2006年10月アーカイブ

倉庫の引越し。
前・倉庫から新・倉庫へ、どうにかこうにかスチール棚、
本をすべて移動し終わる。
小さな車でいったい何往復したのやら。
片づけが残っているものの、連れ合いに頑張ってもらったおかげで、
なんとかなりました。ご心配いただいた方、ありがとうございました。

連れ合いの感想は「本は重い 2点(点取りゲームふうに)」
「古本屋って大変だなあ」とのこと。

当初は自分ひとりですべてやりたいと思っていました。
火曜までめいっぱいかけて頑張ればなんとかなるかと。
しかし、私ひとりではやはり無理でした。
彼が休日をつぶして手伝ってくれたおかげで
月曜火曜、新着本にかかれるかも、
あきらめていたサビニャック展に行けるかも、
ひょっとしたら中央市会も行けるかも、と思えるぐらい余裕ができました。

腰をさすりながら帰宅したところ、お客様からの荷物が届いていました。
「以前、買取で高く買っていただいたので」と
素敵な絵本をお譲りいただいてしまいました。
当店のことを思い出していただいただけでもありがたいです。
しかも、80年代のものも含め、なんという状態の良さ。
なかなかこうはいかないと感心することしきりです。
こういう趣味の良い本を扱いなさいね、というメッセージかもと
真摯に受け止めております。
それにしても、いただいていいのでしょうか。
もしかしたら、買取のやりとりはお手間だったのかもしれませんね。
いずれにしても、ご好意を無にしないようにやっていかないと、と決意新たに。

石神井書林さんからメールの返事をいただきました。
ごく普通のことを書いているようでいながら、
実はひじょうに含蓄のあるお言葉だと感じました。
どうもありがとうございました。

神保町は古本まつりで大変な人出でした。
靖国通り沿いにはワゴンの列。
がらんどうのお嬢様、外に立ちっぱなしでちょっと寒そう。
「風邪ひかないでね」と言葉を残してきました。

倉庫の引越しで、本の重みにひぃひぃいっているそのときに。
なんと市場で大量の山を買って、送料が高くついてしまった大バカ者は私です。
1箱でおさまらず、2箱に分けるも、
超過料金になりそうだと言われ、ああでもないこうでもないと
順列組み合わせを変えながら梱包。
よりにもよってそんなみっともない姿で奮闘しているところに
にこやかに話しかけてくる股旅堂さん。
そして、なぜこんなところにの揚羽堂さん
(そのワケは、ブログを読んで判明しました)。
日月堂さんも大荷物で「どうしようかなあ」とつぶやいていました。
あの日月堂さんでも悩むんです、なんとなく慰められます。

それにしても、なぜ今、こんな大山を買うのか。
自分が信じられん。
明日には我が家に届くはず。
せっかくの休みなのに引越しを手伝わせられる連れ合いには
あまり見せたくない。
どのみちバレるので書いてしまいました。

Y子会の皆さん、優しいお言葉をありがとうございました。
「手伝いにいくから、終わってから一緒に飲もう」だなんて素敵すぎます。
そんなことを口にできるって粋ですねえ。
大人としてカッコいいなあ。
私も言ってみたいもんです。
本当にヤバそうになったら泣きつきますので、
よろしくお願いします、Y子さんほか皆様。
そういえば、ノミラ君の髪型、よいですねえ。
今度の倉庫、隣の部屋に住んでいる人が
ちょっとノミラ君ふうでした。
フロなし部屋、本好きっぽい風貌(雰囲気だけ)。

倉庫といえば、食事しにいった餃子店で
神奈川のN書房さんから
前に床を抜いた話を聞きました。
修理に20万と言われたらしい。ああ、人ごとじゃない。
道路拡張で取り壊しが決まり、事なきを得たそうです。

帰宅したら、彷書月刊・田村さんのお声が留守電に。
彷書月刊を買って、電車で読みながら帰ってきたばかりでした。
いつかネットのお客様にも店頭で本を手にとっていただける
週2-3日営業の店をやりたいと、遠い目で夢見ております。
夢の夢です。

やはり、本は湿度のある場所、
通気性の悪いところにしまいこんだままだと痛むように思います。
温度・湿度管理のしっかりした場所に置いて、
ある程度、人の目が届かないといけません。
さまざまなものから紙を守るサバイバル・・・。
よほど在庫を絞り込んで自分でしばしば確認するか、
(どんどん市場に出して回転させるか=私には無理)
あるいは、お客様にお手にとっていただき、
ページをめくっていただきお楽しみいただいた
ほうが良いのではないかという気がしてきました。
ご丁寧に扱っていただけるなら、そのほうがよいのかも…。
本は読んでこそ本、眺めてこそ本ですし。

