2011年4月アーカイブ

こんな時期に目録を出し、展示&販売を行って・・・。
いいのかいいのかと思ってきました。今も思っています。
こんな時期にも関わらず、お買い上げくださいました方、ありがとうございます。
ご注文くださった方を思いながら、本を手入れしつつ梱包・発送します。
 
信用を築き上げるには時間がかかりますが、壊れるのは一瞬かもしれません。
何度かお買い上げいただいている方であっても、毎回、お送りします際は緊張します。
周囲の同業先輩を見ながら、そして、お客様と接していくなかで、なるべく状態が良い本を扱いたいと感じてきました。
それでも、珍しい本やめったに入手しにくい状況の場合、必ずしも、そうとばかりいかない場合もあります。
できるだけ、手を入れて何とかなる部分は状態を整えて大事に送り出したい。
なので、梱包・発送は、とても気を遣います。
「クリーニングぐらい早くやっておけば」ととある店から言われましたが、そのとおり。ですが、いったん整えたつもりでも、本文を再度よく見ますと、あちらこちら鉛筆あとがあったり、ゴミがあったり・・・。できるだけ、発送前の作業にはエネルギーと注意力を注ぎたいと思っています。
そういった作業をしながら、ご注文くださった方のお顔を思い出したり、お顔をまだ存じ上げない方の場合はメールやFAXの文面を思い出したりで、海ねこにとりましては大事な時間です。
順に梱包・発送を開始いたしますが、おそらく最大10日から2週間ほどお待ちいただく場合があるかもしれません。なるべく早くお届けできますよう、努めてまいります。連休中になんとかと思っております(梱包発送に集中したいので、電話には出にくい状況です。恐縮ながら電話でのお問い合わせ、ご遠慮申し上げます。ご用がおありの場合はメールあるいはFAXでお願い致します)。
 
今回お買い上げいただき、お預かりします代金は、今後の仕入れに使わせていただきます。
よそ様と異なり、なんの余裕もないまま、売り上げが次の仕入れにまわっていくような状態。開店時からいまだ、あまり変わりません。むしろ、N堂さんが指摘していたとおり、店を続ければ続けるほど欲しいもの、お客様から依頼されたもの、ニーズを知ったものなど、探したいもの&欲しいものは増える一方です。
 
目録を一度でも失敗すれば、次の回転資金がアブナイところでした。怖かった、大変怖かったです。どれほど不安だったか、こういうのは本人しかわからないことかもしれません。いや、目録を出している店は多かれ少なかれ、似た思いを抱えているのかもと思います。「リスキー」だと他店から言われましたが、そういう道を選んでしまったのは私でした。
おかげ様で、何とかまだ、もうちょっとは店を続けられそうです。それもこれも、ご利用くださる方、お力をくださいました方のおかげです。感謝申し上げます。これからもガンバらねば、ですね。
 
なお、あら、この本、よく残っているなあ、と店主も意外に思う良書がまだ残っております。
村山知義、茂田井武、長新太、石井桃子もあります。珍しいと思う絵雑誌も、個人的にオススメしたい洋書絵本もまだまだあります。
目録のご応募締切は4月29日でしたが、今後も在庫がありますうちはいつでもお届けできます。
まだだいぶ先になりそうですが、いずれ「日本の古本屋」にもアップします。検索しやすくなりますので、そちらもまた末永くご愛顧のほど、お願い申し上げます。
 
新緑の頃は、一年中で一番好きな季節です。どうぞ良い日々を!

4月22日・23日、東京古書会館2階で「古本 海ねこ 自家目録3号 ミニミニ展示会」を開催。

「茂田井武 装丁本」展も同時開催しました。

とくに23日はまるで嵐のような悪天だったのですが、足をお運びくださった方、誠にありがとうございました。

貴重な茂田井武本を貸し出してくださいました方、場所の利用を許可してくださった組合と組合理事ら、応援&御助言くださった同業の皆様、親切に対応してくださった(組合関係者は、いわば身内なので、敬語もヘンかもしれませんが)組合職員の皆様、どうお礼を申し上げていいのかわからないぐらい感謝感謝です。

