2008年4月アーカイブ

発送を終えて更新をと思いつつ、やはり西荻窪へ出かけてしまう。
「にわとり文庫」にね。
さすがに開店と同時に行くのは遠慮して着いたのは夕方近くか、
バーゲンの出だしが盛況の様子で何より。
噂のねこ「でこぽん」もチラリとみられたし、
他店で買うってすごく楽しい。
まだまだ良い本がありますよ。

にわとり文庫は、本のメインテナンスをきちんとしているし、
小奇麗だなあ。いまどきの、きちんとやっている古書店だと思う。
あそこまでやるって、なみの努力じゃ無理なんじゃないでしょうか。夫婦二人(+カータン+でこぽん←でこぽんはゲストか)の素敵な古本屋。

なんて書くと、他店の宣伝をしている場合かと突っ込まれそうですが。
でもまあ、にわとり文庫、興居島屋を経て、不動産屋を徘徊。
三鷹駅あたりって、神保町同様、小さい事務所向け物件が結構あるのだと知る。
さらに注文本をとりに倉庫へ立ち寄って。
歩き疲れましたが、初夏のような気候だし、ちょっとした休み気分を満喫。
本当は山に登りたい・・・。
夜になりましたが、お待ちいただいた分すべての発送を無事、完了。
再び倉庫に回って注文本を探し受注対応をして、メールもずいぶん書きました。
更新したい本を倉庫から持ってきたのですが、そこまで出来なくてうーむ、残念。
近々、買取に伺う件を調べておきたいし、玄関先に届いた市場での購入品も整理しなければ。
ただ、家族もいることだし、連休中、どこかちょっとは休もうかなあとも思案しております。

くまねこさんがブログで書いていた
「番線~本にまつわるエトセトラ~」(久世番子・新書館)を面白く読む。
国会図書館の中がそんなふうになっているなんて知らなかった!
校正の話も面白いし、一箱古本市も出てくるし。
朝日新聞・日曜の書評欄で絶賛されていた「パリの本屋さん」(ジュウ・ドゥ・ポゥム)は、
うーん、期待しすぎたかもしれない。想像とちょっと違う気もする。
それでも、古書店の写真が結構のっているし、
海ねこの在庫と同じ本も出ていたりして
”お!”とか”そういえば、あの本どうしようかな”など思ったし、
装丁、本のディスプレイなど参考になる点も多そうです。

(追記。寝る前にまた見たら、パリの古書店に行っている気分で、やはりよかったです。クリエイターの部屋、書棚も出ていて、興味津津。私の好みからいえば、古書店が巻頭だったらもっとよかったな。新刊書店の色の洪水は、個人的にちょっと引く感じでしたが、好みからいうと)

それにしても金曜の支払いまでに出てきてほしい。行方不明本は今何処。どなたかの荷物に紛れているようでしたら、そっとで結構ですから、どこかに戻しておいてほしいです。もし、私に非があるのであれば、無言ではわかりませんので、直接どうぞ(匿名メールで可)。

古書市場へ。放火被害にあった同業者と言葉を交わす。
「写真、見ます?」
と、焼けたご自宅・車のケータイ写真を差し出し、
「ここに僕が寝ていて、このあたりに息子が寝ていて、
このへんにカミサンが寝ていて。皆、大丈夫でした。
ねこ2匹が死んだけど。ねこが死んで息子は泣いてた」
と淡々と話す表情が・・・。笑顔だったのがよけい切ない。
Iさんは何度も何度も同じ説明を繰り返してきたのだろうと思う。