さて、日がかわる前に本日の発送にかかります。
良い週末をお過ごしください。

倉庫

| コメント(0) | トラックバック(0)

行くあてのなくなりかかっていた本たちですが、
新たな倉庫がようやく決まりました。
値段はこれまでの2倍で、広さはなんと5倍。
K書房さんの言うように自分が扱いたいものの体積を考えると、
このぐらいの広さがないと無理。
ただし、安い理由があり、自分で板を敷かないと
床が抜けかねないぐらい年季の入った古い倉庫です。

やはり、本の置き場としては湿度も温度も大事。
人が住みにくい環境じゃダメなのでしょう。
古いですが通気性がよさそうだし、本には優しそうと思いますが、こればっかりは。
使ってみないとわかりません。

床が抜けない方法について不動産屋でご指南いただきました。
?千冊あると言ったら真剣に「引越し大変だねえ」といわれました。
いやもう、あとはこつこつ本を運ぶのみ。
本の散歩展から腰がもうやばい感じ。
単行本はともかく、大型本は束ねるのが難儀でもう。
本当はすべて自力でやりたいのですが、
無理して歩けなくなるとまずいので
家人にヘルプを請うております。
Kさんも「本縛るぐらいならできるよ」と言ってくださって、
そのお言葉だけでもありがたい限り。
でも、Kさんきっと火曜は体調よくないですよ。
お言葉だけでもありがたかったです。

金曜は市場(明治古典会)。
行ける状況ではないですが、打ち合わせがあるのでなんとか行きたいと思います。

小島信夫さんがお亡くなりになりました。
わが母校の先生でもありました。
「第三の新人」といえば、当時はまだ評価が定まっていないという理由から
卒論にも取上げにくいころでした。
卒論に吉行を取上げようとして「まだ新しすぎるから」と
先生に反対された友人がいます。
先生自身が吉行をどう読めばいいのか
とらえきれずにいたんじゃないでしょうか。
吉行淳之介も遠藤周作も、そして小島信夫も…。
生前もっともっと評価されるべきだったのではと思うのは
センチメンタルすぎるのでしょうね。

「書かれたくない」と思う方もいらっしゃるのではないかと、
ふだんお客様のことはなるべく書かないようにしております。

たまには、個人が特定されないように気をつけて
ちょっと書いてみましょうか。
題して、「本の散歩展」でもっともうれしかったこと。

●関西のお客様が用事の合間にお立ち寄りくださったこと。
 海ねこで本を買っていただいたり、買取させていただいたり、
 大変お世話になっている方。
 某国の児童文学について、
 さらに某国の古書店情報まで教えていただきました。
 あるときは、お庭の花の写真をメールに添付してくださり、
 また、あるときは、足を運ばれた展覧会のポストカードを郵送してくださり。
 どれほど支えていただいてきたかわかりません。
 私にとっては心の「あしながおじさん」(?)です。
 その方に、まさかお目にかかれるとは思っていませんでした。
 名乗っていただいた瞬間、信じられない思いでした。
 「本の散歩展」がなかったら、お目にかかれなかったかも。夢のようでした。
 
●以前、目録に掲載した夢二本について
 状態を知りたいとハガキでお問い合わせくださった方がいらっしゃいました。
 よろしかったら 「本の散歩展」に持参しますので、
 実物をお手にとってご覧になりますか、と封書で提案しました。
 すると、FAXで「21日に伺います」とのこと。

 実際、「散歩展」にご足労いただき、お手にとって確かめていただきました。
 私を目の前にして断りにくかったこともあるかと思いますが、
 お買い上げくださいました。
 短い時間でしたが、お話できたこともうれしかったです。
 ふだんメールのやりとりだけだと、お客様の顔が見えません。
 顔と顔を突き合わせてお話しながら、本をお渡しできることが新鮮でした。
 あとで他店に値段がちょっと高かったのではないかと言われて
 どうしようかとあせりました。
 いえ、大丈夫。翌日、相場を確認しましたが、
 他店よりずっと安いです。状態も悪くないですし、
 売る側が言うのもなんですが「良い買い物」だったと思います。
 実は私、あの本が個人的に好きで手離すのが切なかったですが、
 お顔を拝見して、ああ、この方にならお譲りしたいと思いました。
 お楽しみいただけましたら幸いです。
 どうもありがとうございました。

●武井武雄・装丁の「新日本少年少女文学全集」
 函がないので、買いやすい値段にしてバラ売りしたのですが、
 初日、まったく動きませんでした。
 こんなに良いものがなぜ?????
 「武井武雄・装丁」と悪筆POPをつけました。
 何冊か売れました。
 安いので売り上げにさほど関与したわけではないですが、ちょっとほっとしました。
 
 そのうちの1冊、青木茂の本をお買い上げくださったお客様が
 1階のクローク受付をしていた私に声をかけてくださいました。
 会計のとき
 「店主は今、1階にいます」と帳場でお聞きになったそうです。
 (Wさん、ありがとうございます!)

