星の庭 前野さんからのメールが。
「うわー、火星の庭 前野さんからだよー!」
と家族に自慢したりなんぞして、
あまりのミーハーぶりにちょっとあきれられました。

前野さんのメールにもありましたが、
27日、岡崎武志さん、石丸澄子さん、久住卓也さん、
コクテイルの狩野俊さんが仙台・火星の庭に出演します。
楽しそうだなあ。行きたいなあ…。

ちなみに火星の庭では、5月6日まで
「久住卓也・石丸澄子 くすすみ北上! てぬぐい・招布展示」を開催中。

4月27日(金曜)18時半会場 19時開演
●てぬぐいワークショップ
●古本対談 岡崎武志×狩野俊

4月28日(土曜)14時半会場 15時開演
●マンガユニット・QBBの兄弟ト-ク
●久住昌之 弾き語り

仙台は遠くにありて思うもの?
というか、行く人、楽しんでください!
前野さん、メールしますね。
イベントが盛り上がりますようにと、お祈りしております。

仙台まで行けない人、
27日、西荻窪で久住昌之さんのスライド&ライブショーがあります。

さて、金曜は市場。
土曜月曜で南部ロッカーの引越し。
あとは、買取対応、新着本、確定申告(「え、まだなの?」)ぐらいで
あっという間に連休も終わりそうな。
せっかくの黄金週間、新緑を目に焼き付けたいものです。

あの月の輪さんと同じ理由でお休み、なんて
100万年早いよ、生意気じゃん? と思うのですが。
五反田展にご参加の皆様、当番さん、ごめんなさい。
「五反田古書展」(次回は6月22日、23日)、
今回は参加を見合わせました。
えーん、本当は参加したかったのです。本当です。
ブンキくんの悲しそうな声に心が痛みました。
ページ数、台数ともにまだ余裕があるそうですので、
「五反田展」参加希望のお店の方、
名乗り上げてみてはいかがでしょうか。
当番は、西村文生堂、文紀堂、ひと葉書房。

本当は参加したいのですが(せめて宴会だけでも、なんちって)、
海ねこ5周年が近づいてきて、
何かやれたらいいなあとぼんやり考えておりまして。
じゃあ、何をしようか、
我が家の近くーー深大寺、神代植物公園あたりで
何かできないかなあ、
車を使ってどこかで何かできないかなあとも思ったのですが、
そうだ、あれだ、あれをやらないとと
はたと気づきました。

ずいぶん前に市場で頑張って買ったはいいけれども、
買ったままになっているアレやコレや
ただ眠らせておいちゃいかんなあ、
どうにかせんといかんなあと。
まだどうなるかわかりませんが、
できればとあるテーマで自店目録をやりたい願望があるのですね。
まだ、ものになるかどうか、
公開できるに至るかどうか未知数ですが、
夢ですね。夢というか目標。
おそらく、紙目録ではなく、ネット上の目録になるかと思いますので、
通常の海ねこサイトと何が違うんかいと聞かれれば、
ほとんど変わらないかも、もにゃもにゃ…と詰まってしまうのですが。

実現できるかどうかわからないものを
このような場所に書くというのは、恥知らずもよいところです。
できなかったらどうするの? 恥ずかしいよ。
ですが、どこかで宣言して、
自分で自分を追い詰めていかないと
このナマケモノは何もせんのですよ。
(でも、できなくても笑わないでね)

第一、まずは
海ねこの本拠地は、今のところホームページですので。
自分のサイトが
今以上に手薄になってはいかんと思うのですね。
Nさんやサトシ兄さんにご指摘いただいたのですが、
実を言うと自分でもうすうす気づいてはいたのです。
ホームページをいつもごらんくださる方、
もっとこまめに更新したいと思いますので、
どうぞ見捨てないでください。
私は不器用で体力・知力とも不十分なくせに、
あれやこれややりたがりすぎるので、
いかんぜよと、自分で自分に言い聞かせてます。
ひとりですべてやれないので、
やはり何か選んで、何かはあきらめるしかないのではないかと。

5月締め切りの「月曜倶楽部」目録もあるし、
できれば5月はご近所である
西荻窪の昼市に参加できたらいいなあと思っております。
月半ばあたり締め切り仕事も入ってくるため、
すでにそれだけで手いっぱいのはず。
五反田古書展の目録締め切り5月23日は危険、危険、
五反田展の当番さんに迷惑かけかねないぞ~と、
頭の中でシグナルがカンコン鳴った次第です。

4月中に南部ロッカーの本を搬出しなければいかんし。
ゴールデンウィークは多少遊びつつも、仕事しますよ~。
徳尾さんに言われて確かにそうだと思ったのですが、
市場には毎回行くべし、であるし、
もっともっと通わないと、集書に励まねばと思う。
そのためにも、自分の中での目標が必要なので、
今回このように書きました。
3月、体調不良とモチベーションの低下にオタオタしましたが、
少しずつ体力・気力が戻ってきたようです。(←安心するには早い)

いつもバタバタっぷりをご披露して
読んでくださる皆様にあきれられていると思いますが、
またしてもお見苦しいさまを…、ああ、恐縮です。

連休中、市場はサボらないようにしながら、
あちらこちら行けたら行きますよ。

まずは「第4回 不忍ブックストリートの一箱古本市
4月29日(日曜・祝日)11時~17時 雨天決行。
写真は、いずれもクリックすると大きくなります。

同時期、弥生美術館では「蕗谷虹児展」
竹久夢二美術館では「竹久夢二ーー山へよする」
~描かれた風景、よせる想い~展を開催中(7月1日まで)。
(いただいたDMなので、折りジワ、失礼)

