2005年12月アーカイブ

どうしようか考えあぐね、駐車場や車に置いていた本を整理。
チェーン店に売りにいこうかと迷いながら、未練がましく束ね直す。
今度、別のものを組み合わせ市場に出して、ダメだったら今度こそ処分することにしよう。
「店の商品はとにかく回転させていかないと。
女性は、潔く本を捨てられない人が多いからねぇ」
と某古書店の店主さんから言われた。
スペースが限られているので処分しなければと頭ではわかっているのに、
ヘンなところで諦めが悪くて、いけません。

家人はライブでルスだし、市場はないし。
年の瀬で気ぜわしいわりには時間がある。
市場が始まるまでに、たまっている本をどんどんアップしたい。
どこまでできるかなあ。年賀状どうしようかなあ。
もう大晦日だっていうのに。

新着本6冊、アップしました。
絵本、建築写真、琉球もの図録など。
入金確認次第、できるだけ早く発送します。
また、年明けの発送など、ご希望がありましたら、できるだけ対応したいと思います。

パソコンに向かったままでいると、
いつまでもいつまでも作業してしまいそう。
「終わり!」と自分に言い聞かせないと終わりがきません。
ぼちぼち閉じて、ゆっくり飲みながら本を読むか、
とりだめてある成瀬巳喜男を観るか。

と書きながらも、未更新のロシア関連本・雑誌、
その他、横にある本の山が目に入ってしまう。
ああ、本当にPCを切ることにします。

大晦日、よい1日になりますように。

年内にするべきことがあれやこれや残っている。
年賀状にもまったくといっていいほど手がつかず。
せめてもと、たまっている用件を1つ、また1つと片付けていく。
発送もする。ご注文くださってすぐ入金確認できた方には、
今のところ、できるだけ即日発送しております。
また、年明け後1月の発送についてもどうぞご相談ください。

雑誌それいゆ
貴重な創刊号から過渡期まで33冊をアップしました。
戦後まもない1946年、生活するのがやっとという時代、
いち早く女性に美しい暮しを提案してきた雑誌。
"それいゆ"は、フランス語で太陽、そして、太陽の花といわれるひまわりのこと。
いつも美しく希望にみち、ひまわりの花のように明るく健やかで
ありたいという願いを込めて命名された誌名です。
ファッションのデザインから、手作りアイディア、
芸能人の衣裳や横顔、文学や音楽など教養ものの記事まで、充実の内容。
暮しの手帖、FAIR LADY、Olive…
それいゆの影響を受けていない雑誌はないと言っても過言ではないでしょう。
ファッション業界においても影響を受けたと明言するデザイナーが多いこと。
毎号、企画を練り、さまざまな人を起用してページ構成をたてていく
中原淳一の編集手腕が光っています。

発売当時リアルタイムで読んでいたら人生観が変わっていたかも…。
当時の読者に羨望の念を抱かずにいられません。
当時、かなり高額な雑誌だったと思うので、
高嶺の花であり、手が届かなかったかもしれませんが。

それにつけても、
雑誌がおもしろい時代があったのだなあ。
過去形で語るのは残念ですが、
雑誌が大好きで大好きで育ってきた私にとっては、
時代をさかのぼって、こんなにおもしろい雑誌があるんだ、
あ、これも、ああ、それも…と気づくことができるのは新鮮な歓びです。

「それいゆ」に中原淳一あり、「暮しの手帖」に花森安治あり、
「あまから」に水野田津子(田都子)あり。
素敵な雑誌をありがとう、先人の皆様。

コツコツとホームページに目録をアップし続けて、果てた。
ライブへ行き、深夜バスで帰ってきた家人とワイン。
録画してあった「ジョン・レノン・スーパーライブ」を観て感銘を受ける。
オノヨーコがロッカー少女のようにシャウトして歌い踊り、
「私を忘れないで」「私のことを覚えておいて」云々、悲鳴のように叫ぶ。
小泉今日子が「イマジン」の訳詞を朗読。
ほかにも「イマジン」を日本語で歌う人は何人かいたと思いますが、
清志郎の訳詞がダントツで胸にしみました。
「イマジン」をきれいごとでなく、本気で願ってきた
ジョン、ヨーコ、そして清志郎のスピリットが歌詞にのって響いてきました。
YOSHII LOVINSON ( 元イエモン吉井和哉 )、好きになりました。