 「三太物語」などおもしろくてお好きだそうです。
 青木茂は以前、西部古書会館で買って以来、
 見つけることができたと喜んでくださいました。
 「私はそんなに良いお客じゃないので」とご謙遜なさっていましたが
 「お探しいただけてよかったです。
 この仕事をやっていてよかったと思います。
 市場でまたお探しできるかどうか目を光らせます」とお伝えしました。
 自分がいいと思って用意した本をどなたかに喜んでいただける。
 これほどやりがいがあることはありませんよ。
 きれいごとではなく、その瞬間がある限り自分は本を探し、
 本を買い続けるような気がします。

●ほかにも、友人・知人と会えて、
 各店で本をたくさん買ってくれたこと。

●古書マニア+古書店。
 独特の活気の中に身を置き、空気を味わったこと。

●毎晩の飲み会で、一口めのビールが体にしみわたり、
 皆でワイワイ大変楽しんだこと。

●当店は2度目の参加でしたが、
 1度目の売り上げがショボショボだっただけに、
 売り上げが伸びたことも個人的な張り合いとなりました。
 どこにでもある本を用意していたらダメ。
 ほかにないもの(無論、なんでも良いわけではない)を
 いかに用意するか。
 その点、ネットで展開する場合も古書展も同じと強く認識しました。

●古書展は準備にも後片付けにも時間がかかり、
 オンライン古書店業に影響がないとは言えません。
 オンラインのお客様には申し訳ないとも思っています。
 しかし、オンラインのみでは得られないものを
 たくさん得ることができるような気がします。 
 結果として、自分が得たものをネットの当店に反映させ、
 お客さまのお力もお借りしながら「古本 海ねこ」をなんとか育てていきたい。 

 古書展は体がしんどい。腰にくる(とくに搬出)。それでもやりたいと思う。
 2度めにして、おもしろさに気づいてしまったといったところです。
 南部古書会館にロッカーを借りているので、
 できれば南部古書会館で開催されている古書展に
 もうちょっと参加したいなあとも思いました。
 あきがあるところがあるならば。

以下は、22日の記録。

久々にきちんと眠ったものの、古書展疲れで体がぐったり。
腰がヤバい気配。そろりそろりと歩く。

19日以降に入金確認できました方に本を発送。
目録当選の方にメールを送る。
合間にあれこれ。物件探しなども。
「月曜倶楽部」目録の締め切り前なので
アセアセとやっていましたら、
スキャナーがガッシャーン。
破壊してしまいました。ううう、買いにいかないと。

「要領よさ」をお金で買えるのであれば100万円払っても欲しい…。

ということで「一箱古本市」には残念ながら行けず。
行った連れ合いはとても楽しかったようです。

23日、発送・メール対応ができないかもしれません。
すみません、24日以降に。

20日(金曜)21日(土曜)
五反田の南部古書会館で
「本の散歩展」が開催されます。

20日は9時半(2階は10時)~18時。
21日は10時~18時。

19日は搬入。
エレベーターが1基しかないので、
皆で力をあわせて本を2階に搬入します。
棚を組み立てて設置したり、
1階の均一用の棚やレジを用意したり。
そのうえで、各店舗がそれぞれ棚づくりをするため、
搬入だけでもほぼ一日仕事です。

現在、19日の午前2時すぎ。
海ねこはここのところ、あれやこれやありまして、
本の用意がまだ終わっておりません。
明日の1時に搬入開始なのに。
まだまだ持っていきたい本があったのに。
ぜんぜん値つけが間に合いません。おいおい。

車で行くので、少しは眠っておかないと危ない。
つい最近、接触事故をおこしたとブログに書き、
大勢の方にご心配をおかけしました。
「きっと古本の神様が守ってくれたのね」と
ご近所の方にお言葉をいただきました。

さて、あと十時間ちょっとで搬入だというのに、
いったいいつ何をどうすればいいのか。
目録で当選なさった方の本も持っていかなければ。

17日夜、父親が手伝いにきて
値札をこしらえ、均一本の値つけをしていってくれました。
夜10時半、最寄り駅まで父を車で送ってから
また延々、値つけ・本を束ねる作業をして
18日、さらに作業をして、
夜になってから用意できた分の本を車で持っていってきました。

先週末の入札市で落札した本も持ち帰りました。
いちばん欲しかった洋書絵本は手が届かず。
ちょっと頑張って入札した1束と、
一応入れておこうかなと思った児童書の7本口を落札。
1束は20冊ほど? それが7本分ですから、
どっかり大きな山です。百数十冊ってところ。
実は、この7本口、当店しか入札しなかったようです。