ちなみに、雑誌が痛まないか心配でそっと展示していたら「雑誌は中ページを見せないと面白くないよ。ページ開いちゃっていいから」と言いにきたのは落穂舎さん。さささっとやってきて「いくら入れればいいかな」と照れくさそうに募金参加してくれた月の輪さん。悪天&お忙しい中、「ミズウミです」と照れくさそうに名乗って見に来てくださった絵本作家・Tさん。「茂田井はやっぱりいいですよねえ」と西秋書店出品の画稿を買うかどうしようか、真剣に悩んでいらしたミュージシャン・Kさん。

「地震のあと、なかなか本が読めなくて・・・・。はじめに見る気持ちになれたのは漫画で、次に見てみようと思ったのは絵本だったんですよね(茂田井の「セロ弾きのゴーシュ」。そんなとき手にとるのは商品でなく、流通している版です)。それで、ここの場所を組合が貸してくれるとなったとき、さて、ガラスケースが使えるから何かできないかなと思って、自分自身が見てみたいと思ったのが茂田井武本なんですよね。それでダメもとで、本を貸し出していただけませんかと何人かの方にお願いしたところ、快く貸し出していただけて! 皆様のおかげで、こんなにたくさん本が集まりまして。ご覧になった方が茂田井武って、こんなに仕事をしてたんですね、茂田井ってやっぱりいいですよねえ、ほっとしますとおっしゃる。やってよかったですよねえ」なんて、あれこれ、つぶやきたくなっていたー実際つぶやいていた私でした。

「たくさん仕事をしたんですが、それが全部、自分の医療費にまわっていっちゃったんですよね」と話してくださったのは、茂田井武さんのご家族。トムズボックス土井章史さんのご説明を聞きながら、ご熱心にメモをとっておられました。万一、これをお読みでしたらお伝えしたいのですが、茂田井武さんのご家族にお目にかかれましたこと、本当に嬉しかったです。お疲れのところ、「これだけたくさん本を見ることができて良かった」とおっしゃっていただき、誠にありがとうございました。

茂田井武さんのおかげで、私はたくさん希望をいただき、さまざまな局面でしばしば精神的に助けていただきました。古書価をつけられる良書を残してくださったおかげで、かつては成立しないといわれた絵本・児童書の専門店・専門目録を何とか続けてこられました。茂田井武さんがこよなく愛されていたご家族にお目にかかれて、少しでもお喜びいただけましたようでしたら、本当に良かったです。しかも、ご覧になった方からさまざまな反応をいただき、まるで自分のことのように嬉しかったです。まるで、藤澤清造好きのあの作家さんのようですが、やっぱり好きなんですよ。

茂田井武さんもそういう人だったのかもしれませんが、ご家族も、優しさと温かさ、そして、強さ・たくましさを感じさせる方でした。

書きたいことはもう本当に山ほどーエベレストの高さぐらいあるのですが、とりいそぎ、写真をアップします。開店前にiPhoneでぱぱっと撮影した写真なので、あまりよく撮れてませんが・・・。ミワちんの直筆&紙版画フレームなどボケていて写真が使えず、ごめんなさーい。わわ、なんで縦位置の写真が、アップすると横向きになったり、天地逆になってしまうのか。あとで直せたら直します。こんなですいませんが、とりいそぎ。(クリックすると、ちょっと大きくなります。ボケちゃうけど)

なお、集まりました募金は4月27日現在、「国境なき医師団」に6665円を寄付しました。僅かな額かもしれませんが、ご協力くださった方々のお気持ちがこもっています。国境なき医師団HP上で「東日本大震災 緊急援助」を選ぶとカード決済可能です。宮城県・岩手県に仮設住宅、患者用車両、医療機材を届ける活動をしているそうです。きちんとしていそうだし、いいかもという直感で選びました(北尾トロさんもそこに寄付していたし、国際的な視点をきちんと持って実績を重ねてきているし)。しかし、やってみないとわからないものですね、募金を募るって想像以上に難しいのですね。「お願いします」とはなかなか言いにくいし、とくに23日は「お願いします」と言うことにエネルギーを向けられず、ほとんど22日に集まった額です。

