1 日々の暮しの最近のブログ記事

以前、蒐集なさっていた蔵書のご整理を任せてくださった方
(ー勝手ながら、Yさんと呼ばせていただきます)に賀状を出したのですが、返事がないままでした。
「Yさん、どうしてるんだろう」と先日も話していたところです。

たった今、お兄様から1通の寒中見舞い状を受け取りました。
「弟は昨年10月に亡くなりました。生前のご厚情を感謝申し上げます」と
書いてありました。

以前より血液の癌によって余命宣告を受けつつ、通院しながら治療を続けていたYさん。
2012年夏、奥様を癌で見送った1週間後、
蒐集し続けていた絵本を整理することを決意され、当方にメールをくださったのでした。
絵本を置いてミニギャラリーとして公開していたYさんでしたが、
そのスペースを整理してアトリエにし、
1作でも2作でも、自身の絵を描くことに集中したいのだと。
そこには、写真を撮られるのが嫌いだったという奥様の
若きころの写真が飾られていました。
奥様はずっと絵を描くことを応援していたそうで、
写真があると奥様がそばにいて
「良い絵を描きなさいね」と励ましてくれているような気がすると
話していました。

Yさんにとって、1作でも自分の良い絵を描き残したいというのは
切なる願いであり、強い希望でもあったのだと思います。
自然の色を描くのに、絵の具をどう使っても、
思ったような色を出しにくいのだと話していました。

本をご整理されたことについて、いろいろな思いがあったことでしょう。
ただ、蒐集し続けてきた絵本がなくなって、寒さは募る晩など、
どれほどさびしい思いをなさることかと想像するのは難くありませんでした。

本を運び出す私たちをじーっと見ていたYさん。
何をどう話せばいいのか、、、、
沈黙を埋めるかのように、あれこれ口走っていた私でした。

そして、私はYさんにお願いごとをしました。
きっと、蒐集された本からたくさん吸収なさったことと思います。
作品なり絵本なりおつくりになれましたら、
ぜひ当方のHPに掲載させていただけませんか、とお願いしました。

最後にメールをいただいたのは、
2013年4月20日のことでした。
勝手に引用させていただくこと、きっとご本人はお許しくださるのではないかと、、、
はっきりとはわかりませんが、、
どうでしょう、Yさん、答えはどこにあるのでしょうか。

私はこの方のことを忘れてはならないと思う。
そして、古書店という仕事の重さ、責任を痛感します。
こういう重さを認識し、じくじくと、噛み締めていかないといけないのですね。

Yさん、作品はいただけませんでした。
ですが、軽自動車で2往復して運んだ絵本を託していただき、ありがとうございます。
おかげ様で、大勢の方が本を手にさせていただきました。
橋渡ししながら私もいろいろ勉強させていただきました。
そして、何よりも、たくさんのことを教えていただき、
本当にありがとうございます。
教えていただいたことを活かしていけますよう、努めてまいります。
ご本人にメールできないのが残念ですが、この場を借りまして
ご冥福をお祈り申し上げます。

では、最後に、4月20日にいただきましたメールより。
このメールにも、実は、欲しい本があるので
何とか手に入りませんか、と書いてありました。
Yさん、私、ちょっとはお役に立てましたか・・・・。

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海ねこ様

大変ご無沙汰致して申し訳ございません。

以前入院してる時に絵本用に書いた短い物語などが出て来ました。
今、それをリライトしています。
書き終わりましたらお送りしたいと思っていますのでもうしばらくお待ちください。
絵本については「おにぎり」というタイトルで幼年〜低学年用にラフスケッチは仕上がっていますので
こちらもそのうちお送り致します。