それいゆを読みながら育った人が羨ましい。
ジョン・レノンと同時代に生きてきた人、いいなあと思う。
その一方で、清志郎、YOSHII LOVINSON ( 元イエモン吉井和哉 )、
そして、オノヨーコのような方々と今、同じ地球上でともに
生きさせていただいているって悪くないね、うんうん。

飲みすぎて寝たのは朝方。すっかり寝坊しました。
早起きの習慣が早くも破れてしまった・・・。ああ、平凡すぎる自分。

新聞の取材を受ける。
以前に取材してもらった読売新聞(11月3日 地域版 取材・枝川公一氏)だが、
今回は東日本版。
掃除が行き届かなかったので、一方向から撮影してもらおうと思っていた。
ところが、取材にきた青山記者は「報道カメラマン」と名乗り、
ぼーっとしている私をよそに、てきぱき、ありとあらゆる方向から撮影。
ぱっと見ると廊下から撮影しているわ、次に気づくと台所のほうから撮影しているわ。
「こんな感じです」とデジカメの画像を見せてもらうと、
冷蔵庫にペタペタはってある紙類まで写っていた。
未整理の書庫まで撮影したいとの提案は、さすがに想定外。
廊下に積んだ本だけで許してもらう。
「普通の家庭でネット書店をやっている人を取材したかったので助かりました」と言われる。
「生活臭のない写真を使ってください」と頼んでおいたが、
案外、そういう写真を使いたかったりするかもしれないなあ…。
聞けば以前はスポーツ選手を撮影していたそう。
どおりでフットワークが軽いわけだ。
古書とインターネットの相性の良さを感じている様子で、いろいろ質問していただく。

終了後、本日最終日のイベント2つをはしご。
「松坂屋古本フェスタ 銀座ブックバザール」、6時までのところ5時すぎ駆け込む。
北尾トロさんに声をかけていただく。
モーのことをうっかり聞き忘れて、しまったと思う。元気だといいけれど。
古書かんたんむさんに今度お茶を飲みましょうと言っていただく。
最終日でもまだまだ良い本があり、21冊購入。
(レシート上では21冊になっていたが、実際は20冊。
計算間違いされてしまった。ちょっと残念)

買った本
●ロシア・グラフィックデザイン1880-1917(よみた屋)
●いたずらでんしゃ  ハーディー・グラマトキー 69年(ポラン書房)
●もりのようふくや ラチョフ 62年(ポラン書房)
●岩波の子どもの本7冊(ポラン書房)
●子どもと絵本 月刊絵本別冊(茶々文庫)
●月刊絵本3冊(茶々文庫)
●上海 1958年の絵本6冊(芸林荘)

ちなみに、岩波の子どもの本(元版)と
月刊絵本は集めているため。

トロさん出品の「欧米の性教育」にはひかれたものの、恥ずかしくて買えず。
日月堂さん、ナンダロウさんのブースも欲しい本があり悩む。
終了まであと15分。
搬出を手伝わないのもなんだなあと思う。
が、ちらりとお見かけした日月堂さんはお忙しそう。
日月堂さんに先日
「来ないほうがいい。戦場だから。
搬入のほうが時間があるから今度一緒に」と言っていただいたことだし、
この場はお邪魔にならないようにと退出。

神楽坂・アユミギャラリーで最終日の[サンポイズム イン クリスマス]展を見る。
こちらも最終1時間。
江ノ島の光と空気を伝える写真など、気持ちよかった。
旅猫雑貨店さんの作品も楽しませてもらう。会えずに残念。

人と会ったあとは、妙にさびしい。
家人は飲み会。
食事を作る元気がないので、ひとり何か食べて帰ろうと吉祥寺で店を探す。
なぜに、あれほどラーメン屋ばかりなのか、吉祥寺。
ラーメンじゃなくて、定食屋で白い御飯が食べたかった。
それでも食べてみたらおいしかった、
葱太郎のこがし葱 味玉ラーメン(とんこつ)。

帰宅して新着本。
組合の振り市で買った本、ああ、良い本なのに切抜き発見。
振り市ですぐさま確認して「出戻り」と言わなければいけなかった。また失敗…。

《新着本》
「ちびくろ・さんぼ」(大石真・文 小野木学・絵 ポプラ社)70年(昭和45年)ほか。
かなり珍しいと思いますが、いかがでしょう。
そのほかの本は、左側の「古本 海ねこ」から「新着本」でどうぞごらんください。