それじゃあ、あまり良い本がないんじゃないの?と
思われることでしょう。
いえいえ、先ほどから束をほどいていますが、
大正から戦前から…古い児童書、それも良いところがかなり混ざっています。
活版の活字が美しい。
装丁がひじょうに凝っています。
今の出版事情では、こんなに手をかけた(お金もかけた)
本づくりは無理でしょう。
私の目から見ると宝の山です。

どうしてこんなに良いものが市場にまとめて出たのか。
鉛筆で一昔前の値段と思われるものが書き込まれています。
勝手に想像すると、
どこかの古書店が何かの理由で店を閉じて、
いずれかの経路をたどって市場に出てきたのでしょうか?
あるいは、セットものや全集など揃えようと努めたあとが見られるので、
倉庫に積み重ねてあったものがまとめて出品されたのか。 
なぜ当店しか落札しなかったのか。
おそらく、大山すぎて、敬遠されたのでしょう。
スペースに余裕がある店はなかなかないですから。

全集の端本もいろいろあります。
これは、さほど古くないですが、昭和38年。
少年少女新世界文学全集

装本 安野光雅
表紙に金版彫刻入り!(彫刻 川島庸介)
監修には、川端康成、浜田廣介らのほか
なんと「ファージョン(イギリス)マルシャーク(ソビエト)」の名前が!

百数十冊のうち、できれば半分は海ねこ用に残して、
半分は早速本の散歩展にと思ったのですが、
ああ、もう眠らないとまずそうです。
なんとか持っていける分は運びます。うううう。

古書展って行くのは楽しいのですが、
行う側は…。
「じき慣れるよ」と周囲からは言われるのですが、
不慣れな私には、なかなかしんどい。
まず、体が。とにかく本は重いので。
そして、結構手間がかかります。
値札を貼って、本を束ねて運び込むという作業が
私の寝る時間をどんどんどんどん削っていき…。
倒れそうだけれど、どこかお祭りのような高揚感があり、
なんとかもちこたえる感じ。
終わって寝込まないようにしないと。
催事を毎月やっている店を尊敬します。

当日ご来場なさる方、よろしかったら当日、お声をおかけください。
買取のご相談もぜひどうぞ
(直接の買取は日と場所を改めてになります)。
休憩のときを除いて会場のどこかにおりますので、
帳場で聞いていただければと思います。

仕事の合間、NHK教育テレビで「ETV特集 椎名誠の絵本を旅する」を見る。
知っているつもりの絵本でも、きちんと紹介されると
改めて良さを感じるものだと思う。
文字づらで読むのと、音読するのとで
同じ絵本でも印象がこれほど大きく違うのかと気づかされた。
80歳の加古里子さんが「僕を駆り立てたのは、
軍国青年だったことへの反省」と話していらっしゃったのが印象に残った。

ただ、椎名誠さんに「僕らの子供のころは桃太郎とか偉人ものの絵本しかなくて」と
何度も言わせなくても、台本。
「こどものとも」以降すばらしい絵本文化が花開いたのは確かだろう。
その論点に焦点を当てようとしたのはわかるが、
そこにいたるまでの歴史は? 先人へのリスペクトが欠けすぎでは?  とも思った。
テレビ番組ってつくるの難しいのでしょうね。

こんなものも出す予定です。
ごくごく一部ですが。

自分がこの時代、男の子に生まれていたら、
こんなものをむさぼり読んでいたと思う。
あるいは、貧しくて買えなかったとしても、
読んでみたいと憧れていたはず。


ノートルダムの傴僂男 (せむし)
柴田錬三郎 装丁・挿絵・口絵 沢田重隆
偕成社 世界名作文庫 昭和25年(カバー痛み)


熱血の握手
箱崎四郎
ゆり書房 少年冒険小説 昭和28年


山田長政 
近藤健
らくだ社 昭和28年

昨日、市場で買った本を整理する。

そのうちの1冊。
写真がすばらしいので買ってみた。
調べてみたら、これはかなりお宝といえるのでは。

Art d'Aujourd'hui
フランス語版 現代アート誌「アール・ドージュルデュイ」

ただし、あいにく状態は良くない。
良くないが、すばらしい。
店によっては処分してしまうほどの状態かもしれない。
こういうものをなんとか救いたい。
状態をお伝えするのが難しく
ネットで販売しにくいものでも、なんとか救いたい。
そんなこともあって、いろいろ考えています。
簡単にいうと、ネットとリアル店舗を組み合わせた形で
何かやっていきたいと思っています。
ネットでしかできないことがある。
リアル店舗でしかできないこともある。
お互いのマイナス部分を補い合い、
プラス部分を高めあう形をとれないものか。
夢のような話ですが、
何もないところからは何も産まれないと思う。

