印刷博物館ほか

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前にも書いたのですが、金曜晩が嫌いです。
自宅にぽつりといると、
世間の楽しい輪から取り残されているようで…。

ですが、市場でまた買ってしまいましたし、
働かなにゃあいかんのです。
印刷博物館だけ立ち寄り、帰ってきました。
昨日、雨のため降ろせなかった本が車に山積みのままですし、
発送・受注がありますし、
明日の約束を考えると二日酔いになっている場合じゃないので…。
また、月末の支払いを一件、うかつにも忘れていた、などなど、
やるべきことが山積しておりまして。金曜晩ではありますが、働くよ。
当分は、コツコツ仕事をしようと思います。

「新着本、楽しく拝見」などと、お客様のメールに一言書き添えていただくと、
ああ、よかったと素直にうれしい。
楽しんでいただけるなら、
もっともっと新着本を更新しようじゃないか、と思います。
豚もおだてりゃ木にのぼる…!?

しかし、本当に買いたいものはなかなか買えない市場。
ああ、東京の市場ってとこは、そげんにおそろしかねえ(何弁?)。

凸版印刷・印刷博物館で6月3日(日曜)まで開催中の
「美人のつくりかた~石版から始まる広告ポスター」展。
沼辺信一さんのブログで知って、
ようやく、どうにか行ったわけですが、
想像以上に楽しめました。
明治のころ欧米より導入され普及した平版印刷。
広告印刷物があってこそ、印刷技術が発展し、
印刷技術が発展したからこそ、より充実した広告印刷物
ーーとくに大判ポスターがつくられていった。
そのさまが、美人ポスターという親しみやすい切り口で
鮮やかに展開されていました。
当時の印刷技術の素晴らしさには、感心するばかり。
原画を見ながら、腕利きの職人さんが
どのインクを何色使えばいいか、ぴたっと読み取ったといった説明がありました。
ときに25色、多いときは30色ものインクが使われ、
あれほどの深い色味が再現されていたのです。
もっとも難しい顔や手の色は、熟練の職人さんが担当したそうです。
ポスターによっては、帯だれそれ、和服だれそれ、背景だれそれと
担当者の名前が入っています。
今も昔も、腕利きの人が信念と誇りを胸に
日々を生き抜き、
若者らの熱い視線を集めるさまは不変でしょう。

ちょっと前まで市場にいて古いものばかり目にしていたため、
状態最良のポスターには嘆息。
これが市場に出たとしたら、
いったいいくらするんだろう、と思ってしまうヘンな私でした。

活版印刷の校正過程について画像を見ながら、
新人編集者だったころ、ゲラに直しをばんばん入れていたわが身を反省。
毎回、活字を拾う、組み直すたび
印刷所の人にご負担をおかけしていたのだろうなあと。

しかし、凸版印刷はさすがにお金があるなあと思う。
常設の展示も面白く、私の博物館と呼びたいぐらい。
今日は女性客も多かったです。次の企画展が楽しみ。
大日本印刷さんなども、
印刷技術を伝えていく展示をどんどん行ってほしいものです。

さあ、車に積んである大量本を倉庫に運んで、
発送しよう。
仕事を終えた自分への褒美は、
FRASCATI SUPERIORE(フラスカティ・スペリオーレ)であります。
ローマ近郊で造られるフルーティな辛口ワイン。

そういえば、初体験ひとつ。
それは「替え玉」。
御茶ノ水に行くたび、立ち寄る博多天神。
隣にいたおねえちゃんが頼んでいたので、
未だかつて一度も叫んだことがない声を発してしまいました。
「替え玉ください」
禁断の替え玉はちょっと重し。
しかも、注文するタイミング、汁に入れるタイミングが案外難しい?
今宵、夕食は抜いて、ワインと軽いつまみだけにしておこう。

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