比較にもならないような些細なレベルではあるけれど、
組合でのちょっとした出来事により心がふさぐ。
最近、周囲の人に似た出来事が何度かあったのだけれど、
その人たちの気持ちが今さらのようにわかる。
そうか、こんな気持ちなのか、と。
Dさんから「気持ちはわかるけど、切り替えて今日買ったものも売っていかないといけないんだから」
と前向きな発想を促され、Dさんの奥さんはきっと幸せだろうなと思う。
Rさんから「僕も似た体験があるけど、騒ぐにはまだ早いよ」という言葉をもらう。
本当にそのとおりでありますように、
間もなくシンプルに解決されますように、淡々と日々が過ぎますようにと祈るばかり。
様子見しかないと思いつつ、
とある人から「楽観視しないほうがいい」と言われた言葉もそのとおりなので、
もしもダメだとしても諦めるしかないと覚悟しつつ。
だれかを疑うよりは、諦めたほうが楽だし、
諦めるより、対応策を考えて行動していくほうが私にはもっと楽かも。

対応をお待たせしている方には恐縮ですが、最低限必要と思うメールはとにかく書いたので、今晩はもう店じまい。
きっと時間が気持ちを整理してくれることでしょう。
明日は祭日ですが、発送に勤しみますよー。
本をお待ちの方、もう少々お待ちくださいね。
とあるお客様からのメールにあった素敵な言葉
ーー「本日もすこやかな一日でありますように」。

つい最近、ご心配をおかけするようなことはもう書かないでおこうと思った。
とある店のように素敵なことだけ書いていこうかと。そのほうが読む人も私も気持ちいい?
だけど、やはり書きました。
昨晩観た「鳥越俊太郎の遺言~ガンと共に生きる」を観て、
記録する必要について家族と話していたところ。
病気であれ、そうでないことであれ。読んで気分悪い人がいたら気の毒ですが。
読みたい人が読めばいいものであって、
読んでイヤだと思う人は読まなければいい。
そこがブログや本のよいところ。人の心は自由なのです。乾杯。

先日ブログに書いた手芸本、何冊か更新途中だったのですが、再考の余地あり? と気づく。
戦後の時代性、趣味人のあり方を映し出しており、より慎重に扱うべきではないかと。

実は、前に1920年代の絵本をアップしたとき
「さらに肉づけして、もっと違う見せ方もできたのでは」と先輩古書店からアドバイスされ、反省したのでした。
同じものでも、もっと面白く多角的に見せる手があったのではないかと。
尊敬しているそのN堂さんから
「自分がいいと思うものは、もっと大事に扱ってあげたら。ひとりでも多くの方の目にとまるよう手法を考えるべきでは?」
と言われているような気がして、ずっと引っかかっていたのです。
N堂さんだったら、同じものを扱っても、
みごとな目録展開をするでしょうから。その画像まで思い描くことができたのでした。

次回の月曜倶楽部、もしくは自家目録(紙、あるいはWeb上)での展開になるかもしれません。

余計な手を加えず、純粋に古書を見せれば、わかる人はわかるのでしょう。
「説明なんかいらないよ、おこがましいよ」という店もある。それもわかる。
けれども、同じ本でも並びによってより魅力的に見えるなら、
微力ながら、なるべくそうなるよう努めたい。
きれいごとかもしれないけれど、消えゆくものに光をあてたいのです。
理想論ですね、やれるものならやってみろ、と自分に突っ込み。
本当はそんな余裕かましている場合じゃないんですけどね。
日銭稼ぐのにさえ困窮しているのに。
市場で買った本をどんどん売っていけばいちばん効率がいいのに、
かくして、未更新、商品化できない本が増えるばかり。
どうするんだ。トカトントン。

周囲はイベントに懸命に打ち込んでいるのに、いいのか、こんなで。
本日ご注文いただいた(当店にとっては)高額本、まだ目を通す余裕がないのです。
できれば発送前に、ぱらりと目を通したくて読みたい読みたいと思う。
だけど、いったん商品になると、汚したり傷つけてはいけないと気にして慎重になり、
わが手にとりにくくなる。オレじわなどつかないようOPP袋にしまっておきたくなる。
大事にしまっておくのが商人なのか、でもやっぱり読みたくなるから読むのがいいのか。

