
矢野 顕子・野口 聡一の君に会いたいんだ、とてもを聞きましたよ。
矢野顕子が昨年のブルーノート公演あたりから小出しに演奏してきた野口聡一とのプロジェクト。
矢野さんは昔から子供の書いた詩に曲をつけて歌ってる作品もちょいちょいあったりはしたので、職業作家が書いた詩でなくても面白い感じになるんだろうなぁと思っていたら、さすが期待に答える感じの曲ばかり。
"ドラゴンはのぼる"は昨年ブルーノート公演でトリオ構成で演奏されていて、そのプログレ感にくらくらしましたが、ピアノと歌だけで聞いても曲が持つテンションというかそういうものが同じなところがさすが。
あと"宇宙を歩くひとたち"の詞が秀逸というか、この詞がよくポップスになったなと。
なんか野口さんを通して矢野さんの底の深さを思い知るという、なんか不思議なCDです。
答え合わせは、未来で。を読みましたよ。
この本は日産未来文庫ということで、日産自動車が広報のために出した冊子の電子版が一時期Kindleでも配布されていたのです。
と、今調べて知ったのです。2019年に買った本でした。
なんかの記事で見かけて買ったんだと思います。(なので価格も¥97-)
今はここで何本か読めます(https://www.nissan.co.jp/SP/MIRAIBUNKO/)
作家と編集部が書いた作品が混在していて、どちら良いのですが、やはりオリジナリティは作家のほうが上かなと思います。
とはいえこの中で一番好きなのは、自動車が完全自動化された未来では、自動車の中が時間を自由に使えるパーソナルスペースとなるため、通勤に2時間位かかる場所が人気になるという編集部作の「人気住宅街」。
すべての自動車が完全自動化されたら渋滞もほとんど無くなるだろうし、田舎に関しては過疎化問題も解決できるのでは?と思うのですが。僕が生きているうちにそんな未来が見られますかねぇ。
伊坂 幸太郎のオーデュボンの祈りを読みました。
久しぶりの伊坂幸太郎です、とはいえ本自体は20年以上前の本。
朝起きたら何故か不思議な島にいた主人公が活躍しているようなしていないような、そんな話。
島に来る前の場所と島の過去と3つのストーリーがユルークリンクしていて最後カチッとハマるところがなんとも気持ちいい。
これ随分前からKindleの中に鎮座しているような...と思ったら、2013年に買ったらしい。すごいな僕。
レイモンド・チャンドラー (著), 村上 春樹 (翻訳)のロング・グッドバイを読みました。
これも長らく積読状態にあった本。
これは村上春樹訳だから文体が村上春樹節なのか元々の本がそうなのか、というのは英語が読めない僕には理解できなかったりするわけですが、そんな事はさておいても面白い。
夫婦とか姉妹が多くて人の名前が覚えられないと言う私の駄目なところがこの本を読むのを困難にさせるわけですが、それでも面白い。
(こういうときにKindleのX-Ray機能って便利だよね)
なんか一回終わったように見えてしまって、その後「エピローグ長いなー」と思っていたらとんでもないどんでん返しがあったのが衝撃。
なんか思ったよりマッチョ感あるなぁと言う感じです。(今っぽくないけど嫌いじゃない)
5000ドル紙幣も気になる。
筒井 康隆 (著), 日下 三蔵 (編集)の筒井康隆、自作を語るを読みましたよ。
Kindleの積読フォルダが60件を超えそうだったので、頑張って本を読み続けているわけなのですが、これも3年以上眠っていた本。
この本は筒井康隆選集が出たときに行われた日下三蔵によるインタビューをまとめたもので、執筆に関する話だけではなく、その時の筒井康隆の周りの状況も説明してくれているので楽しい。
日下三蔵のインタビューがすごくて、おそらくこの人は筒井康隆に関するものはほとんど読んでいるんだろうと思うのですが、データ的なものに関してはおそらく本人より詳しいのではないかと思うくらい会話がスムーズ。
筒井康隆の執筆の歴史を通して、小松左京、星新一、筒井康隆の三人が切り拓いてきた日本SF史の黎明期を結局総括する形になっているのも見ていて面白い。
この本で一番好きなくだりは江戸川乱歩について語られているところで
── 若い人にとっては、(江戸川乱歩は)もう歴史上の人物ですからね。
筒井 私もそろそろ歴史上の人物です
ってところ
筒井康隆の銀齢の果てを読みましたよ。
先日何かのきっかけでこの本を読むべし、みたいな書き込みを見かけたので、そういえば読んでなかったなぁと思い購入。
特定の地区内で年寄りだけのバトルロワイヤルをやる、と簡単に言うとそういう話、なのだがこの年寄りだけという設定の妙で、殺し合いなんだけど滑稽になっていくというところが筒井康隆のすごいところじゃないかと。
オチもかなり効いているのだけど、「また死に損なった」というのがなんか悲哀があって、なんかすごいものを読んでしまったような気に...
