2006年8月アーカイブ

たまには書きます。
8月28日は、「草饐 評伝大田洋子ーー」(江刺昭子)を読みながら
神保町の古書会館へ。

業者の市(中央市会)は出品量が多く、活気があった。
欲しくても、人気が集中し手が届かないだろうと思うものは敬遠。
そういったものには老舗・強力な店がとんでもない高値を入れてくる。
残念なことだが、厳しい予算枠がある弱小店では太刀打ちできない。
現実は厳しい…。

店に注文をくださるお客さまからご感想をいただくたび、
ああ、こういう本をお探しなのだととても参考になる。
「他店を探してもぜんぜんなかった。海ねこでやっと見つけました」と
喜んでいただける本を、どうにか1冊でも2冊でも探したいのである。
買いたいと思っていただけるものを次から次へと用意できなければ、
店にはだれもやってこなくなるだろう。
予算内でなんとか探さないと。

昨日は絵本の束がかなり出ていた。
絵本なら何でもいいわけではなく、
どの束に何が混ざっているかわからない。
できるだけ、くまなく見ていかないといけない。
自分ではよく見ているつもりでも、しばしば見逃しがある。
開札が終わってから、他店の落札品・値段を見て、しまったー! と
肩を落とすことはしばしばあるのだ。
落札できなかったこと自体より、見逃していた自分に腹が立つ。
目を見開いて、すみずみまで見ていくには、
結構な集中力と根気がいるのである。
古書会館は冷房がききすぎていて次第に足が冷えてくるし、くぅー。

身長ぐらいの高さ積み重ねてある束にはさまっている本、
下の下のほう、床ぎりぎりの部分まで、できるだけ気をつけてみていく。
中ほどにまぎれていた洋書絵本に、お、ちょっと珍しいものが。
束ねてあった紐をほどいて中を見ていたら、ダメだ、いたずら書きがひどすぎる。
やはり、よく言われるように、
絵本・児童書というのは痛みやすいため残っていきにくいものなのかしらん。
そのとたん、後ろから「何か混ざってましたか?」と
顔見知りの他店さんに声をかけられる。
皆さん、本ばかりでなく、だれがどの束に入札するか、人の動きをよく見ているのだ。
振り市(競り)でなく、入札方式だと本をじっくり点検してから入札でき、
スローモーな自分にもやりやすい。そう思っていたのだが、
掘り出し物を探し出したら、できるだけ気づかないそぶりをしないと。
さっと見て、関心がないふりをして、ささっと札を書いて封筒に入れ、立ち去る。
が、やはり気になるので、何度もさりげなく
束の前を通って札の入り具合を確かめる繰り返し。

とある本の束を通り過ぎそうになり、はっとした。
なんでもないようなセットものの下に、ちょっと魅力的な本が混ざった束だったのだ。
ああ、絶対、欲しい!
よし、今のところ札は一枚も入っていない。
まだだれも気づいていないようだ。
お願い、だれも気づかないで、と祈りつつ、
遠くからなにげなく束のほうを眺めたら、あ、
Rさんが山積みになった束の下のほうまでじーっと見ている。
考え考え札を書いているではないか。
いけない、Rさんは気づいたのだ。
本を選ぶ感性がどこか似ているなあ、とひそかに感じていたRさん。
札が入っていなかったので安く買えればラッキーと思って安めに入札していた。
しかし、Rさんが入札した以上、安くは買えないだろう。
札をもっと高く書き改めて入れにいく。

結局、この束は運よく落札することができた。
あとからささっと入札したらしきNさんに
「顔も見たくない。そっとさらっていこうと思っていたのに。
今日いちばん悔しい。きぃーっ」とユーモア交じりに悔しがられた。
Nさん、すんません。
しかし、Nさんは年齢は若く気力・体力十分、しかも、キャリアが長い実力者。
催事などすばらしい品揃えでヤルナとひそかに尊敬している。
「そっとさらっていこうと思ったのに」という言葉を聞いて、
ふだん、他店が気づかないようなものをうまく掘り出しているのだろうなと思った。
ますます尊敬する。