私は今、抗がん剤の副作用と戦いながら懐かしい昭和の子供遊びのイラストと童話に絞り制作をしています。
どうぞ温かい気持ちで見つめ続けて下さい。

春なのに寒さが身に凍みます。
今日は午前中雪がちらつきました。

どうかお身体に気を付けてお過しください。

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ネット検索したところ、11月の個展を前に亡くなったことが判明。
個展の案内 に出ていた絵が大変素晴らしかったです。
Yさん、願いどおり、渾身の作を遺すことができたのですね。
人の力とは、なんと偉大なのかと、胸を打たれました。感謝です。
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1年ぶりのご無沙汰でした。
古本 海ねこ 古書目録 第6号が完成しました。

かなり偏った内容ですので、どなた様もがお楽しみになれる内容とは言えないかもしれません。
逆に、蒐集家や研究者、専門家の皆様にはちょっと物足りないかもしれない内容ですが、
この1年間、少しずつコツコツ集書しました本を1冊にまとめました。

そして、大事な商品を抱え持って、お客様のところまで1軒1軒、お訪ねし
御用聞きでもさせていただくような気持ちで、目録を送り出しました。

私が集めたというよりも、本によって、そして、お世話になっております方々の力によって
いったん、この場所へ、「仮に」集めさせていただいたという思いです。

お世話になっております方おひとりおひとりへ
お礼の電話をかけたい欲がわき上がっておりますが、
自分ひとりの興奮によって、お忙しい方の貴重なお時間を頂戴しますのも恐縮ですので、
この場での挨拶にとどめておきます。
簡単には言い尽くせない思いがありますが、
本当にありがとうございます。

あとは、行き着いていくべき場所に古書が無事きちんと行き届いていくよう、
祈っております。今この場所で(目録という形において)いったん記録をしましたので、
それぞれ、収まるべき場所に無事に収まってもらいたい、
そして、個々の方々の書架へお収めいただくなり、眺めてお楽しみいただくなり、
所蔵品に加えていただくなり、
ご研究にお役立てていただくなり、どうぞどうぞご自由に、といった心境です。
ご応募の締切は9月8日(日曜)いっぱいです。

掲載品の原物をご覧になりたい場合は、
京王線・調布駅から徒歩6分 古本 海ねこ事務所にて対応可能です。
お手数ですが、事前に必ずご予約ください。
予約可能な曜日・時間帯は土曜・日曜、火曜から木曜の昼から21時頃までです。
ご覧になりたい本を事前にある程度、お知らせいただけましたら
確実にご覧いただけますようご用意しましてお待ち申し上げます。
ただし、商品のお渡しは早くて9月9日(月曜)以降になります。ご了承ください。

なお、今号の巻末には、
1月26日、調布市 古本 海ねこで開催しました近島哲男さん
「もっとマニアックに絵本を楽しむワークショップ」抄録を掲載しました。

この秋、9月22日(日曜)17時から、西荻ブックマークにて
「印刷で読み解く絵本ー古き良き絵本はなぜ美しいか?」と題しまして
近島さんに再びご登場いただきます。
今回は、近島さんが古い絵本や印刷途中の見本などを
いろいろお持ちくださる予定で、テーブルを部屋の真ん中に配します。
そして、印刷物の原物そのものを
肉眼で眺めたり、ルーペでのぞいたり、手にとって感触を味わったり、
リアルな感触を味わって鑑賞できますようにと。
あえて定員を絞らせていただくことにしました。
お早めにご応募いただけますと幸いです。

詳細は「西荻ブックマーク」HPをご参照ください。
参加のお申し込みは西荻ブックマークへ、あるいは海ねこへメールでお願い致します。

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いつもお世話になっております。
「古本 海ねこ 古書目録 第5号」にご注文、さまざまなご意見をいただき、
誠にありがとうございます。