第2回 外市」は5月5日(土曜)11時~22時
5月6日(日曜)11時~17時 古書 往来座 にて。雨天決行。

ご来場くださいました方、
ご関心をお持ちくださった方、
どうもありがとうございました。

自店のラインナップそのまま催事でもアピールして
堂々と勝負できる股旅堂。
動物的感覚でかぎわけて
何やらかにやら鮮やかに売ってみせる揚羽堂。
良書を惜しげない値段で
どんどん補充しながら展開できる公文堂、西村文生堂。
古書に精通しすぎるぐらいしている玉晴。
「本当は均一に出すような本じゃないんだよ」
と、良質の文庫を均一でバンバン売ってしまう閑古堂。
吟味したラインナップと、完璧なメインテナンスによる二遊館…。
などなど。

いやいや、催事に参加してみると、
自店に足りない部分があからさまになる。
海ねこ、催事はもうやめようかとも思う。
他店と海ねこは違いすぎる。
実力違い。ノミラ語を借りれば「ぬるい」といったところだろう。
海ねこは恥ずかしながら、
いまだ、催事に何を持っていけばいいのかわかっていない。
絵本、児童書など自店ラインナップのまま
催事会場に持っていったら大ゴケかもしれない。
そこまで冒険する勇気はないので、
それ以外が海ねこ棚の半分ほどを占める。
実際、何が売れたか見てみると、
自店ラインナップではない、それ以外のもの
ーーつまりは、買取品や市場で買ったもののうち、
自店ホームページに掲載できないものだったり、
自分用に買った本の一部だったり、
市場でかぎ分けて、これは欲しい人がいるだろうと
踏んだものだったりする。
カンは多少なりとも当たった。
カン頼りにここらに活路を見出す道もありなのかどうか。
それでも催事に参加する意味があるのかどうか。
本の散歩展、目録だけの参加もあり? と聞くと、
次回からそうしようかなあとも思う。

でも、南陀楼綾繁さん、喜んでくださったみたいだしなあ。4月20日の項。

また、実店舗がない海ねこにとっては、
日ごろネットでやりとりさせていただいている方と
顔を突き合わせてお話ができるというのは
この上ない楽しさなのであった。
催事に持っていった絵本や児童書もお買い上げいただいた。

海ねこでお世話になっているFさんとデニーズでお茶した。
Fさん、いつもありがとうございます。
私なんぞにいろいろ話してくださって、
ブログ読んでくださっているので、この場を借りてお礼を。
作日のこと、メールをくださったこと、ありがとうございます。

帳場に戻ってみたら
「海ねこさん、お客さんだよ」
と言われた。
行ってみると、
本を物色中の女性がこちらを振り返る。
名乗っていただく前に、だれだかすぐわかった。
京都在住で、お嬢様が中野に住んでいるNさんだった。
「海ねこさんの本、買わせてもらいました」
ーーありがとうございますー!
均一の当番だったため、落ち着いてお話できずに残念でした。
でも、想像どおり柔らかい笑顔の方。
お目にかかれたことが夢のようでした。
ご同行くださったご友人様にも
この場を借りてお礼申し上げます。

17時、本の散歩展が終了。
本や棚を撤収し、
掃き掃除をし、会場を元通りに戻す。
19時半? 20時?
終了後のミーティング後、
一同、目が落ち窪み、やつれている。
興奮のあとの空虚感…
学園祭や学生時代の定期演奏会のあとを思い出す。

15名ほど、居酒屋にぞろぞろ移動する。
生ビールが全員分揃うのに、時間がかかる。
皆、あまりの疲れに言葉少なだ。
やがて、飲んで食べて、
「疲れたー」
と放心気味だったクロサワくんがベラベラ語り始める。
そのころにはすでに
アルコール充填された一同、笑顔・笑顔だった。

中央に並んでいた顔ぶれをちょっと書いてみる。
●揚羽堂
●彷書月刊・なないろ文庫 田村さん
●ポラン書房 石田さん
●りぶろ・りべろ 川口さん

これだけで、居酒屋の盛り上がりを
連想できる人もいるだろう。

石田さんが酔ったとたん
「では! 皆さん、自己紹介を」
と切り出した。
ああ、まただ、時間がかかるなあと
ため息をつく女子ら。
石田さんの口から
「補足説明すると」
という言葉が飛び出すと、
全員の紹介が終わった時点で
ゆうに2時間ほど経過することを覚悟しなければならない。
ところが、昨夜の石田さんはこう言った。
「今回はですね、
過去のことでなく、現在、熱中していることを。
現在について話してください」

順に話し出す。
会話の嵐になりかけると
「緊張!」
と、石田さんから檄が飛ぶ。
ちなみに、石田さんは元・塾教師・塾の経営者。
揚羽さんが絶妙なタイミングで
「緊張!」
「緊張解除!」
と叫ぶ。