かくいう私も、ほかに狙っていた束は他店さんにさらっていかれた。
10円でも高く入札した人のものになるので、
買える買えないは、まさに紙一重だ。

それにしても古本屋って、想像以上にお金がかかるんですよね。
市場で買うと安くはない。
買取でも、お客さんの気持ちを思うと
あの店に売ってまあよかったかも、と思える程度には買取代金をお出ししたいと思う。
良い本を売ってくださる方にはぜひまた売ってほしいという下心(?)もある。
最初のうち、とにかく市場で買うことに慣れたくて、
ライター・編集業で蓄えてきた定期預金を一部、解約した。
ところが、どんどん買っているうちに9か月でほぼ底をつきた。
買うばかりだと、どんどん貯金が減っていってしまう。
いったいどうすればいいのだろう。
もっと市場に売ることに慣れていかないと。
ことに、オンライン古書店だと買ってきた本に値つけして棚に並べて、とはいかない。
新着本をアップするのに時間がかかる。
市場や買取で買った本をどんどんホームページに反映するには、
もうひとりかふたりは人手が必要に思えてならない。
仕入れ、受注、倉庫に本を探しにいく、梱包・発送、買取の対応、
メールの対応と、ひとりで何もかもやっていると、
新着本の更新にのみ時間をかけられない。
気がつくと、未更新の本ばかりが見る見るたまっていってしまう。

いつも支えてくださるお客様のためにも、1日でも長く店を続けていきたい。
そのためには、本を仕入れるための資金、毎月の経費を払っていく資金が必要だ。
きれいごとじゃ済まされない。
なんとか良い本を入手して、どうにか買っていただき、利益を出していかないとーー。
古本屋って楽じゃないんだなあ、というのが日々の実感。
底辺の片隅、地をはうようにギリギリのところで続けている「海ねこ」である。

付合明細書(市場での落札品、出品して売れた品の
両者が書かれている黄色い用紙)をのぞきこんだ
Aさんに言われた。
「買うばっかりじゃあね。市場は『交換会』なんだから、
自分のところに不要なものを市場に売らないと」と。
そういうAさんは、つい最近、7日間、7回に分けて、
大量買取のため、重たい本を抱えて階段を上り下りする日々だったという。
マンションの部屋は5階で、エレベーターがなかったというのだ。

夜は、下北沢の北沢タウンホールで、「吉野金次の復帰を願う緊急コンサート」。
吉野金次は日本のレコーディング・エンジニアの草分け的存在。
はっぴいえんどの『風街ろまん』(71年)は彼なくしては生まれていなかっただろう。
そう、細野晴臣が8月4日「矢野顕子リサイタル2006」でも下北でも語っていた。
病に倒れリハビリ中の吉野金次のため、
吉野に音作りしてもらったミュージシャンたちがこの晩、
下北沢の小さな小さなホールに結集したのである。

オープニング、矢野顕子が「今日、私たちは、スタッフも全員そうですが、
このコンサートのために100円もいただいていません。
1ドルも10フランもいただいていません」と切り出した。

出演は順番に
●細野晴臣 with 高田漣・コシミハル・伊賀航・鈴木惣一朗・浜口茂外也・徳武弘文
●ゆず
●友部正人
●井上陽水 with 矢野顕子
●大貫妙子 with 矢野顕子
●佐野元春
●細野晴臣&矢野顕子

それぞれ、吉野に対する言葉を語っていた。
吉野への思いとともに、
過去の自分への思い・思い出がありありとよみがえるのだろう。
8月4日の矢野顕子コンサートでも痛切に伝わってきたのだが、
健康・絆といったものは通常ありがたみを忘れかけているが、壊れやすい。
うっかりすれば、取り返しがつかないぐらい簡単になくなってしまう。
健康であること、今この世の中に生きていることも奇跡的なのだ。
今日この一瞬あと、だれもが事故にあうかもしれない。
今宵、病に倒れる可能性が皆無とはだれにも言い切れない。
ステージ上の細野晴臣は人ごとではないと語り、
会場にいるだれもが同じように感じたのではないだろうか。
助け合うのは、矢野顕子にとって大げさなことでもなんでもなく、
ごくごく自然なことなのだろう。
病床の吉野がどれほど励まされることだろうか。

