ポストを開いて「自家目録」が入っている歓び、 ほかの何に例えられましょうか。
ありがとう、風船舎&にわとり文庫。
ーーと、以前ならそこで終わっていたかもしれません。
自分も1号どうにかこうにか出すことができた経験を持ったがため、今、風船舎やにわとり文庫がどんな気持ちでいるのだろうかと、ちょっと想像できるようになりました。応募を待ち望んで、電話が鳴るたびFAXに駆け寄り、一日に何度もポストを開きたくなるような気持ちを。
1冊でいいのです、ご注文を待ち望んでいることと存じます。
先日、えびな書店さんから「さっき、お客さんからもらったんだけど」と見せられたのは、えびな書店 自家目録 第1号でした。20年以上前に発行した、ペランと薄くて小さい目録でした。「今みたいに分厚く立派じゃなかったんですね」と思わず口にすると「最初から厚く作れる店はないよ。本当、はじめはこんなだったんだよねえ」と、しみじみ語っていたえびなさん。たまたま同じ場所に居合わせた石神井書林・内堀さんも頷いていました。
古書店もいろいろ。スター性のある店主さん、イベント参加型のお店は華があって面白そう、実に時代のカラーにピッタリなのかも。一方、 昔ながらの専門分野をただコツコツ地道に突き詰めようとする目録型の店は、知る人ぞ知る、になりつつあるのかも?
ですが、私たちにとっては、えびな書店、石神井書林のように、専門古書店としての矜持を持って、内容の濃い自家目録を1号また1号と発行している店が大きな憧れです。顧客との密なつながりを保ちつつ、市場で真剣に古書と向かい合っている先輩古書店が、カガミとなっています。今目の前に「書肆アクセスという本屋があったーー」がありますが、書肆アクセスもなくなってしまった今。廃業する店の商品がまた市場に出ていたとか、そんな話ばかりが多い今。
ベテラン古書店も、キャリア浅組も、目録発行の思いというのは並大抵のものではないようです。ぜひご応募を。1件の応募が本当に大きな支えとなります。他店の自分が言うのもヘンですが、宜しくお願いいたします。目録についてのお問い合わせは、風船舎、にわとり文庫へ直接お願いいたします。
ああ、他店の応援ばかりしている場合じゃなくて、自分のところのことをなんとかしなくちゃ、と思いつつ、消化不良なのかいまひとつ腹に力が入らずにいる海ねこでした。寒くて体調がおかしくなりそうですが、どうかご自愛のほど。
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