古書目録 5号は、思えば、今までで最短のおよそ半年でつくりあげたのでした。
「2階の古書市」までに何とか間に合わせたいという希望があったからこそで、
締切がなかったら、おそらくまだまだ日々、入力し続けていたことでしょう。
目録を年に二度出すというのは、大きな目標でしたが、
自分の持てる力をすべて注力してみたところで、
半年で集められる本には限りもあります。
やはり、どうしても、すべての顧客の皆様それぞれに
何かお望みの本をご用意するというのは難しいことでした。
目録をご覧になって「う、注文したいものが見つけられない。しょんぼり」とお感じになった方には
本当に申し訳ないばかりです。
注文品を見つけられないお客様もしょんぼりかと思いますが、
あの方からも、あら、この方からもご注文がないと感じながら、
店主もしょんぼりで、日々、非常にしょげておりました。
万一、目録をお届けできていなかったらどうしようかと青ざめてもおりました。
「これ!」とお感じのものをご用意できなかったのは、私の不徳の致すところでございます。
目録の構成や説明不足でお気づきいただけなかった本もあるのではと反省しましたが、
お客様のほうが私よりずっとお詳しいのですから、
こちらが説明しすぎないほうがいいと
ある先輩書店から指摘され、それもそうだ、とも考え直しております。
そして、これまで買い続けて支えて下さった方も、
それぞれ生活環境が少しずつ変わって、
好みも少しずつ変わり、必要としているものが変化しているかもしれません。
変わらずお元気でいらっしゃいますように、とお祈りしております。
いつかまた、何かご用意していけますよう努めます。
今後とも宜しくお願い致します。

実は昨夕まで本当に沈んでおりました、
家族には気の毒なほどでした。
ですが、悪いことばかりではありませんでした。
ご注文いただきますたび本心より"ありがたい"という気持ちになり、
心の底から「ありがとうございます」という声が出るようになりました。
ものごと、良いばかりのことも、悪いばかりのこともないもので、
厳しい局面からしか感じ取れないこともあります。

それでも、おかげさまで、本当におかげさまで、
ここにきまして、なんとか、はあ、なんとか、
今後も店を続けていくことは出来そうに思えてまいりました。

つい先日は「ーーーはずいぶん注文は入っていますよね? あ、まだないですか。
そうですか。もうちょっと考えて注文できそうならFAXします」とお電話くださった方から
日をおいて、ご注文のFAXが届きました。
その方にとりましては、どれほどお考えの末にご英断いただいたことかと考えますと、
頭が下がるばかりです。一古書店に希望を与えてくださいました。
これまでの注文品、今回の注文品からその方がどのようなものがお好きでいらっしゃるのか
推測できますが、納品先として、これほどふさわしい方もないと安堵しております。
誠にありがとうございます。
(のちほど、天神様にお礼参りしてまいります)
今後もなんとか店を続けていけそうだと感じられるように至りましたのは、
本をお譲りくださった方、本をご注文くださった方、
さまざまな面から自分を支えてくださっている方のおかげです。

本日9月10日いっぱいを、目録5号の応募締切とさせていただいておりますが、
締切が過ぎましても在庫がありますものはいつでもご注文になれます。
今すぐ目録をご覧になりたい方は、
古書往来座(東池袋)、古書ほうろう(千駄木)、音羽館(西荻窪)、善行堂(京都)で、ご入手可能かもしれません。
すでにご注文いただき、「2階の古書市」会場での受け取りご希望をいただいた商品は
(万一ご希望が重複しましたものは恐縮ながら抽選)
会場の中野書店に持参いたします。

そして・・・・。
古本 海ねこ 古書目録6号は当分、出ません。
というのは、ある方から大事にされていた洋書絵本を多数お預かりしましたため。
なるべく丁寧に、必要としている方のもとへしっかり橋渡ししていきたいと考えているからです。
カラー印刷は予算的に不可能と思われるため、
ネット上でのご紹介になるかと存じます。
秋にちょっと予定もありますので、
年内いっぱい、来年にかけて、おそらくかかりきりになることでしょう。

これらの洋書絵本をネット上ですべてご紹介することは難しいかもしれませんし、
それらの現物をお手にとってごゆっくりご覧いただく場所としては、
調布駅から徒歩6分の事務所をご用意しております(予約制)。

