本の散歩展 終了しました

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ご来場くださいました方、
ご関心をお持ちくださった方、
どうもありがとうございました。

自店のラインナップそのまま催事でもアピールして
堂々と勝負できる股旅堂。
動物的感覚でかぎわけて
何やらかにやら鮮やかに売ってみせる揚羽堂。
良書を惜しげない値段で
どんどん補充しながら展開できる公文堂、西村文生堂。
古書に精通しすぎるぐらいしている玉晴。
「本当は均一に出すような本じゃないんだよ」
と、良質の文庫を均一でバンバン売ってしまう閑古堂。
吟味したラインナップと、完璧なメインテナンスによる二遊館…。
などなど。

いやいや、催事に参加してみると、
自店に足りない部分があからさまになる。
海ねこ、催事はもうやめようかとも思う。
他店と海ねこは違いすぎる。
実力違い。ノミラ語を借りれば「ぬるい」といったところだろう。
海ねこは恥ずかしながら、
いまだ、催事に何を持っていけばいいのかわかっていない。
絵本、児童書など自店ラインナップのまま
催事会場に持っていったら大ゴケかもしれない。
そこまで冒険する勇気はないので、
それ以外が海ねこ棚の半分ほどを占める。
実際、何が売れたか見てみると、
自店ラインナップではない、それ以外のもの
ーーつまりは、買取品や市場で買ったもののうち、
自店ホームページに掲載できないものだったり、
自分用に買った本の一部だったり、
市場でかぎ分けて、これは欲しい人がいるだろうと
踏んだものだったりする。
カンは多少なりとも当たった。
カン頼りにここらに活路を見出す道もありなのかどうか。
それでも催事に参加する意味があるのかどうか。
本の散歩展、目録だけの参加もあり? と聞くと、
次回からそうしようかなあとも思う。

でも、南陀楼綾繁さん、喜んでくださったみたいだしなあ。4月20日の項。

また、実店舗がない海ねこにとっては、
日ごろネットでやりとりさせていただいている方と
顔を突き合わせてお話ができるというのは
この上ない楽しさなのであった。
催事に持っていった絵本や児童書もお買い上げいただいた。

海ねこでお世話になっているFさんとデニーズでお茶した。
Fさん、いつもありがとうございます。
私なんぞにいろいろ話してくださって、
ブログ読んでくださっているので、この場を借りてお礼を。
作日のこと、メールをくださったこと、ありがとうございます。

帳場に戻ってみたら
「海ねこさん、お客さんだよ」
と言われた。
行ってみると、
本を物色中の女性がこちらを振り返る。
名乗っていただく前に、だれだかすぐわかった。
京都在住で、お嬢様が中野に住んでいるNさんだった。
「海ねこさんの本、買わせてもらいました」
ーーありがとうございますー!
均一の当番だったため、落ち着いてお話できずに残念でした。
でも、想像どおり柔らかい笑顔の方。
お目にかかれたことが夢のようでした。
ご同行くださったご友人様にも
この場を借りてお礼申し上げます。

17時、本の散歩展が終了。
本や棚を撤収し、
掃き掃除をし、会場を元通りに戻す。
19時半? 20時?
終了後のミーティング後、
一同、目が落ち窪み、やつれている。
興奮のあとの空虚感…
学園祭や学生時代の定期演奏会のあとを思い出す。

15名ほど、居酒屋にぞろぞろ移動する。
生ビールが全員分揃うのに、時間がかかる。
皆、あまりの疲れに言葉少なだ。
やがて、飲んで食べて、
「疲れたー」
と放心気味だったクロサワくんがベラベラ語り始める。
そのころにはすでに
アルコール充填された一同、笑顔・笑顔だった。

中央に並んでいた顔ぶれをちょっと書いてみる。
●揚羽堂
●彷書月刊・なないろ文庫 田村さん
●ポラン書房 石田さん
●りぶろ・りべろ 川口さん

これだけで、居酒屋の盛り上がりを
連想できる人もいるだろう。

石田さんが酔ったとたん
「では! 皆さん、自己紹介を」
と切り出した。
ああ、まただ、時間がかかるなあと
ため息をつく女子ら。
石田さんの口から
「補足説明すると」
という言葉が飛び出すと、
全員の紹介が終わった時点で
ゆうに2時間ほど経過することを覚悟しなければならない。
ところが、昨夜の石田さんはこう言った。
「今回はですね、
過去のことでなく、現在、熱中していることを。
現在について話してください」

順に話し出す。
会話の嵐になりかけると
「緊張!」
と、石田さんから檄が飛ぶ。
ちなみに、石田さんは元・塾教師・塾の経営者。
揚羽さんが絶妙なタイミングで
「緊張!」
「緊張解除!」
と叫ぶ。

キーワードは「アナーキー」だった。
元アナキストたちの未来がそこにあった。
撤収のとき
「オレって、本当に要領悪いよなあ」
と独りごちていた ひぐらし・有馬さんは、
飛び交うアナキストらの人名にしっかり反応しながら
次第に元気づいていった。
クロサワくんの舌が滑らかに回転し始める。
クロサワくんは26歳か。
もともとひぐらしさんの店で3年間働き、
現在はポラン書房のバイト、
将来は神保町の店主になるであろう人だ。
学生運動の先頭に立っていたという人が
今は、ねこの世話に熱中しているという話も好きだった。
古書店主らそれぞれの過去・現在・未来ーー

一昨日に続き、天誠さんが
「本の散歩展というのはね、もともと…」
と、田村さんらの功績について語り始める。
天誠さんは明るいうちから
ウイスキーのコーヒー割り?を傾け始め、
店についたとき、すでに赤ら顔であった。
話を引き継いで、田村さんが
本の散歩展への思いを語る。
股旅堂さんの品揃えを讃えた。
「均一で3000円の本を売ったのは、彼が初めてじゃないかな。
それもありだと思う。200円300円ばかりじゃなくて、
3000円があってもいいと思う」
ということも話していた。
「本の散歩展」を巣立って成長していく店があっていいと思う。
そのかわり、近くに新人がいたら、
参加を呼びかけてほしい。
去るものは追わず、来るものは拒まず。
これほど毎回、参加店が変わっていく催事もないそうだ。

わずかな時間ながら、
体験を共有する面白さなのだろうと思う。
目録のみ参加、宴会だけ参加はありなんだろうか、
でも「どうぞ」と言われても味気ないだろうなあ。
わずか48時間+搬出搬入の時間のみだが、
苦楽をともにしたからこそ、
あの打ち上げになるのだろうと思った。

本の散歩展、次回も参加するとしたら、
いっそ絵本・児童書ばかり並べてみようか(まだ試行錯誤中)。
そのためには、日々の集書、日々の買取がものを言うのだ。
市場で買うと高いので、
ほかの手段を講じていくことが必要なのだ。

では、お待たせしてしまった発送にかかります。
受注のため、倉庫に本をとりにいかないと。
買取本の段ボール箱が
自分のわきと玄関にどかんとお待ちですよ。
駄文にお付き合いくださいましたあなた様、
今後ともどうぞよろしくお願いします。

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