日本少國民文庫

| コメント(0) | トラックバック(0)

昨日、月の輪書林さんから3冊(目録を見て7冊応募)、
今日は海風舎さんから7冊、本が届く。
尊敬している先輩書店さんから本を受け取ると、わくわくします。
おおいに学びます。

海ねこ業はというと、やりかけの新着が途中でとまったまま、
日々、こつこつ梱包・発送作業にいそしんでおります。
今宵、海ねこより旅立ってゆくのが
「日本少國民文庫」(新潮社 昭和11年ー12年)。

恩地孝四郎の装丁はいわずもがな(函の表裏・側面・扉、どこもかしこも)、
口絵の写真、挿絵、文章、訳文、構成、活字、作品の選択
…どこをどうとっても上品で豪華で…。
こんな本がつくられていた時代に生まれたかった…。
生まれていたとして、買ってもらえる家庭環境だったかどうかは別として。

別れがちょっと惜しいけれども、かわいがってもらいなさい、
達者でな、という心境。海ねこに来てくれてありがとう。

次は、函の裏面(2巻)。

日本少國民文庫(全16巻)
このうち当方の在庫分は、1・2・4・5・6・11・12・13・14・15・16の11巻。
元パラがかなりついていました。
ちなみに、すでに品切れのため、ご購入にはなれません。

以下、本体表紙。

裏表紙も美しいです(2巻)。

1 人間はどれだけの事をして来たか(一)大阪商大講師・恒藤恭
2 人間はどれだけの事をして来たか(二)理学博士・石原純
3 日本人はどれだけの事をしてくるたか 文学博士・西村眞次
4 これからの日本、これからの世界   法学博士・下村宏
  挿絵・恩地孝四郎・鈴木園衛
5 君達はどう生きるか 山本有三 挿絵・脇田和
6 人生案内 水上瀧太郎
  挿絵・漫画・図表 上田健一・鈴木園衛・津田穣
7 日本の偉人 菊池寛
8 人類の進歩につくした人々 山本有三
9 発明物語と科学手工 特許局機械部長・廣瀬基
10 世界の謎 理学博士・石原純
11 スポーツと冒険物語 飛田穗洲 豊島与志雄 
   挿絵・恩地孝四郎・高畠達四郎・宮本三郎・鈴木朱雀
12 心に太陽を持て・胸にひびく話・20篇 山本有三
   挿絵・恩地孝四郎・鈴木朱雀・大野隆徳・
   鴨下晁湖・田中良・中村研一・齋藤五百枝
13 文章の話 里見弴
   挿絵・恩地孝四郎・津田穣・脇田和・鈴木そのゑ・硲伊之助
14 世界名作選(一)山本有三・選
   挿絵・恩地孝四郎・大野隆徳・武井武雄・宮本三郎
15 世界名作選(二)山本有三・選
   挿絵・伊勢正義・内田巌・恩地孝四郎・小柴錦侍・佃武昭・硲伊之助・脇田和
16 世界名作選(三)山本有三・選
   挿絵・足立源一郎・恩地孝四郎・鴨下晁湖・木村荘八・鈴木朱雀・
   武井武雄・深澤省三・松山とも子・宮本三郎・山村耕花

赤ノッポ青ノッポ(漫画)武井武雄 各巻4ページずつ。
詩・短歌・小話などもはさみこまれています。

口絵も工夫されています(写真は2巻。顕微鏡でのぞいた世界)。

日本少國民新聞が1部ついていました(15巻)。

「「今度もおくれました」なんて、もうお詫びは致しません。
泣いても笑つても、とうとう残すところ後一冊になりました。
そして、お別れしなければならない日も間近になりましたが、
私たちは悲しみますまい。
なぜといつて、われわれ「日本少國民文庫」を愛する者は、
その心の中に、文庫十六巻の持つ高く美しい、
知識を愛する精神によつて貫かれ、
それに依つて何時でも、手をつなぎ合ふ事が出来るからです」
(日本少國民新聞 第15号 より)

「東京の一読者より
日本少國民文庫編集部の皆様、いつもいつも
立派な御本をお造り下さつて有難うござます。
私の本箱には十三冊の本がきちんと並んでをります。
私はひまがあると本箱の中から
少國民文庫の中どれかを出して読み出します。
本箱を開けて、金色(こんじき)の字の題名が
ずらりと並んだ色とりどりの十三冊の本から、
今日はどれを読まうかと考へて、
やがて一冊を取り出してパラパラと頁をめくる時の気持、
その時のたのしさは全く快よいものです。
そして読んでゐる間ほんたうにわき目も振らずに一生懸命です。
もうこの文庫で二回読まないものは殆どありません。
一回読んでよくのみこめないところも二回読めば大体わかります。
三回読めば全部わかるといつた工合に、
読む回数を重ねるほど進歩して行くことも嬉しうございます」
(日本少国民新聞 第15号 反響欄より)