フジの花が満開です。
今年も、ガレージの軒先へ
ツバメのつがいがやってきました。
やってきてくれてうれしいのだけれど、
ねこを散歩に出しにくい。悩むなあ。

睡眠不足でつらかったのですが、市場。
行ってよかった。
ゲットできた一部を持ち帰る。
山の中に混ざっていたのは、きゃあ~、レトロかわいい手芸本。
センスがいいなあ(私の、ではなく、元所有者の)。
傾向が似ているので、どなたか同じ方がまとめてお持ちだったものなのでしょうか。
こういうのを見ると疲れが吹き飛びます。励まされる、本に。
じき更新します、お楽しみに。

その前に発送、受注にかかります。
本当に寝不足で眠りたし。
ご連絡をお待たせしている方、もうしばし時間をください。

気候がよくなってきて、どこか行きたい。
くるり岸田くんみたいに「いきなりですが、海外にいます」みたいなブログを書きたし(笑)。

しかし、現実には、本の整理に追われるばかり。
まだ更新せず商品化できていない本を、どんどん整理し、
どんどん販売して、本を持つべき人のもとに送り出すのが、目下当面の目標。
あんまり季節がいいので、移動可能な車でぶら~っと売りにいきたいです。
書棚つきの改造車、どなたかリースで貸してくれないかなあ。

もしくは、木箱に絵本・手芸書などのせて軽自動車で出かけていきます。どこか車をとめる場所、軒先など貸してくださる奇特な人はいらっしゃらないでしょうか。いついつ、どこに出没、みたいな突撃商法になっちゃいますが。なんか、そんなのもありなのではないか、せっかくのこの季節。そういえば、突撃ダンスホールってバンドがあったな、昔。

市場に行くと、いろいろな店の人からいろいろな話を聞く。
「本の散歩展」の話も聞いたところ、初日は雨で大変、二日目は大盛況だったようです。
やはり、催事をやるって大変そう。でも、楽しそうでした。

niwatori.jpg

西荻窪「にわとり文庫」には市場でいろいろ教えてもらったり、素敵な仕事ぶりを見せてもらったり、お世話になっています。

なんでも連休中、ものすごい規模でセールをするんですって。

図書館を除籍になった絵本のセールですって。よい本たくさんありますよ。太鼓判。できれば、私も買いにいきたいぐらい!

それにしても、ブッカーやラベルをはがしたりと、ブログを見ているとすごく大変そう。
よくぞそこまでできるなあと心底、感心します。同じものを扱っても、うちじゃできない。とてもマネできません。ご無理なさってお体を壊さないでくださいね。

ところで、もうすぐ連休ですか。他店の宣伝ばかりしている場合じゃないですかね。海ねこも何かしたほうがいいかなあ。あらま、のんびりしすぎですね。よし、企画たてます。にわとり文庫へも何処にも出掛けられない方、連休中もネット古書店「海ねこ」をどうぞのぞいてやってくださいね。連休でなく、近日中のことですが、今もっとも惚れこんでいるものをアップ予定です。今回は、先着順でなしに、数日期間を設けて、もし応募者が複数の場合、抽選になると思います。先日はありがとう、にわとりさん。ご恩は忘れません。

落ち着かない。
昨日、下見で入札してきたのだが、
本日、全古書連の経営員総出で4階から順に開札しているはず。
大忙しだろう。

買えたのか、ダメだったのか。
パソコンで確認できるのだが。
さっきから何度も確認しているのだが。
画面には
「2008年04月17日 15:04:18 更新データ 該当データが存在しません」
など、非情の文字が表示されるのみだ。

まだ開札していないのかな。
だれか結果を知らせてくれないかな。
会館に直接行って結果を見たい。しかしながら、行ったところで、
開札後はおそらく扉を閉め切っているだろう。
経営員をやっていたら、いち早く結果を知ることができたのにな。
このまま、ずっと「該当データが存在しません」のままだったらどうしようか、
つまりは「買えなかった」ということになる。何度も落胆した体験がある。