こんな時期に目録を出していいのか、展示会などやっていいのかと何度も思いました。被災地の方々にスーちゃんだって、あれほど素晴らしい言葉を遺していったのです。「この時期だからよけい目録がうれしかったです」「家族が落ち込んで仕事も手につかないさまでしたが、自分の仕事をきちんと続けていこうという気持ちになりました。目録に励まされました」「この展示会が見たくて、地震のあと初めて神保町に出かける気になりました」などとおっしゃっていただいた方、厚く御礼申し上げます。

ブログ書き出すと、どんどん書き足したくなり、どんどん長くなってしまいます。土井さんから、見たことがない茂田井武本の世界を教えていただき、楽しかったです。ご来場いただいたお客様とお話ができたのも楽しく、また勉強になりました。私が×千円と値段設定した雑誌が、画稿は見つかっているけれど、印刷物は誰も見たことがない「幻の雑誌」だと、お詳しい方から指摘され、驚きました。自分の無知を恥じてしょげましたが、激しく勉強になりました。そんなこともお聞きしなければわかりませんので。接客は苦手で、失礼の数々、恐縮なばかりでしたが、お客様から教えていただくことは、どれほど多いことかと思います。いつかまた、お目にかかれますように。そのためにも、まずは目の前のことに打ち込みます。できることから、かかります。

では、仕事に戻ります。お待たせしています方々、もうしばし時間をくださいませ。

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◇古本 海ねこ自家目録3号 ミニミニ展示会 開催のご案内◇
●期日  4月22日(金曜)10時~18時
     4月23日(土曜)10時~16時
●場所 東京古書会館 2階(東京都千代田区神田小川町3-22)
●連絡先 090-8775-1867(海ねこ携帯 出られないときは
留守電にご連絡先・メッセージをお願いいたします。
携帯が通じにくい場合は東京古書会館 代表03-3293-0161 展示当日の時間内のみ)

●特別展示 今こそ伝えたい魅力・・・ 茂田井武の装丁本
(協力・古書 落穂舎、龍生書林、西秋書店、トムズボックス ほか 一部即売)
 
茂田井武の装丁本 百数十冊、そして、海ねこの目録掲載本を展示いたします。
洋書絵本など即売予定。同時期、古書会館地下では「書窓展」開催中です。

お問い合わせ先 〒181-0015 東京都三鷹市大沢4-17-13
古本 海ねこ 加藤友子・場生松友子 tomobash@parkcity.ne.jp

http://www.kosho.ne.jp/news/shopinfo_110404.html

(文字データはこちらにも↑)

 


 

 

4月22日・23日、古本 海ねこミニミニ展示会で
「今こそ伝えたい・・・ 茂田井武 装丁本」展を同時開催いたします。

古書落穂舎、龍生書林、西秋書店、トムズボックス(敬称略)ほかにご協力をいただき、
茂田井武の装丁本・絵本・雑誌など150冊以上。
おそらく、茂田井武の古書ー写真やパネルでなく、復刻でもなくー
出版当時の「現物!」をこれほどたくさん見られる機会は、おそらく、なかなかないでしょう。
(ご本人にご覧いただきたいぐらいです。見にきてくださらないかしら、天国から)

茂田井武は雑誌「新青年」で小栗虫太郎らの挿絵を描いていますが、
暗さがたまらない・・・。怖い、とても怖いのになぜなのでしょう、ひきつけられます。

仕事の一貫ではありますが、あまりよく見たことがない本や雑誌を目にすることができ、
古書店冥利に尽きます。ううん、これが商売抜きだったら、
ーーいや、茂田井武に関しては私も商売度外視の部分大ですがーー、
これほど幸せなことはないなあ。
いや、こんな機会に茂田井武を見られるなんて、古書店をやっていて良かったです、
そして、今回の展示を行うことができて本当に良かったです、ご協力者の皆様、ご来場くださる皆様のおかげです。

こんなときに古書目録など発行してしまい、もしかしたら、もう店が立ちゆかなくなるかも、、、と情緒不安定。そんな店主の心にも、茂田井武の絵は優しく沁みてきます。

↓ちょっとだけお見せします・・・。うーむ、素晴らしい。茂田井武さん、本の作り手の方々、本を引き継いできた愛書家の方々、古書店の方々、誠にありがとうございます。

無事にやり遂げて、本を持ち主の方に無事お返ししますまでは、私は無事でいるしかありません。どうか、これをご覧の方も無事でいらしてください。そして、足を運べる環境にある方はぜひご来場ください。