ということで、お譲りいただきましたおかげで、たくさん貴重な洋書絵本がありますため、
もはや事務所に貴重な洋書絵本をストックとして眠らせておく必要もありません。
14日・15日の「2階の古書市」には、思い切ってあれもこれも持っていきたい、
商品によりましては思い切って値段の見直しも、と考えております。
ああ、搬入日をのぞいたら、あと3日しか準備期間がないのだわ。頑張ります!
今後とも宜しくお願い致します。
目録を出すと、お喜びいただけた感想も、厳しい声もいただき、
そのどれもが体内にビシビシ響いてきます。

ツイッターやブログで目録のことを一言でも二言でも
ご紹介いただけますのは、本当に有難いです。皆様、ありがとうございます。

うちの目録は、絵本・児童書にそれほど関心がない人には専門的すぎ。
本当のコレクターにとってはちょっと(というか、かなり)物足りない。
客観的に見たら、そんなところではないかと思います。
あれこれ自信がなさすぎて、崩れ落ちそうになる日々ですが、
ぎりぎりのところで、どれほど人さまに支えていただいていることでしょうか。

林哲夫さんが、弊店目録を丁寧にご紹介下さいました。

自分は、仕事柄、手にすることができるさまざまな絵本や雑誌の内容・書き手の顔ぶれを
ただひたすら書き付けているのですが、
受け手の方にいろいろ読み取っていただけますと本望です。

古書市場に通っていても滅多に見かけることのない「コドモアサヒ」ですが、
今回、とある方からお譲りいただき、ご紹介することができました。
雑誌を見ながら私が書き出した顔ぶれから、林さんがさまざまな書き手・描き手に思いを抱いてくださった・・・。
いにしえの方たちに思いを馳せた・・・。
ちっぽけな自分ですが、介在させていただいたことで、至福の喜びをいただきました。
「コドモアサヒ」ほかお譲りくださり皆様に紹介させてくださった方、林さん、
本当にありがとうございます。
ご注文いただく際のメールやFAX、ハガキ、それから「今回、注文はないですが」と前置きしていただく感想文の数々にも、本当に力をいただいております。

目録の応募締切は9月10日いっぱいです。
締切すぎても在庫がありますものはいつでもご注文可能です。
何か良いものが欲しいのだけれど、何を買えばいいのかわからない、
でも、長く楽しめる良いものを入手してみたい、という方には、
「コドモノクニ」「コドモアサヒ」を思い切って買ってみては、とオススメしたいです。
1見開き1見開き、良い書き手・描き手が連なる、めくるめく玉手箱です。

面白い雑誌に影響されながら育ち、
大学在学中から雑誌の編集・ライターを20年以上続けてきた私です、
やっぱり雑誌が好きなんです。
古書を扱うようになっても、単行本よりむしろ残っていきにくい雑誌には、とくに目をかけてしまいます。
「コドモノクニ」など、ごく一部に復刻版があったとしても、やっぱり発行当時のものは違います。
素晴らしい文章に絵柄、エディトリアル・・・、宝の1冊になると思います。
今回の目録には、ちょっと状態が良いとはいえないーしかし買いやすい値段のものもかなり掲載しました。
「コドモノクニ」そのもの、古書市場にもなかなか出てこないうえ、
状態が良いものはめっぽう高いため、安くお出しすることは不可能ですが、
今回、ご入手いただく絶好の機会なのではないかと。

「2階の古書市」には、表紙なしのものも何冊か特価でお出しします。
コレクター向けではありませんが、中の絵、紙は発行当時のもの(!)です。
80年以上を経て、当時の印刷はどのように見えるのか。
惜しげなく、思う存分、観察し鑑賞するのに最適。
デザイナーさん、イラストレーターさん、素材・資料としていかがですか。
また、好きな絵を額装して、プレゼントや自宅用にするーそんなゼイタクな楽しさもどうぞ。






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↑ロシアのポップアップ絵本です。素朴な味わいがなんともいえません。80年 1800円