デビッド・クアメン (著), 甘糟 智子 (翻訳)のスピルオーバー----ウイルスはなぜ動物からヒトへ飛び移るのかを読みましたよ。
1年くらい前に買ってちょっとずつ読み勧めてなかなか進まない本でしたが、ついに読了。
人と動物の間で感染するウイルスってどういうの?というのをウイルスごとに細かく説明していく本。
これを読んでいると、外に出て軽はずみに動物に触るもんじゃないなと思っていしまうくらい人獣共通感染症について恐怖を覚えるわけですが、それでも危険を冒してまで研究される人がいるというのが、素晴らしいことだなと思うわけです。
また、どのように感染が広がっていったかを物語形式で書いてあったりするので理解しやすい。
この本を読んでいて興味深かったのは、人にしか感染しなければ抑えることは比較的簡単だが人獣共通感染症は獣側(特に野生)をコントロールできないためそうは行かない、というのが言われればそうだなと。
あとは「地球上で最も深刻なアウトブレイクはホモ・サピエンスと言う種である」というのは面白い視点。
村上春樹の職業としての小説家を読みましたよ。
Kindleに入っている村上春樹を片っ端から買っていっている僕なので、この本もその一環で買ったのです。なので僕が職業としての小説家を目指しているわけではないのです。
とは言え、村上春樹という作家がどうやって出来上がってきたか、そしてどうやって継続してきたか、という話が興味深く書かれていてどの仕事も変わらんなぁ、とそんなことを思います。
ちょっと興味深かったのは
・芥川賞候補に上がらなくなったタイミングでほっとした
最近芸人さんが結成15年を超えるとM1に出られなくなるんだけど、15年を超えた時点でM1のことを考えなくなるのでホッとしている。みたいな話をよくしていて、賞によって評価される業界って結構そう言うプレッシャーってあるのね、と。
・自分の書きたいものを書く
どうせひどいことを言われるのなら自分の書きたいものを書きたいように書く、とあって、結局書評はもちろん、今だとSNSだブログだなんだと(まぁこれもそうなんだけど)結局何を作っても悪口が0になることは無いわけで、そんなの気にしながら創作している場合じゃないという覚悟がなんかよいなぁと。
・US進出の話
自分で翻訳家を探して翻訳してもらい、それをエージェントに持ち込んだという話。僕は出版社が勝手にあんじょうやってくれた、みたいなイメージだったので目からうろこでした。
そんな面白い本でした。
上原ひろみのBLUE GIANT (オリジナル・サウンドトラック)聞きましたよ。
このCD実は2/17には到着していて、ちょっと聞き始めたものの「いや待て、映画を先に見ないと、映画の衝撃が薄れるやもしれん」と思い、映画館の帰り道から聞き始めましたよ。
2曲以外は上原ひろみ作曲・アレンジなのだが、いつもの上原ひろみのアルバムで聞くシリアスなジャズばかりではなく、軽めの曲が入っているところが珍しいのではないかと。あと上原ひろみクインテットのメンバーとか、コンダクターとして挾間美帆がクレジットされているのが興味深いですよ。
映画見たときも思いましたが、原作中に出てくるオリジナル曲が実際に演奏されてると言うのは面白いな、と。
それと歌詞カードがなんか違う!と思ったら右開きで、石塚真一によるバックステージのサブストーリー漫画付きなのでそちらもお楽しみに。(誰に向けてるの...)
映画『BLUE GIANT』を見てきましたよ。
なんか一山越えたので、ここはインプットが必要に違いない。と見に行ってきましたよ。
BLUE GIANT(原作:無印)の高校卒業後からをサクサクっと進める感じで、かなりテンポの良い映画でした。
BULUE GIANTは原作も読んでいるので、最初映画の制作が発表された時は「ああ、BECKの実写映画みたいな感じで、演奏はふわ~っとされちゃうのかなぁ」と思っていたら、後日の発表で上原ひろみが音楽担当と言うことで期待も5割増しで楽しみにしておりました。(昨年末のコンサートでも映画の予告が流されていた)
全体に映像表現にいろんなテクニックが凝らされていて、音楽をより効果的に表現しようとする感じが溢れていました。
"N.E.W."、"First Note"みたいな漫画中の曲が形になってるというを楽しみにするのもよいかと。
あ、でも最後のあそこ、原作と違うのはちょっと僕の好みじゃないかもです。