茂田井武 装丁本の世界

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4月22日・23日、古本 海ねこミニミニ展示会で
「今こそ伝えたい・・・ 茂田井武 装丁本」展を同時開催いたします。

古書落穂舎、龍生書林、西秋書店、トムズボックス(敬称略)ほかにご協力をいただき、
茂田井武の装丁本・絵本・雑誌など150冊以上。
おそらく、茂田井武の古書ー写真やパネルでなく、復刻でもなくー
出版当時の「現物!」をこれほどたくさん見られる機会は、おそらく、なかなかないでしょう。
(ご本人にご覧いただきたいぐらいです。見にきてくださらないかしら、天国から)

茂田井武は雑誌「新青年」で小栗虫太郎らの挿絵を描いていますが、
暗さがたまらない・・・。怖い、とても怖いのになぜなのでしょう、ひきつけられます。

仕事の一貫ではありますが、あまりよく見たことがない本や雑誌を目にすることができ、
古書店冥利に尽きます。ううん、これが商売抜きだったら、
ーーいや、茂田井武に関しては私も商売度外視の部分大ですがーー、
これほど幸せなことはないなあ。
いや、こんな機会に茂田井武を見られるなんて、古書店をやっていて良かったです、
そして、今回の展示を行うことができて本当に良かったです、ご協力者の皆様、ご来場くださる皆様のおかげです。

こんなときに古書目録など発行してしまい、もしかしたら、もう店が立ちゆかなくなるかも、、、と情緒不安定。そんな店主の心にも、茂田井武の絵は優しく沁みてきます。

↓ちょっとだけお見せします・・・。うーむ、素晴らしい。茂田井武さん、本の作り手の方々、本を引き継いできた愛書家の方々、古書店の方々、誠にありがとうございます。

無事にやり遂げて、本を持ち主の方に無事お返ししますまでは、私は無事でいるしかありません。どうか、これをご覧の方も無事でいらしてください。そして、足を運べる環境にある方はぜひご来場ください。

茂田井は昭和31年11月2日 午後5時32分逝去、享年48歳でした。
戦前の探偵小説から始まって、昭和20年代にどれほど多く、
しかも1点1点、どれほど完成度の高い本を世に送り出してきたことか。
できるだけ、発行年の順に陳列してみたいと思っております。

「魔童子 かきおろし探偵傑作叢書」(小栗虫太郎 茂田井武・装丁 黑白書房 昭和11年)

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「航續海底二萬里哩  海洋小説集」(小栗虫太郎 茂田井武・装丁 熊谷書房 昭和16年)

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「大東亜の國々 タイ仏印」(栗原静一 茂多井武=クレジットママ・絵 大同印書館図絵部 昭和18年)海ねこ自家目録 3号 掲載商品です。  

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「ボクノウミ」(佐藤義美 茂田井武・絵 博文館 昭和19年)

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「電気スケート ゑばなし文庫・2」(奈街三郎 茂田井武・絵 川流堂書房 昭和23年)

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「カッパの國 こどもかい文庫」(小林純一 表紙・挿絵 茂田井武 櫻井書店 昭和23年)

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「さるまねべんちゃん」(奈街三郎 茂田井武・絵 国民図書刊行会 昭和23年) 海ねこ目録3号 掲載品です。

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「ひきがえるのえいがかい 一年生の童話」(巽 聖歌 装丁・挿絵 茂田井武 國華堂 昭和26年)

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