28日の来客に備えて掃除するが、あまりはかどらない。

委託本をお返しするため、岡崎武志さん宅へ。
岡崎さんはご不在。
手作りの作品を買ってくださった方がいらしたと奥様に喜んでいただけて、
私もうれしかったです。
相変わらず、お嬢さんとねこちゃんがかわいい。
居心地がよくて、つい長居したくなる気持ちをこらえて失礼する。
ありがとうございました。

帰りに発送のため郵便局。

夕食後、メールを開いたところ、
本が届いたというお礼とともに、届いた本に書き込みがあった、
それならきちんと記載しておいてほしかったというお客様からのご報告が。
恐縮しております。
店舗販売でしたら、本の状態について
お客様に直接ご確認いただけるのですが、
ネット古書店はそれができません。
充分にチェックしなければいけないのですが、チェックしきれなかったということ。
新刊なら代価品をご用意できるのですが、
古書ではそれもままなりません。
精一杯対応したいと思いますが、手にとってがっかりされたお気持ちを思うと、
本当に申し訳ないことをしました。反省しております。

それにしても、疲れがたまっているのか眠くてなりません。
新着本、休みます。
明日の取材、きちんと答えられるのだろうか。
オンライン古書店が元気だという主旨の記事らしい。
元気なのだろうか、海ねこ。
仕事納めの方も多いと思いますが、良い一日でありますように。

フリマから持ち帰ってきた本の整理。明治古典会の落札品をとりに神保町へ。
さすが年末だけあって、道路はひじょうに渋滞。
今年最後の中央市会ものぞく。
欲しいもの2つに絞り込んで入札したが、ダメだったようだ。
往復4時間の運転となりクタクタ。

帰宅後、発送。給料日後とあって大勢の方からの入金が集中したようで、てんてこ舞い。
水曜に取材の方がいらしてくださるそうで、明日は掃除をしなければ。
小さい写真らしいので散らかっていても問題はないだろう。
とはいっても、掃除をするためのいい機会と思うことにします。

新着本、少しアップしました。

日記をブログに移動しました。
毎日、消して新しいものに書き換えてきましたが、
いろいろ試してみたくなるこの性格。
今後ともよろしくお願いします。

カテゴリーを編集したいのですが、うまくできなくて、
エラーが出てしまいます。なぜでしょう???
わかる人、教えてください。

okazakitakeshido.jpg
12月25日、品川インターシティ「第5回 フリマでミニミニ古本市」に
我らが岡崎武志さん出品の古本がやってきます。
段ボール1箱分ではありますが、中身は濃いです。
どんな本があるのか、当日までのお楽しみ。ぜひみにきてください!
さらさらっと看板を描いてくださいましたよ(上のイラスト)。

さて、岡崎邸ですが、
外観は、女性が声をあげて喜びそうなかわいらしく素敵なお宅。
玄関ポートにはテラコッタの鉢がいくつも。

okazakishosai.jpg
階段をとんとんとんとんと下りていくと、
広々とした地下書庫があります。
ここが、岡崎武志さんが日夜、原稿書きで"格闘"している書斎。
言うまでもなく、本・本・本・本・本・本・本・本…………。
正直に言いますが、そのへんの古書店より広い。
あのへんの古書店より本が多く、
そのへんの古書店よりずっとおもしろい。
それはそうです。
岡崎さんが20年以上、日々歩いては入魂の思いで
蒐集してきた本たちなのです。
「何冊ぐらいあるんですか」と飽きるほど聞かれたそうですが、
そのたびに「2万冊です」と答えるとか。

机の脇にはテレビ、壁際にはベッド。
あかりとりの窓辺にビールか何か? 酒類の空き瓶。
ソファーの後ろには、骨董の戸棚を利用した書棚。
書棚は1つ1つ異なるものを必要に応じて、どんどん買い足していった感じ。
奥のほうには、向かい合わせどうしの書棚と書棚に板を渡した臨時棚(?)。
ティッシュの空き箱を利用した文庫入れがきれいに積み重ねられ、
「おはよう奥さん」の取材で撮影させていただきたい一角も。
棚の中は、ジャンル別に整理されています。
あちらは病気もの、そちらはソイナミ本…
(岡崎さん命名。「そういえば、いつも、ならんでいたのを、みた」本のこと。
黒柳徹子、タモリ、たこ八郎…ソイナミ本が2棚ほど占めていたような?)。
階段脇には大型のビジュアル本(書棚の上には、
入りきらなくなった本を立てて入れた段ボール箱がのせられていました)。
本棚一面ベージュに染まった中公文庫づくし棚。
おもしろい本だったのに、出版してじき著作権の問題で
絶版となってしまった幻の文庫…。
各ジャンルごとの内容密度が濃いこと濃いこと・・・。

okazakishodana1.jpg
okazakiwadamakoto.jpg
↑少年少女世界推理文学全集
アルセーヌ・ルパンの冒険(あかね書房)。
若かりしころの和田誠がイラストを手がけています。
横尾忠則、黒田征太郎らが手がけた挿画本を含む、豪華な全集です。