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↑1947年 発行当時のオリジナル・エディション

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↑フランス 親指トムのライブラリシリーズ  豆本3冊 2枚目画像は、3冊それぞれの裏表紙。

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↓堀内誠一・画 カレンター
96年のものですが、堀内誠一描くクラシック作曲家たち。さまざまなタッチで描かれた作曲家 像が見もの。おまけに、堀内誠一による作曲家エッセイ コピーをおつけします。美品 
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いつか、目録を一部でもカラーで印刷できるようになるといいのですが、
まずは、書影をごく一部。
また時間が見つかりましたら追加したいと思います。

なお、お客様からご指摘をいただき、確認しました。
Mさん、的確なご指摘を本当にありがとうございます。
P4にあります"Filles et garçons" 
カラーイラストは10点でなく、12点あります。
ほかにモノクロのイラストが多数。
猛暑の中、頭が朦朧としてイラスト点数を間違えてしまったようです(言い訳ですね、失礼しました)。

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半年ほどの集書のご報告といたしまして、
ようやく完成致しました-。

一目見たら忘れられないイラストを産み出してくれたのは、poppetさん(poppetさん、感謝です!)。
プロのブックデザイナー gouldさんに表紙まわりを手がけていただき、
ちょこっと洗練したのではないかと自負しておりますが、いかがでしょうか。

まあ、中ページをあけていただけば、これまでとそれほど変わらないのですが、
巻頭には、写真が少しでも良く出るようにと、ちょっとだけ良い紙を使いました。
章見出しもデザイナーさんに手がけていただき、もうちょっとクリアーに出ればよかったのですが、
でも、デザイナーさんのおかげで、これまでよりはずっと良くなったのではないかと・・・。

今回の目録は、ご覧いただきますとおわかりのとおり、
ほぼ何人かの愛書家の旧蔵書が柱になっております。
懸命に本を集め続けたNさんの旧蔵、初山滋、武井武雄、コドモノクニなど。
それから、海ねこが本が集まらない集まらないと嘆いたところ、
助けの手をさしのべてくださった、とある愛書家さんの蔵書ーコドモアサヒがまあ、こんなにたくさんまとまって!&めったに見られないような児童書の数々。

ですので、私が作った目録というよりは、愛書家の方々に作らせていただいた目録という思いです。

もちろん、通い続けている古書市場で、少しずつ少しずつ、
なんとか買うことができた絵雑誌、児童書も、
代々、引き継いできた愛書家、古書店、作り手の方々や出版関係者たちのおかげで、
ご紹介することができました。

買いやすいものもいろいろ掲載してあります。
これは、そんじょそこらでは手に入りません、堀内誠一のクラシック作曲家を描いたカレンダー(&おまけに クラシック作曲家について綴ったエッセイのコピーをおつけしますよ)。
店を始めた頃にある方からお譲りいただいた「月刊絵本」がたくさん!
海ねこを始めて10年めですが、少しずつ少しずつ集めてきた「こどものとも」ハードカバー各種も。珍しいものもあります。買いやすいものも多数です(800円、900円ぐらいから)。

パリの古書店から融通してもらった絵本などもありますが、
洋書絵本は3500円ぐらい、と結構買いやすいはず。
洋書絵本マニアには、ちょっと物足りないかもしれませんが、次号目録にご期待ください(と、今から言っておきます。もう次号のことで頭がいっぱいなんです、バカですいません。でも、あまり売れないと目録は5号でおしまい、の可能性もあります、、、、←小声で)。

お付き合いで目録を受け取ってくださる方、何かしら買ってくださる方、本当にありがとうございます。

日頃お世話になっております方、
また、目録前号や、ここ1年以内ぐらいに一定額以上を買ってくださったお得意様には
目録を進呈しております。
万一、届きません場合は、名簿の行き届かないゆえかもしれませんので、ご一報くださいませ。

