もっとマニアックに絵本を楽しむ ワークショップ

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●もっとマニアックに絵本を楽しむワークショップ ご案内

 始まりは、とあるお客様とのちょっとした会話でした。
「最近、洋書絵本はどう? 売れますか?」
 と、なにげないお尋ねに対して、
「・・・・・そうですね、結構難しいですかね・・・」
 と。

 これまでのやりとりを通じまして、その方も分野こそ異なりますが、ご商売をなさっていることを知っておりましたので、
最近考えておりましたことを、ちょっとお話しさせていただきました。

 洋書絵本ー実際には洋書だけに限らず、古い絵本にも絵雑誌についても全般にいえることなのですがー
 長く一ジャンルの本を極め続けていこうと蒐集し続ける方は少なくなっているように感じていること
 興味を持って買い始めても、じき違う方向へ移行していくこと、
 洋書絵本はとても面白いのですが、言葉の問題などもあり、深い魅力についてさらに彫り上げて知っていくのがそうたやすくないのではないかということ
 経済状況があまりよくないこともあり、以前、熱心にいろいろお買い上げくださっていた方も、最近はお買い上げ額が徐々に少なくなっているように思うこと
 お客様のもとへ買取にいって、自分としては充分にお支払いするつもりであっても、もっとも値段が高い時期に洋書絵本を蒐集なさっている方からすれば、「どうして、買取値がそんな低いのか。自分が買っていたころの10分の1、もっと安くになってしまうのか」とお感じになること、
 それに対して自分も申し訳なくなるし、この先、古書店も古書をお売りになろうとするお客様もどんどん厳しい状況になっていってしまうのでは、と危惧していること・・・などなど。

 すると、長年、本を蒐集しながら、ご自身のご商売を続けていらっしゃるその方は、おっしゃったのでした。
「本の魅力を人に伝えていく努力をさらにしたほうがいいかもしれませんね。
さまざまな世代、さまざまな人に本の奥深い面白さを伝えていくことが必要かもしれないね」

 そのとき、自分の頭に浮かんだのは、私の周辺に、仕事柄、絵本や本、製作と関わっていて、さまざまな面白い話をできそうな人が何人もいること。
 これまでお聞きしてきたなかで、さらにその話をじっくり私もお聞きしたいと感じていること。
私自身、知らないことが多すぎる、もっともっといろいろ知りたい、知るのは楽しいことだから。
 そして、関西で、ペール・カストール・アルバムの魅力を伝える講習会を開いている絵本専門店のこと。
 グリム書房さんのこと。ビー・ラビッツさんのこと・・・。
 魅力的な話をできる人がいらっしゃるのですから、その方のお話を私ひとりで聞くのはあまりに惜しい、どなたかとともに魅力的な話を聞き、共有していけないだろうかということ。
 やがては、それぞれがそれぞれの場で、誰かに本の魅力を伝えられるようになっていけたらと。
 どなたかのトークショーというよりは、聞きたいことを聞きたい人が質問しやすいような、全員参加型のワークショップをできないか、
 このワークショップ自体には即効性のある利益を求めることはしない、
 むしろ会場費・人件費など最小限にして(恐縮ながら、お招きする人への謝礼などもあまりお支払いできないかもしれないのですが)
 そのかわり、興味がある人が興味がある人とともに続けていけるように、
 できれば、細くでもいいので長くーできれば長期間にわたって続けていけないか。
 自分はセッティングをして、できれば、トーク内容を全文でなく抄録であっても記録していきたい。
 活字にしていきたいが、海ねこ目録に収録させていただく形をとれば、印刷代をそう多く使わずとも広く読んでいただけるようになるのではないだろうかと。
 まあ大げさかもしれませんが、誰かと何かを共有できる場になっていけたらと。
 いろいろ思いつきが思いつきを呼んでいき・・・。

 思いついた方にちょっとご案内させていただいたところ、ご協力をいただけそうな方がひとり、またひとりと名乗りあげてくださいました。

 そこで。

 5月頃、古書開館でイベントを行うかもしれませんので、いずれはそちらでとも思いますが、
 長期的に続けていくための、まずは第一回といたしまして、
 私がまず最初にお話を聞いてみたいとかねてより思っていた方をお招きすることになりました。
 
 まずは、ご参加したい方がいらっしゃいましたら、まずはご連絡をいただけますと幸いです。
 参加者の人数によって、場所を考える必要があるため。

●日時 2013年1月26日(土曜)

1月26日(土曜)から29日(火曜)14-19時「ベルンさんちの絵本バザール 非英語圏の絵本 クマ&ロジャンコフスキーの絵本」を開催中のため、
その前か後にどうかしら、と思っております。
本をご覧になりたい方、お求めになりたい方にとりましても一石二鳥かと。

