古本 海ねこ 自家目録3号、まもなく完成

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お待たせしております。自家目録3号を入稿しました。

これから校正をしながら、4月22日(金曜)・23日(土曜)に神保町・東京古書会館2階にて行う「古本 海ねこ ミニミニ展示会」(10時~18時、23日は10時~16時)の準備にかかります。

目録は4月14日以降に順次配送予定です(応募締切4月29日)。

海ねこでここ何年かの間に一定額以上、絵本・児童書をお買い上げいただきました方には進呈いたします。そうでなくてもご希望の方は、600円分の切手(80円切手・50円切手の組み合わせで)をお送りいただければ送付いたします。  

展示会には、目録3号に掲載しました洋書絵本を中心に主だった商品を持参したいと思います。ただ、すべては展示できそうにありませんので、発送がぎりぎりになりまして恐縮ですが、何か現物をご覧になりたいものがありましたら前もってお申し付けください。ご用意のうえ、展示会でお待ち申し上げます。洋書絵本は即売予定ですので、現物をご覧のうえ、ご購入いただけます。

なお、今回、「今こそ伝えたい魅力・・・ 茂田井武の装丁本」展も同時開催いたします。

なかなか目にすることもない茂田井武の貴重本を100冊以上、展示いたします(協力・古書 落穂舎、龍生書林、西秋書店、トムズボックス ほか 一部即売)。

すでに少しずつ揃い始めていますが、一生かかっても実物を見られないかもしれない(大げさでなく)、と思うものも少なくありません。昭和20年代前半の、それもごくごく僅かな年数に、茂田井武がどれほどたくさん描き続けたことか・・・。リストを作りながら感銘を受けました。しかも、唯一無二の持ち味はいずれの本にも惜しみなく発揮され、こんなにたくさんの本があるというのに、手抜きなど皆無です。私が下手な言葉を並べ立てるよりも、現物をご覧いただければ一目瞭然。全身全霊ー文字どおり「全霊」と思いますーで描き出した、ときにユーモラスな、あるいは、しみじみ深みある世界・・・。小さな小さな本に詰まった、ゆるやかでたっぷり豊かな時間。完成度の高さには心底、驚かされます。ここまでよくぞなし得たなと、人はこれほどのものを作り出せるのかと希望を感じずにいられません。

茂田井武の持ち味・独特の雰囲気は、きっと見る人の心に優しく溶け込んでいくことでしょう。またとない機会です。今このようなときですが、いえ、今このようなときだからこそ、よろしかったらぜひ足をお運びください。

(追記・茂田井武は巧すぎないのが好きです。技術に頼るのでなく、心で描いている印象を受けます、私感。

「茂田井武が100冊以上? どうやってそんなに集めるんですか」と、とある人に驚かれました。

私ひとりだったら、今回目録に掲載している僅かな冊数で精一杯でしょう。ひとえに、大事な本を貸し出してくださる店・方のおかげです。茂田井本がこれほど集まる機会が今後あるのかと考えると、なんだか勿体なくて、急いで図録を作りたくなってしまいます。ですが、西秋書店さんにも「自分の店の本を売ることをもっときちんと考えないと」と言われたし、確かにそうなので、我慢我慢我慢。図録を作るとなったら、書影も入れたくなってしまう→スキャンに時間がかかる→出品者・関係者に原稿をお願いしたくなる→ついには印刷したくなる→いっそのことカラー印刷したくなってしまう→厖大な印刷代がかかる→自分の店のこともきちんとやれないまま、もう延々、図録製作に熱中してしまう、、、、に違いない、私の性格)

最後に。被災地の方、また、いろいろな出来事に心を痛めている方に心よりお見舞い申し上げます。

すでに何度か義援金は出しましたが、それで良いのかどうか考えています。今回のミニミニ展示会で売り上げを被災地へ、というのも考えましたが、私は、そうでない形でも何かをしていけないだろうかと、今現在、考えています。昨日も、古書組合理事・職員、公文堂ともちゃんと、組合で何かできないだろうかと話し合いました。組合で募って、絵本・児童書を用意することは可能です。必要な層に見合う選別も、割合、可能かと存じます。なにしろ、組合には本がたくさん集まってきます。行き先を探している本がたくさん待機しています。

ちなみに、なぜ絵本・児童書かというと、お子さんたちに絵を眺めたり、物語に没頭する時間を持っていただきたいということもありますが、私自身、震災後、なかなか本を読むことができませんでした。最初に読めるようになったのは漫画、児童書でした。大人にも懐かしい児童書を手にとっていただきたい、記名があっても、多少古びていても、50年代ー70年代頃の児童書をお届けしたくなります。「漫画もいいのではないか」と、柔らか頭の理事が発言していたのは、新鮮な驚きでした。漫画も、組合にはたくさん集まってきます。

本を求めていらっしゃる方からのオファーがあれば、動きやすいですし、ぜひ古書組合として何かできたら、と話しました。ただ、大事なのは、突発的に思いつきで動いて終わることでなく、長期的にうまく続けていけるかどうかでしょう。本当に必要としている方のもとに、どうしたら望まれている本を効果的にお届けしていけるのか。簡単に進むとはなかなか考えにくいものの、受け入れ側との連係プレイが徐々に出来ていけば、じっくりプロジェクトとして展開していけるのでは、と言い合いました。

それぞれのお立場・お考えから御意見・ご希望などございましたら、コメントに書き込んでいただけますと幸いです(追記・メールをくださった方に御礼申し上げます。本欄コメントもどうぞお気軽に-)。組合理事らにも伝えたいと思います。

↓夏から蒐書しました絵本・児童書を掲載しました。本文212ページ。

poppetさんが、こんな素晴らしい表紙を作ってくれました。

巻末には、堀内花子さん(堀内誠一氏ご長女)の寄稿も。「堀内誠一 旅と絵本とデザインと」展と私ー。「堀内誠一展」をめぐる堀内家の歴史、が綴られています。どうぞご期待ください。

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