もう少し考えてから、また書くことにします。


 

13日は市場(明治古典会)へ。
先日、当店の商品をお買い上げくださった図書館の方が
古書会館へ来てくださって、本をお渡しする。

市場に行くたび、見たことがない本と遭遇し、さまざまな店の人とお話する。
今日は日月堂さんの苦心談を聞いた。
志だけではできないことも多々ある。
あの日月堂さんでさえ、道は険しいのだ。
関係ないが、日月堂さんって、もたいまさこさんとどこか似てませんか。
ひそかに思っているのだが…。

落札した古い児童書の束を箱詰めしようとしていたら、
私の買った本を見ながら他店さんが
「どの本がどうだ」「この本はこうだ」と品評し始める。
私が前回「本の散歩展」のときポンポン売った
少年誌・少女向き雑誌の付録、結構高いものだと指摘されて驚いた。
ひえー、どれもこれも300円で売ってしまったのですよ、私。
知らないって怖い。恥ずかしい。買った方はラッキーです。

何人かでタクシーに分乗して五反田・南部古書会館へ。
明日の入札市の下見。すでに明治古典会でたくさん本を見たあとなので、
目も足も心もクタクタ。
他店はもっと熱心にご覧のようだったが、受注・発送をせねばと帰途につく。

14日、15日、西荻窪・かもめブックス
絵本や雑貨のバーゲンがあります。
そして、15日から17日、アンダーグラウンドブックカフェ(UBC)が開催されます。
UBCはぜひ初日に行きたし。されど、締め切り仕事が…。
来週は「本の散歩展」の準備に専念したいので、
土日中になんとか締め切りものをやっつけたい。
UBCには16日、行くことにしよう。

「本の散歩展」のポスターが届いた。
石丸澄子さんの作品、色合いがなんて良いのでしょう。
皆様に見ていただけるところに貼りたくなります。
店舗があれば、貼れるのに。
ぜひ会場で実物をご覧になってください。
緑の色がいいです。シルバーも。

昨日、うっかり接触事故で…などと書いてしまったところ、
ご心配をおかけしたようで申し訳ありません。
いたって元気でやっておりますので、どうかご心配なく。

夕方、西荻窪・かもめブックスさんと打ち合わせ。
帰りにブックスーパーいとうで「美術手帖 吉原治良特集」を購入。
クイーンズホテル・アンティークスでブリキ桶、ロシア絵本を購入。
この店は、朝市(偶数月第2土日)、一晩スナック(二月に一度)など
工夫して雑貨や飲食物とのコラボをやっている。
西荻窪~吉祥寺は散歩気分で買い物を楽しめる店が多く、
やっぱりいいなあ(店主は吉祥寺出身)。
ブックステーションで1冊購入。
アンテンドゥのパンを買って帰ったら、連れが卵サンドをこしらえてくれた。

目録に注文を何件かいただく。
またもや“穴”を作ってしまった…みたいだと気づく。
一部、安すぎた、という意味での穴。
値段の付け間違いと考えると古書店として甘すぎかもしれないが、
隙のない店もつまりませんし(ということにします)。
ロシア本の買取の問い合わせなどもいただいたことだし、
目録はある種、店の広告ですから、まあよいです。
しかし、毎回、何かしらやらかすなあ。
ずっこけてばかりです。
ああ、狩野さん「古書月報」の文章、とても良かったです。

10月20日・21日、五反田の南部古書会館で「本の散歩展」が開催されます。
目録 どうぞご覧ください。
お手もとに本が届くのがちょっと先になりますが、
よろしかったらご利用ください。

11日は先週、市場で買った本をとりに車で神保町へ。
ついでに資料会(水曜に開催されている市場)をのぞいたら欲しいものがあって、
またまた買い込む。
閑古堂さんに助言をいただき、ありがたく拝聴した。

帰りは渋滞。なんとトラックと接触事故…。
ケガはまったくありませんので、ご心配なく。
車体がちょっと傷ついただけで済んだのは不幸中の幸い。
相手に100%私が悪いと言われ、違う違う違うのにと
心の中で叫びながら、パニックで言葉すら出てこない自分。
かもめブックスさんと打ち合わせの予定だったのに行けなくなってしまう。
締め切り仕事やら古書展の準備やら立て込んでいるときに
保険会社とのやりとりもしなければならないうえ、
車の修理にお金がかかるなんて。
(BGM「♪泣けてくる~泣けてくる~」)