キーワードは「アナーキー」だった。
元アナキストたちの未来がそこにあった。
撤収のとき
「オレって、本当に要領悪いよなあ」
と独りごちていた ひぐらし・有馬さんは、
飛び交うアナキストらの人名にしっかり反応しながら
次第に元気づいていった。
クロサワくんの舌が滑らかに回転し始める。
クロサワくんは26歳か。
もともとひぐらしさんの店で3年間働き、
現在はポラン書房のバイト、
将来は神保町の店主になるであろう人だ。
学生運動の先頭に立っていたという人が
今は、ねこの世話に熱中しているという話も好きだった。
古書店主らそれぞれの過去・現在・未来ーー

一昨日に続き、天誠さんが
「本の散歩展というのはね、もともと…」
と、田村さんらの功績について語り始める。
天誠さんは明るいうちから
ウイスキーのコーヒー割り?を傾け始め、
店についたとき、すでに赤ら顔であった。
話を引き継いで、田村さんが
本の散歩展への思いを語る。
股旅堂さんの品揃えを讃えた。
「均一で3000円の本を売ったのは、彼が初めてじゃないかな。
それもありだと思う。200円300円ばかりじゃなくて、
3000円があってもいいと思う」
ということも話していた。
「本の散歩展」を巣立って成長していく店があっていいと思う。
そのかわり、近くに新人がいたら、
参加を呼びかけてほしい。
去るものは追わず、来るものは拒まず。
これほど毎回、参加店が変わっていく催事もないそうだ。

わずかな時間ながら、
体験を共有する面白さなのだろうと思う。
目録のみ参加、宴会だけ参加はありなんだろうか、
でも「どうぞ」と言われても味気ないだろうなあ。
わずか48時間+搬出搬入の時間のみだが、
苦楽をともにしたからこそ、
あの打ち上げになるのだろうと思った。

本の散歩展、次回も参加するとしたら、
いっそ絵本・児童書ばかり並べてみようか(まだ試行錯誤中)。
そのためには、日々の集書、日々の買取がものを言うのだ。
市場で買うと高いので、
ほかの手段を講じていくことが必要なのだ。

では、お待たせしてしまった発送にかかります。
受注のため、倉庫に本をとりにいかないと。
買取本の段ボール箱が
自分のわきと玄関にどかんとお待ちですよ。
駄文にお付き合いくださいましたあなた様、
今後ともどうぞよろしくお願いします。

ピエール・プロブスト死す。

「12日、心筋梗塞のためパリ近郊の病院で死去、93歳。
「カロリーヌキャンプにいく」「カロリーヌつきへいく」など、
独立心の旺盛な少女カロリーヌが冒険を重ねる絵本シリーズを
53年以降制作。
日本語を含む約15の言語に翻訳された」
といった記事が、朝日新聞に掲載されていた。

過去にあった本はすべて品切れのため、
当方に在庫があるのはこちら
2100、2101をごらんください。

さて、「本の散歩展」は20日・21日、五反田・南部古書会館にて開催中。
連日の朝5時起きである。
昨日は平日。朝の京王線ときたら殺人的な混雑ぶりだった。
日々、あの時間帯に通勤・通学する人、お疲れさまと思う。
目録当選した方のため色紙を運ぶ必要があったので、
ダンボールで保護はしたものの曲がったり折れたりしたら大変。
頭の上に荷物をかかえて満員電車に耐える。

今日は、出かけるまでに、
ネットのメール対応をして、
今日来るという人のために何か本を持っていかなくちゃ。
ぼちぼち、本番前からの疲れがたまってきている。

筋力・体力がなく、不慣れな自分にとって、
催事はけっして楽ではない。
ある程度まとまった量の本に値札をはって、
紐で縛って運んで、
時間内にどうにかこうにか並べて、
また片付ける…
いつかは慣れるのだろうか。
短時間でやらなければ周囲に迷惑をかけてしまうので、
あせって、どうしても無理な姿勢になりがち。
腰痛になりそうで、ひやひやする。

壊れやすい本、傷んでは困る本、
催事にやってくる客層と明らかに異なる本は持っていけない。
他店のすばらしい品揃えを見ると、
なんのために自分が出店しているんだかなあ…。
トホホな気分になってくる。
売り上げにしても1日パソコンにはりついて
達成できる額よりはましだとしても、
目録の売り上げも含めて、の話なので。
目録づくりのために市場で買いまくった本代を考えると、
ひょっとして赤字なんでは? と、
危惧の念が頭をかすめる。

それでは、いったい
私は、なんのために「本の散歩展」に出店させていただいているのか。
なんのためにやるのかというと…。

目録で当選した知人の笑顔を生で見るためかと。
「うれしい…。3冊集まって、これでやっとコンプリートになった。
ありがとうございます」
と、つぶやく真顔を自分のことのようにうれしく思ったり。

また、ご来場くださった見知った顔にご挨拶したり、
ちょこちょこっと話をしたり、
初対面の自分にありがたくも
声をかけてくださる人と言葉をかわしたり。

それから、集書の達人である先輩の
商品を見せてもらいながら、
本について教えてもらったり、
その人の商売の秘訣を垣間見たり。
別の先輩から、
本をきれいにするための秘術を教えてもらったり。

思ったほどたいした本が拾えなくて
ガッカリして帰る人のさまに申し訳なく思ったり。
その逆で、均一で探していた本を拾えた
人のにんまり笑顔を顔を見たり。
(クロークで荷物預かりの手伝いをしたら
「77番の札をちょうだい。
ラッキーセブン。いい本が見つかりそうだから」
と照れくさそうに言った男性が印象的だった)
え、こんな本があったの? よく探し出したなあ、
自分が欲しかったなあと思ったり。
プロの業者さんが自分の棚から抜いていく本を見て、
さすがだなあ、と思ったり。

