2010年12月アーカイブ

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いよいよ始まります。

恵文社 冬の大古本市
2010.12.21〜2011.1.3
10:00〜22:00
(元旦のみ休み・最終日は18時まで)

参加者
コロンボ・とらんぷ堂・BOOK ONN・古書モダンクラシック・booby bookstall・
ロスパペロテス・Totodo・古本海ねこ・シマウマ書房ほか
協力:葡萄ハウス家具工房


以下、恵文社一乗店 店長ブログよりコピーさせていただきました。

http://keibunsha.jpn.org/?p=3455

毎年末年始の恒例となったイベント、『恵文社 冬の大古本市』を今年も開催いたします。

昨年度は『みんなの古本 500冊 もっと』を編集・発行したり、出品物以外にも趣向を凝らしましたが、今年度は出店者さまの顔ぶれも新たに、あらためて古本のクオリティと量で勝負しようという原点回帰の年になりそうです。こたつに蜜柑で読む本を探しに、お年玉片手に是非ご来場下さいませ。

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「古本 海ねこ」は絵本、洋書絵本、ビジャアル本、70~80年代の女性誌、雑誌の付録、
そして、昭和30年代の包装紙など、出品しております。
恵文社一乗店 スタッフ日記

http://d.hatena.ne.jp/keibunsha2/20101210

「お好きな柄をお探しいただけますよう、たっぷりご用意いたしましたが、良い柄は早く出てしまうかも。できましたら、お早めにご来店ください」と原稿に書きました。ですが、おそらく随時、補充していただけると思いますし、恵文社一乗店の素晴らしさといったら、ご来店になった方は誰もが頷かれるところだと思います。
いつでも思い立ったそのとき、そして、何度でも、ぜひご来店なさってください。

2週間のうち、どこかで立ち寄れたらいいのに、自分、と強く思います。行ってみたい!

下は、昭和30年代の包装紙。ごく一部です。今からおよそ50年ほど前の包装紙です。
55センチ×45センチ以上の大判が多数で、1枚500円(小さいものは300円。ごくごく一部のみ700円)。
松本のものが中心で、長野市、東京のものもあります。関西のものも少々あります。
ファンタジックなクリスマス柄、書店のブックカバー用(書皮)、鈴木悦郎(ふう?)、百貨店、製菓店、文具店、楽器店・・・さまざまな商店が意匠をこらしています。

ブックカバーに、プレゼントのラッピングに、インテリアに、ハンドメイドの素材として・・・。
芝居・撮影の小道具に、そして、デザインや都市文化の資料にも。使い道、ご自由です。

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↑巣鴨にあった「新川屋」の包装紙。よく見ると、トックリが並ぶ柄なのです。


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ひとりのお客様から、いろいろまとめて32万円分、ご注文をいただいた。
セットもののうち何冊かをご希望いただき、これだけ頼んでいただいたので、
バラ売りしたほうがいいなあ、など考えながら在庫確認している。

朝起きて、そんな夢を見たといったら
家人に「正夢じゃない?」と笑われた。

パソコンを開いてメールを確認したが、
32万円分のご注文はなかった。
やはり「夢」だったのだ。
32万円分のご注文があったらいいなあという願望が
夢になって店主の脳内を駆け巡ったのだ。
夢は枯れ野を駆け巡る、だ。

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英語だとインディアンサマーというのかな。それにしては風が冷たいけれど、
今日は良い天気ですね。皆さん、お元気ですか?

