小川 一水のツインスター・サイクロン・ランナウェイを読みましたよ。
紙の本で買っていて積読状態にあったこの本。整理をしていたら出てきたので読みました。
表紙だけ見ると百合SFに見えるのですが、中身はびっくりするくらいのハードSF(そしておそらく買ったときの僕は百合っぽいとも思っていなかったのではないかと)
漁師をする主人公がその漁業権的なもののためには結婚が必要、とかいろんな話があってどこの田舎の話だと思ったら宇宙の話だし、というギャップが面白い。
そして最後は海外SFみたいな終わり方になっているところもさすが小川一水。
今知ったのですが、続編が出ているらしい。読んじゃうよねー。
TM NETWORK 40th FANKS intelligence Days ~DEVOTION~を見に府中の森芸術劇場どりーむホールに行ってきましたよ。
ことの発端はタワーレコードでうっかりCDを買ってしまった、というところで、封入されていたライブの先行予約に申し込んだらちゃんとチケットが買えてしまったのです。
というわけでAll That Love -give&give- (20120320)以来10年以上ぶりのTMネットワークのライブ鑑賞。
雑誌(サウンド&レコーディング・マガジン)のインタビューで「今回のツアーはステージは3人だけで行います。そのために木根さんにはギターを練習してもらいます。」的なことを言っていたのですが、ステージ上は本当に3人だけ。(もちろん、その他の演奏は流れてるよ。)
なので、いつもであれば激しいギターソロとかリフとかあったりするのですが、それが無くエレクトロよりのアレンジ。とはいえインタビューで言っていたように木根さんのアコギのカッティングが随所で効いていていました。
先述の通り先行予約でチケットを取ったため5列目になってしまいそこまでは求めていなかった僕は1曲めからの総立ちに置いていかれ(そこそこ大きいので、スタンディングのライブ以外ライブ中は立たないようにしてます。)お客さんの手拍子があまりにもずれるので気持ち悪くなり(笑)とかありましたが、なかなかのライブでした。
それにしても演者もお客もなかなか年齢上がっていて、うーんって思いました。
そして府中の森芸術劇場って三鷹からだとなかなか大変でした。
EDMAR CASTANEDA TRIOを見にブルーノート東京にに行っていたのです。
この日はJam Session会員限定スペシャル企画ということで、Jam Session会員1名につき、お連れ様1名はミュージックチャージ無料だったので、いつもブルーノート公演で声をかけてくれる知人が誘ってくれました。
エドマール・カスタネーダさんを見るのはもう3−4回目だと思うのですが、見るたびに「本当に10本の指だけ?」と思うほどの超絶技巧(ハープの奏法がよくわかってないから余計にそう見えるという話もあるが)
編成はハープ、トロンボーン、ドラムスの一見変則的ですが、実はハープがピアノの代わりだと思えばバランスは良い編成。
セットリストはここを( https://www.bluenote.co.jp/jp/reports/2023/08/05/edmar-castaneda-trio.html )
cuarto de coloresというアルバムに雰囲気は近いのではないかと。
途中聞いたことがある曲も何曲かあり、アンコールはAUTUMN LEAVES(枯葉)で、枯葉だけどアグレッシブな演奏で「日本人のツボを知っていらっしゃる」という感じでした。
曲名わかんないけど(失礼)演奏は良いしお酒も飲めるしねという、ブルーノートの良いところが詰まった公演でした。
梶尾真治の杏奈は春待岬にを読みましたよ。
未来からやってきた兄妹とそれに巻き込まれる人たちの物語。
未来からやってくる途中で事故に遭い兄妹に大きな差が発生、妹だけ特殊な現れ方をする、みたいな仕掛けが各所にあり、そのために最後はハッピーエンドなんだかなんだかわからないエンディングを迎える(一応ハッピーエンド)わけです。
しかし、タイムスリップものでいろんな物語よくできるなぁ、といつもながらに思います。
それにしても、梶尾氏熊本在住なために九州が舞台になっていることが多くて、偶に知っている地名も出てきて個人的にほっこりします。
矢野顕子LIVE ~ピアノ弾き語り~を見に狛江市エコルマホールに行ってきました。
この夏の2回目の矢野顕子は弾き語りなのです。
セットリストはこの辺とか(http://jkism.com/ay/pages/l_recital23.html)
先日のブルーノートと同じくCHILDREN IN THE SUMMERから。
途中"春咲小紅"をはさむあたり、普段と違うお客さんへのサービスという感じ。(とは言え最近よく演奏している気がする)
全体にMC多めのゆったりと言う感じでしたが、今までMCではあまり話をしなかった「ジブリの映画に参加していると人に説明するのが早い」みたいな話とか「コクヨのIngLIFEは腰痛にも良い」「あまちゃんの種市先輩ひどい」とかいろんな話を。
後半は初演となる"潮騒のメモリー"を、まさかの選曲で椅子から落ちそうになりましたが演奏はちゃんと矢野節になってまして、また聞きたいなぁと。