「終わってからのビール。
これがなかったら展覧会(催事)はやってないの、僕は」
という天誠さんの笑顔を見て、
年齢・キャリアの差をこえて共感したり。

ふだん一人で作業しているので、
人と一緒に、昼、わいわいチャーハンを食べるのが楽しかったり。
一緒に帳場に立った他店の人の持病を聞いて、
ああ、この人も苦心しているんだと感じたり。
会場を一から設置してから撤収にいたるまで、
苦楽をともにする仲間がいることを実感したり。

酔うととたん快活になり、先輩であるひぐらし・
有馬さんそっくりのしゃべり方になるクロサワくんをおもしろく思ったり。

まあ、わずか一日の間にもさまざまなことが起こるわけで。
今日はどんな一日になるのだろう。

ネットのほうが手薄になってしまい、
発送もたまり、新着本の更新ができず、
買取対応やら何やらたまってしまった。
本の到着をお待ちの方、買取関係をお待ちの方、
明日から順に対応していきます。
もう少々もう少々、お待ちくださいませ。
催事を終えたら、今度こそネットに力を注いでいく方向で。
言葉だけ宙を舞わないようにしないと。

今夜は、某古書店のIさん誕生会で
7時、高円寺集合とのこと。
昨夜からこぼした締め切り仕事もあり、
本の散歩展の準備が不十分なので、
本日の市場(中央市会)は諦める。
本日主役のIさんに頼みごとをするなんぞ
10年早いよと思いつつ、
電話をかけさせていただき、お願いごとをさせてもらう。

うおー、出かける時間まであとどのぐらい?
ペンと糊片手に、
宅配が来ても出られないような服装のまま
自宅にて値札貼りをぺったんぺったん。
鏡を見るゆとりさえないまま、
下手したら手や顔に糊がついているかも…、みたいな。
おおー、発送もしなくちゃー、
およー、倉庫に行かなくちゃー、
うひー、7時に間に合うかなー。
お祝いごとだからちゃんと時間に行かなくちゃなー。

そのとき…。
ピンポーンと鳴るインターホン。
「か猫ですー。
いらっしゃるかなーって。
いないならいないでいいやと思って」
と、雨の中、にこやかなか猫さんが立っていた。

おおお、いまや時の人といっても過言ではない、
旅猫雑貨店のか猫さんがお立ち寄りくださったのだった。
海ねこが全面的にお世話になっているご近所さんから
「うちのアンティークのガラス瓶、
旅猫さんのお店でお使いにならないかしら」
とのご提案をいただき、
橋渡しさせていただいたのであった。
旅猫さん、貴重な休日にはるばるお疲れさまです。
「いい落ち着き先が見つかりました」
とご近所さんからお喜びいただき、
ガラス瓶もきっと旅猫さんのもとにたどりついて
幸せでありましょう。

旅猫さん、お立ち寄りくださってありがとうございますー!
それなのに、薄汚い格好のまま、
部屋はぐっちゃぐちゃのまま。
おあがりいただくことさえできず、
なんだか申し訳ないというか、恥ずかしかった。
いい大人がどうなのよ、このざまはと思う。
「いつ友達が来ても上がってもらえる部屋」
みたいなインテリア記事に載ってそうな家だったらよかったのに。

それでも、旅猫さんの顔を見たら
元気を分け与えてもらえたような。
そういえば、昨日は西荻窪・昼市で
退屈男さんにご挨拶したっけ。
わめぞ軍団のエネルギーにあやかりたいもんです。
旅猫さんとは
この夏のちょっとしたお出かけ計画など、一緒に進行中です。
実現するといいな。

西荻窪で行われた「昼市」をのぞきにいく。
エスニックフードの屋台に、ビールに、古本にと、
ヒッピー村を思わせる雰囲気が面白い。
古本を出品している店も、集まってきて楽しそうに
飲んでいる面々も、知り合いが多かった。

出店していた友人らとお茶しながら
「海ねこさんのブログは、喜んだり、バタバタしたり、
少女みたい」と言われて、
穴にもぐりこみたいような気持ちになる。
いい加減、ときどき辞めたくなりますよ、
自分の無知や低俗さ、オロオロ バタバタっぷりを
晒すのが恥ずかしくないわけじゃないので。
でもまあ、私個人の体験など晒してなんぼ
という思いもあるため、またこうして書くわけで。
いったい私は何処へ行くのでしょうか…。

古書店に立ち寄って帰宅。
買取対応などして、残り時間はひたすら値札貼りをしていた。

市場で買った束の値札貼りは、まだまだ続く。
束のなかからごくごく普通に出てくるのは、
明治の雑誌、さらには、昭和初期の各雑誌。
文芸誌、総合誌から女性誌、子供向け雑誌など各種。
さらには、昭和20年 終戦間際に発行されていた
週刊朝日、週刊毎日、サンデー毎日などなど。
値札を貼りながら、当方の居間ごと
タイムマシーンに乗って
当時へと立ち返っていくかのような感覚になる。

昭和17年ごろは、まだカラー印刷。
↓サンデー毎日 昭和17年4月12日号 裏表紙

「前線に。
慰問袋には、国産のペルメルがマラリヤを媒介する蚊、蠅、毒虫、
ジャングルでのスリ傷等の万能薬として
前線将兵に一番歓迎されてゐます」
の文字。
大日本除虫菊ペルメル部の広告である。