悶々としております。
ああ、ダメだろうか、
もう1万、いや、もう2万、いや、あと3万多く書いてくれば
確実だったのか、なぜそうしなかったのだろうか、甘かったか、と悔やんだり。

おそらく、全国の古書店に、
ドキドキしながらPCで確認している店主さんがいることでしょう。
売りに出した人もはたして売れたのか、いくらで売れたのかドキドキでしょう。

落ち着かず、何も手につかない。

こんな文章をブログに書いたら、本当に買えないような気がしてきて
やはり更新をやめておこかとも思う。

今ごろ、五反田の南部古書会館では「本の散歩展」の搬入で皆、大忙しのころ。
私は、ひとり、落ち着かずにパソコンの
キーボードをカチカチ、クリックし続けている。
雨が降ってきた。大降りになりそうだ。私の心にも大降りになりませんように。
こつこつと発送作業にかかることにします。

しかし、落ち着かない。またPCで確かめてみるが、画面に変化はなし。
もはやダメだったのかしらん。
お願いです、神様、お願い。だれかに電話して追加入札を頼めないかしらん。
忙しそうなので、無理な頼みというものだろうな。逡巡。

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追記

2008年04月17日 16:14:18 更新データ

買えました。買えたとわかったので、この記事を公開しました。

上札でした。危なかったです。甘すぎたかと悔み、つらい数時間でした。
でも、よかった。買えました。神様、皆様、ありがとうございます。

まだ現品をすべて確かめていないので、状態など未知の部分はありますが、
ともかく商品として扱えることがうれしい限りです。実はつい最近とある件でほぞを噛む思いをしたのですが、その経験から学んだ品でした。函つきは案外珍しい。あまりぱっとしない風貌にあやうく見過ごすところ、通り過ぎそうになってはっとして確かめたのでした。函があると、見た目の問題ばかりでなく、本体の状態は良い場合が多いのですよね。
店は商品こそすべて。できれば状態のよいものを扱うことは夢です。日々の積み重ねから学んで、なんとか少しずつ扱えるようになっていくのでしょう。
お探しの方、タイミングを見て販売しますので、
どうかお待ちください。次回の「月曜倶楽部」もしくは自家目録(紙、あるいはWEB上)にておそらく。責任があるぞ、そこまでは、と自分に言い聞かせております。

お客様が買ってくださって
支えてくださるおかげで、またこうして新たに本を買うことができました。
感謝。さあ、心をこめて発送します。明日早速とりにいこうかな、会館へ。やはり、憧れの古書をわが手にとって眺められるのは、古書店の役得でございます。つらいことばかり書きすぎな感があるので、たまには喜びの瞬間も書いてみました。来たれ、女性古書店主、でございます。

遅ればせながら、黒岩比佐子さんの「編集者 国木田独歩の時代」を読み始めた。

正確な記述内容は、直接お読みいただくとして。

独歩が女性への関心が抑えきれず、若き日々、痛い目にあっていたこと。
あの独歩が(!)小説はなかなか売れず、貧窮に陥っていたこと。
そのため、子煩悩だったのに、家族とともに暮らすことさえ、ままならなかったこと。
小説家としてより以前に、編集者として腕を鳴らしていたこと。
ビジュアル的なセンスに恵まれ、いちはやくグラフ誌に着目し、編集に力を注いだこと。
明治に多彩なグラフ誌が出版され、
戦争への人々の関心とマッチングし、部数に大いに反映されたこと。
独歩は、編集者として実に熱心に打ち込み続けたこと。
原稿請求のため「是非是非是非」と「是非」を三度重ねて
催促のハガキを書いたこと・・・などなど。

昨晩、読み始めたばかりですが、
明治に生きる人たちの息遣いが伝わってくるようで面白い。

文語体の文章を引用したあと、毎回、わかりやすく解説を重ねてあって親切。
カバー裏で微笑んでいる黒岩さんの笑顔写真も素敵です。
語りかけてくれているようで読みやすい。