紀行コーナーには岡崎さんの著書に出てくる古い巴里本がズラリ。
戸塚文子、カラーブックスなどとともに
林芙美子の「三等旅行記」(昭和8年 改造社)も鎮座していました。

見せていただいた昭和初期あたり(?)の広告を集めた本、
書名を失念。しまった。悔やんでいます…。
欲しくて欲しくて、自力でどうにかして探し出せないものかと思ったのに。
ふだんだったらこっそり書名をメモするのに、今日は緊張の極地でした。
そんなときに限ってぐぅぐぅ鳴る私の腹。まぬけすぎます。
すっとんきょうな質問しかできない自分。もっと本のこと聞けよ。
大学教授の前に出された小学生なみです。

okazakineko.jpg
↑ねこも居心地よさそうな、地下書斎でありました。

なぜだか、自分が何者なのか明らかにせよと
問いかけを突きつけられているような気持ちになりました。
なぜなのだろう?
岡崎さんの棚は、1冊1冊の温度が大変熱いように思いました。
日月堂さんが「現場がいちばんおもしろい」と話していました。
所持者なきあと、本の整理に立ち会う古書店主の気分とは
いかなるものだろうかと思いますが、
人が時間とエネルギーとお金を費やして集めた本たちというのは、
やはり迫力があります。
私は買取で、とあるご年配の方のお宅に伺ったことがありますが、
そのときは、きれいな全集類が多く、
こぎれいなインテリアの一部といった印象を受けました。
むしろ、つい最近でいえば、市場で買った束に混じっていた古い図録
1冊1冊にチケットや新聞の切り抜きがはさまっていたほうがリアルで、熱く感じられました。
おそらく同じ人が美術が好きで、
あちらこちらの美術展に通ってはこつこつ買い集めたのだろうと推測されたので。
週末ごとに美術館に通っては、
図録を書棚に加えていった思い、
その人の生きざまが伝わってくるように思えてなりませんでした。

岡崎さんの書斎にある本は1冊1冊に生命が宿っているように思いました。
1冊1冊、岡崎さんが蒐集していった思い、本への愛情、
そして、本1冊1冊の命(著者や編集者の魂)が活気づき、ひしめいている感じ。
物質としての本の列でなく、本の形をした有機体のような。
「ここで格闘しているわけですよ」とパソコンに向かう岡崎さん。
疲れたらテレビを眺めたり、書棚と書棚の間を縫うようにして
本の書き手たちと会話している光景が目に浮かぶようでした。
「本はいいよね~。1つ知ると、また次、また次と
どんどんどんどん知りたいことが見つかって、
どんどんどんどん深いほうへいけるものね」
日夜、自分が買い集めてきた本たちと会話をしていらっしゃるのだろうなあ。
本を書いた先人たちとも会話しているのかもしれないなあ。
…と勝手に想像する私。

岡崎さんは、カッコいいなあ。
人生そのものに対する真摯な姿勢が一貫しているように思います。
「本は読むのもいいけど、
本を書くのもいいからね」
「自分の本を出すというのが大きいね。実に大きい」
果して、私はどうなんだろう。
自分、何をやっているんだろうなあ…。
どうやって生きていこうかなあ…。

お嬢さんの好奇心いっぱい、
曇りのない瞳がまぶしかったです。
若かりしころ、岡崎少年もそんな瞳をしていたことでしょう。

帰りに、旅猫雑貨店さんと一緒にブックステーション武蔵野店で古本物色。
マックでこの先のことなど語り合って帰途につく。

というわけで、岡崎武志堂より古書が品川にやってきます!
女性好みの本もずいぶん意識的に選んでくださったようです。
岡崎夫人の手作りブックカバーは、レトロなプリントの布地を
斬新な色あわせでキルティング加工。
しおり紐の先に、ちょこんとビーズがついています。
本の厚さにあわせて調節でき、裏地もしっかりのつくり。
どの柄を選ぼうか、私も買うつもりで今からワクワクしています。

2012年8月

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