いい事ばかりはありゃしない 白バイに~

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「読みましたよ。・・・ンフフフ、おめでとうございます」(←後半、意味不明 A羽堂さん)
「読んだよ。イヒヒヒヒヒフフフフ」(S・I東さん)「いよー、ヨッパライ」(古書Iさん)
「文章、読みましたよ。ワハハハハハハハ」(F桑書房さん)

組合員向けの「古書月報」に書いた原稿に対する反応である。

心の闇(?)を晒せば、精神状態は楽になるかというと、
まったく、そうではないのである。むしろ逆に働くこともある。
わかっていながらも、なぜ書いてしまうのか。
でまた、なぜ、斯様なことをこの場に書いてしまうのか。
まったくもって自分が解せぬ。

自分が思うほど、人は自分のことなど気にかけていやしない、
暑さ寒さも彼岸まで、人の噂も七十五日。じき忘れられる筈、と思ってみても、
のうのうと書いてしまう我を恥じ入る、もうひとりの自分がいる。
人に迷惑をかけて堂々としていられる人間だと受け取られていたらどうしよう。
後悔したところで、時すでに遅し、である。
どうせ恥を曝け出すにしても、どうよ、ひぐらし有馬さんの文章の旨みといったら。
コクテイル・狩野さんの文章には切々と心に響く部分が必ずあるし。
彼らと大違いである。承知のうえで、同じ雑誌に書かせてもらおうだなんて、
ああ、名文読みに慣れている古書店の皆さんに読まれてしまったなんて、
もうやんなっちゃう。大馬鹿者のコンコンチキである。

恥を封じ込めるため、何をどう考えればいいのか考えてみる。
自分の身を削るように書き続ける作家は、
書けば書くほど辛くなるのではないか、と考えてみる。
古書店は続ければ続けるほど大変になっていくらしい、とも考える。
売り上げが伸びれば伸びるほど仕入れ額も増す一方なので、
いつまでたっても楽にならないのだと、
組合に入ってじき、先輩書店から聞いた。
「辞めるなら早いほうがいいよ」とも。

木山捷平のように、飲み続けながらも、なんとか生き続けていけたらと思う。
が、今朝の朝日新聞朝刊にはこう書かれていた。
「長い間大量に飲んでいると、脳の機能に異常が起きる。
20、30代でも物忘れが始まる。
さらに怖いのは、脳の萎縮だ。
新しいことを覚える力が衰え、視覚的判断力の低下で地図が読めなくて迷子に・・・」
(生活面「あなたの安心」より)

うーむ、これか、自分。
会話の途中、やたら固有名詞が思い出せなくて困るのだ。

が、飲んでも飲まなくても、脳が萎縮する人はするし、
クリアーな頭のまま長生きしていく人もいる。
酒や煙草をやらなくても、病気になる人はなる。
つい最近まで元気だった友人が、
瞬く間に闘病生活に入ってしまった。

日常生活においても、さまざまな局面で、
あちら側とこちら側の狭間に横たわる溝の深さを感じる。
いったんあっちに行ったら、たやすくはこっちに戻ってこられず、
自由に行き来はできない。どうにか自分の居場所に佇むしかないのだ。
周囲と自分のバランス、世間の中にある自分の在り方について考える。
内なる部分に潜在する「心の闇」あるいは「狂気」めいたもの
・・・脈略なく浮かぶ考えに身を任せて、ハンドルを握っていた。

と、やってきたのは、白バイ。
サイレンを回して「止まりなさい」と言っていた。

「いい事ばかりはありゃしない。
きのうは白バイに捕まったー」

清志郎だよ、これじゃあ。
武道館の復活ライブで聴いたばかりだよ。

黄色信号かと思ったが、
「赤信号でした。気づかなかった? 第一、黄色信号でも行っちゃいけないんですよ」
信号無視だと言われた。
2点減点、9000円の罰金とのこと。

「交通事故が多い場所なんですよ。気をつけてください」と言いながら
「寒いから車の中で待っていていいですから」だなんて、
やたら親切なオマワリさんだった。
トイレを我慢していたと詫びたら(実際そうだったので)
親切に「そこの交番のトイレに行きますか」と案内してくれやがった。
交番のトイレ9000円ナリである。ずいぶんたけえトイレだな(涙)。
親切なくせに、しっかり切符は切ってくれた。
私生活でこんな男がいたら「アンタ、ヤなヤツだねえ」と笑ってくれるわ、と思ったが、
こういうのを”逆恨み”と人は言うのでしょう。