古書店にとっては、なかなか厳しいご時世です。
第二金曜は、神保町の市場から五反田の市場へとはしごすることが多い。
古書店主どうし四人でタクシーを使うと、割り勘で千円以内でおさまるので、
移動中に、あれこれ話を聞くのが楽しみです。

「海ねこさん、絵本、売れてる?」とNさんに聞かれて
「・・・・・・・。思えば、日月堂さんの隣で6日間限定ショップを開催したでしょ。
あの頃はまだ売れてたんですよね。お客さんが大勢いらしてくださいましたよね」と答えたら
「そう、売れた。今と比べれば。そうなんだよね」とNさん。
「それって、まだ1年5か月ほど前なだけですよね」というと
「3月頃から本当に厳しくなってきたよね」とNさん。
「1年5か月前って、まだごくごく最近の話じゃない」とSさん。

NさんもSさんも、有名店の店主です。
レベルがまったく違いますが、以前より物が売れにくいようだ、という点において、意見が一致します。

これから先、どうなるんだろうね、と言い合いながら、
でも、売れそうなもの、お客さんに買っていただけそうなものはないかと
古書市場でガサガサ探し回っているわけです。
何も考えないで、何でも売れる時代ではないので。

そんなふうに、市場では、他店とたわいない会話もできるけれど、
自宅 兼 仕事場に戻れば、ひとりきり。
32万円分のご注文があれば、と夢見て「なんだ夢か。やっぱりなあ」と呟いても、ひとり。

そんなとき、先のエントリーでご紹介したお客様から
「ブログ、読みました」とメールをいただいた。
ご本人からご許可をいただきましたので、以下、ご紹介します。

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思いが深すぎて、重すぎて、海ねこさんを困らせることもあろうかと、
手紙を書きながら、心配していました。
礼状なら、もう、たくさんたくさん、いただいています。
古書店と客とは、ふしぎなキャッチボールをするものです。
 
私たちは、海ねこさんの書棚を見て、海ねこさんと話をすることができます。
海ねこさんは、注文を通じて、私たちと話をしてくださる。
ほら、図書館で手に取る人の姿までも思い浮かべて本たちを送りだすときのように。
目には見えないけれど、実は、私たちは会話のやりとりをたくさん、してる。
だから、古書は代々の持ち主の思いまでをも、
だるま式に幾重にも巻き編んでは、
時代をしなやかに生き続けることができる。
そうした幸運をたどれるのは、古書店の手に掬われた本たちだけです。
 
私たち客は、いろんな古書店を訪ね歩き、海ねこさんに辿り着きます。
私たち客は、並んだ書棚の向こう側にある海ねこさんの思いも、読みます。
だから、私たち客は、願っています。
海ねこさんは、「海ねこ」のまま、「海ねこ」になればいい。

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ありがとうございます、の言葉しか探し当てられないのが
もどかしいです。

お客様というのは、誠にありがたいものです。
「有り難い」ー実際、長くお付き合いいただけるお客様は
宝物のように思えます。
宝物の皆様、本当にありがとうございます。これからも宜しくお願いいたします。
古書店、なんとか、続けていけたら、と思います。
さて、どうすれば続けていけるのかな。
さて。

何度かお買い上げくださっていたお客様から
久々、ご注文をいただくたび、大変有り難く感謝するとともに、
「もっと良い本を紹介しなさいよ」と、ご注意いただいているような気がする。

"HPに良い本をなかなかアップできずにスミマセン"
と、心の中で頭を下げている。
ボーナス期で、お金を使いたくなる時期なのに、
本当に申し訳ありません。
良いものは目録に掲載しますので、どうかもう少々お待ちくださいと
さらに、頭を下げている。

といいつつ、次なる目録用の本はまだまだパンチ不足。
前までと同じように古書市場へ通って
集書し続けているのに、なぜ、これほど苦戦しているのかな。
目録2号よりずっと見劣りしそうで、
ガッカリされてしまいそうでスミマセン。
もうでも、そろそろ、あとちょっとで出さないと、
自転車操業の哀しさゆえ、今後の運転資金が危なくなってくる。
毎回毎回、目録でご評価をいただくのは
私が想像していたより遙かに大変なことのようだ。
ご期待に添えないかもしれずスミマセンと
今から頭を下げている。

年末、恵文社の古本市に本を出すのだが、
各店のオススメを見ていて、ビックリ。
他店が、素晴らしい高額商品を紹介していて、
光まばゆく世界のようだ。
ああ、うちが「オススメ」として挙げたものは、
近日公開されるはずだが、
見劣りするに違いなく、スミマセン。