まだ100ページ強を読んだばかりですが、
口絵に数ページでも「近事画報」のカラー写真を入れてあったら
もっとよかったなあと惜しく思う。

淡々と重ねていく筆致が心地よく、読み終わってしまうのが勿体ない気分。
黒岩さんが膨大な量の文献にあたり、裏をとろうとなさった奮闘が
伝わってくるようで、一行一行、大事に読みたいと思う。
構成力、ストーリーテラーとしての力に感服する。
何より面白く読ませるというのは、楽なことではないので。
黒岩さん、お忙しそうですが、楽しませていただき、本当にありがとうございます。
お体を大切に、大好きな古書展へたくさん出かけられますように。

これから古書市場に行ったら、思わず、明治のグラフ誌を探してしまいそう。
電車でさらに読み進めていくのが楽しみです。

080413tori.jpg

今にも降り出しそう。凍えるような寒さです。
先週末、花見の宴に参加させてもらった野川。
岸辺をぷらっぷら歩いてみました。
いまや、すっかり葉桜となり、岸辺は菜の花畑化していました。

先週末と打って変わって、あまりの肌寒さに歩く人はほとんどなし。
人より鳥のほうがずっと多い。

木立の狭間に白く見えるのは、何でしょう?
答えは、鳥。シラサギです。
野生の雄たけびをあげています。
ここは何処? アフリカでしょうか。
いえ、違います。都下、深大寺裏手の森。人家のすぐ裏手です。

 

080413manjyu.jpgふだんにぎわっている深大寺の喫茶店「曼珠苑」。
これだけ寒いと、さすがに人影少なし。
この店としては極めて珍しく、落ち着いた佇まい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  080413isobe.jpg 080413shiruko.jpg冷えた身にしみいるような美味しさ、でした。

金曜は、古書市場を2箇所、ハシゴ。
とある大山の中に、お探しの方からご依頼いただいているシリーズが。
こんなところに混ざっているとはビックリ。市場は通ってみないと、いつ何が出てくるか本当にわかりません。
無論、ライバルである他店が気づいていないはずはないので。
最高、売値近くまで入札して挑んできました。たとえ利益なしだとしても、手に入れないことには始まらない。
←商売になってない。しかし、そのぐらいの気持ちで入札しないと
人気のものは買えないのが古書市場なのです。きびしい、涙。

果たして買えるのかどうか、
結果がわかるのは土曜の夜でしょうか。ドキドキでいてもたってもいられず。

それにしても、
もっともっと働いて仕入れ資金を作るべしべし、です。

昨日、先輩書店と話していたとき話題になっていた某店。
HPを確認してなるほど。心底、ビックリ。内容を詳しくは書けませんが、
これもありなのか、ありなのだろうか。先輩書店ら同様、軽くショックです。

実は当方にも、こういう用途に使いたいので
何日以内に揃えられないかとご依頼をいただいたことがあります。
需要と供給を一致させるため、
やってやれなくないなら、やるべきなのか。

まあ楽なことではないだろうし、パイオニアとして某店を尊敬はする。商才に富んでいて凄いと思う。でも、自分はできればやりたくないかも(まったくのわがまま)。
やりたいことを追求していくためには、
一方で、やりたくないこともやらないとね、とは、先輩書店からのご忠言ですが。
生き延びていくためには、固定観念に縛られず、
いろいろな可能性を探ってみるべきなのかどうか。おおいに考えさせられます。青春小僧か、わたしゃ。

木曜夜以降にご注文いただいた方、お待たせしております。
どうかもう少々お時間をください。

愛用のウィルコム。外でパソコン画面を見やすいタイプのため、重宝している。たとえば、倉庫で目的の本を探し当てられないとき、どんな本だったか検索したり、表紙やサイズを確認したり、と手放せない。
先ほど注文本を倉庫にとりにいったとき、誤操作のためかどうか
電源が入りっぱなしになる。電源を切ることも出来なくなり、画面をまったく見られなくなってしまった。
リセットしても何も変わらず。