矢野顕子は昔からの友人とのつながりをどれほど重んじ、
あたため続けるため、そっと努力を重ねてきたことだろう。
大事な人のために何かをせずにはいられないんだ、という
明瞭なメッセージがMCからも歌声からもピアノからも伝わってきた。

入れ代わり立ち代り、吉野のため、そして、
矢野顕子の呼びかけにこたえて集まったすばらしいメンバーが登場する。
会場のあちらこちらから「すげえ」「来てよかった」という声が漏れる。
限られた座席数のホールに、私は運よく居合わせることができた。
チケットをとってくれた連れ合いに感謝。
見られなかった人に申し訳ないと思いつつ、よく見ておこうと思う。

ひとり1-2曲ずつ。次から次へと入れ代わり立ち代りであるため、
PAも楽器のチューニングも完全ではない。
友部正人は声がよく出ない。ハスキーな声を必死にはりあげる。
もどかしそうだが、かえって、友部のあふれ出さんばかりの思いが伝わってくるような気がした。

大貫妙子は「かけがえのない大貫妙子」と矢野顕子から紹介されて
「かけがえのない矢野顕子」と言葉を返す。
「離れていても、彼女が頑張っていると思うからこそ、
私も仕事を続けていこうと思える」と胸をはって語っていた。
大貫妙子の歌声は、魂の有り方そのもののようだ。
言霊が歌声にのってどんどん贈られてくる。
涙がほおをつたってこぼれ落ちてきて、あわててティッシュをバッグから引っ張り出す。

アンコールがやまないが、矢野顕子と細野晴臣が再び出てくる。
そして、アンコールにこたえられない事情を説明する。
世田谷区の公立のホールなので、
楽器すべての撤収を含め10時までに終えないといけないとのこと。
実際、手弁当で集まったというスタッフが必死に後片づけをし始めたのだった。

終了後、同じ会場に居合わせた沼辺信一さん
音楽好きのOさんら仲間たちと居酒屋へ。
同じ時間・空間・思いを共有した仲間たちと語らう。
幸せの揺らぎやすさ、絆のあたたかさ。
変わりゆくもの、変わらないもの。
下北の夜が更けていった。

さて、現在の海ねこだが、ご家族の遺品だという本のことで
ご相談をいくつかいただいている。
絵本や児童書を扱っているとそういったご相談は
あまりないのかと思っていたのだが、ご相談いただいたことで気が引き締まるような思いだ。
ご家族の思い出の本ーー。
できるだけお力になれますようにと願いつつ、
経験が浅い自分に果たしてお役に立てるのだろうかとたじろぐ気持ちもある。
自信がない自分と、どうにかやっていかなければと思う自分のせめぎ合いは
ずっと続くのだろうな。
駄文を読んでいただき、恐縮です。
猛暑の空の下、どうにかやっています。

小川未明童話全集 昭和27年 大日本雄弁会講談社。
1巻から12巻。函あり希望。
12冊のうち1冊2冊でも結構です。お持ちの方、ぜひお声をおかけください。

15日は仕事の合間、川崎市市民ミュージアム
「名取洋之助と日本工房 [1931-45]報道写真とグラフィック・デザインの青春時代」展へ。
都心の道が空いているので走りやすい。あっという間に着いた。

川崎市市民ミュージアムに行くのは初めて。
建物がとんでもなく豪華。川崎市ってお金持ちなんだなあ。
スペースがゆったりしていることもあり、
昨日行った「伊藤若冲」展と違って、人もまばら。
自分のペースで見たい私には、願ってもない好都合である。

名取洋之助が「日本工房」を設立したのは、1933年(昭和8年)のこと。
土門拳、山名文夫、熊田五郎、河野鷹思ら、
若き才能ある写真家・デザイナーらとともにグラフ雑誌「NIPPON」を出版していく。
この雑誌は海外向けに日本を宣伝するためのものだったため、
今まであまり知られてこなかった。
グラフィカルで画期的なデザインがひじょうに目をひく。

しかし、しだいに名取は工房内で孤立。
名取、どうしたとイヤになるほど軍べったりとなっていく。
雑誌はしだいに国策を海外に宣伝するため
軍に利用され、色合いが変わっていき、
このあたりの変貌ぶりが切なく胸に迫ってくる。

