2008年2月アーカイブ

月曜は市場。モチベーション復活(と信じたいが、どうだろう)、とてもたくさん買う。
海ねこ向けと思う本が混ざっていれば大山ごとドカントカンと買うため、そうなります。
買ったあとで、荷主(出品者)が
「何かいいものありましたか?」
「あの中に~が混ざっていますよ」
と話しかけてきました。

時間と場所がなかったので、一息に大量の本をどんどん分類して紐で縛って積み上げていく。
腰をかばうヒマなし。
左足がじんじん痛いのは、脊髄から来ているもの、かどうか。

帰宅して発送作業。夜はEtt(エット)ライブ。
下北で立ち寄った屋上屋台店、料理がすこぶる美味。
夏場はオープンらしいですが、冬は防寒対策がほどこされ、石油ストーブの香り。
地元のなじみの店にも立ち寄り、またしても暴飲暴食ぎみ。
またやってしまったと、反省することしきり。
うう、と唸っている場合ではなく、ご注文本を倉庫にとりにいってこなくては。

ちなみに昨日読んでお勧めのマンガは、
「ソラニン」(浅野いにお)。全2巻。
十代二十代のころ、もがいて生きていた気分をリアルに思い起こさせます。
キャラクターがいずれも魅力的。浅野いにお、おそるべし。
電車で目を真っ赤にして読んでいたのは私です。昨晩は「あのシーンが・・・」「いまだにもがいているね」なんて話しながら、どんどん飲んでしまった。
Ett西本さゆりさんのマイブームは、エジプトを舞台にした「王家の紋章」とのことです。

ちょっとしたことをやってみようと
ちょっとばかり準備に着手しました。

まだ公表するには早いので、
もうちょっと形になりそうになってからご報告します。

なんとなくなりゆきで、そんなことになってしまい、先方はいかがお感じかと思うけれども。またしても、海ねこのお客様の力をお借りすることに。人に恵まれてます。感謝あるのみ。

問題は形にしていく力があるかどうか、自分に。

もっと勉強しないとダメ。もっと何とかせねば。

新しいことをするのは、未踏の道をそろそろ歩み出すようで不安。だけど、楽しみでもあります。

「ネット古書店だから、こんなに忙しいのかな私」と聞いたら
「違うよ。いっぱい寝てるから、1日が短いんだよ」
と、家族から一笑に付された。

確かに、確かに。

グチめいたものなどブログに書いてしまい、
読んでいただくのも申し訳ないぐらいだった。
でもしかし、お客様からアドバイスをいただいたり、
ついでに近況報告をしていただいたり。

そして「データ入力しますよ、私でよかったら」と
ツルの一声をいただく。

自分ひとりでグチっているより、
優秀な人のお力をお借りして、
GOGO、ですね。
なんか、この世の皆様に生かしていただいているなあ。

「日本の古本屋」入力は優秀なその方におまかせするつもり。雑誌「MOE」など、目次を見ながらテキストを海ねこ用に入力してくださる方のみ、引き続き募集中です。

「こどものとも前半はいつごろアップされますか」
「ABCブック、もう品切れですか」
「~は、もう手に入らないんですか」
「キーピングはいつごろ?」
などなど、いろいろな方からのメールにヤラネバヤラネバと唱えつつ、
ついつい惰眠をむさぼってしまう冬の一日。
宣言しておこう、ABCブック、再入荷分を今日中に入力したいと思います。
これでやらなかったらダメダメの極致、笑ってやってください。

では、発送作業にかかります。

昨日は、市場の大市下見のあと、
古書店仲間とリブロ池袋本店「春の古本まつり」をのぞく。大盛況だった。
顔見知りが大勢いた。朝から晩まで売り場にいなくてはならない様子。
長丁場でハードそう。「倒れないようにね」と声をかける。皆さん、頑張っていて凄いなあ。

往来座・瀬戸さん、退屈男さんにバッタリ。
退屈さんに「名古屋ブックマーク」冊子をいただく。
ちょうど、家族が名古屋でのぞきにいってきたとメールしてきたばかり。
「わめぞの棚が名古屋にあって不思議だった」そうです。

ポラン書房へ。南部で切ない訃報があり、2箱3日古本市の打ち上げは中止。
同業仲間らとバスで荻窪に出る。
大好きな店に案内しようとしたら日曜のため休業。
隣の「ささま書店」で「このへんでおいしい店は?」と教えてもらって、
寒空のもと焼き鳥屋へてくてく歩いたが、あいにく閉店。
「寒いから近くにしましょう」というリクエストがあり、
昔ときどき行った「春夏秋冬」で魚、生ビール2杯と浦霞2合。