帰宅して電脳担当の家族に見てもらったところ、
まったく動かない状態になってしまったらしい。
言い放たれた言葉といえば、
「精密機械なのに、ゾンザイに扱いすぎだから」
「機械は壊れるものなのだから、バックアップをするしかないよ」

うう、明日、修理するべきかどうかシャープのサービスステーションに聞いてみよう。FAXも調子が悪いし、壊れるときは次々と一気にくる。頭を抱える。

そういえばPCのバックアップ、ついつい忘れ気味だ。当方HPは更新するたび、
そして品切れ表示を出すたび手間がかかっても毎度毎度バックアップしているが、
そのほかは久しくサボっていたことに気づく。

たまにはバックアップしないと。あれこれバックアップする間、
ご注文いただいた本など確認がてらパラパラ。

昭和39年「新しい世界の伝記」(学研)でテレシコワの伝記を読み、
昭和23年の「暮しの手帖」で森茉莉、野上弥生子らのエッセイを読む。
まだバックアップに時間がかかるので
植田正治の写真を眺め、お孫さんが書いたエッセイ、略年譜を読む。
久々にゆったり本を読む。いいなあ・・・あれ、古書店になればもっと本を読めるかと思ったのだけれど、
おかしいな。周囲の古書店は悠長に本を読むというより、
ひたすら埃にまみれながら本を整理しており、
売れるもの売れるものはないか、ないだろうかとアクセク探し回り、
さらにはカネの算段にばかり追われているような気がする。

HPを更新しても、よほどのものを更新できない限り、さっと売れるとは限らない。
それでも、めげずにコツコツコツコツ、こまめに更新し続ける。
すると、あるとき、お客様が何冊かまとめて購入してくださることがある。
何人かの方が買ってくださることがある。
ああ、助かりますー、市場への支払いが大変すぎる。どうすればよいものかと
先ほどまで思い悩んでいたところ。
やはり更新し続けることが大事なのだと思う。
いつ見ても内容が変わらないHPは、次第に見る人が少なくなるだろう、自戒をこめて。
電脳担当の家族は
「HPに『花見のため更新をしばらく休みます』とか書いてるようじゃダメでしょう。
やはりこまめに更新していかないと、何かあるかなとのぞきに来る人も減るよ」と。
ネットショップといえども、やはり店は生き物。
活性化させていかないと。
リアル店舗であれば、商品をこまめに入れ替えていくことにあたるのかな。

ということで、月曜火曜水曜と毎夜、朝までかけて更新した。
本をゆったり読む余裕はない。
ひたすらスキャナーで画像を読み込んで、
さっと斜め読みして、ぱぱっと調べごとをして、カタカタ打ち込み続けていた。

当店のような形式だと、とにかく時間がかかるので、
1日頑張っても更新は15冊ぐらいが関の山である。
先日も市場で何某店さんから「1冊いくらなの? それでいくらになるの?」
「ダーメだ」と首を捻られたばかり。
ああ、時間がないーと追われるようにセカセカ打ち込んでいると
PCが思いどおり動かなかったり、HPへの反映がうまくいかなかったり。
店主は、目がつり上がり気味、だったかもしれない。
査定待ちの買取本、市場で買った本などで、
廊下にはついに段ボール箱の山が5段積みになってしまい、
階段にもリビングにも崩れそうな本・本・本。
家族やねこには気の毒すぎる環境だったかもしれない。

三日間、根を詰めて頑張ったほうだと思うので、自分にしては。
今夜ぐらいのんびり飲んで、さらに本を読みたい。
が、貧乏性の血が騒ぐ。
明日はあまり作業できそうにないし、
あともうちょっと何か更新しようかしら。
こんなことを書いているのは、夜2時10分のこと。
自宅にこもりきりだと、どんどん生活時間帯が夜型夜型へと移行してゆく。
お願いですから、ご近所の方、朝早く回覧板をお届けいただくのは
ご勘弁いただけないものかしら。夜なら何時でも大丈夫なのだけれど、反社会的ですんません。
まさか、玄関に「寝てます」と貼るわけにもいかないしなあ。
「赤ん坊が眠っています」とでも貼ってみようか、あ、ここに書いてしまったら、すでにバレてら。