↓サンデー毎日 昭和17年10月18日号 裏表紙

「現地で悦ばれるもの 故郷の便りとニシチン軟膏!
傷、たゞれ、やけど、靴ずれ
等を速く気持よく治して而も醜い
傷跡を残さないのが特徴です。

一歩進んだヴィタミンA・D外用剤
(製造販売元 日本染料製造株式会社 大阪市
一手販売元 株式会社 塩野義商店)大阪市」

略称シオノギで知られる 現・塩野義製薬。
文面に、多少ではあるが、ゆとりが感じられる。

ところが、昭和20年のものとなると…。
粗末な紙質や印刷が当時の空気を生々しく伝えてくる。
各誌とも、裏表紙には回覧するよう指示され、
週刊朝日の裏表紙には「回覧で活かせ一冊百冊に。
慰問袋に忘れず本誌を」との文字が。

↓週刊朝日2月4日号の裏表紙。
東京芝浦電気株式会社、今でいう東芝の広告である。

↓こちらは、週刊朝日、昭和20年2月18日号の裏表紙。
鬼気迫る表情から時局がうかがいしれるかのようだ。

やたら、戦地に送る薬品の広告が目だつ。

このようなご時世にあっても
雑誌の出版が続いていた裏には、
政府のさまざまな思惑があるのだろう。
薬品の広告にしても、一般の人向けと思えないものもあり、
雑誌の読み手はかなり限定されていたのかもしれない。

雑誌は、時代の顔です。

資料として保存すべきものも多いのではと思いますが、
ご利用になる方のお手元に広くわたりますよう、
本の散歩展に出品します。格安、ではないかと。

いつもの海ねこラインナップ
+時勢を映し出す雑誌といったセレクトのつもりです。

それにしても、値札紙を貼りながら、
この手の雑誌が次々に迫ってくるため、
酷使した目ばかりでなく、心まで痛くなった。
本当は締め切り仕事があったのだが、
明日に回す羽目になってしまった。

かなりお待たせしてしまった買取査定。
ご注文いただいたセットものの発送と、
お問い合わせいただいたセットものの在庫確認。
付属の翻訳カードがバランバランになってしまうので、
全部揃っているかどうか確認するのに手間取ってしまう。

本の散歩展の値札貼りに突入できたのは、23時のこと。
落語から帰宅した家人のヘルプを得て3時間半、ひたすら値札貼り。
先週、市場で買った山に、戦時中の政府資料(らしきもの?)が含まれていた。
ドイツにおける空襲時の注意をそのまま直訳して、
イラストも転載されている。
「空襲警報発令の際なすべき事は?」
「落ち着くこと! 落ち着くこと! 落ち着くこと!
道路から立ち去ること! 道路に出ないこと!
好奇心は死を意味する!」
防毒マスクをかけたイラストつき。

13日は多摩川沿い→神保町→五反田。
締め切り仕事がようやく終わりに近づき、
さて、もう一頑張り、あとは本の散歩展の準備だと思った矢先、
あれこれと仕事が大波のように押し寄せてきて…。

つかの間の慰めは、移動中の読書。
「老年文学選」(駒田信二・編 ちくまライブラリー)に熱中する。
林芙美子、木山捷平、沢木耕太郎、尾崎一雄…。

仕事先で沼辺信一さんのご友人という方にご挨拶した。

大事にしてきた本を売ろうと思う人は、
なぜか朝やってくることが多い。

先輩書店からそう聞いたことがある。

起きてすぐメールを確認したら、
30数年大切にしてきた本を売りたいとのお申し出があった。
ひじょうに良質のシリーズなのである。
当店のHPでかつて扱ってきたし、
しばしば、長く探していらっしゃる方からお問い合わせをいただく。
まとまった形で出てくることはひじょうに珍しいと思う。

海ねこのお客さんが一番この本を大切にしてくれそうなので、
と、当店にご連絡をくださった動機を書き添えてくださった。
なんてありがたいお申し出だろうか。

もしも自分が大事にしてきた本を売ろうと思ったとしたら、
どこに売るか、どこに売れば本が生きるか真剣に考えるだろう。
お申し出くださったお気持ちを考えると、大変ありがたい。
他店ばかりが偉く見えて、萎みぎみな心を立て直してくださるような。
自分がやってきたことが間違いじゃなかったような、
そんな矜持にさせていただくような思いだ。
当店にお声をおかけいただいたことに感謝し、
早速、お礼のメールを書いて送った。

古書月報 最新号である421号
(2007年4月号 古書組合の機関誌。
一般には発売されておりません)の
特集は「インターネットに活路を求めて」。
実店舗でなくインターネット専門で店を営む店主たちの
声を集めていた。
自分の原稿も含め、他店の声も読んで
改めて感じたのだが、
実店舗かインターネットなのかというのは
それほど大きな問題ではないのではないかと思った。
実店舗だとかオンライン古書店だとかいう形は
あくまでもツールであって、
もっとも大事なのは、そのツールを使って何をするか、という部分であって。
要は、どんな本を扱おうとするのか、
どのようなお客様が買ってくださり、
本を売ってくださるのかといった部分なのであって、
そっちが肝なんじゃないかと。