ただ、目録を見てみたいという方、同業の方でも(同業者には絶対見せないという店主も案外いるのです)50円切手と80円切手の組み合わせで600円分をお送りいただけましたら、送付いたします。
〒181-0015 東京都三鷹市大沢4-17-13 古本 海ねこ あて

こういうことを書くと不快に思う人がいるかもしれませんが、
目録はタダで配るもの、タダでもらえるもの、という概念を私は好みません。
目録そのものに資料価値があるように、600円に値する内容を目指して作っているつもりです。
お預かりしました代金は、また次の仕入れ・買取代などに大事に使わせていただきます。
(梅ちゃんのキャベツやクッキーでは、看護師さんのお給料を払えませんよー 笑)
なお、目録の数には限りがありますので、品切れの際はご容赦下さい。

ではでは、皆様、宜しくお願い致します。
なんとか作った・送り出せた、という安堵感からなのか眠いです(本当は、売れなかったらどうしようかとビクビクドキドキコワゴワなんですけどね)。西荻窪に出かけてきますよ。


半年間の苦闘が終了しました。
「苦闘」といっても、まあ、人様から見たら、なんというほどのこともないでしょう。
本当に努力している人にはお詫びしたくなるような、ささやかすぎる"苦闘"かもしれません。

ただ、目録を作ったことがある人なら、きっと多少なりとも想像はつくと思いますが、
まあ、目録1冊作るというのは、そう楽なことではなく。
号を重ねるにつけ、ずっとレベルの高い目録を作り続けている他店を心底尊敬するようになります。

なにしろまあ。

●本がなかなか集まらない
    ↓
●市場に通い続けて、いざ、これだという本が出てきたとき、他店に競り負ける
    ↓
●ときには競り勝つこともあれど、もれなく支払いが追いかけてくる
 払っても払っても、また払わなければならないループ
    ↓
●困った困った、とほざいていたら、お客様に救いの手を伸ばしていただき恐縮する。恐縮しつつも、大変有り難い
    ↓
●雨の日も風の日も、猛暑の日も、ひたすら入力の日々が続く
 本当にこれでいいのか、と不安になってくる。自問自答しながらも進むしかないループ
    ↓
●お粗末なレイアウトのまま、目録4号まで来たもののの、
 友人デザイナーさんからの「デザイン考えたらもっと良くなると思う」との天使のような囁きに
 しがみつかせていただく
    ↓
●おかげさまで、事務所の案内、イベントのお知らせ、応募方法など、非常にわかりやすくなった
 デザインの力を思い知らされました
    ↓
●表紙はおなじみ、海ねこちゃん。poppetさんに産み出していただきました
    ↓
●とても不思議で素敵な表紙、と、そこの部分は自画自賛になるかもしれませんが、ちょっとだけ言っておきたい
    ↓
●これまでギリギリまで入力して、直しが多すぎて毎度印刷所にご面倒をおかけしてきたため、
 今回は校正の時間を比較的たっぷりとった
    ↓
●それでも、なにしろ冊数が多い。なにしろ、データ量が多い
 見ても見ても見ても見ても、誤字脱字が見つかり続けるループ
    ↓
●それでも、どこかで校了としないと発行できなくなってしまう

 2012年8月21日、校了。

 なにぶん偏った内容の目録ゆえ、お好みにあうかあわないか、非常に分かれるところだと思います。

 何度もお付き合いさせていただくと、その方のお好みは少しずつわかってくるのですが、
 今回の選書にはがっかりされる方もいらっしゃることと思います。今からお詫びしておきます、大変申し訳ありません。
 とりあえず、今の時点でご紹介できるものはすべて盛り込みました。
 選書の偏り、データの間違いなども含めまして、不備な点も多々あるかとは存じますが、宜しくお願い申し上げます。
 発行は来週の予定ですので、続報は追ってまた。

 他店とともに9月14日・15日にイベントも予定しております。
 目録発行後、現物をご覧になりたい方には当方事務所でご覧いただくことも可能です。
 ご注文いただきました商品は、イベント会場においてお渡ししますことも可能です(万一、ご注文が重複しました場合は恐縮ながら抽選とさせていただきます)。
 イベント情報も追ってご案内申し上げます。