さまざまな情報交換など。
初対面はいつだったか、だれの紹介でどのように出会ったのかなど
思い出を話しあう。

帰宅して、2泊留守だった家人といろいろ話す。
話が弾んで、ついついさらに飲む。
図にのったツケは、じき来る。
起きるのが辛い。
風呂に入ったりあの手この手でリカバーを目指し、なんとか買取に出かける。
買取のご経験があまりないようで、ネットのやりとりしながら、は初めて、と、ご不安だったそう。
そのため電話でもやりとり、挨拶をしたうえでかわした訪問約束である。
きちんと守らなくてはね。

現物を拝見したところ、丁寧に扱っていらしたようで状態がよい。
「欲しい方がいらっしゃると思いますので、有難いです」とお礼を言うと、
本当に喜んでくださり、笑顔がまぶしかった。なんて素敵な人!
当方では何度目かの買取となるものだが、
初版なので、再版にはついていない特別付録がついているところがミソ。
次の目録に掲載することにしよう。

多摩川の橋から富士山が雪帽子を抱いて、雄雄しく美しく見えた。
夏、あのてっぺんに立ったのかと思うと、感慨深いな。

昨日の市場の結果をネットで確認したところ、
大正、昭和初期の絵本を買うことができた。
驚くほど印刷が美しく、衝撃的なほどだったので、
これはぜひ店の商品として欲しい、皆様にご紹介したいと思ったのだ。
ふーむ、下値か。高く買いすぎたかもしれないが、
T書店さんだったら「高くても、とにかく買えればいいのですよ」と、
おおらかに笑うだろう。
白林少年館「ドリトル先生」は、どこの店が買ったのだろうか。

昨日の市場で、稲垣書店・中山信如さんからお声をかけていただいた。
「古書月報」に掲載してもらった拙文をご覧くださったとのこと。恥をかいた甲斐もあったというもの?

さて、市場への支払いもあるし、
買取でお譲りいただいたものがたくさんあるし、
もっともっと入力に励んでいかないとなあ。
それにしても、催事に対する苦手意識はどうやったら克服できるのだろうか。
積極的に古書関連のイベント参加する人や、
大規模の催事にバンバン参加している古書店を尊敬する。
イベントに参加したら楽しそうだし、宣伝効果も大きいだろうし、勉強になるだろうし、いいなあ。素敵だなあ。
おおいに憧れるが、今のところ、ひとりでは現状のやり方が精一杯。

4年以上続けてきて、全情報をネット公開してしまうメリットとその逆に、少々気づいてきた。
とっておきの本を自家目録にまとめて、
お客様にお届けするやり方にも憧れる。
できれば薄手の自家目録をちょこっと作りたく、
今度の5月、5周年を迎えるのでそこにあわせてお世話になっている人に配布したいと思った。
けれど、締め切りがないとなかなかかかれず、だなあ。
やはり、「本の散歩展」「月曜倶楽部」など締め切りがある目録に
掲載させてもらうのがいちばん向いているのかどうか。
古書店仲間とも、どうやってやっていくのがいいのかよく話すのだが、
お客様にとっては、どんな方法がよいのだろうか。

どんなに非効率的でも、貧乏底辺古書店としてあえぎつつも、
ネットであれ、自家目録であれ、
1冊1冊、コツコツ入力していくのが合っているのだろう。
未入力の本をとにかくできるだけ日本の古本屋に入力する期間が欲しい。
HPの入力は文字数が多く、とても大変そうだったので、
名乗り上げてお手伝いくださったお二人にはちょっと申し訳なく感じた。
とてもよくやってくださり、本当に感謝しています。
日本の古本屋への入力量は限られているので、どなたかお願いできないでしょうか。
入力をバイトでお手伝いくださる方、募集中です。条件・ギャラは相談のうえ。
できれば、都内近郊の方。本は車でお届けします。古書の状態を確認して、難点など判断できる方を希望。
古書を買うことに慣れている方が有難いかも。
派手さとは無縁な店ですが、
喜んで買取します。販売もします。まだまだ続きます。