まあ、実店舗を構えていれば、
それはそれで、お客様とお話できたり、
とても素敵なことも多いのだろう。
自分も憧れはするのだけれど、
オンライン古書店であっても素敵なことは起こるのである。
そう、今朝のように。

ああ、もう出かける時間だ。
朝はただでさえ朦朧としているので、乱文になった。

ご連絡をくださったお客様が住んでいらっしゃる方角に
感謝をささげながら、仕事に出かけてきます。
市場にも立ち寄れたらと思っております。

4月20日・21日、五反田の南部古書会館で「本の散歩展」が開催されます。
目録が完成。
まだ手元にないので実物は見ていないのですが、
どうも我が家はメール便が届くのが遅い地域かも。
もうお手元に届いている方もいらっしゃるかと、急いで画像をアップしました。
第22回(通巻31号)「本の散歩展」目録。古本 海ねこ分

とりあえずの締め切りは4月19日とさせていただきます。
先着順ではありませんので、ごゆっくりご覧ください。

それにしても市場にかなり通ってみても、本を集めるのは楽ではなく、
そうそう、お金も続かない。もっとなんとかせねば…と思う目録作業であります。

もっかの楽しみは、あの絵本を読むこと。
最近もっともよかった絵本は、チェコのデイジー・ムラースコヴァー。
もっかの悩みは、明朝早いため、あと3時間ちょっとで起きられるかどうか。
ブログに英文の変なコメントが多くて対策してもしても追いつかないこと。
取り置き注文システムの行方について。

取り置きご注文いただいてから2か月後まで
それぞれの方にこちらから連絡をとるのが難しく、
2か月以内にご連絡いただけない場合、こちらから
「どうしましょう?」みたいにご連絡するのもなんだかなあと。
私もそうですが、買いたいと思ったときに買わないと
1か月も2か月もたってから買わないですよね。
取り置きシステムそのもの、もうやめたほうがいいのかどうか、
でも、ご利用になる方にとっては便利でしょうから、
何度かご利用いただいた方に限らせていただこうか、
あるいは期間を短縮しようか、など、悩んでいること。
どうしたらいいんでしょう?
「古本 海ねこ」は自分ひとりで運営しているとは思わず、
利用者や周辺で見守ってくださっている方々のおかげで
成り立っていると思っておりますので、
自分で決めるよりも、さまざまなご意見を伺いたく思いますが。

メールの返信が遅れていてすみません。
きちんと返信しようと思うと、どんどん遅くなるクセ、どうにかせねばですよ。
さて、3時間後に私は起きれるでしょうか。

季節がよくなり、
古書関係のイベントが徐々に増えてきました。

市場に行ったら、オヨヨ書林さんからチラシを預かりましたので、
ご紹介します。
「一箱古本市」いよいよですね~。

ところで、こちらもお忘れなく!
当店も参加します「本の散歩展」が
4月20日(金曜)、21日(土曜)に開催されますよ。
会場は、五反田・南部古書会館です。
目録もすでに完成したようで、私もまだ手元にはないのですが、
名簿登録されている方にはまもなく届くことでしょう。
当店の目録分は、書影とともに近日、公開予定です。

20日、21日に持っていく本、
僅かずつですが準備を進めつつあります
(でも、まだまだこれから。果たして間に合うのか…)。

今宵、値札貼りをしたのは、1930年代、昭和10年代あたりの
古書店 目録。
おなじみ一誠堂書店、巌松堂書店から
白揚社、明治堂書店のものまで。
ほかに、丸善や三越洋書部の目録。
松坂屋の「和漢洋古本大即売展」、
新宿三越の「和漢洋古書展大即売会」目録などなど。

個人的にもっとも興味を覚えたのは、
小川町三丁目(明大前)にあった「明治堂書店」の目録
「近集古書月報」です。
明大前とありますが、正確には斜め前あたりでしょうか。
目録の裏表紙に地図が掲載されており、
当時の「市電スルガ台下」駅と主婦の友社の間ぐらいかと思われます。
ひょっとして、現在の古書会館のすぐ近く?
地図、広告など当時を偲ばせる
資料があちらこちらに見られます。

読み物ページに「読者通信」なる読者投稿に…、
読んで眺めて楽しめるよう趣向が凝らされています。
どんな本がいかなる値段で掲載されているのか。
本好きでしたら、1冊でかなりお楽しみいただけると思います。

会館での置き場所ですが、
1階の均一に置いてもいいのですが、
ゆっくりお手にとっていただけますよう
2階に置こうと思います。
いずれにしても五反田価格ーリーズナブルにご用意いたしました。

海ねこのお客様、ホームページの更新が遅れて申し訳ないです。
五反田に足をお運びになれる距離の方、
人気店が多数の本をご用意して
お待ちしております。ぜひご来場ください。

最後に。
たまにはご関心のある方もあろうかと(ないかもしれませんが)
店主のことも書きます。
先週末からの暴飲暴食で胃が…。
店主は胃だけは丈夫だったため、
胃のもたれがこれほど辛いとは、露ほども知らず、だったのに。
油もの、肉…さほど食べられない年代に突入しつつあるのか。
とんきの豚カツ、天ぷら屋のフルコース、てんやの天丼、
目黒・某店の焼き鳥…いずれも遠くになりにけり?
そういえば、図書館にリクエスト中の書名は
「老年文学傑作選」でしたっけ。
年齢や経験とともに関心事が移ろいますね。

夕食後NHKスペシャル「松田聖子 女性の時代の物語」を観ました。
「松田聖子は死ぬまで松田聖子でい続けなければならない」
という篠山紀信氏の言葉が重かったかも。
観た人、感想はいかがでしたか?

