石井桃子さん、花吹雪とともに旅立つ

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石井桃子さん、空に旅立つ。
春、この世に生を受け、春を味わってから旅立った石井さん。桃子さんというお名前にふさわしくも。
この1月末、朝日賞を受賞され、公の場に立たれたのが記憶に新しい。
「やはり私の声でお礼を申し上げなければなりません」とマイクをとられ、
「『朝日賞をいただいた人間です』と言ってこの世を去るよりも、
六つ七つの星に美しく頭の上を飾られて次の世の中に行きたいと思っています」
と、印象的な言葉を残されました。朝日賞受賞の席でそこまで口にされる勇気・・・。
今思えば、世の風潮への危惧もあり、これだけは言っておきたいとお考えになったのでは?
私たちへの大事なメッセージだったと思えてなりません。

ちなみに、同席された松岡享子さんが添えた言葉にも考えさせられます。
「石井さんは『時々の偶然のえにしに導かれて今日まで歩み続けた』
と述べておられますが、
子どもの本の世界が石井桃子を選び取ったとの思いを深くしています。
あらゆるお仕事を通して、求めるべき質の高さを常に示してくださいました」と。

おふたりの言葉が投げかけているものは何か、
私たちひとりひとりが感じ取っていくべきなのでしょう。

ちなみに、朝日賞を受賞された理由は、
「『クマのプーさん』などの翻訳をはじめとする日本の児童文学への持続的な貢献」
とされています。

101年を生き抜き、「持続的な」貢献を続けてこられた石井さん。
私たち、そして、後世に残していったものの大きさに心が震えてしまう。
月並みすぎるけれども、
ありがとうございました、の言葉しか見当たりません。

沼辺信一さん「私たちは20世紀に生まれた」の連載をぜひ。偉業を成し遂げた石井さんへの思い。読み返して、また打たれる。

最近新聞で読んだ内容を思い返したのですが。元教員で教育委員会の女性が癌でお亡くなりになりました。最後に教室で子どもたちに向かって話されたこと。私の言葉がどなたかの心に残ることができれば、私は第二の人生を歩み出すことができます、といった内容だったかと。
海ねこは急遽、更新をしようと考えております。

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