今日、発送したセットもの、
地元住民らがボランティアで運営しているという
小型の図書館に渡ることになった。
古書の状態は良好、完全揃いものでありながら結構、手頃な価格だと思う。

お役に立ちますようにと祈るような気持ちで梱包する。
図書館に通ってきて本を手にとる方のご様子まで思い浮かべる。
きっと、多くの方にご覧いただき、ご活用いただけることだろう。本としては幸福なことで、店としては大変有り難いことです。

でも、その一方で、
御世話になっている方から「目録にお使いいただけたら」とお譲りいただき、
買取したものなのに、
ああ、もっときちんとした値段をつけて目録に掲載したほうが、
そして、もっとたっぷり買取額をはずんだほうが、
お譲りくださった方は手応えを感じたのかもしれない。
蒐集したものを高く評価してもらえない、と扱いにご不満だったかもしれない。
もう当方には声をおかけいただけないかもしれない。
せっかく目をかけていただいたのに、あれこれ申し訳なかったとも思う。
杞憂ならよいが、人の心の中までのぞきこめないので・・・。

どうして古本屋になったのだろう、
と、最近になって初めてかもしれないのだが、「どうして?????」と思うようになった。
古書市場で買い続けるのも、同業仲間と競い合い続けるのも、
充実している目録を作り続けるのも、たやすいことではないのに。
お客様にずっとお喜びいただきたいと思っても、
なかなかそう簡単に出来ることではないのに。
自分は、古書店の楽しそうな部分のみを見て、何も考えずに飛び込んでしまったのだなあと
今頃になって、これで良かったのだろうかと気に病んだりもする。
だんだん難しい面を思い知ってきたからだろうと思う。
買うより売るほうが大変な、今の時勢も関係しているかもしれない。

倉庫で梱包を終えて、自宅に戻ったところ、
ポストに分厚い封筒が入っていた。お客様からのお礼状だ。
集書を依頼されても、そうたやすく見つかるものではないのだが(さんざん探した挙げ句、集書を依頼されるわけなので)
たまたま、古書市場で目にとまって、お客様が永らくお探しだという本をご用意することができたのだった。
値段は2500円。
CD1枚より安いじゃん、と笑う人は、笑えばいい。想像力の欠如した気の毒な人だと思う。
お客様にとっては、ほかの何物にも代えられないもの。小学校の頃からの想い出が詰まった
人生の指針・道しるべともいうべき本だったようだ。
便せん4枚にびっしりと印字された手紙、
さらには手書きの一筆箋2枚まで添えられていた。
お返事をと思っても、この方の思いに一体どうお答えしたらよいやら、
矮小すぎる、おおよそ"チンケ"というしかない私に
どんな言葉を選べるものやら、一体どんな文章をお返しできるのやら、と
考えただけで恥ずかしくなって縮み上がりそうだ。スミマセンです。

ブログをご覧くださっているそうなので、おそらくこれもお読みになることだろう。

「古書店とは、なんてすばらしい仕事だろうかと、つくづく思います」
と書いていただいた。
「古書店があるかぎり、作者や読者によって命を吹き込まれた本たちは、
何世代にも引き渡され、人々の一になった思いさえも、受け継いでいくのですから」

私は「まんだらけ」にも「グリム」さんにもなれない。
「百年」にもなれないし、「音羽館」にも「流浪堂」にもなれない。
「アルカディア」にも「古書 日月堂」にもなれない。
「扶桑書房」にも「月の輪書林」にもなれない。
だったら、何になれるのだ?
一体、どうしたら、何ができるというのだ?

情けない自分を導き、駆り立て、ときに諫め、そして、勇めて、
ときにぐいと引き上げ、鼓舞してくださるお客様。
私にとっては「昔日の客」ではなく「今日のお客様」である。

誠にありがとうございました。
お手紙は、以前、お客様や先輩書店からいただいた手紙とともに
大事にしまっておいて、ときどき読み返します。

検診のバリウムで、まだ腹が張っている12月9日、午後19時40分。

2012年9月

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