さて、発送をして、注文本をとりに倉庫へ。本の撤収のためポラン書房へ行かなくては。

書かないときはずーっと書かないくせに、
同じ日に何度書くんだか。躁鬱気質か?
でも、めったにないぐらい、喜ばしい出来事なのでブログにも書き留めておこう。

プレゼント用の発送のご依頼をいただくことがあります。
受け取った友達がとても喜んでいます、とメールをいただきました。
その方の文章がとても上手なこともありますが、細かく丁寧に描写してくださり、
本当にお喜びいただいた様子がありありと伝わってきました。
本を選んだ方のセンスと、受け取った方の感性とすべてがよかったおかげでしょう。
送り出したこちら側まで、喜び倍増です。おかげさまで、プレゼントを受け取った方、プレゼントの贈り主、そして、本をお届けした当方と、3人で一緒に喜べた気分。とてもうれしい。

在庫があってもなかなか更新が追いつかないのが悩みですが、
頑張りすぎない程度に(頑張りすぎると反動で、また間があいてしまうので)
コツコツ更新していきたいと思います。
で、更新しました。1956年のアリス&マーティン・プロヴェンセンほか8冊。

さあ、日曜は年何度かの大きな市場。
何か良いものを探せないか、気合を入れて行ってきます。終わり次第ポラン書房へ行く予定だけれど、Fさんに会えるかな。会えればいいのだけれど、時間が読めなくてすんませんね、Fさん。いただいたカレンダー、毎日眺めてはFさんのことを思い出しておりました。

「平家つまみ納豆」--天塩と日高産昆布で漬け込み天日乾燥させたおつまみ納豆。
これ、旨いね。367円。
こいしや商品株式会社」の「平家ブランド」。
写真も掲載されています。

昨晩からのお気に入りです。ひとつ買えば何日かもちそうだし。

さて、明日は市場。中央市会大市だ。
どんなものと出会えるだろうか。

当方の近所は、散策コースにこと欠かない。
湧き水をたたえる深大寺、鎮守の森はじめ。
野川という、護岸工事があまり施されていない、感じのいい小川がある。
川辺に犬を散歩させる人、遊ぶ子ども。
シロセキレイ、カモ・・・鳥がそこかしこに。
自宅でメール対応、発送、入力などしていると運動不足になりがちなので、
暖かいうちに歩いてくる。

野川沿いにしばらく歩いていくと、農家の軒先販売店がある。
軒先販売店もいろいろだが、お気に入りのそこは、
土づくりから工夫して栽培しているさまが写真入りで解説されている。
小松菜、水菜、レタスだけで3種、前に買って気に入ったワサビ菜、
ラディッシュ、ロケット、ローズマリー、名前を知らない菜っ葉など、
種類豊富で、いずれも新鮮・美味。どれも100円。
きょうはご不在だったが、前に立ち寄ったときはご主人がいらっしゃったので
「おいしい野菜をありがとうございます」とお礼をいった。
生産者が見えるというのは、ありがたいことです。

その先に「クライン・シンケン」という手作りソーセージ・ハムの店がある。
ワインに合うものを選んでしまうと、またしてもワインを買いにいってしまいそうなので
無添加ソーセージとチョリソ100グラムずつ買う。それぞれ3本ずつ。
ふだんめったに食べないものだけれど、
これならビールを飲みたくなりそうだから、少なくとも今晩ワインは飲まずに済むでしょう。
店主が丁寧に作って、丁寧に販売している店。
何を選んでも(今のところ)味にはずれがない。
前に待っていた女性が、その場でピザを作ってもらっていたので
真似して作ってもらった。玉ねぎたっぷりだ。
作ってもらう間、持ち歩いていた「本棚」(ヒヨコ舎)を開いて、
中島らもの書棚を眺める。

悪くない。

川辺を歩いて、おいしい野菜とソーセージを買って、
ああ、この近くに感じのいい古書店があったら最高だなと感じる。
調布には「円居」という良い古書店があるけれど、結構遠いのだ。
このあたりの閑静な住宅街でやるなら、鷹の台にある「みどり文庫」のイメージだろうな。
やれば、自分、とも思うけれど、
仕入れをしながら家賃を払って、さらなる運転資金を生み出し
回転させていくのは至難の業。
ましてや、人通りが多くない場所だし。
そんなお店には、できれば客としてぷらりと行く側のほうがいいな。
第一、店舗にずっと居なければならないのは辛いし、
仕入れのため市場へ行ったり買取に出かけたりで、ひとりでは物理的にも無理。
路上販売店のように「お代はここに入れてください」と無人でいいなら
やりたいかな。けれど、それだと、まあ、安い本しか置けないよね。