茂田井は昭和31年11月2日 午後5時32分逝去、享年48歳でした。
戦前の探偵小説から始まって、昭和20年代にどれほど多く、
しかも1点1点、どれほど完成度の高い本を世に送り出してきたことか。
できるだけ、発行年の順に陳列してみたいと思っております。

「魔童子 かきおろし探偵傑作叢書」(小栗虫太郎 茂田井武・装丁 黑白書房 昭和11年)

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「航續海底二萬里哩  海洋小説集」(小栗虫太郎 茂田井武・装丁 熊谷書房 昭和16年)

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「大東亜の國々 タイ仏印」(栗原静一 茂多井武=クレジットママ・絵 大同印書館図絵部 昭和18年)海ねこ自家目録 3号 掲載商品です。  

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「ボクノウミ」(佐藤義美 茂田井武・絵 博文館 昭和19年)

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「電気スケート ゑばなし文庫・2」(奈街三郎 茂田井武・絵 川流堂書房 昭和23年)

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「カッパの國 こどもかい文庫」(小林純一 表紙・挿絵 茂田井武 櫻井書店 昭和23年)

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「さるまねべんちゃん」(奈街三郎 茂田井武・絵 国民図書刊行会 昭和23年) 海ねこ目録3号 掲載品です。

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「ひきがえるのえいがかい 一年生の童話」(巽 聖歌 装丁・挿絵 茂田井武 國華堂 昭和26年)

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海ねこ自家目録3号、取扱店です。

古書 往来座(池袋) http://www.kosho.ne.jp/~ouraiza/
古書ほうろう(千駄木) http://www.yanesen.net/archives/horo/
音羽館(西荻窪)
古書 善行堂(京都)http://www.hat.hi-ho.ne.jp/zenkoh/

 

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22日・23日のミニミニ展示会で

1点でもお買い上げいただきました方に、こんなに可愛いしおりを差し上げます。

poppetさんが素敵な紙をセレクト、デザインしてくれました。

紙の質感などネットでは伝わりにくいのが残念。ぜひ現物をご覧いただきたいです。

たくさん用意しましたが、それでも限りはあります。万一なくなってしまったときはお許しください。

過去のしおりも含めて、ぜひどうぞー。

http://www.umi-neko.com/present/index.html

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お待たせしております。自家目録3号を入稿しました。

これから校正をしながら、4月22日(金曜)・23日(土曜)に神保町・東京古書会館2階にて行う「古本 海ねこ ミニミニ展示会」(10時~18時、23日は10時~16時)の準備にかかります。

目録は4月14日以降に順次配送予定です(応募締切4月29日)。

海ねこでここ何年かの間に一定額以上、絵本・児童書をお買い上げいただきました方には進呈いたします。そうでなくてもご希望の方は、600円分の切手(80円切手・50円切手の組み合わせで)をお送りいただければ送付いたします。  

展示会には、目録3号に掲載しました洋書絵本を中心に主だった商品を持参したいと思います。ただ、すべては展示できそうにありませんので、発送がぎりぎりになりまして恐縮ですが、何か現物をご覧になりたいものがありましたら前もってお申し付けください。ご用意のうえ、展示会でお待ち申し上げます。洋書絵本は即売予定ですので、現物をご覧のうえ、ご購入いただけます。

なお、今回、「今こそ伝えたい魅力・・・ 茂田井武の装丁本」展も同時開催いたします。

なかなか目にすることもない茂田井武の貴重本を100冊以上、展示いたします(協力・古書 落穂舎、龍生書林、西秋書店、トムズボックス ほか 一部即売)。

すでに少しずつ揃い始めていますが、一生かかっても実物を見られないかもしれない(大げさでなく)、と思うものも少なくありません。昭和20年代前半の、それもごくごく僅かな年数に、茂田井武がどれほどたくさん描き続けたことか・・・。リストを作りながら感銘を受けました。しかも、唯一無二の持ち味はいずれの本にも惜しみなく発揮され、こんなにたくさんの本があるというのに、手抜きなど皆無です。私が下手な言葉を並べ立てるよりも、現物をご覧いただければ一目瞭然。全身全霊ー文字どおり「全霊」と思いますーで描き出した、ときにユーモラスな、あるいは、しみじみ深みある世界・・・。小さな小さな本に詰まった、ゆるやかでたっぷり豊かな時間。完成度の高さには心底、驚かされます。ここまでよくぞなし得たなと、人はこれほどのものを作り出せるのかと希望を感じずにいられません。

