禁断のDVD

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西荻窪・昼本市が終わり、
目録の発送はおおかた終了。
本が届いた方からご感想のメールを次々いただき、
貧しいながらも楽しき古書店業である。
日々の梱包・発送もまあ順調に。
あとは、新着本をコツコツ入れていくことなり。

目下の悩みーー
取るに足らぬことだろうが、本人にとっては大きな悩み。
それは、目の前にあるDVDを観たいのに、お預け状態にあることだ。

たとえれば、何になるんだろう。
甘党の人にとっては、目の前においしそうなスイーツが置かれていて、
「夜までとっておきなさい」と言われているようなもの?
十代の男の子にとっては、すぐそばに
薄着の美女がいて欲情しかかっているようなもの?
ねこにとっては、手に届く範囲に動く動物がいるのに
「ダメよ、ダメダメ」と手をかけることを妨げられているようなもの?
たとえがヘンだな。

昨晩、1話観たので、続きを見たくて仕方ないのだが、
昼から観始めると止まらなくなりそう。
そうなると、間違いなく仕事が手につかなくなる。
市場に行くのさえやめて、観続けてしまいそうなので。
我慢我慢である…。
連れも観たがっていたので、
ひとり先にどんどん観たら家庭不和になりそうだし。

昨晩、出かけた帰り、TSUTAYAに立ち寄ってみた。
わめぞSさんMさんご推奨の「北の国から」を探したら、
残念、1・2巻が貸し出し中。
で、借りたのは、Mさん推薦の韓流ドラマ
「バリでの出来事」。

本のことも少しは書こう。
前に読んだとき、いまひとつ入り込めずにいたため
買い直して読んだ「富士日記」。
一箱古本市で旅猫雑貨店から買った。
山中湖ロードレースに出場する際、
富士山だからと思って持っていった。
いまさら、この本の話をすると遅れていると思われそうだが、
きちんと読んでみたら、ひじょうに打たれて。
ごくごく普通の日常を描きながら、
生と死、無常観をじんじん伝えてくるあたり。
武田百合子の著作をすべて読みたくなり、
KAWADEのムックで
「武田百合子単行本未収録コレクション」を読み始めたら、
言葉の選び方にはっとさせられる連続だった。
その一方で、高田敏子・高田喜佐をめぐる周辺、
同時期のあれやこれや考えようとしていた。
市場で先日まとめ買いした牧野信一(日本の古本屋に入力ズミ)、
できれば売る前に読めたら、と思っていた。
そうこうしているうちに、昨日、愛猫が風呂桶に落ちた。
ずぶ濡れになっただけで済んだが、
あわや溺れ死んでいたら私は
一生、十字架を背負わねばならぬところだった。
同じ日の夕方、回覧板が届いて、
ご近所の方がお亡くなりになったことを知った。
つい最近までお見かけしていた人なのに…。
こんなとき、何をどう読めばいいのだろう、と思いつつ、
目の前にあるのは「バリでの出来事」なんである。

ああ、早く観たい。
連れとペースをあわせるなど、待ちきれない。
飲みたいとき、目の前に酒をチラつかせられて
飲まずにいられましょうか。

煩悩と闘いつつ、まずは仕事をしよう。
山歩きに備えて歩こう。
悩ましきは、目の前にあるDVDである。

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コメント(2)

武田百合子、いいですよね~私ははじめ、天才がさらっと書いた文章だと思っていたのですが、意外にしつこくしつこく推敲される方だったみたいですねぇ。
生と死、無常観がずっと底面に流れてますね。すごく楽しい場面を描いてる時でもそれを感じますもの!

糸織さん、ありがとうございますー。
そのとおりですね。
「富士日記」は、あとから原稿に書きうつしたようですが、もともと読まれることを意識しないで書いているので、よけい、おもしろいのかもしれないですね。
何かオススメの本がありましたら、教えてください。

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