 さて、本日の梱包・発送にかからねば。
 また、一から集書に励まないとなりませぬ。ループは続くよ、どこまでも♪

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 デザイン・gould

よく覚えている、子どものころの感情がある。

おもちゃ屋で親からそれが欲しいかと聞かれた。
私は本当は、ものすごく欲しかった。
それなのに、素直に「欲しい」と言えなかった。
子どもながらにプライドなのか何の感情かわからないが、
何かがジャマして、欲しいと言い出せなかった。
そして、親から買ってもらえず、泣くに泣けず、
その感情をひとりひきずっていた記憶がある。
三人の子育てで忙殺されていた母親が、私が迷っている渦中、
返答を催促して「これこれでしょ」と勝手に決めつけるのもイヤだった。
「そっちじゃないほう」と言えたらいいのに、言えずにいるのが常だったのだ。
欲しいのに欲しいと言い出せずにいる、
そのときの気持ちを大人になった今でも覚えている。
あれは、一体なんだったのだろうか。

自分のせいで、目録の集書に苦心しているというのに、
それをブログに書いたため、
お世話になっているお客様にご心配いただいた。
そして、本を譲りますといろいろご提案くださった方には、
こちらの事情からあまり良い返事をできず、
もしや傷つけてしまったのではないかと気に掛けている。

そして、別のお客様には、
いるともいらないともハッキリ言えなかったため、
あたたかいご注意のお言葉をいただいた。
たぶん現物を見たら、「これはいります」「これはいりません」と
即座に申し上げられたと思う。
こちらの知識が浅かったため、そのものを見たことがなく、
文章を見ただけで現物を想像しきれず、「いります」と即座に断言できなかったのが
いけなかった。
しかも、その方が本当は持っておきたいのに
無理して「譲ってあげましょう」と言わせてしまったのではないかと
あれこれ考えすぎて、かえって迷惑をかけてしまった。

どちらの方も、こちらのことを思いやってくださったのは
よくわかっている。
人の好意を素直に受け入れられたらいいのに、どうしてできないのか。
もう、なんでこんな面倒な性格なのだろうかと思う。

やはり、何か譲ってくださいと言いたくても言えずにいた人に、
このたびは遠慮ばかりしているのもかえっておかしいかと、
つい先日、勇気をふるってお願いしたのだった。
そのときは、あまりご期待いただけないと思うとの返事だった。
当然である。
そして、まったく期待などしないでいたのだが、
先ほど、思いもよらず、1箱、お送りいただいてしまった。

なんやかや、ややこしい性格なのに、
それでも好意を向けてくださる方に、
どう恩返ししていけばいいのだろうかと思う。

目録づくりに邁進できずにいる今の自分の精神状況であるが、
お世話になっている方のためにも、
もっとなんとかしなければと思うばかりです。

ややこしいことを抜きにして、ニコニコ笑顔でいられたら
どんなにいいだろう。
爽やかに笑顔で「お願いします! ぜひ譲ってください!」
「ありがとうございます!」と。
人はそういう人のもとに集まるだろうに、
私は、自分のややこしさをこういうところに書いて、
一体何をしたいのだろうか。

目録次号のもっともっと、なんとか手を入れるべき部分。
●初山、武井武雄
●幼年画報
●コドモアサヒ
●パリからの洋書、ロシアの絵本
●未入力の雑誌

私という個人が作っているのでパーソナルなものなのかもしれないが、
先人の偉業から何かをお借りして、
愛書家、古書店が引き継いできた本・資料を紹介して
どなたかに橋渡ししていく仕事なので、
なかばパブリックなもの、それが古書目録と思う。
なので、こんなこと秘することもないと考えます。
あれこれ言い訳せずに発行しろよとも思いつつ、
悶々としているさまを見せるのも、
誰かにとって(反面教師的な)何かのお役に立てたらいいのですが・・・。