PS 「あんなに長い文章、よく書けるね」とあきれ気味に「一体どのぐらい時間かかるの?」と、しばしばお尋ねいただくのですが、乱文なので10分ほど。さすがにおかしい部分が多く、あとからちょこちょこ直すため、そちらには多少、時間がかかります。もうちょっと練りに練った文章を書けるようになりたいものですが、あるのは勢いのみです。ふうむ。薄手でいいから自家目録をやりたいやりたいと言い続けながら、T書店さんやO舎さんほかから情報をいろいろいただきつつ。しかし、自家目録をなんとか出して配布するまでの間、HPはどうなるのかということ、そして、それまで運転資金を持たせてゆく体力のありやなしや、頑張って出したとして失望されるばかりではいかなるものか、などなど、問題山積でございます。「二転三転してないで、さっさと目録出しなさい」とT書店さんの言葉が痛い、目も当てられない。情けなし。某氏からご依頼いただいた企画も滞ったまま。失望なさっていることでしょう。万一お読みのようでしたらもうしばし、どうかお待ちを。はあ、なんとか、とっととやれないものか。明日はまた雨、花冷えになるらしい。読んでいただき、ありがとうございます。相変わらず手の内バラしすぎて作戦のへったくれもあったもんじゃないですが、まあこんな不器用にしかやれないってことで、お粗末様。そんなやつであっても生きていける有難き世界ですが、いったいいつまで続けていけるのか、果たして? ほらほら、またしても長くなりました。ちなみに、「PS」以降は「10分」には含まれておりません。実験的・わが人生。えいよままよ。

ええ、どんどん書き足しますが、山本善行さんがブログで「女子の古本屋」の感想を書いていらっしゃる。思いが伝わってきて、山本さんの文章がなんと素敵。私まで嬉しくなる。岡崎さん、ずいぶん苦心されたご様子でしたので本当によかったですね! 借金苦や難病の方の体験談を取材して執筆した際、その方の歩みを真摯に受け止めたところ、あまりの重みにのた打ち回った体験があります、私。岡崎さん、ありがとうございます。真っ先に潰れてしまわないよう、どうにかやっていきます。ちなみに、「ええ、どんどん書き足しますが」以降はビールを飲みながら書いております。

石井桃子さん、空に旅立つ。
春、この世に生を受け、春を味わってから旅立った石井さん。桃子さんというお名前にふさわしくも。
この1月末、朝日賞を受賞され、公の場に立たれたのが記憶に新しい。
「やはり私の声でお礼を申し上げなければなりません」とマイクをとられ、
「『朝日賞をいただいた人間です』と言ってこの世を去るよりも、
六つ七つの星に美しく頭の上を飾られて次の世の中に行きたいと思っています」
と、印象的な言葉を残されました。朝日賞受賞の席でそこまで口にされる勇気・・・。
今思えば、世の風潮への危惧もあり、これだけは言っておきたいとお考えになったのでは?
私たちへの大事なメッセージだったと思えてなりません。

ちなみに、同席された松岡享子さんが添えた言葉にも考えさせられます。
「石井さんは『時々の偶然のえにしに導かれて今日まで歩み続けた』
と述べておられますが、
子どもの本の世界が石井桃子を選び取ったとの思いを深くしています。
あらゆるお仕事を通して、求めるべき質の高さを常に示してくださいました」と。

おふたりの言葉が投げかけているものは何か、
私たちひとりひとりが感じ取っていくべきなのでしょう。

ちなみに、朝日賞を受賞された理由は、
「『クマのプーさん』などの翻訳をはじめとする日本の児童文学への持続的な貢献」
とされています。

101年を生き抜き、「持続的な」貢献を続けてこられた石井さん。
私たち、そして、後世に残していったものの大きさに心が震えてしまう。
月並みすぎるけれども、
ありがとうございました、の言葉しか見当たりません。