そしてコレまた先日と同じく"千のナイフ"。弾き語りと言うかソロでもすごい。ブルーノートで見た時は初めてだったので感傷的な気持ちが勝ってましたが、この日は 「すごい演奏!」ってところが勝ちました。
アンコールはお客さんからのリクエストで"中央線"と"ラーメンたべたい"のマッシュアップで"中央線でラーメンたべたい"(とご本人はおっしゃっていた)を。
中央線はまた新しいアレンジで良かった。
実は狛江市は車で通りかかる事はあっても降り立ったことは初めての場所で駅前の様子とか良くわからなかったのですが、駅近くのつぼ八に寄ったらなんか懐かしかった(15年くらい前までうちの近所にもつぼ八あったことを思い出しました。)。
矢野顕子トリオ featuring ウィル・リー & クリス・パーカーを見にブルーノート東京に行ってきました。
まずセットリストはこちら(https://www.bluenote.co.jp/jp/reports/2023/08/20/akiko-yano-trio-featuring-will-lee-chris-parker-10.html)
ライブは夏の公演でよく聞くCHILDREN IN THE SUMMERから。このトリオは定番の曲も何曲かあるのですが構成とかアレンジとか毎回変わって行って、この曲も間奏部分で4ビートに変わってそこからまた戻るところが今までに増してブルーノート感。
後半にはベースとドラムをバックに"ラーメンたべたい"、「皆様のご協力をお願いします」と言ってフィンガースナップを。しかし僕の座っている席の前にいたお兄さんは後半フィンガースナップがオモテになっていてちょっと残念(笑)
そして「YMOの曲をやりますが、この曲アレンジしたらすごい難しいのよ」と言って"千のナイフ"を。YMOキッズ号泣の選曲なわけですが、コレまたピアノトリオの演奏になっていてウィル・リー&クリス・パーカーの力量もさることながらアレンジ力すげーなーと。そしてちょっと泣きました。
なんか毎年いいもの見せてもらったなぁと思いながら帰途に着くわけですが、とはいえここ数年パンデミックとか色々ありましたし見られるうちに沢山見ないとね、と思いました。
柞刈湯葉の未来職安を読みましたよ。
ベーシックインカム制度が実施されている近未来にある職安での話。
実際の業務は職安というかエージェントという感じなのですが、それはさておきベーシックインカムがあるとこんな事になっちゃうかもねぇと言う話。
人はほとんど働かなくても良いけど横並びなので、そこから頭ひとつ出る為に就職を考えたり、そこから進んで結婚で相手と格を合わせる為に就職したり、とか結構いろんな話があって、とはいえ結局根底に流れる差別意識みたいなものが人間の業という気がするところがこの本の面白さかと。
NakamuraEmi「 LIVE & COFFEE 」2023 at Swell Coffee Roastersを見に行ってきましたよ。
知人からお誘いがあり見に行ってきました。実はお誘いをいただくまでNakamuraEmiさんのことをよく知らず。予習はしていったのですが、みんなでサビの部分手を上げるところとかいまいちだったのが2列めだったので流石にご本人にもバレていたと思います。
という話はさておきNakamuraEmiさんとギターのカワムラヒロシさんとのデュオでと聞いていたので全編しっとり可と思いきや、結構激しい曲が多くて驚きました。カワムラヒロシさんはレコードのプロデュースもしているので、CDのイメージをこの編成でと言う感じはさすが。
全体的に楽しかったのですが、大きいおじさんの後ろの人が楽しめたかどうかだけが心配です。
写真見たら後ろの人本当かわいそう
https://twitter.com/nakamura_emi/status/1690374698893467650?s=20
スティーヴン ウィットの誰が音楽をタダにした? 巨大産業をぶっ潰した男たちを読みましたよ。
作品の説明を読んだときに"mp3の開発秘話か"と思っていて、読み始めたら実は配信用圧縮技術の開発、レコード会社の動き、リーカーの存在と3つが絡んで音楽業界が変わっていく、と言う話でした。
リーカーというのが僕としては結構新鮮で、"買ってきたCDをリッピングしてアップロードする人っているよねー"くらいのイメージだったのですが、実はちゃんと組織があってヒエラルキーもあって、メンバーが音楽業界に食い込んでいたために発売日以前にアップロードする事もできた、と言うところがすごい。
そして一番ビックリしたのはmp3とAACを開発したのは同じ組織だということ。AACはアップルがゴリ押しをしていたのでてっきりアップルが開発したものかと思ってました。
最終的にはどの業界も時代に合わせて柔軟にスタイルと変えていくというのが大事ってことか、と思わされました。
恩田陸のドミノin上海を読みました。
実は前作の「ドミノ」の内容が全く思い出せない僕なのですが、そんな僕でも楽しめる本作は何故かジャイアントパンダが大活躍するという話。
いつもの恩田作品のように、映像化が難しそうな(やったら大火傷しそうな)内容で、僕の感想としてはドミノ倒しの雰囲気よりも、三谷幸喜の作品のような丁寧に伏線を張って、そしてその伏線が巧妙に絡んでいって最後に一気に回収していくと言う感じが、爽快感があります。
しかし、登場人物が不思議な人(と動物)だらけでびっくりします。