「書かれたくない」と思う方もいらっしゃるのではないかと、
ふだんお客様のことはなるべく書かないようにしております。
たまには、個人が特定されないように気をつけて
ちょっと書いてみましょうか。
題して、「本の散歩展」でもっともうれしかったこと。
●関西のお客様が用事の合間にお立ち寄りくださったこと。
海ねこで本を買っていただいたり、買取させていただいたり、
大変お世話になっている方。
某国の児童文学について、
さらに某国の古書店情報まで教えていただきました。
あるときは、お庭の花の写真をメールに添付してくださり、
また、あるときは、足を運ばれた展覧会のポストカードを郵送してくださり。
どれほど支えていただいてきたかわかりません。
私にとっては心の「あしながおじさん」(?)です。
その方に、まさかお目にかかれるとは思っていませんでした。
名乗っていただいた瞬間、信じられない思いでした。
「本の散歩展」がなかったら、お目にかかれなかったかも。夢のようでした。
●以前、目録に掲載した夢二本について
状態を知りたいとハガキでお問い合わせくださった方がいらっしゃいました。
よろしかったら 「本の散歩展」に持参しますので、
実物をお手にとってご覧になりますか、と封書で提案しました。
すると、FAXで「21日に伺います」とのこと。
実際、「散歩展」にご足労いただき、お手にとって確かめていただきました。
私を目の前にして断りにくかったこともあるかと思いますが、
お買い上げくださいました。
短い時間でしたが、お話できたこともうれしかったです。
ふだんメールのやりとりだけだと、お客様の顔が見えません。
顔と顔を突き合わせてお話しながら、本をお渡しできることが新鮮でした。
あとで他店に値段がちょっと高かったのではないかと言われて
どうしようかとあせりました。
いえ、大丈夫。翌日、相場を確認しましたが、
他店よりずっと安いです。状態も悪くないですし、
売る側が言うのもなんですが「良い買い物」だったと思います。
実は私、あの本が個人的に好きで手離すのが切なかったですが、
お顔を拝見して、ああ、この方にならお譲りしたいと思いました。
お楽しみいただけましたら幸いです。
どうもありがとうございました。
●武井武雄・装丁の「新日本少年少女文学全集」
函がないので、買いやすい値段にしてバラ売りしたのですが、
初日、まったく動きませんでした。
こんなに良いものがなぜ?????
「武井武雄・装丁」と悪筆POPをつけました。
何冊か売れました。
安いので売り上げにさほど関与したわけではないですが、ちょっとほっとしました。
そのうちの1冊、青木茂の本をお買い上げくださったお客様が
1階のクローク受付をしていた私に声をかけてくださいました。
会計のとき
「店主は今、1階にいます」と帳場でお聞きになったそうです。
(Wさん、ありがとうございます!)
「三太物語」などおもしろくてお好きだそうです。
青木茂は以前、西部古書会館で買って以来、
見つけることができたと喜んでくださいました。
「私はそんなに良いお客じゃないので」とご謙遜なさっていましたが
「お探しいただけてよかったです。
この仕事をやっていてよかったと思います。
市場でまたお探しできるかどうか目を光らせます」とお伝えしました。
自分がいいと思って用意した本をどなたかに喜んでいただける。
これほどやりがいがあることはありませんよ。
きれいごとではなく、その瞬間がある限り自分は本を探し、
本を買い続けるような気がします。
●ほかにも、友人・知人と会えて、
各店で本をたくさん買ってくれたこと。
●古書マニア+古書店。
独特の活気の中に身を置き、空気を味わったこと。
●毎晩の飲み会で、一口めのビールが体にしみわたり、
皆でワイワイ大変楽しんだこと。
●当店は2度目の参加でしたが、
1度目の売り上げがショボショボだっただけに、
売り上げが伸びたことも個人的な張り合いとなりました。
どこにでもある本を用意していたらダメ。
ほかにないもの(無論、なんでも良いわけではない)を
いかに用意するか。
その点、ネットで展開する場合も古書展も同じと強く認識しました。
●古書展は準備にも後片付けにも時間がかかり、
オンライン古書店業に影響がないとは言えません。
オンラインのお客様には申し訳ないとも思っています。
しかし、オンラインのみでは得られないものを
たくさん得ることができるような気がします。
結果として、自分が得たものをネットの当店に反映させ、
お客さまのお力もお借りしながら「古本 海ねこ」をなんとか育てていきたい。
古書展は体がしんどい。腰にくる(とくに搬出)。それでもやりたいと思う。
2度めにして、おもしろさに気づいてしまったといったところです。
南部古書会館にロッカーを借りているので、
できれば南部古書会館で開催されている古書展に
もうちょっと参加したいなあとも思いました。
あきがあるところがあるならば。
以下は、22日の記録。
久々にきちんと眠ったものの、古書展疲れで体がぐったり。
腰がヤバい気配。そろりそろりと歩く。
19日以降に入金確認できました方に本を発送。
目録当選の方にメールを送る。
合間にあれこれ。物件探しなども。
「月曜倶楽部」目録の締め切り前なので
アセアセとやっていましたら、
スキャナーがガッシャーン。
破壊してしまいました。ううう、買いにいかないと。
「要領よさ」をお金で買えるのであれば100万円払っても欲しい…。
ということで「一箱古本市」には残念ながら行けず。
行った連れ合いはとても楽しかったようです。
23日、発送・メール対応ができないかもしれません。
すみません、24日以降に。
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