走馬灯のように、記憶が蘇った。
「素直になること」を言い聞かせ続けた中一時代の担任の顔を思い出した。
小学五年のころ、他クラス担任に出席簿で頭を叩かれた。皆の前で。
なぜ叱られているのかわからず、ただ黙ったまま叩かれた。
そのときの先生のにやりとした顔、
もやもやした理不尽さを思い出した。

白バイと医者は気の毒だとも思った。
交通安全のため必死に尽くしても、違反を取り締まった相手からは羨まれる。
わが身を削るように長時間手術に打ち込んでも、
患者の容態が急変したら患者の家族から恨まれ、場合によっては裁判に持ち込まれかねない。
それから、古書組合の事故処理担当。
「事故処理を受けられないかもしれない」
と、仕事の立場上、口にしただけで
「えええっ、どうしてですかぁああ??」
と、思わず声を荒げられてしまう。滅多にないことですが私にである。すんません、反省してます。もうやりません。
皆さん、気の毒である。怒る人も怒られる人も辛い。私も哀しい。

ゴールド免許よ、さよーなら。
9000円よ、さよーなら。

こんなことなら、つい今さっきの市場(資料会)で、自分の入札額より
さらに9000円多く払って
「衣生活 生地見本帳6冊」を買えばよかった。
あるいは、家族の誕生日だったので、
9000円のワインを飲ませてあげればよかったよ。
あるいは、クロサワくんに奢ってあげたほうがよかったよ。

震える手で、家族にメールを打つ。
ようやく届いた返信に
「月光仮面は来なかった?」とあった。

気を取り直して本日の発送作業に入らねば。
何があろうとも、仕事は仕事。役割は役割。
働いて眠るのだ。うーむ、うーむ、寒いぞ。
皆様に甘えさせていただき、こんな自分でも、
どうにかこうにか生き永らえさせていただいております。
恩返しというか、罪滅ぼしといおうか、
もうちょっとマシな仕事をして社会に還元せねばと思います。

この文章はおよそ12時間で自動的に爆破、消滅します。
というか、じき削除されていたら、
いたたまれず自己規制したと考えてください。
さあ、本当に発送しよう。さいなら。

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コメント(5)

あぁ、ブログ消えてなーい!よかった。ホッ
とりあえずお元気そうでなによりです(笑)
9000円ですか・・・イタイですね
私は免許証再発行で3000円位とられました。
しかも、こちらも説教付き。理由は…
ところで清志郎武道館の復活ライブですかっ
私はバレンタイン、ポリス復活ライブでした。
アンディ・サマーズが鳥塚しげきに見えてしまって
でも、スティング、スチュアートもみんな元気で
こちらもメタボってる場合じゃないぞ。と
まぁ頑張っていれば明日があるさ!ですよね~

14日、私も行ってましたよ、東京ドーム。
この3人、それぞれ年はとってますがいまだかっこよいですね。
いい音出してました。
さすがです。

Dulcyさん、ドームに出没ですね!
元気そうです! っていうか元気?
スティング一時期、大好きだったんですが、
昨日はポラン書房に搬入のため行けませんでした。
いつか武道館かドームでバッタリ会えたら面白いな。
大勢いすぎるから無理かな。
清志郎、ポリスのライブについては
Mongoも書いているので、よろしかったら。

Mongoさん、いらしていたのですね。
スティングの来日ステージを見続けているものにとって
昨夜のステージはスピードがあって楽しかったです!
次は来月TOTO&ボズでJCBホールに出没します(笑)
新聞記事で見たスティーブ・ルカサーのあまりの変わりっぷりにビックリ;
海ねこさーん!17日行けたら行きます。ポラン書房さん

17日、神保町の古書会館で大市があるため、
そちらの下見に行かねば、ですよ。
よいねこ本など何かしらあるとマズイですからね、チェックしにいかなければ。
年何度かの大市とあって見るのも大変なほど大量の古書が出品されているらしくて・・・。
見終わってからですので暗くなってからなら大泉にいくとは思うのだけど、
暗くなってからではDulcyさん、いられない、っしょ・・・、ひーん。
ねこ本あまりないかも、ひーん、申し訳ないです。
でも、ポランさんにいい本があるかも。
会えたらうれしいけれども、難しいかな、がっくし。
今回会えればラッキーですが、無理でもぜひぜひまた会えますようにー!

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