Ducati 748: 2004年2月アーカイブ

Searsの写真

| | コメント(0)




少しだけここに置いたよ。

第4セッションはGaryから教えてもらったことをゆっくり走りながら試してみた。確かに足に相当の負担がかかるけど体をスムースに動かせるからターン開始後に「どっかん」とシートへ乗ることもないし、気持ちかもしれないけどバイクももっとスムースに曲がるようになった。ブレーキング時に腰をずらしたままステップに体重を残すのが最初は難しかったけどこれはくるぶしあたりでもホールドすることでうまく行くようになったし、さらにそれでもっとスムースに内側ステップに体重が載せられるようになった。これを練習しているうちにペースも上がって調子も良くなってきた。午後2回目だったんで、これで最後のセッションだと思っていたので最後までかなり飛ばしていたんでチェッカーが降られるころにはかなり疲れていた。とくに太ももはずっと中腰状態だったせいかクタクタになってしまって情けない。

しかしGaryさんのように何に乗っても早い連中ってのはいるもんで、この日も日本では見かけることも少なくなったGPZ250やVT250でかっ飛ばしている連中がいて、直線ではもちろん自分の748の方が早いけどコーナーで彼らが保っているスピードは自分以上で感心させられてしまった。とくにいいタイヤがあるわけでもないのにあれだけの走りが出来るのは本当のテクニックを持っている証拠だと思うし、必要もないパーツやタイヤがあーだーこーだー言う割には走りの方がイマイチな方々に是非見てもらいたいと思った。やっぱり乗り手の力のほうが大事なんだね。

20分だけの第5セッションがあるってことをアナウンスしていたので、引き上げようかと考えていたけど残ってまた走った。ステップワークの練習を続けたんだけど疲れてきて集中力も切れてきたので残り5分くらいで切り上げた。ずいぶん人も減ってきて走りやすかったけどスピードが乗ってきてTurn1とか7は入り口でのシフトとブレーキのタイミングが難しくなってきた。これは次回への課題かな?

ってなわけで9回にわたって記録を残したSears PointのTrackdayメモはこれにて終了っす。っていうかほとんど全部書いてあったんだけどね。またなんか思い出したら書くことにするよ。


3周ほどGaryさんの後をついて走った後、今度は自分が前に出て走る。後ろにはぴったりGaryさんがついてくるなんてうれしいじゃねえっすか!ってことで見よう見まねのライン取りで全開走行。
Turn1~4まではステップワークでスパスパとバイクが倒れて絶好調。Turn4の入り口でイエローフラッグが出てて、出口でまた赤い998らしきバイクが転倒してバラバラになっていた。無視してTurn6へ進入。ここは超インベタで出口がワイドなのでアクセルはワイドオープン。2周ほど後をついてもらったらちょうどチェッカーフラグ(A, Bグループ交代の時間)だったんでピットに戻ってGaryと話す。指摘されたのは:

(1) ライン取り。Turn1,2の間や7出口から10まではもっとスムースなラインがある。

(2) 体重の乗せ方。ステップを使っているのは分かるが乗せ方が極端で、とくにターン開始後シートに「どっかん」と乗っている。もっと太ももをサスペンションのように使ってスムースに体重移動するようにする。ステップでだいたい8割くらいの体重を支えて乗馬のような体制を意識してみる。

(3) (2)を実行してみれば30分のセッション後は足(太もも)がくたくたになるはず。ならないなら修行が足りない。

(4) 逆バンクは外に行くほど危ないので一番内側を我慢して抜けた方がいい。

ってな感じだった。
ピットに戻ってJames達に話すとみんな目をキラキラさせて聞いていた。自分たちも頼みに行けばいいのにシャイなのかも???