●時間 昼から、または、午後5時半、または6時半か7時から
    参加人数によっては、会場を借りる必要が出てくるかもしれないため、時間はまだ流動的です。

●場所 東京 京王線・調布 
    古本 海ねこ事務所(東京都調布市小島町1丁目5-3 調布MTビル1階)
    または、近辺の店にて

遠方の方には恐縮ですが、あくまでお金をさほどかけずに長く続けていきたいため。
そして、ワークショップに必要な本などあれば、
海ねこが調達できるようであればすぐ取り出せますので、会場は近くが便利なのです。

●参加費用 ひとり500円ー700円程度を予定しております
(お招きする講師の方への謝礼にあてさせていただきます。
さぞかし寒いでしょうから、あたたかい飲み物など、お出しできるかもしれません。
いずれは飲み物・食べ物の持ち寄り制などもいいなと考えておりますが、将来のことはまだこれから考えます。
また、お店をお借りする場合は、1ドリンク注文などお願いするかもしれません)

●講師 近島哲男さん

製版・印刷業に関わり30年以上。
「最初に就いたのは印刷の版を作る製版会社であり、絵本専門の製版会社でした。
毎日絵本の原画と格闘(色分解)をしていました」とおっしゃる方です。

以下、ご本人の文によりますプロフィールです。
"夜学で美術史を学んでいる時に出会った仕事が絵本の製版の仕事。
引きこまれるように仕事に没頭し、56歳になった今も同じ仕事を続けています。
最初は製版カメラを担当し、朝から晩まで暗室作業であり、
日常風景より原画に描かれていた風景が身近な存在でした。
小さいころから教科書の挿絵が大好き。
絵本を意識したのは中学時代のすずき大和の小さな絵本、
そして高校時代に出会った至光社の絵本でした。
好きな作家は茂田井武、鈴木義治、おのちよ、ジャクリーヌ・デュエム、他たくさんいます。
現在も至光社の月刊絵本「こどものせかい」を毎月楽しみにしています。
1956年生まれ。神奈川県横浜出身。"(以上・文責・近島さんご自身)

「海ねこさんの意図に合せ、長く続けて行くことを大切に、
ぼくの方も少しずつお話しをさせていただければと思います。
漠然とですが、「原画の力」「装丁・造本の力」「E/DからPへの伝達の力」
「製版の力」「紙の力」「印刷の力」の6つの力の集合体で絵本ができていることを、 
国内外の絵本、新旧の絵本、また絵本から少し外れた本を見ていただきながら、
お話しさせていただければと考えています。
「E/DからPへの伝達の力」とは、EditorやDesignerからの、
PrePress(組版・製版)・Press(印刷)・PostPress(製本・加工)の3Pへの思い(情報)が 
いかに大切であるか、その情報の力を話してみたいと考えています。
現在のモノ作りで一番欠落しているのがこの部分かもしれません。」
 とのことです。
 1度でどこまでおうかがいできるかわかりませんが、感触を見ながら何度か近島さんのお話を聞いていくのもよさそうと感じております。
 ここであまり書けませんが、近島さんは、絵本で有名なあの出版社のお仕事やあの方との関わりもある方なのです。
 ふだん本やマスコミに出てこないような話がきっと聞けると思います。
 なかなか表に出てきにくい、現場でいろいろ体験なさってきた人ならではの、貴重なお話を聞けそうに思い、私自身、今から楽しみでなりません。
 
 ものづくりにご興味がある方、
 今現在の本、出版・販売関係の状況にちょっとどうかなとお感じの方、
 今ある自分の立ち位置、仕事の仕方についてちょっと考えてみたい方、
 さまざまな世代のさまざまな方のお話を聞いてみたい方・・・、

 参加してみたい方、海ねこあてにお気軽にメールをください。
tomobash*parkcity.ne.jp
(*を@ アットマークにかえてください)
 FAX(0422-32-6693)、ハガキ(〒181-0015 東京都三鷹市大沢4-17-13 古本 海ねこ)でも結構です。
 このブログへのコメント欄でも結構ですが、連絡がとれますよう、メールアドレスをお書き添えください。

 私も、これから先どのように展開していけばいいのか考えたく、
 ぜひ加わってほしい方にご案内などさせていただけたらと思っております。

 本来でしたら、イベントがかたまってから、日時・場所などご案内すべきところかもしれませんが、
 私自身、手探りのような形ですので、まずはご興味がある方からの立候補をお待ちしたいと思います。
 最小催行人数は、私と近島さん以外におひとりでもおふたりでも3人でもいらっしゃれば。
 いろいろかたまりましたら、そのときはまたご案内申し上げます。

 

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