朝8時集合の市場にお誘いいただいていたのだが、
あえなく散る。
次は1か月後。

終日デスクワーク。
歯科検診のあと、
連れに買ってきてもらった「考える人」2007年春号をパラパラ。
村上春樹 e-mailによるインタビューは全10ページで
書き手として、また、読み手、翻訳者の視点から
長篇小説と短篇小説それぞれに対する意識を語っている。

長篇だろうが短篇だろうが、
まずだいいちに、書くことが楽しくなければ書けないです。
だから僕がまずいちばんに考えるのは、書くのが楽しいという状況に、
できるだけ自分を置き続けるということですね。
…ゼロから何かを生み出して立ち上げることが、
苦しくないわけがないんです。
そんなこといちいちことわるでもない。
僕にとって大事なのは、それがいかに楽しいかということです。
(以上、引用)

近所の名物、野川桜のライトアップをみにいく。
年一度、アーク・システムという会社がおそらく赤字覚悟だと思うが、
川辺の桜を大々的にライトアップしている。
一夜限りのイベントだ。

近づいていくと、
暗闇にぽっかり浮かび上がる艶やかな桃色。
突如、現れた桃源郷といった趣き。
近くから見上げると葉桜が目立つのだが、
川辺の並木全体に強い照明をあてると
薄桃色の妖しい帯が自ら光を放っているかのようだ。


(クリックすると大きくなります)

平日にもかかわらず、大変な人出だった。
「海と一緒で、最初にぱっと目に入ったときが
いちばん感動するね」
など、暢気に感想を語り合いながら
この世のものとも思えない光景に酔いしれる。
大きな照明と重そうなバッテリーを大量に運び込み、
幻想的な一時を届けてくれた方々、お疲れさまでした。
連れもブログにアップしているので、よかったらどうぞ。

食事しながら、録画しておいた
ニューヨーク街物語「古本ワンダーランド」を観る
(3月31日、NHK BS-1)。
ニューヨークで創業81年の
古書店"ARGOSY BOOK STORE"に焦点をあてた番組。
店を守っているのは、創業者ルイス・コーエンさんの3姉妹。
16世紀に出版されたシェイクスピアの戯曲集や
17世紀に編まれた聖書など、希少本が所狭しと並んでいる。

なぜ初版本がそれほど重要視されるかについての見解。
価値がある本がありそうな場所ならどこへでも行くと、
とあるお宅の書庫に足を運んだときの映像。
痛みが強い本を修復する専門家が店に常駐していること。
どうしても修復不可能な古書の場合、
中ページの絵や図版をばらしてジャンル分けし、
きれいにディスプレイして販売していること。
著名人の書簡を、選り抜きの写真とともに額装して販売し、
人気を呼んでいること。
創業者である父親は
大統領から学生まで誰に対しても平等で、
だからこそ皆から愛されてきた…。
わずか20分の番組だったが、
姉妹3人の古書・古書店への思い、
店を愛する客らの声が盛り込まれていた。

当店のお客様からは、
ずっと探していた本を見つけたと、お喜びのメールをいただく。
お客様宅のキッチンで30年間、
活躍し続けたレシピ本だったそうだ。
材料別に章が分かれていて、ばらして愛用していたら
「肉」の項目だけ紛失。
本格的な肉料理が作れずに困っていたとのことだった。
よかった、これで肉料理も楽しんでいただけると自分も喜ぶ。
どの料理を作っても、調味料のバランスが良く、
おいしく作れるそうで、料理本の名著とのこと。
お客様から教えていただくことは、日々とても多い。

ところで、今日、市場を諦めた理由は、
締め切り仕事を抱えていたから。
催促がないため、まだ余裕があるのかと勘違いしていた。
夜、舞い込んだ催促の電話に、はっとさせられる。
「明日までになんとかいただけますかね」
…「はい」と答えて、脳裏に浮かんだのは、
また市場に行けないなあということ。
そろそろ本の散歩展や次の目録用に
どんどん買わないといけないのだが、いたしかたなし。

なかなか合格点が辛く、
細かくディスカッションしながら
仕事を進めていこうとする相手の姿勢に感心する。
感心している場合じゃなく、きちんとやらなくちゃね。

明日一日で何とか乗り越えて、
週末は、お待たせしている買取見積もりや、
まとめ買いのご注文に対応しなければと思う夜です。

欲しかった本を検索。
古書店「猫額洞」にあるのがわかり、
在庫があるかどうか祈るような気持ちで注文。
今日はずっと市場に出掛けていたので、
出先からメールを確認した。
猫額洞さんから「在庫あり」のご返答が届いていたので、
ひとり小躍りして喜ぶ。
猫額洞の名前は、旅猫雑貨店のブログでも見ていた。
いつかぜひ立ち寄りたいと思いながら、
住所を入力して検索。ネット上の地図を眺める。

帰宅後、ねこをひざにのせ、ネットサーフィン。
ネットでも見ていないと、
睡魔と布団の誘惑に負けてしまいそうだ。
早朝8時開始の市場にお誘いいただいたのだが、
前途多難だろうか。