ただ、帰宅したみたら、ご注文をかなりいただき、
目録にも早速ご注文をいただく。
とても励まされました。ありがとうございます。
市場から持ち帰った戦後すぐのキンダーブック、
プレイメート、戦前のファッション雑誌があまりにもすばらしく、
本に慰められました。

絵雑誌(絵本雑誌)「プレイメート」昭和31年10月号に
「あおいそら」という見開きがあります。
武井武雄・画 射手矢幸雄・文
動物村の運動会がおこなわれている光景が描かれています。
実に、見開き半分以上が青い空です。
繊細な色合いの空に飛行機雲が
ゆるやかに弧を描いています。

同じ号に、射手矢幸夫の人形絵本ふう見開きあり、
藤田桜、鈴木寿夫のコラージュあり、
松本かつぢも描いています。
表紙は、初山滋。

「プレイメート」はほかの絵雑誌ほど有名ではありませんが、
ひじょうに完成度が高いです。
キャッチフレーズは「単元構成の模範絵本」
「日本子どもを守る会」「プレイメート刊行協会」発行
監修は長田新さん(文学博士)、編集は羽仁説子さん。

白い月

| コメント(2) | トラックバック(0)

昨日は南部古書会館から神保町の古書会館へ。
渋滞がひどく、往復4時間の運転でヘトヘト。
しかも本をとりにいったら古書会館がすでに閉まっていたという
オタンコナスなことをやってしまいました。
「あと15分待ってもらえませんか」と組合の職員にお願いすればよかったのに、
あいにく携帯の電池が切れていたのです。
肩を落としてうなだれる私。
あきらめきれずにかげろう文庫を訪れ
「本をとりにきたんですが、会館、もう入れないですよ…ね?」と念押し。
「入れません。お疲れさまでした」という言葉をいただきました。

ひとりの人間の悶々などよそに、月が美しく光っていました。
今夜の月はどうでしょう。

連れ合いが渋谷に出掛けています。
「印刷解体」で“海ねこ”の活字を拾ってくれたそう。
頼んでおいたリリアナ・エレーロCDを買ったと携帯にメールが入りました。

今月いっぱいで倉庫(トランクルーム)を出るのに、
次がまだ決まらない。あせるなあ。
本の散歩展、準備はまだ半分にも達していない。あせるなあ。
月曜倶楽部の目録、やらなくちゃ。
ほかに、あれもこれもやらなくちゃ…。
鼻を押すと自分そっくりの人形ができるロボット(ドラえもん。
あれ、パーマンだったっけ?)が欲しいです。
では、注文本をとりに倉庫へ行ってきます。

大雨。

コクテイル文庫「借家と古本」を読みながら神保町へ。
魂の救済といったら、大げさとは思うが。
記念すべきコクテイル文庫、第一号に
萩原魚雷さん
持ってきた発行者の気持ち、わかるような気がする。
狩野さんらしいなあ。
薄手なので、持ち歩いてペラペラめくれるのもよい。

魚雷さんの文章を読んで、
さらにあれこれ読みたくなる。
もっとも読みたいと思ったのは、辻潤。
ほかに、尾崎一雄、古山高麗雄、鮎川信夫、正宗白鳥。
もちろん魚雷さんの文章ももっともっと。

市場(明治古典会)で仕入れる。
粘って粘ってウィリアム・ニコルソンほか洋書、
古いキンダーブックやプレイメート、流行色の資料、
ファッション関連の古い雑誌など。
先輩書店さんと相談事、市場への支払いを終えて、
雨足と夜の闇に追い立てられるように帰宅。

ポストを見たら、お客様からのハガキと封書が届いていた。
ハガキは、本が届いたお礼状。
子供のころお父さんから買ってもらった絵本がいつの間にかなくなり、
パソコン画面で見つけてご注文。
お手にとったときは「ああ、これだった」と、なつかしさがこみあげたそう。
パソコン初心者なのでメールに自信がなく、
ハガキを書いてくださったとのこと。
こちらこそ、ありがとうございます。
お客さまというべきか、海ねこ千葉支部というべきか、
Fさんからの封書も発見。
中を開くと「竹内栖鳳と弟子たち」展の案内ほか。
「斑猫」のポストカードも同封していただく。
Fさん、ありがとうございます。ぜひ見に行きたいです。
アンダーグラウンドブックカフェの目録も届いた。
さすが。目録だけでもたっぷり楽しめるレベル。
Nさん、バッチリじゃないですか。