川崎市市民ミュージアムに行くなら、ぜひ「つたえる美術2」展も見るといい。
古い雑誌やサビニャックのポスターなどバラエティーに富んでいる。
欧米の子どもを題材にしたポスターは大変おしゃれでかわいらしいのに、
よく見ると「戦争のお金を集めるためのポスター」だったりする。
政府の訴えを人々に知らせるため、マヤコフスキーの詩と絵を
使ったポスター「ロスタの窓」(ロシア通信社。1920年ごろのもの)も
展示されていた。
目黒区美術館
「熊田千佳慕(熊田五郎)展/山名文夫と熊田精華展」も
ぜひ行きたいと思う。

さて、8月16日(水曜)から21日(月曜)まで
休業とさせていただきます。
発送は基本的に、入金確認後15日までと22日以降になります。
日記も休みます。
メールは生きていますので、何かありましたらメールでお願いします。

夏休みのため、1週間、神保町の市場は休み。
南部の振り市へ。飯島・元事業部長ほかにからかわれつつ、あれやこれや購入。
すでに南部ロッカーは未整理本の山。暑さがおさまったら整理し始めないと。

山手線をぐるりとまわって上野へ。
東京国立博物館で開催中の
「プライスコレクション 若冲と江戸絵画展」をみにいく。
マスコミの影響なのか、大変な人出。
人が多すぎて、前に進むことができない。
係の人が「少しずつ前にお進みください」と叫んでいた。
自分のペースで見られないのがつらいと思ったが、
発想の転換。ゆっくりゆっくりしか進めないので、
ふだんだったらさーっと素通りしてしまいそうな作品も細部まで見られた。
また、周囲の人が漏らす感想を耳にしながら見るのも悪くない。

色あでやかな作品はすさまじいが、
迫力がありすぎて直視し続けるとはねかえされそう。
ツルの動きをデフォルメした墨による線で描いた連作絵画が好きだった。
森山大道も著書に書いているとおり、
黒と白のみのほうが、かえって見えてくるものがあると思う。
でも、宮内庁三の丸尚蔵館にある「動植綵絵」も見てみたくなった。
鶏13羽が入り乱れた濃密な群鶏図の迫力に対峙してみたい。
できれば、混雑しすぎていないところで。
(追記。行ってみたのですが、すでに鶏13羽の展示は
終わっていました。鶏2羽は見ました。鶏の姿勢がただものではない)

写真がない時代に、鶏はじめ動物の動きを驚異のまなざしでとらえた若沖。
自宅の庭に鶏を放し飼いにして観察と写生を繰り返したといわれる。
時代も畑も違うが、森山大道と共通するにおいを感じた。
たまたま森山さんの著書を読んでいるから感じたまで、だが。

日本で半ば忘れられていた若冲に惚れこみ、
再評価のきっかけを作ったアメリカ人コレクター ジョウ・プライス氏。
24歳のとき、NYの古美術店で若冲作品をだれのものとも知らず、
古美術商もだれもだれの作品か知らない中、
わずか50ドルぐらいで買ったのが、コレクションを始めるきっかけになったという。

昼できなかった分、夜は発送にいそしむ。
ビールが切れたので、帰りにコンビニで冷たいビールとワインを購入。
今日も一日、皆様お疲れさま。
15日は終戦記念日。

東京の空は、正月とお盆、美しくなる。
車が少ないためなのかどうか、よくわからないのだが。
人が少ないので、つい休み気分になってしまう。
もちろん、やるべきことはやってますが。

仕事のあと買った新刊2冊「りんこ日記」(川内倫子)
「写真との対話、そして写真から/写真へ」(森山大道)。
イッセー尾形の「博多屋台人生ドラマ」(大泉洋、小松政夫、石田ゆり子)が
想像以上におもしろかった。

そういえば、伊藤若冲が見たくなった。
月曜は休みが多く、皇居東御苑の三の丸尚蔵館はやっていない。
上野のほうはやっているようだ。早速、仕事の合間に行ってみようと思う。