茂田井武の持ち味・独特の雰囲気は、きっと見る人の心に優しく溶け込んでいくことでしょう。またとない機会です。今このようなときですが、いえ、今このようなときだからこそ、よろしかったらぜひ足をお運びください。

(追記・茂田井武は巧すぎないのが好きです。技術に頼るのでなく、心で描いている印象を受けます、私感。

「茂田井武が100冊以上? どうやってそんなに集めるんですか」と、とある人に驚かれました。

私ひとりだったら、今回目録に掲載している僅かな冊数で精一杯でしょう。ひとえに、大事な本を貸し出してくださる店・方のおかげです。茂田井本がこれほど集まる機会が今後あるのかと考えると、なんだか勿体なくて、急いで図録を作りたくなってしまいます。ですが、西秋書店さんにも「自分の店の本を売ることをもっときちんと考えないと」と言われたし、確かにそうなので、我慢我慢我慢。図録を作るとなったら、書影も入れたくなってしまう→スキャンに時間がかかる→出品者・関係者に原稿をお願いしたくなる→ついには印刷したくなる→いっそのことカラー印刷したくなってしまう→厖大な印刷代がかかる→自分の店のこともきちんとやれないまま、もう延々、図録製作に熱中してしまう、、、、に違いない、私の性格)

最後に。被災地の方、また、いろいろな出来事に心を痛めている方に心よりお見舞い申し上げます。

すでに何度か義援金は出しましたが、それで良いのかどうか考えています。今回のミニミニ展示会で売り上げを被災地へ、というのも考えましたが、私は、そうでない形でも何かをしていけないだろうかと、今現在、考えています。昨日も、古書組合理事・職員、公文堂ともちゃんと、組合で何かできないだろうかと話し合いました。組合で募って、絵本・児童書を用意することは可能です。必要な層に見合う選別も、割合、可能かと存じます。なにしろ、組合には本がたくさん集まってきます。行き先を探している本がたくさん待機しています。

ちなみに、なぜ絵本・児童書かというと、お子さんたちに絵を眺めたり、物語に没頭する時間を持っていただきたいということもありますが、私自身、震災後、なかなか本を読むことができませんでした。最初に読めるようになったのは漫画、児童書でした。大人にも懐かしい児童書を手にとっていただきたい、記名があっても、多少古びていても、50年代ー70年代頃の児童書をお届けしたくなります。「漫画もいいのではないか」と、柔らか頭の理事が発言していたのは、新鮮な驚きでした。漫画も、組合にはたくさん集まってきます。

本を求めていらっしゃる方からのオファーがあれば、動きやすいですし、ぜひ古書組合として何かできたら、と話しました。ただ、大事なのは、突発的に思いつきで動いて終わることでなく、長期的にうまく続けていけるかどうかでしょう。本当に必要としている方のもとに、どうしたら望まれている本を効果的にお届けしていけるのか。簡単に進むとはなかなか考えにくいものの、受け入れ側との連係プレイが徐々に出来ていけば、じっくりプロジェクトとして展開していけるのでは、と言い合いました。

それぞれのお立場・お考えから御意見・ご希望などございましたら、コメントに書き込んでいただけますと幸いです(追記・メールをくださった方に御礼申し上げます。本欄コメントもどうぞお気軽に-)。組合理事らにも伝えたいと思います。

↓夏から蒐書しました絵本・児童書を掲載しました。本文212ページ。

poppetさんが、こんな素晴らしい表紙を作ってくれました。

巻末には、堀内花子さん(堀内誠一氏ご長女)の寄稿も。「堀内誠一 旅と絵本とデザインと」展と私ー。「堀内誠一展」をめぐる堀内家の歴史、が綴られています。どうぞご期待ください。

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