ほとんど休む間もなく発送を終えたら夜12時。

「日本の古本屋」で辻潤「絶望の書」を注文した。
とりいそぎ読みたいので、いくつか比較して値段のもっとも安い店に注文。
安いというだけでなく、状態について細かく明記されていたので、
仕事が丁寧で本の扱いがきちんとしていそう。
直感的に信用できそうだと思って、その店を選んだ。
そうか、うちは日本の古本屋にまだ100冊ほどしか入力していないが、
状態についてはなるべく細かく、きちんと記載しようと気づいた。
こうして利用してみると、アマゾンマーケットプレイス、
楽天フリマ、日本の古本屋…どこもかしこも価格競争の世界だ。
利用する側にしてみれば、できるだけ安く買いたいのは当然のこと。
しかし、古書店側にとってはどうなんだろう。

ちょうど今日、S堂書店さんに言われたっけ。
「ネットで検索して出てくるような本を市場で買っていたら
ダメなんだよ。
それじゃ、どこにでもあるような本屋にしかなれないよ。
検索しても出てこないような、
自分も見たことがないような本を市場で買わないと。
何万とかのものを買っているうちはダメだね。
何千円? そんなものどこでも売ってるよ。
ビクビクしないで何百万のものを買わないと。
一千万ぐらいは注ぎ込まないとマシな店にならないな」
ひえーーー。

新着本、お待たせしています。

10月20日・21日、五反田の南部古書会館で
「本の散歩展」が開催されます。
目録は来週公開予定。
公開時期にあわせて当店HPでも書影を含めご紹介予定です。

19日は終日、仕事のため外出。
帰宅して発送と受注対応を終えたら、すでに睡魔に負けそう。
夜半、なんとか本の散歩展の値つけ。
先日、市場で入手した雑誌ほか。
戦後すぐ昭和21年の中央公論に、壺井栄が食料の買出しにいく苦心を書いていました。
昭和22年の小説新潮、昭和25年の文学界の表紙はともに猪熊弦一郎。
昭和31年の「美術手帖」にはディアギレフほかロシヤ・バレエ団関連の記事。
昭和51年の「文学生活」編集後記には、田辺茂一さんの追悼記事が。

何かを調べたいとき、入手しにくいのは単行本以上に雑誌。
その時代ごとの息吹を感じ取るにはもってこいの雑誌。
いつの時代も、雑誌は面白い。

市場で買った本を引き取りに神保町→五反田→阿佐ヶ谷→自宅と運転。
五反田では倉庫に入れたままだった本を整理。
帰宅して、車いっぱいの本を半分ほど整理したところでギブアップです。
本の整理をすると睡魔が私に降りてきます。
ご紹介する新着本を選んだのに、うう…。

睡魔に邪魔されて、あやうく書き漏らすところでした。
日中、ナウカの宮本さんからお電話をいただき、
あと1日2日は本や荷物の整理に追われているそう。
シャッターの向こうで頑張っていらっしゃるのでした。
神保町に行ったついでにちょこっと立ち寄ってみたところ、
整理のほうもあと一息のご様子です。
ガラーンとなったナウカを見ると、ああ、
本当になくなってしまうのかと実感。
宮本さんには大変よくしていただき、感謝しております。
おかげで、ますますロシア本好きになりそうです。

ナウカ、ロシア絵本に関連するものは、少しずつでも
集めていきたいと思っております。
(ついでに書いておくと、高田喜佐さん関連、
靴に関するものも蒐集しています)
チラシなど、ちょっとしたものでも結構です。
お持ちの方、ご処分の折は廃棄なさらずに、
ぜひぜひ当店にお声をおかけください。
いつかまとめて、形にしてご紹介できたらと願っております。

生意気にお感じだろうと思いますが、
当店は、そのような役目を担える店になっていきたい。
私は、ライターのころから
同じ人をしつこく何年も何年もインタビューし続ける、
ひとりの人からじっくりじっくり話を聞き、
その人の生きざまを追い続ける仕事が好きでした。
告白手記などの取材も、しんどいですが好きでした。

古本屋は、古書を(市場を介して、も含めて)
人から人へと橋渡ししていきます。
人々の忘却の彼方に埋没しそうなものを
再評価する、きっかけづくりの役割もあると思う。
この世を生き抜いた人の痕跡を追いかけて
物語のある品揃えができたら素敵だろうと思う。
すでにそういったことをやっている先輩書店は多々ありますが、
今現在、私の理想は、その方向性です。
命短し、集めよ(古書)乙女(乙女じゃないけど)。
理想で終わってしまわないよう、なんとかしていかないと。
小さな店の大きな夢、ささやかな野望、といったところ。
もちろん店を続けていくためには、
皆様が必要としているものをご用意し続けて、
きちんと売り上げを伸ばしていくことも忘れずに。
「やはり在庫を持ちすぎないことですね」というのは宮本さんのお言葉。

古書店それぞれ、いろいろ考えていますし、
その店ごとのスタイルがあるなあというのは、最近、つねに感じることです。
ナウカのあとは、どこかの古書店が入るのかしら。

「不思議の国のアリス」日本語版。
お探しの方がいらっしゃるので用意する。
本当は少しずつコツコツためて、いずれ特集でもと思っていたのだが、
いつになるやら、という感じなので、また集め直すことにしよう。

