ありがたい買取のお申し出

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大事にしてきた本を売ろうと思う人は、
なぜか朝やってくることが多い。

先輩書店からそう聞いたことがある。

起きてすぐメールを確認したら、
30数年大切にしてきた本を売りたいとのお申し出があった。
ひじょうに良質のシリーズなのである。
当店のHPでかつて扱ってきたし、
しばしば、長く探していらっしゃる方からお問い合わせをいただく。
まとまった形で出てくることはひじょうに珍しいと思う。

海ねこのお客さんが一番この本を大切にしてくれそうなので、
と、当店にご連絡をくださった動機を書き添えてくださった。
なんてありがたいお申し出だろうか。

もしも自分が大事にしてきた本を売ろうと思ったとしたら、
どこに売るか、どこに売れば本が生きるか真剣に考えるだろう。
お申し出くださったお気持ちを考えると、大変ありがたい。
他店ばかりが偉く見えて、萎みぎみな心を立て直してくださるような。
自分がやってきたことが間違いじゃなかったような、
そんな矜持にさせていただくような思いだ。
当店にお声をおかけいただいたことに感謝し、
早速、お礼のメールを書いて送った。

古書月報 最新号である421号
(2007年4月号 古書組合の機関誌。
一般には発売されておりません)の
特集は「インターネットに活路を求めて」。
実店舗でなくインターネット専門で店を営む店主たちの
声を集めていた。
自分の原稿も含め、他店の声も読んで
改めて感じたのだが、
実店舗かインターネットなのかというのは
それほど大きな問題ではないのではないかと思った。
実店舗だとかオンライン古書店だとかいう形は
あくまでもツールであって、
もっとも大事なのは、そのツールを使って何をするか、という部分であって。
要は、どんな本を扱おうとするのか、
どのようなお客様が買ってくださり、
本を売ってくださるのかといった部分なのであって、
そっちが肝なんじゃないかと。

まあ、実店舗を構えていれば、
それはそれで、お客様とお話できたり、
とても素敵なことも多いのだろう。
自分も憧れはするのだけれど、
オンライン古書店であっても素敵なことは起こるのである。
そう、今朝のように。

ああ、もう出かける時間だ。
朝はただでさえ朦朧としているので、乱文になった。

ご連絡をくださったお客様が住んでいらっしゃる方角に
感謝をささげながら、仕事に出かけてきます。
市場にも立ち寄れたらと思っております。

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コメント(2)

こんにちは~お元気ですか
わかります!
「海ねこのお客さんが一番この本を大切にしてくれそうなので」ってお客様の気持ち
私も感じますよ。
オンライン古本屋でも海ねこさんだからこそPCの向こう側にいる本好きのひとの姿
そこが他にない魅力ですよっ!!
でも、お会いして本を手にするのもまた楽し♪
で、21日五反田行きます。いらっしゃいます?海ねこさん

きゃー、
Duclyさんにそうおっしゃっていただくと
元気百倍ですよ。
うわー、疲れがとれます。
癒し効果ですねえ~。

21日、もちろんおりますよ。
休憩のとき以外おりますので!
お目にかかれるようでしたら元気百倍三百倍です。
あ、Dulcyさんがお好きそうな本が
あるとよいのですが…。
って、実はまだ満足に準備ができてなくて、
ひえーって感じなんです。
あきれないでくださいね。

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