何周かしているとTurn11の突っ込みで黄色いGSX-R750が自分を追い抜いて行き、自分に向かってバイクのテールをたたく。これはスクールなんかで使う”ついてこい”っていうサインなんだけど、すぐにGaryだと分かった。こんな風にどこからともなく自由自在に現れるなんてイカすぜなんて思っていたんだけど、多分その前は後ろから見ていたんだと思う。
Garyはゆっくり走ってくれて、そのラインは本当にスムースで赤と白のゼブラ(かれはCandy barと呼んでいた)ぎりぎりをカットして走って行く。Turn1と2の間の少し左に曲がるところはほとんど直線にカット、Turn6は逆バンクだからインベタで膝が舗装面の内側の土につくかどうかってくらい。Turn7は自分がやっていたのに近いdouble apexだったけど、その後のTurn8, 9, 10は自分よりもっとスムースで、やはりゼブラぎりぎりをうまく使ってなるべく直線に近く走れるように進入を早めたり遅らせたりしていた。とくにTurn9は速度が乗っているのにインベタで曲がりきれるのは意外だった。最後のTurn11は進入で減速後、思い切ってインへ入るんだけどGaryさんのフルバンク具合がすごくて最初は見とれていたんだけど、真似してみたら意外と速度が遅くても安定していることが発覚。ブレーキの後に思いっきりバンクして向きを変えてアクセルを開けると思った以上にスムースに行くようになった。

昼休みに時々一緒に走っているGary Jaehneさんのピットに行って話をして、午後に時間があったら自分を見つけてアドバイスをしてほしいと頼んだ。この人はAFMでチャンピオン経験が何度もあるおっさんなんだけど、気さくな人柄と知識でこの辺りのライダーでは有名な人で、BARFやSouth Bay Ridersにもよく書き込みをしている。もちろん走りはぶっちぎりで同じようなバイクに乗っているとはとても思えないレベルなんだよね。面白いことに公道ではもっぱら奥さんのあまりきれいとは言えないGPZ250Rに乗って出てくることがほとんどで、それでも他のライダーと同等の走りをするんだからさらにぶっ飛び。頼んだらもちろんのごとく軽くOKで、適当にピットに来てくれれば出て行くよってな感じだった。ラッキーってことでJamesに話すと「マジー、俺も~!」なんて言ってたけど、おいお前はネイティブなんだから自分で頼めよなってな。

午後の第一セッションは気温も上がってきて自分も気合いが入ってきた。
Turn1からTurn4まではイン側ステップへの荷重でバイクが一気に寝て、シートへ体重を移してアクセルをジワッと開けて行くのが面白くてたまらない。Tuen7の出口から11まではスムースなカーブが続くんだけどここは3速のままTurn9までがんばるか4速を使うか悩んだ。4速まで上げると早すぎると感じるし、3速のままだと11000rpm近くでホールドしている状態になってしまう。いずれにしても9の出口で4速にして全開でTurn10に突っ込むのはスリル満点なんだけど、ここは外側のエスケープゾーンがあまりなくて壁にあるDodgeのサインが近く感じた。

Bグループの時間が来たので出撃!最初2周はとにかくゆっくりタイヤを暖めるのに専念する。Jamesたちとはどこかではぐれてしまったけどそのまま自分のペースで走ってみる。やっぱりTurn4が難しくて、下り->ブレーキリリース->右への倒し込みがスムースに行かずにギクシャク。速度も落ちているのでここで抜かされることも多い。その代わりというか、その次のTurn5は全開なんだけどここも小さな丘になっていてそれが終わるとすぐに左コーナー(Turn6)で、さらにOff Camberなのでトリッキーなのだ。ふつうOff Camber(逆バンク)だとインベタで走ると思うけど、なんかみんな自由自在なラインですっ飛んでくんで、それにつられて自分も適当なラインを選んでしまうようになった。あとTurn11は出口ではらんだり思いっきり倒し込めなかったり難しい。
セッション1はコースに慣れるのが目的で膝を擦ることもほとんどなく終わった。

Bグループのセッション1の最終周回でだれかコケたみたいで救急車出動。次のAグループのセッションまで30分待ちになってしまった。(救急車が戻ってくるまで走れないので)転んだのは赤いDucati 996みたいで結構なダメージだった。