以下、14~16巻の目次より。
●14巻

たとへばなし レッシング
リッキ・ティキ・タヴィ物語 ラッディアード・キプリング 中野好夫・訳
身体検査 ソログーブ 米川正夫・訳
牧場(詩)ロバート・フロスト 阿部知二・訳
人は何で生きるか レフ・トルストイ 中村白葉・訳
日本の小学児童たちへ、他一篇 アルベルト・アインシュタイン 石原純・訳
母の話 アナトール・フランス 岸田國士・訳
笑ひの歌(詩)ウィリアム・ブレイク 吉田甲子太郎・訳
私の少年時代 ベンジャミン・フランクリン 阿部知二・訳
山のあなた(詩)カルル・ブッセ 山田敏・訳
母への手紙 シャルル・フィリップ 山内義雄・訳
ジャン・クリストフ ロマン・ローラン 豊島与志雄・訳
二つの歎き(詩)フランシス・ジャム 堀口大学・訳
点子ちゃんとアントン エーリヒ・ケストネル 高橋健二・訳
赤ノッポ・青ノッポ・スキーの巻(漫画)武井武雄

●15巻

シャベルとつるはし ジョン・ラスキン 中野好夫・訳
一握りの土 ヘンリ・ヴァン・ダイク 石井桃子・訳
郵便配達の話 カレル・チャペック 中野好夫・訳
塀を塗るトム・ソーヤー マーク・トウェイン 吉田甲子太郎・訳
断章(詩)ポール・クローデル 堀口大学・訳
スポーツについて、わが子へ シオドー・ルースヴェルト 阿部知二・訳
北海の医師 メアリ・パークマン 西村孝次・訳
わが橇犬ブリン サー・ウィルフレッド・グレンフェル
スガンさんの山羊 アルフォンス・ドーデー 櫻田佐・訳
職業を選ぼうとする人に トマス・ヘンリ・ハックスリ 吉田甲子太郎・訳
絶望No.1(詩)エーリヒ・ケストネル(海ねこ注・ケストナー)
日本紀行 アン・モロー・リンドバーグ 深澤正策・訳
幸福の王子 オスカー・ワイルド 阿部知二・訳
鮪釣り ビセンテ・ブラスコ・イバーニェス 永田寛定・訳
一粒の麦 アンドレ・ジイド 岸田國士・訳
兄への手紙 アントン・チェーホフ 中村白葉・訳
フェルディナンドをぢさん クシチャン・エルスター 千葉静一・訳
花の学校(詩)ラビンドラナート・タゴール 平松幹夫・訳
蜜蜂マーヤの冒険 ワルデマル・ボンゼルス 高橋健二・訳
赤ノッポ・青ノッポ・年賀状の巻(漫画)武井武雄

●16巻

子供のため 島崎藤村
杜子春 芥川龍之介
天下一の馬 豊島与志雄
漳(サンズイに章)洲橋のほとりに立ちてくちずさめる(詩)佐藤春夫
大人の眼と子供の眼 水上瀧太郎
道風の見た雨蛙 薄田泣菫
二人の勇者 鈴木文史朗
五疋のやもり 浜田廣介
母性の芽ばえ 平塚明
正太と蜂 坪田譲治
オッペルと象 宮澤賢治
短歌 中村憲吉
上泉信綱 直木三十五
孝行飛行 久米正雄
百年後の世界 馬場恒吾
落葉松(詩)北原白秋
葭五位の放飼 中西恒堂
親 里見弴
俳句 萩原井泉水
とんぼ 志賀直哉
出世 菊池寛
一本松と松林 草野俊介
猪之吉と赤吉 宇野浩二
道程(詩)高村光太郎
人の人たる所以 穂積重遠
むかでの室、蛇の室 鈴木三重吉
俳句 松瀬青々
感想 武者小路実篤
地図を眺めて 吉村冬彦
短歌 若山牧水
少年時代 夏目漱石
山椒大夫 森鴎外
赤ノッポ・青ノッポ・ハイキングの巻(漫画)武井武雄

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.omaken.com/mt-cgi/mt-tb.cgi/4744

コメントする

2012年4月

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

アーカイブ