お客様からお送りいただいたシュティフターが性にあう気がして、
新たに「みかげ石 他二篇ー石さまざまⅡ」を買ってきて読んでいる。

南部の入札市の帰り、激しい雷雨になり、明大前の駅は雨漏り。
折しも、シュティフターの描く雷雨のシーンを読んでいたので、
本の中の出来事と現実とが混ざり合う。
「石灰石」(手塚富雄訳)で描かれている牧師像に感銘を受け、
帰宅してすぐ洗面台の掃除をする。
影響を受けやすい、まこと単純な自分。
持ち物を整理したい衝動に駆られながら、本だらけの部屋で過ごしている。

8月16日(水曜)から21日(月曜)まで休業とさせていただきます。
発送は入金確認後15日までと22日以降になりますので、
ご注意いただきますよう、お願いいたします。

チェコ 50年代から60年代 SNDK社の絵本 アップしました。
リンクページ、ようやく更新しました。
日月堂、火星の庭、有藤書店、ハロル堂、古本かわせみ、
沼辺信一さんブログ、ネコレクト(招き猫、河村目呂二)

日月堂さん、万一ご覧になりましたら、事後報告になり、すみません。
リンクさせていただきました。

明治古典会のあと、東急東横店「渋谷大古本市」へ。
改札から出てエレベーターであがるとすぐそこが広々とした古書展会場である。
初日の夕方だったのだが、かなりの人出。
出店者・お客さん、ともに顔見知りの人が多かった。
聞けば、昼ごろまではもっともっとにぎわっていたそうだ。
銀座ブックバザール以上にごく普通の女性(いわゆる主婦ふう)が多いので驚いた。
本と人の波に酔って足が棒のよう。
が、徳尾書店さんは「明治古典会のあと、
五反田(入札市の下見)に行って、この古本市に来ました」とのこと。
元気だなあ。

8月16日(水曜)から21日(月曜)まで休業とさせていただきます。
先に15日からとお知らせしましたが、
終戦記念日はしっかり働いてから充電期間をいただくことにします。
(海ねこは休みますが、仕事が続くんですけどね…)。
よろしくお願いいたします。

お客様から「シュティフター・ファンになるきっかけの1冊としてお受け取りください」と
岩波文庫「水晶ー石さまざまⅠ」をお送りいただいた。
静かな描写を淡々と折り重ねていく文体がすばらしい。
ドイツ語で読んだらさぞかしすばらしいことだろうが、
手塚富雄氏による訳文もたいしたものだと思う。
ポストカードともども、どうもありがとうございました。

蓮沼会・夏の飲み会にお声をかけていただき、楽しいひとときを過ごしました。
幹事、関係者、参加者の皆様、ありがとうございました。

先週、海ねこで扱いにくいものを市場に出品したが、結果はいまひとつ。
作戦を練り直して再度、出品した。
神保町の古書会館では曜日ごとに集まる本ややってくる人が異なるのである。
今度こそどうにか買っていただけますようにと祈りつつ、
また売れなかったら今度はどこに持っていこうかと
搬出のことを考えて車で出かける。

高速道路は渋滞。一般道で行くがやはり行き帰りとも渋滞。
3つ出品し直して2つは他店に買っていただき、ありがたい。
おかげで帰途はちょっと気が楽になった。
が、渋滞の中の運転はやはり疲れる。
体がというより、神経が。目が。
新宿御苑の地下のトンネルも渋滞。
帰宅して発送・受注をやらねばと思いながら
疲労で、しばしぼーっとしてしまった。
真夏は働くより、休むほうがいいようだ。

市場で売るのもよいが、やはり何よりも海ねこで売りたいし、
海ねこのお客様に買っていただけるものを仕入れていかないといけないなあ。
しかし、ときに海ねこ向きでないものを市場で売りたいときもあるので、
市場への出品にも慣れたほうがよいのだろう。
プロ相手なので、そうそう楽ではなさそうだが、
皆さん、あれやこれや工夫しながら出品なさっているようだ。
はじめから苦手だからと尻込みせず、少しずつ慣れていくしかないのだろう。