第2セッションもタイヤを2周で暖めて今度は少しプッシュしてみた。とくにTurn1からTurn4までの登りのコーナーはリズムに乗るととても面白くて病み付きになりそう。ステップへの荷重の具合でバイクが寝て向きが変わるのがよく分かるし、アクセルをジワッと開けてくとバイクが起きて行くのもおもしろい。(この辺りは前に書いた「ベストライディングの探究」という本で読んだこと)ステップへの荷重は本当に一瞬でその後はシートへ体重を乗せていた。だいぶ右コーナーにも慣れてきたと思う。コース全体にも慣れてきてあちこちで膝を落とせるくらいにスピードが乗ってきたし、Turn7はdouble apexで3速のまま出口で全開にすると走りやすいことが分かった。
第2セッションでは誰かが1周目で転倒、いきなりイエローフラッグが出ていた。どんないいハイグリップタイヤでもきちんと暖めないとこうなってしまうってことなんだよね。
これで午前は終了。ランチは持ってきたマフィンとかパワーバーとかですます。Jamesの友達とか現れて面白かった。

写真は今日届いたDarron@Photobitstreamが撮ったものっす。

この日のバイクのセットアップはこんな感じ。
(1) Arrowハーフシステム(っていうかサイレンサー直管?):うるさくなってフケが良くなる。
(2) ROM交換:アイドリングが安定しなくなる。リミッターが効かないので回しすぎないように注意する必要がある。
(3) サスペンション:面倒くさいのでSAG意外は標準に戻した。押した感じは悪くない。
(4) エアインテーク:フロントカウルについている金属製のフィルターは外した。モノが飛んできたらエアフィルターへ直行の危険性あり。
(5) ミシュランタイヤ:パイロットレースH2を前後で使用。空気圧は走る前に前30psi, 後29psiに設定。
寒いのでエンジンが温まるまではなんかアイドリングが安定しないし煙まで吐き出す。っていうかキャブじゃないのになぜ???アイドリング回転数が低く設定されているからかもね。バイクの全体的な印象はとてもパワフルで、普段公道で乗っているときとは使っている回転数や速度が全然違うので簡単に比較できないけど本当に乗るのが楽しいオートバイになったと思う。

ほとんどの走行会では朝のライダーズミーティングの後にSighting Lapという先導者付きでゆっくり走ってコースコンディションを見る機会があるんだよね。はじめて走るサーキットだからもちろん行ったけど最初の印象はアップダウンが多くてコーナー間が短くとてもトリッキーってこと。とくにTurn11はオレンジコーンで作ったようなコーナーで車速もかなり落ちるヘアピンで難しそうだし、Turn4は落ちながら右に90度曲がる自分が最も苦手とするタイプのコーナーだった。まだ朝で寒かったのでガクガクしながら乗ってた。これが終わるとAグループのセッションなので自分たち(Bグループ)は休み。ピットに戻ってみんなと雑談。みんなはじめて走るコースだからあーだーこーだーと興奮していた。

ノックしていたのはノットキャップをかぶったアジア系の若い兄ちゃんで名前はJames。陽気な兄ちゃんで話も弾んだので車を彼のVanの横に移動して寒い中立ち話していた。このときの気温は多分5度とかそんなもんだったと思う。人が立って話をしているとそこに集まってくるのは習性?なのか、次々と自分たちの近くに人が来た。バイクをおろすのを手伝ったりテントを立てたりして時間が過ぎて行くことには明るくなってきてライダーズミーティングの時間(7:30am)になった。

Lance Keigwinさん主催の走行会はとてもよく管理されていて、仕事もきちんと分担されていて本当に全てがスムースにいくので感心させられる。この日のミーティングも説明は毎度同じなんだけどライダーがちゃんと聞くように冗談を混ぜながら話すのは本当にうまい。自分はできるだけこの人主催の走行会に行くようになってしまった。ミーティングの時にサーキットで写真を撮るサービスのDarronがいたので今日も写真を頼んだ。シーズンオフでどこかと遠くに写真を撮りに行っていて来ないと思っていたから意外だったけどうれしい。この人は一日分$40で撮った写真をCDに書き込んで送ってくれるサービスで、走行会の間中あちこちで写真を撮ってる。ランチのときにはその写真を見せてくれたりするので参考になったりもするよ。

