1989年のUS GP (Laguna Seca)


今でも語りたがらない関係者が多い1989年のUS GPの話。

Superbike planetの特集記事から。

1989年のUS GPと言えば前の週のオーストラリアGPから1週間後という過密スケジュールで金曜の朝になってやっとバイクがサーキットに届いたなんて最悪の状況から始まって、スケジュールは押しまくっていて関係者はイライラ、観客もチケット代の高騰やその前の年に久しぶりに行われたGPでサーキットから出て行くのに4時間もかかるなど、開催者の不手際であまり盛り上がっていなかったそうです。

それでも500ccのレースはそこそこ面白くレイニーのブッチ切り、2位は単独でシュワンツ、3位争いをこの年ホンダNSRに乗っていたローソン、ケビン・マギー、ワイン・ガードナーで争っていたんだけど、ガードナーは転倒リタイヤ(それも足首を真っ二つに割る最悪の骨折)で、前年の勝者ローソンとマギーのバトルだった。最終ラップ近くでマギーのバイク(ラッキーストライクヤマハ)のガスが足りなくなってふけが悪くなってきたので、ローソンは余裕で3位に入ってレースも終わったクールオフラップでの話。

ローソンの横にはその後何位かでフィニッシュした、ダート上がりで有望株だったブッバ・ショバート選手が同じようにクールオフラップを走ってお互いを称え合っていたのでした。

ターン6の先では、ガス欠寸前で悔しい思いをしたケビンマギーが観客サービスのためか?コース中央でバーンナウトかましてスモークを、それはまるで地元モンタレーの朝によく見られる霧のごとく出してました。ローソンとブッバはお互い手で健闘をたたえながらターン6近くに来たので、スモークをよけようとすると、

ローソンはいきなり目の前コース中央煙の中に現れたマギーのバイクにびっくりして何とか反応して避けることが出来ました。しかしブッバはそのまま、ノーブレーキでマギーのバイクに衝突し、彼の体は宙を舞い路面にたたきつけられました。マギーも吹っ飛ばされました。

ローソンはバイクをコース脇に置き、すぐにブッバに近寄りましたがブッバはうつぶせで倒れて全く意識がない状態。ブッバのBellのヘルメットを外しても全く反応がなく、その頃やっと救急車が到着し、その横ではマギーが事の重大さに気がつき、彼の足が折れていたにも関わらず顔面は大粒の涙であふれかえっていました。

ブッバはケニー・ロバーツに次ぐダート出身のロードレーサーで当時一番注目されていた選手でしたが、このレース以降ロードレースをすることはありませんでした。このときの頭の怪我が原因で彼はレースからは引退、今ではハーレーのレースチーム監督だとか。

この後のローソンとマギーのバトル、ブッバと同じテキサス州出身のシュワンツがマギーとチームメイトになったときの複雑な関係、そして地元モンタレーでの優勝を台無しにされたレイニーの複雑な思いがあって、1989年のGPは誰にとってもあまり思い出したくないものなんだそうです。

今回のUS GPがそうならないことを祈ります。


ところで今年の見所はMotoGPバイクが打ち上げられそうなフロントストレートのターン1(左高速で丘の頂上)と、コークスクリュー手前のこれも坂を登り切ったところでバイクが打ち上げられそうになるので、ブレーキを少しかけるのかもしれないけど、上手いライダー(ロッシ?)は上手にやるんだと思います。あと、芳賀選手が有名にしたレイニーカーブ(コークスクリューのすぐ下の左コーナー)のライン取りですかね。結構インベタでいけるというのがWSBの定番になりましたが、MotoGPではどうでしょう???

ロッシ1位、エドワーズ2位、ヘイデン3位で同意の方もそうでないセテさんもよろしく↓↓↓
"人気blogランキング(バイク)"

トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: 1989年のUS GP (Laguna Seca)

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.omaken.com/mt-cgi/mt-tb.cgi/3355

コメント(4)

はじめまして、ちょくちょく覗かせて頂いてました。
私もその昔、レースに出場していたのでやっぱりレースとなると気持ちが熱くなります!!

コークスクリューは走ったことはないですが、アクセルワークとブレーキとフロントステア、リアステアいろんな要素が要約されるコーナーなんでしょうね。
これからも写真&コメント、楽しみにしています。

Kitagawa :

モゲヲさん
ModestoのBanditです。
お久し振りです。

『カーティス ロバーツ』で検索したら、http://homepage.mac.com/kamihara/iblog/B1567791119/C2071293030/E1736152216/
↑このモゲヲさんの記事がTOPに出てきました。びっくりしたので記念カキコ。

来週、MOTO GP観に行きます。AMA共催らしく、125と250のレースが無いは残念ですが、
カーティスも観られそうなので、ロバーツ兄弟を応援しようと思います。

佐竹さん、はじめまして!
&コメントありがとうございます。
読んでくれてる方からのコメントが励みになります!
Laguna Secaは走ると分かりますがパワーのあるバイクだと
コークスクリュー直前でサーキット最高速になるらしいです。
以外かも知れませんが、フロントストレートじゃないんですね。
その裏ストレートを登り切ったブラインドから出てくる滝のような
コークスクリューは、レーサーにはとても恐ろしいものだと思います。
私のようなノロマはゆっくり走れたので面白かったですよ。

Kitagawaさん、ご健在でなにより!
カーティスなんてネタにするのは自分くらいですかね。
MotoGPをLagunaまで見に行くの最高にうらやましー。
僕の分も楽しんでちょーだい!

ニッキー ハイデン :

こういう事態があったのですネ
ババ(あえてこう書きます)ショバードがキャビンホンダから500へ出ていたのにいつの間にか聞かなくなったな~ なんて子供心に考えてはいたのですが・・・
あまり情報も聞きませんでしたし・・・

AMA時代は活躍もしましたよね でもWGPは散々だったのですね

これで真相がわかりました

コメントする

このブログ記事について

このページは、Mickが2005年7月 7日 23:10に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「ウェイン・レイニー欠場」です。

次のブログ記事は「オヤジ、そのバイクで何すんねん?」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

Powered by Movable Type 4.291