それにしても猛暑の東京である。台風接近で雨になる予報です。

硫黄島の報道番組、食事しながら見る勇気がなかった。
が、録画してあるので、いずれ見ると思う。
いつかこの件については書きたいのだが、硫黄島からは目を背けられない。
報道ステーション、広島・長崎で被爆した90代の男性の言葉に打たれる。
「戦争体験のある生き証人がこの世から次々にいなくなったら、
きっとまた戦争になるんだろうね、私たちが生きているうちかな」と言ったら、
「すでにもう戦争になってるよ」と夫が言った。
呼び名に対するこだわりはさほどないので、
夫と書くことにします。夫、もしくはオット、連れ合いといったあたりで。

猛暑続きである。
5日は仕事を終えて阿佐ヶ谷バルト。
元我堂の石ころに誘ってもらって「ハマー・モー ソロライブ」に行ったのだ。
ドブロ社のドブロギターの前身である鉄製ギターは、75年前のものだという。
「ありがたや節」などの昭和歌謡のほか「ライヤー・アンクル」
「ハンバーグ・ブルース」などオリジナルも。
ハマー・モーがギター歴2年だと聞いて驚いた。

帰りがけ、ひょんなことから元我堂・まりならとあるぽらん。
阿佐ヶ谷の夜がふけていった。

明治古典会の合間、日本の古本屋で注文した本を受け取るため、
とかち書房へ。
店主さんと話をして、仕入れ方法にその手があったのかと驚かせられた。

学生時代によく通ったいもやで食事する。懐かしい。

古書会館地下の「我楽多市」で何冊か購入。
けやき書店さんの棚になぜか「ザカリフラワーズトーク」(byもん)が
あったので、すでに持っている本だが懐かしくて買う。

夕刻、勝どきで行われた矢野顕子のライブへ。
時間があったのでマクドナルドでジャンキーフードを食べながら、
もんさんを読む。
私はもんさんと同世代で、イラストエッセイをよく読んでいた。
懐かしくて、時間がさかのぼる感覚。

矢野顕子ライブ、ゲストは細野晴臣。
闘病中のレコーディング・エンジニア吉野金次の復帰を願って
というMC・演奏が挿入された。
日本のレコーディング・エンジニアの草分け的存在で、
はっぴぃえんど「風街ろまん」矢野顕子「SUPER FOLK SONG」など
彼の存在なくしては成り立たなかったと。
アンコールで「忌野清志郎さんの分まで歌います」という
言葉を発して歌い上げる矢野さん。
清志郎さんとのデュオによるその曲を、
家人と私が聴いたのはわずか半年前のことである。
矢野顕子の伝えたい思いがひじょうにストレートに伝わってきた。
あれほど凄い唄・ピアノを聴くことになるとは。

すみません、1日、発送・受注ができませんでしたが、
本日、猛暑の東京で頑張ります。
個別にご連絡差し上げますので、お待ちください。

半年前からやらねばやらねば、と思っていた仕事をようやく終える。
発送をして、神保町にひとっぱしり。
見る見る間に倉庫(トランクルーム)も自宅も本の山なので、
金曜と月曜に出品する本を運んで仕分け。
冷房がきいているのに汗だくになる。
明日の明治古典会の準備が大変そうだった。
経営員の皆様、いつもありがとうございます。
中央市会で買った束を持ち帰り、整理する間もなく、
家人が帰宅。主婦に変身して、食事の支度をする。

連日、さまざまなメールでの要望・問い合わせをいただく。
いちばん対応が難しいのが、急ぎのご要望・問い合わせ。
すでにいろいろな方にお待ちいただいている状態なので、
その方たちをさらにお待たせしてしまうことになります。
対応できることに関してはできるだけ努力しますが、
不器用な店主ひとりで何から何までやっているため無理がききません。
お察しいただけますとありがたいです。

買取本が届く。箱から出てくる本はすぐにでもHPにアップできそうなものばかり。
ありがたいです。

仕事がたまってきてしまったので、2日は外出を控えるかどうしようか思案中。
京王百貨店にも行けないままだ。
封書でご注文をいただきました方に、すぐお返事ができず申し訳ありません。

ふちがみとふなとで知った「バートン・クレーン」のCDをかけている。
「威張って歩るけ」(「バートン・クレーン作品集」曲名は原文ママ)
やはりいいなあ。当店のテーマソングにしたいぐらい。
そういえば、調布駅近くにできた岩盤浴に立ち寄ってみた。

2012年8月

      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

最近のコメント

アーカイブ