いろいろありますね。
まだまだたくさんあるはずですが、まずはこれだけ。


↑●1 ふしぎの国のアリス
講談社 ディスニーのまんがえほん
昭和27年 記名


↑●2 ふしぎの国のアリス
講談社のディズニー絵本 宮脇紀雄・文
昭和40年 記名


↑●3 ふしぎの国のアリス
集英社版 母と子の名作童話
武鹿悦子・文 鹿目佳代子・画
昭和48年・初版 カバー


↑●4 不思議の国のアリス
旺文社文庫 多田幸蔵・訳
75年 83年の重版


↑●5 鏡の国のアリス
福音館書店 福音館古典童話シリーズ9
ジョン・テニエル画 生野幸吉・訳
72年 75年の6刷 函


↑●6 鏡の国のアリス
偕成社文庫 芹生一・訳
80年 82年の4刷


↑●7 不思議の国のアリス
新樹社 楠悦郎・訳 作場知生・絵
92年 初版4刷

トランクルーム(わずか1坪ほど)が手狭になり、格安の物件を探していた。
隣駅の商店街、はじのほうに出た物件を見にいく。
道路拡張予定があるため、都内とは思えない値段。
オンボロだが書庫として使うには当面、大丈夫と思える広さ。
その気になれば週2-3日、店舗としても使えそう。

連れ合いといろいろ相談して、いよいよ決断。
不動産屋に「決めます」と電話しようとしたそのとき、尊敬している人からのメールが。
なぜ私が物件を探していることをご存知なのか。
鼻がきくなあ、さすが人と人を結びつけて抜群の企画力で
仕事し続けている人だけあるなあと思った。
メールには、オンボロ物件への執着など
軽~く吹き飛ばしてしまうようなことが書かれていたのだ。
あまりのタイミングのよさ。
まるで見えないものに動かされているようで、
ひょいっと江原さんが出てきてしまいそうだ。

西荻窪かもめブックスさんにお邪魔する。
かもめブックスさん、移転のため店舗での営業は本日最終日。
その場所で店を始めて1年半。
工夫しながらこつこつ店づくりをなさってきたご様子。
材木屋さんにやりかたを教えてもらって、
トントン釘を打って造ったという木の床。
その話を聞いて私の中で、ちょっとした心の揺れが起こったのだ。

所詮、人間は自分の意思で生きているつもりでも、
案外そうじゃなかったりするのかも。
流れに乗らないと、つかめない波もあるんだろうなあ。
流れに乗ってみるべきなのかどうなのか。
どうなるのかわからないので、そのうち動きがあればまた書いてみます。
何も起こらなければ、もう書かないので忘れてください。

当方の拙文をお読みくださっている方ならおわかりのとおり、
どうやら私の中に「計画性」という文字はないらしい。
頭悪いだけって噂もあるけれど。
これまでも勢いにのってまず行動してみて、行動しながら考えてきた。
失敗も重ねたが、思い切って踏み出すことによって
それを力として自分自身と付き合ってきた。
明日のことは誰にもわからない。
思い煩うなかれ。行動してみれば、
そこから何かが生まれるかもしれない。
失敗して落ちるところまで落ちたとしても、
案外そうたいしたことはないんじゃないか。
これまでももうダメだと思った瞬間こそ
底力が湧いて、結果として転機となったことを思い出す。

しかし、やるとなったら正念場に違いない。
せっかく良いお話をいただいたからには、
死ぬ気で頑張らないとダメだろう。
「だったら、これまでは頑張ってないの」と
連れ合いに突っ込まれて「もごもご」と口ごもるばかりだった。
私って、これまで本気で頑張ったことあるんだろうかと思った。

気力・体力ともにある程度、充実しているのは
あと何年だろう。
崖を転がり落ちるように、近頃、時間が加速していると思う。
昨夜、おでん屋で20代の若者ふたりと集ったのだが、
帰りがけ、店のご主人が連れ合いと私を見て言った。
「息子さん?」
と。連れ合いと私は彼らと同等のつもりで話していたのだが、
客観的にはおじさんとおばさんということらしい。
自分はどんなに気ばかり若いつもりでいても、
時間は確実に過ぎていくのだ。
やれるときにやらないで、いつやるんだろう。
私からいろいろ相談を受けるかもしれない皆様、
すみませんが、よろしくお願いいたします。

1日は目録の校正をして、夜コクテイルへお邪魔します。
五反田も行けず、まだ日月堂さんのイベントにも行けない。
時間は有限。

2013年9月

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

最近のコメント

アーカイブ