このあたり、歩いていると、本当によくねこを見かける。
帰り道には梱包材屋もあって、
海ねこ散歩コースとしては抜群だ。

工作舎のIさん宅がご近所。
そういえば、前に歩いていたらIさんの奥様とバッタリ遭遇した。
こんな春めいた陽射しの日中、Iさんご一家も散歩されているだろうか。

明日は市場(中央市会・大市)の下見のあと、ポラン書房へ行く予定。
明日は大勢に会うだろうから、ようやく人と話すことができるな。
今日はひとり、黙々と仕事をすることにしよう。
家族が不在だと、ワインを1本丸々、ひとりで飲んでしまう。
大量に飲まないで済ますためには、仕事をして自分を忙しくさせるのがいちばん。

これから、発送、そして、ハガキでご注文分の受注文を郵送しよう。できれば夜、入力したい。
「素敵な本が多いですが、品切れが多いですね。品切れの本は買えないのですか」と
メールで問い合わせをいただいたのだった。ああ、すんません、入力しますします。

ある時期から携帯メールでの注文が増えたなと思っていたら、
最近はハガキでの注文が多い。
先日、電話がかかってきて「~の在庫ありますか?」と聞かれたときは、
突然だったので、どんな本だかぱっと思い出せず、
「倉庫に行って確認してからお答えします」と応じる。
若い男の子だった。話ができて新鮮。楽しかった。
だけれど、返事は携帯メールへ送ってください、
本の画像を写メールで送ってくださいとのご希望。
本を写メールで撮影したことがないし、添付の仕方とかよくわからなくて
むむむのむだ。頭が追いついていかず戸惑ってしまうのですよ。
さまざまな形でご注文やらお問い合わせやらいただくため、
どう対応すればよいのか、案外頭を使う。
酔ってばかりいられませんよ(笑)。
仕事終えたら飲むけどね。
本を読んでも、DVDを見ても、ひとりでいるととにかく飲んでしまう。
誕生月の健康診断も近いし、日々、酒量コントロールが大変。
依存症だね、本当にまいるな。心に隙間がありすぎなんだろうか。スキマスイッチくん、教えて。

「読みましたよ。・・・ンフフフ、おめでとうございます」(←後半、意味不明 A羽堂さん)
「読んだよ。イヒヒヒヒヒフフフフ」(S・I東さん)「いよー、ヨッパライ」(古書Iさん)
「文章、読みましたよ。ワハハハハハハハ」(F桑書房さん)

組合員向けの「古書月報」に書いた原稿に対する反応である。

心の闇(?)を晒せば、精神状態は楽になるかというと、
まったく、そうではないのである。むしろ逆に働くこともある。
わかっていながらも、なぜ書いてしまうのか。
でまた、なぜ、斯様なことをこの場に書いてしまうのか。
まったくもって自分が解せぬ。

自分が思うほど、人は自分のことなど気にかけていやしない、
暑さ寒さも彼岸まで、人の噂も七十五日。じき忘れられる筈、と思ってみても、
のうのうと書いてしまう我を恥じ入る、もうひとりの自分がいる。
人に迷惑をかけて堂々としていられる人間だと受け取られていたらどうしよう。
後悔したところで、時すでに遅し、である。
どうせ恥を曝け出すにしても、どうよ、ひぐらし有馬さんの文章の旨みといったら。
コクテイル・狩野さんの文章には切々と心に響く部分が必ずあるし。
彼らと大違いである。承知のうえで、同じ雑誌に書かせてもらおうだなんて、
ああ、名文読みに慣れている古書店の皆さんに読まれてしまったなんて、
もうやんなっちゃう。大馬鹿者のコンコンチキである。

恥を封じ込めるため、何をどう考えればいいのか考えてみる。
自分の身を削るように書き続ける作家は、
書けば書くほど辛くなるのではないか、と考えてみる。
古書店は続ければ続けるほど大変になっていくらしい、とも考える。
売り上げが伸びれば伸びるほど仕入れ額も増す一方なので、
いつまでたっても楽にならないのだと、
組合に入ってじき、先輩書店から聞いた。
「辞めるなら早いほうがいいよ」とも。