集書に苦心しているとブログに書いて、
お付き合いさせていただいているお客様から本を何かお譲りいただきましょうとご提案いただく。
そして、大事なお客様を困らせてしまう。
なんという甘えっぷりだろうか。

製作中の目録の構成をわかっているのは私だけである。
見えないものと見えないものの間に橋をかけ、何とかつなげていくような作業であり、
作っている人にしかわからない。
ただただ並べているだけだろうと思われるかもしれないが、
たとえば時代順に並べていくだけでも、
コツコツ並べながら見えてくるものもある。

そういうものをしっかり伝えきれるのかどうか。
お客様から譲っていただいた古書、主が亡くなって古書市場に出てくる古書たち、、、、
活かしきれているのか自問自答の繰り返し。

自家目録を出すたび、質が落ちていく店が多い、といわれる。
せっかく始めても2~3号でやめてしまう店が多い、といわれる。

同じジャンルであっても、ご覧になるお客様によって
どこのどの部分が欲しいのか、まったく異なる。
ひとりでも多くの方に「お!」と思って、大事なお金を払おうと思っていただくためには、
そう簡単にはいくまいよ。
ああ、もっともっと古書市場に通わねばなるまいよ。
えびなさんも、石神井さんも、私が尊敬する店主さんは本当にコツコツ市場に通って
それはもう目を皿のようにしてあれこれ探しているのである。

そうして、闇に葬られていきそうな紙の山からすくいあげられるものも多いのだ。
先人たちの生きてきた証しを、これはよし、これはダメと選んでいかねばならないのだ。

もっと自覚せねばと思う。

昨夜、受注本を探しに事務所へ立ち寄ったら、
月の輪書林さんからの封書がポストに入っていた。
月の輪さんがお持ちだった、某店の目録を譲ってもらったのだった。
月の輪さんの手紙に、目録次号、そして、次々号への思いが
さらりと書かれていた。さらり、とだが、薄く軽く「さらり」でないことは自明である。
いただいた目録と、月の輪さんのメモに
頬をひっぱたかれたような気がした。

北條さん、岡崎さんに「ついにリアル店舗を始めた」みたいなことを書いていただき、
ご紹介くださったお気持ち、大変嬉しく、ありがたく受け止めております。
ただ、自分のブログには書いてきたつもりですが、
今のところ、海ねこは、ほかの何より目録に注力していきたいのです。
そうしていかないと、これまで目録を出すたびお買い上げくださる方々に申し訳がたちません。
ときどき、現物をご覧になりたいとご希望なさる方がいらっしゃいますので、
アパートを借りて倉庫という展開のままでなく、
なんとか接客スペースがある事務所をこしらえたかったです。
過去の目録掲載本がしまってあるようなバックヤードがある。
PCで検索すれば、何がどこにあるか、わかるようにしてある。
そのようにして何かご覧になりたいというご希望があれば、いつでも何か奥からお出しできるようにしたかった。
ついでに何かお好きなものをお探しになっていただけたらと、店頭に
ちょっとした古書店ふうの棚を設けました。

そんないきさつでしたので、こんなにパパっとこしらえただけで
「リアル店舗」というには、あまりにもお恥ずかしい話です。
日々、真剣に「リアル店舗」を続けようと全力を注いで邁進している方に申し訳ないぐらいです。
わざわざ、その店に人に来ていただく、足を運んでいただくというのは大変なことです。
そんな簡単に、魅力的な店舗を展開できるとは、いくらバカでも
そこまで甘いことは考えておりません、ゆめゆめ考えてはいけないと思っております。

音羽館・廣瀬さんの努力を見よ、ささまの優秀な店員らの博識ぶりを見よ。

このブログをお読みいただくかもしれませんので、とりいそぎ。
月の輪さん、お客様のE様、T様、厚く御礼申し上げます。また、ご連絡申し上げます。

2014年1月

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