名取洋之助と日本工房

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15日は仕事の合間、川崎市市民ミュージアム
「名取洋之助と日本工房 [1931-45]報道写真とグラフィック・デザインの青春時代」展へ。
都心の道が空いているので走りやすい。あっという間に着いた。

川崎市市民ミュージアムに行くのは初めて。
建物がとんでもなく豪華。川崎市ってお金持ちなんだなあ。
スペースがゆったりしていることもあり、
昨日行った「伊藤若冲」展と違って、人もまばら。
自分のペースで見たい私には、願ってもない好都合である。

名取洋之助が「日本工房」を設立したのは、1933年(昭和8年)のこと。
土門拳、山名文夫、熊田五郎、河野鷹思ら、
若き才能ある写真家・デザイナーらとともにグラフ雑誌「NIPPON」を出版していく。
この雑誌は海外向けに日本を宣伝するためのものだったため、
今まであまり知られてこなかった。
グラフィカルで画期的なデザインがひじょうに目をひく。

しかし、しだいに名取は工房内で孤立。
名取、どうしたとイヤになるほど軍べったりとなっていく。
雑誌はしだいに国策を海外に宣伝するため
軍に利用され、色合いが変わっていき、
このあたりの変貌ぶりが切なく胸に迫ってくる。

川崎市市民ミュージアムに行くなら、ぜひ「つたえる美術2」展も見るといい。
古い雑誌やサビニャックのポスターなどバラエティーに富んでいる。
欧米の子どもを題材にしたポスターは大変おしゃれでかわいらしいのに、
よく見ると「戦争のお金を集めるためのポスター」だったりする。
政府の訴えを人々に知らせるため、マヤコフスキーの詩と絵を
使ったポスター「ロスタの窓」(ロシア通信社。1920年ごろのもの)も
展示されていた。
目黒区美術館
「熊田千佳慕(熊田五郎)展/山名文夫と熊田精華展」も
ぜひ行きたいと思う。

さて、8月16日(水曜)から21日(月曜)まで
休業とさせていただきます。
発送は基本的に、入金確認後15日までと22日以降になります。
日記も休みます。
メールは生きていますので、何かありましたらメールでお願いします。

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コメント(2)

「わがままいっぱい」名取洋之助と日本工房の展覧会、海ねこさんに先を越される形になりましたが、昨日ようやく観てきました。この「NIPPON」にせよ「FRONT」にせよ、当時の対外宣伝誌ってやっぱり禍禍しく歪んだ存在ですね。読者がほとんど架空の存在であるという「自己完結」ぶりが痛ましい。デザインのかっこよさよりも、そちらの印象のほうが強いですね。詳しくはブログでどうぞ。
そうそう、この28日に矢野+細野の追加ライヴに行けることになりました! これも海ねこご夫妻の「後追い」ですね。
ひとつだけ老婆心。ジャクチュウは若冲ですよ、「若沖」じゃないですぞ。

デザインのよさより、そちらの印象が…。
同感です。
それにしても、あれだけの量をそろえたのですから、
もうちょっとキャプションなどで工夫があればと感じました。
ただ並べて、見る人に自由に感じてほしいという意図なのかもしれませんが、もっとメッセージを打ち出してもいいのではないかと惜しまれました。
「幻のロシア絵本 1920-30年代展」が懐かしかったです。

誤字のご指摘ありがとうございます。
お恥ずかしいです。気づかずにおりました。
目が悪いせいだと言い訳をしている場合ではなく、
人の名前は間違えてはいけないですね。
直しておきます。

28日、私たちも行きます。
ぜひお誘いしたかったのですが、
券が2枚しか当たらなかったので、
お譲りしたほうがいいのではないかと
我が家で相談しておりました。
ああ、行かれるのですね。よかったです!
お目にかかれますように!

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