木山捷平のように、飲み続けながらも、なんとか生き続けていけたらと思う。
が、今朝の朝日新聞朝刊にはこう書かれていた。
「長い間大量に飲んでいると、脳の機能に異常が起きる。
20、30代でも物忘れが始まる。
さらに怖いのは、脳の萎縮だ。
新しいことを覚える力が衰え、視覚的判断力の低下で地図が読めなくて迷子に・・・」
(生活面「あなたの安心」より)

うーむ、これか、自分。
会話の途中、やたら固有名詞が思い出せなくて困るのだ。

が、飲んでも飲まなくても、脳が萎縮する人はするし、
クリアーな頭のまま長生きしていく人もいる。
酒や煙草をやらなくても、病気になる人はなる。
つい最近まで元気だった友人が、
瞬く間に闘病生活に入ってしまった。

日常生活においても、さまざまな局面で、
あちら側とこちら側の狭間に横たわる溝の深さを感じる。
いったんあっちに行ったら、たやすくはこっちに戻ってこられず、
自由に行き来はできない。どうにか自分の居場所に佇むしかないのだ。
周囲と自分のバランス、世間の中にある自分の在り方について考える。
内なる部分に潜在する「心の闇」あるいは「狂気」めいたもの
・・・脈略なく浮かぶ考えに身を任せて、ハンドルを握っていた。

と、やってきたのは、白バイ。
サイレンを回して「止まりなさい」と言っていた。

「いい事ばかりはありゃしない。
きのうは白バイに捕まったー」

清志郎だよ、これじゃあ。
武道館の復活ライブで聴いたばかりだよ。

黄色信号かと思ったが、
「赤信号でした。気づかなかった? 第一、黄色信号でも行っちゃいけないんですよ」
信号無視だと言われた。
2点減点、9000円の罰金とのこと。

「交通事故が多い場所なんですよ。気をつけてください」と言いながら
「寒いから車の中で待っていていいですから」だなんて、
やたら親切なオマワリさんだった。
トイレを我慢していたと詫びたら(実際そうだったので)
親切に「そこの交番のトイレに行きますか」と案内してくれやがった。
交番のトイレ9000円ナリである。ずいぶんたけえトイレだな(涙)。
親切なくせに、しっかり切符は切ってくれた。
私生活でこんな男がいたら「アンタ、ヤなヤツだねえ」と笑ってくれるわ、と思ったが、
こういうのを”逆恨み”と人は言うのでしょう。

走馬灯のように、記憶が蘇った。
「素直になること」を言い聞かせ続けた中一時代の担任の顔を思い出した。
小学五年のころ、他クラス担任に出席簿で頭を叩かれた。皆の前で。
なぜ叱られているのかわからず、ただ黙ったまま叩かれた。
そのときの先生のにやりとした顔、
もやもやした理不尽さを思い出した。

白バイと医者は気の毒だとも思った。
交通安全のため必死に尽くしても、違反を取り締まった相手からは羨まれる。
わが身を削るように長時間手術に打ち込んでも、
患者の容態が急変したら患者の家族から恨まれ、場合によっては裁判に持ち込まれかねない。
それから、古書組合の事故処理担当。
「事故処理を受けられないかもしれない」
と、仕事の立場上、口にしただけで
「えええっ、どうしてですかぁああ??」
と、思わず声を荒げられてしまう。滅多にないことですが私にである。すんません、反省してます。もうやりません。
皆さん、気の毒である。怒る人も怒られる人も辛い。私も哀しい。

ゴールド免許よ、さよーなら。
9000円よ、さよーなら。

こんなことなら、つい今さっきの市場(資料会)で、自分の入札額より
さらに9000円多く払って
「衣生活 生地見本帳6冊」を買えばよかった。
あるいは、家族の誕生日だったので、
9000円のワインを飲ませてあげればよかったよ。
あるいは、クロサワくんに奢ってあげたほうがよかったよ。

震える手で、家族にメールを打つ。
ようやく届いた返信に
「月光仮面は来なかった?」とあった。

気を取り直して本日の発送作業に入らねば。
何があろうとも、仕事は仕事。役割は役割。
働いて眠るのだ。うーむ、うーむ、寒いぞ。
皆様に甘えさせていただき、こんな自分でも、
どうにかこうにか生き永らえさせていただいております。
恩返しというか、罪滅ぼしといおうか、
もうちょっとマシな仕事をして社会に還元せねばと思います。

この文章はおよそ12時間で自動的に爆破、消滅します。
というか、じき削除されていたら、
いたたまれず自己規制したと考えてください。
さあ、本当に発送しよう。さいなら。

2013年9月

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