コースレイアウトを見れば分かるけど、ここは右コーナーが多い。左に比べて苦手だと思っているからいい練習になると思っていたんだよね。あと今日の目標はとりあえず最近読み直した「ベストライディングの探究」という本で読んだステップワークを試してみて自分なりに使えるかどうか試してみること。ツーリングライダーが長かった自分としては尻でバイクを操っている感覚が強くて、ステップを意識して乗ることはあまりなかったんだけど、この本を見てストリートでも試してみたのがこのステップでバイクを操ることなんだよね。オフロードとかで半分立って乗るみたいな感覚に近いんだけど、詳しいことは本でどおぞ。ちょっと古い本だけど、読んでみて自分なりに考えるのには本当にいい本だと思うよ。

当日の朝は4時ちょっと前起き、準備して出かけたのが4時半。Freeway101, 280からサンフランシスコの19th streetまで超スムースで誰もいない。19th streetは大学とかショッピングモールとかあって、いつもは込んでいるのに全然車がいなくてなんか不気味なくらい。ゴールデンゲートブリッジを渡る頃もまだ真っ暗だけど夜景が最高なんだよ、ここから街の方を見ると。運転しているとよく見れないけどね。

そのまま101をずっとCruse controlを使ってチンタラ走ってSan Rafaelという街をすぎた頃に後ろから赤いランプをくるくる回した皆さんが猛スピードで近づいてくるじゃねえっすか!おいおいってことでスピードを落として右に寄るとまず先頭にサターンの普通の白い乗用車が猛スピードで逃げていて、赤色灯がそれを追う展開!軽く100mph(160km/h)は出ている雰囲気で、パンダ車の皆さんも真夜中のハイウェイを高速走行を楽しんでいる?雰囲気だった。テレビでこういうのを見ることはあるけど、実際に遭遇したのはこっちに6年半暮らしていてもはじめてなんでちょっとうれしかったのは否定できなかったりする。

そのままチンタラ(トレーラーを引っ張っていると速度制限が55mph)走ってサーキット到着は6時少し前で誰もいない雰囲気、というか真っ暗の中何も動いていない。自分だけ早くついてしまったかと思っていたけど、よく見ると入り口のゲートで手を振っているおっさんが既にいる!こういうサーキットに入るときは「責任は自分で取ります」っていう同意書にサインするんだけどもうそれをやっていて、サインしてピットエリアに入って行く。駐車場にはバンやキャンピングカーが何台かいたけどここも人影がないんで、車の中で少し寝ようと思っていたら窓をノックする人が。 (明日に続く)

[写真は使用後のタイヤ] 端っこまできれいに使えたんだけど、この日は気温も上がらなくて(もちろん自分の走りが過激じゃないってのもあるだろうけど)あまりドロドロにはなんなかった。


何度かに分けて昨日のTrackdayの記録をupするね。

Sears Pointはサンフランシスコの北、ゴールデンゲートブリッジを渡って車で1時間弱の場所にあるサーキットで、車やバイクのレースが盛んなサーキットなんだよね。他のサーキットに比べて看板が多いことからもけっこう人気があるってことがわかるしグランドスタンドなどの施設も新しいから結構な投資もあるんだろうと思う。コース自体はけっこう古く、エスケープゾーンが少ない場所もあって安全性に問題があってここ数年はいろいろ改善に取り組んでいるらしく、競技によってコースレイアウトが何種類かあるみたい。

上の写真はAMAのレースのときのコースマップで、昨日の走行会では9aと表示されているシケインが省略されてグレーになっている緩やかな左カーブのほうを使った。AMAではここでスピードが乗りすぎてTurn10で突っ込む危険性があるみたいで、ここで突っ込むと即コンクリート壁なんでシケインを使ってスピードを落とすみたい。確かに自分もここでは4速全開でフルバンクに近い状態だったし、もっと早い人にはここで抜かれたりもした。

このAMAのコースを走ったビデオがここで見られるよ。(Riderは自分じゃねえっす) ヘルメットカム、バイクの前後からビデオを撮ってくれるサービスでBMW R1100Sに乗るJayがやってるサービスなんだけどけっこういいもの作ってくれるんだ。

このアーカイブについて

このページには、2004年2月以降に書かれたブログ記事のうちDucati 748カテゴリに属しているものが含まれています。

前のアーカイブはDucati 748: 2004年1月です。

次のアーカイブはDucati 748: 2004年3月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

Powered by Movable Type 4.291