本日の市場、よく歩き回った。
ネットで動きにくいものを8口、
おそらく何百冊か出品した。
経営員のOさんに
「ダメだよー、あの縛り方じゃ。
(注:縛り方といってもその筋の亀甲縛りとか
そういうんじゃなく、当たり前ですが。
20冊30冊ずつ紐で束ねて出品することになっている)
~の書き方もわかりにくかったから。
まあ最初はしょうがないからね、
最初は僕もひどかったから」
と注意され、ひたすら頭を下げる。

出品したものが市場のどこに置かれているのか
すべて探しきるのに手間取った。
3階から4階へ、また3階へ、また4階へと、
うろうろううろうろ歩き回った。

結果として、8口のうち7口は買っていただいた。
7口の嫁ぎ先は、自分が好きだと思う店ばかり。
これらの店だったら、きっと上手に販売なさることだろう。
有難い有難い、とお礼を言って回りたいぐらいだが、
そこまでしないのが市場のルールというか、
買ったり売ったりはお互い様というか。
何かトラブルが起きたときは第三者である組合職員が
間に立ってくれることになっていて、
買った側にはどの店から買ったのか、
わかりにくい仕組みになっている。
代々、築き上げられてきたシステムというのは
なかなかよく考えられているのだ。

本日もっとも高値で買っていただいた分は、
ネットではもはや人気低迷かと首をかしげていたもの。
市場で私はまだ見たことがなかったので、
多少珍しさもあったのだろうか、
数店に入札していただいたようだ。
ネット上だといまひとつ素敵に見えなくても、
実店舗の店頭にディスプレイされていたら、
かなり目を引くだろうと思う。
ネットで売れるものと、実店舗で売れるものとは
多少違いがあるのかもしれない。

残った1口はサブカル系の店主である友人に
お願いして、快く譲り受けてもらう。
おかげで、廃棄本も出ず、持ち帰り本も出ず、
安堵感とともに帰宅することができた。

先輩店より、本日の教え
「どんどん市場に出して売ったほうがいいですよ。
売った額の3ー4割ぐらい買うようにして、
ずっと回転させていければいちばんいいんだけどね。
買ってばかりだと大変ですよ」

うーむ、なるほど、
自分がそううまくできるかどうかは別として、ごもっともである。
長く続いている店には、それなりの理由があるのだなあ。
海ねこジャンルでない本、ネットに不向きな本は
倉庫にただ眠らせておくより、
市場に頻繁に売ったほうがいいかもしれない。
自店で欲しいものを買うばかりでなく
自店に不要な本を売ることもできるのが
市場の有難さ。
また、大量の買取にも怖気づかずに対応可能。
その点においては、
組合に入って本当によかったと思う。

さて、梱包・発送して、
注文本を倉庫にとりにいこう。
外は雨。それでもお花見は決行らしい。
連れは頑張って足を運んだ。
私は内臓も疲れぎみだし、明日の締め切り仕事に向けて
今晩は早めに店じまいして早めに休むことにしよう、
と思いつつ、あれこれ終えて「ちくま」など読む。
笙野頼子「生命のない宇宙」に
わが猫は病院では死なせまいと思う。
人も猫も、明日の運命など誰にもわからないのに。

31日、友人と会うため、神保町へ。
神保町駅から地上にあがったところ、
「神保町さくらみちフェスティバル」と銘打って
路上で古書店ワゴンセールを開催中だった。
ワゴンの主から
「あれー」「どこ行くの?」と声をかけられる。
見知った顔・顔・顔。
一日中、外で店番をするには肌寒そうだった。

友人との待ち合わせ前、所用で古書会館に立ち寄る。
駐車場のはじで、
経営員Oさんが疲れた顔で煙草を吸っていた。
2階には、本が山積みされたカーゴがぎっしり。
本を整理しながら陳列し、
月曜の市場に備える経営員の皆様、お疲れさまです。
経営員の皆様、職員の皆様、いつもありがとうございます。

友人らとよく行く居酒屋へ行ったところ、
テーブル席が満杯。
はてさて、どこの店へ行こうか。

石田書房に立ち寄ってから、
先日おいしかった店に行ってみるが、土曜定休だった。
「アミ」に行くことにして、2階の窓辺に陣取る。

学生時代の思い出から互いの近況まで、
話は尽きるところを知らない。
20年来の友人は宝物。
思い出も、ともにテーブルを囲む時間も
お金では買えない贅沢だ。

窓の隙間から、薄桃色の花びらが
はらりはらり、テーブル上に舞い込んできた。
花びら2枚。
友人がティッシュに包んで持ち帰る。

「願わくば花の下にて春死なむ
その如月の望月の頃」
と、友人がアミのコースター裏に書く。
夜桜には、
漂泊の歌人・西行の句が似合う。

本日は昼から、出版関係の仲間と野川にてお花見。
七輪を持ってくるそうなので、肉や野菜を買って
各自が持ち寄る方式。

散り急ぐ桜を惜しむかのように、
明日も花見になるかもしれない。
今日も明日も、仕事をしてから出掛けることにする。
では、梱包・発送、締め切り仕事に取り掛かります。
対応をお待たせしている方、
桜に免じて、お許しください(と頭を下げている)。
京都・岐阜あたり、大陸から黄砂がやってきていると
お客様からのメールで知る。
遠くの山が霞むほどだという。
朝日新聞の朝刊「人」欄に
「100歳を迎えた元気児童文学者」として
石井桃子さんの声と近影が紹介されていた。
皆様、良い週末になりますように。

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