沼辺信一さん「私たちは20世紀に生まれた」の連載をぜひ。偉業を成し遂げた石井さんへの思い。読み返して、また打たれる。

最近新聞で読んだ内容を思い返したのですが。元教員で教育委員会の女性が癌でお亡くなりになりました。最後に教室で子どもたちに向かって話されたこと。私の言葉がどなたかの心に残ることができれば、私は第二の人生を歩み出すことができます、といった内容だったかと。
海ねこは急遽、更新をしようと考えております。

雨で桜が散りゆく。それでも、電車の窓から、あちらにもこちらにも桜色が見えます。
市場に出品したものは思ったほどの金額にならず、頭を抱える。まあ、皆さん、安く上手に買うこと。
とある全集(全冊揃い)2セット、置き場所をとるので出品したが、4090円って、どうなのよ。安すぎないでしょうか。とほほ。でもまあ、出品したもののうち大半、買い手がついたのでよしとする。どれもこれも売れないと、お金を出して処分するか、送料を払って自宅に送り返すか、別の市場に出すか、いずれにしても、とほほな結果になりがちなので。

今月はすでに買い過ぎているので出品メインのつもりで行ったのだが・・・。
あらら、金曜に続いて、某国の絵本が出ているじゃないですか。20年代じゃないですよ、60年代あたりのものが多い。それでも滅法高い。高くなりつつあるので、今回も高いことは想定ズミ。後先(=支払い)考えず大枚はたく。
どうしても欲しかった。結果、頑張りすぎたかもしれない。
またもや下札で落としてしまった。高く買いすぎたかもしれない。経営員Oさんに「やっちゃったねえ」という視線を投げかけられる。特定ジャンルの古書相場を保つため、目的意識を持って一定額でしっかり買い続ける店もあるのだけれど、自分はどうなのか。

先日「下札で落としているようじゃ、同じものを今度市場に出したら、その値段よりもっと安くしか売れないってこと。損するってことだよ。中札で落とせるといいんだけど」と先輩書店からアドバイスを受けたばかりなのに、またやってしまった。いつまでもあると思うな、親と金。

「買えたならいいんですよ。自分を追い込んで目録にぶつければいいんです」と、T書店さんだったら言うだろう。

市場に出品して稼いだ話など聞くと、まるで遠い世界の出来事のよう。人ごとすぎて、いいのか、これで。

もっと出品するようにして、値段がつきそうにないものは金輪際、買わないよう習慣づけるか。自分独自の選択眼で頑張ればいい、だなんて単なる思い込み、見当違いなのかもしれない。

商売、向いてないなあ。
家人に指摘されるまでもなく本人だってとうに気づいてはいるが、我ながらひどすぎる。
市場に行くと、まわりの誰もが必死に商売をしているのに、
自分ひとりだけプロになりきれていない、浮いてるなあと痛感する。
商売、向いてないと言いつつ、よくぞ5年近く続いてきたものだ。
奇跡に近いと思う。お客様、周囲の方のおかげです。

帰宅して、こつこつ発送に勤しむ。
本日発送した古い児童書、改めて見返したところ、
ねこの国が出てきたり、イラストがとんでもなくよかったり。
別れを惜しみつつ、心をこめて送り出しました。

火曜は仕事で原宿へ。夜は西荻窪で会合。
発送もしますが、もしも発送しれきない場合、水曜に発送します。

新着本に、なかなかかかれずにおります。
仕入れるばかりではなく、未更新本をもっとなんとかしなければ。
月が変わって、もっと落ち着いて作業に集中できるといいのだけれど。
「5年先のことを考えていかないとね」と先輩書店Oさんに言われましたが、
5年後、5年後、果たしてどうしているのでしょうか。

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