目録第2号を出してみて&ミニミニ展示会のお知らせ

| コメント(0) | トラックバック(0)

相変わらずの長文です。推敲する時間がないため、乱文のまま失礼します。
 
自家目録第2号にご応募をいただき、そして、ご感想をいただきまして、誠にありがとうございます。

「本当に読ませる内容で、日本の児童文化の歴史がこの一冊から見えてくる。個人的には瀬田貞二さんと堀内誠一さんの特集が嬉しかった」「集められた本の価値はもちろん、「読み物」としてとてもすばらしいと思います。「日本童画会活動記録」の所は特に読みごたえがあり、「書きすぎ」る海ねこさんを支持します!」「武井・初山・茂田井らの直筆履歴書(!)含む「童画会」関連資料という珍品からのスタートに、いきなりノックアウトされました!! 」「「書きすぎて」いらっしゃるところが、勉強になりました。」「このたびは、魂のこもった「図録」をありがとうございました。前回はクールな図録、そして今回はきわめてアツい図録ですね。刊行までの、場生松さんのあまたの艱難辛苦を思うとともに、これほどまでに執念を燃やせるものをお持ちであることが、実はちょっとだけうらやましく思えたりもしました。リアルに、がっつりと生きてますね!」
本来でしたらご本人の許可をいただくべきところ、きっとご本人は「どうぞ」とおっしゃるだろうと信じて引用させていただきました。書いてくださった方、すみません&ありがとうございます。そもそも、臆面もなく紹介させていただき、読み返したら恥ずかしくて穴に潜り込み熱中症になりそうです。図々しくて本当にすみません。
むわーん、そこまで読んでくださって、本当にありがとうございます。海ねこは、素晴らしいお客様・素晴らしい周囲の方のおかげで成り立っています。でも、「書きすぎる」是非については、私はもっと考えいかないといけない。趣味の店と冷やかされ続けても仕方がないので、商売としてきちんと続けていきたいのであれば、どうしたって今後の課題です。

また、買ってくださりそうな方をお探しするため、あの人はどうだろうとご提案くださった方、誠にありがとうございました。本当に助かります。買ってくださりそうな方、及び、どなたかご紹介くださる方、引き続き募集中です。とくに、岩波少年文庫 初版("説子さん"という少女の旧蔵書です。第1期121冊のうち102冊+第2期の26冊! 経年を考えると保存状態良好)、濱田廣介の献呈署名入り児童書、赤羽末吉書簡、目録1号の斎藤隆介書簡、西崎大三郎 旧蔵書と資料。

昨夜はなかなか寝付けず。
自分は「どう評価されるか知りたい。評価されたい」なんていうエゴから目録を作ったのだろうか。「すごいすごい」「たくさん買いたいものがある」「資料価値がある」など煽てていただきたくて、作ったのか。それで皆さんに付き合っていただいて、この経済状況で皆さんそれぞれ大変なときに本をご注文いただいているのではないか・・・云々。
「すごいすごい」と言われたいなんて、あたし、子供? と。

だけど、今朝になって冷静に考えてみれば、人間は文字どおり人の間で生きているわけで。
人から買っていただけるか、どう見られるか気にしない企業などありえないし。
評価をいただける商店しか続いていけないだろうし。
そもそも、芸術家だって、多かれ少なかれ「評価されたい」「ほめられたい」「あっと思わせたい」「何か世に残したい」などという面はなきにしもあらず、ではないのか。
何かを作ろうとする原動力は大事だし、それが何かというと人それぞれだし、結局のところ出来あがったものが面白く、喜んでいただき、お買い物のため、また、何かの参考資料としてご利用いただけるのであれば、それはそれでいいのかと思ったり。

旅猫さんがきれいな写真と素敵な文章で紹介してくれました。
http://tabineko.seesaa.net/article/158393333.html

旅猫さんのガーゼハンカチに、金魚柄の手ぬぐいに・・・。
旅猫さんのところで買った漬け物器、箸など、本当に長く愛用させていただいていますが、
とことん吟味した、長く使える高品質の雑貨を次々、紹介している旅猫さん。

ほかの商店が日々やっていることを、私はときどきホームページで展開しながら、
年一度、今回のようにドカンとやっているだけのことなんですよね。
日々、素敵な商品を取り入れて、大事に紹介して売っているお店は並の努力ではない。
売れている店の努力は、常人が想像する域をはるかに越えているでしょう。
本当に凄いと思います。

自分が年一度とかドカンとやらざるをえない理由、そのひとつは・・・。

紙目録は、ああ、いいねえと言っていただけるけれど、
そして、「資料価値がある」「ずっととっておきたくなる」なんて言っていただくと本当に嬉しくて舞い上がりたくなるほどだけど、
でも、本当のことをいうと、やっぱり紙目録を作るって、お金がかかるんですよね。
もっとリーズナブルに手作りで可愛くて素敵な紙ものを作れる能力があればたぶんそうしているのですが、
それなりの見栄えのものを作るとなると、自分の場合、プロの印刷会社にお世話になるしかなくて。
それなりの紙を使って、そこそこの目録を作ろうとすると、
今回は印刷代だけで28万ほど、送料だけでもたぶん10万近くかかっているんじゃないでしょうか。
集書のための経費など考えたら、ン百万? もう目眩がしそうです・・・。
たぶんすべて回収するのは容易ではないです。
だから懸命に"凄そうなもの"?を探して頑張ってご紹介するわけですが、
やあ、この経済状況下、お買い上げくださる方をお探しするのは至難の業ですね。

紙目録を好きなように構成していって、ひとつのミニチュア・ワールドを作るのは面白いですが、
やっぱりどこか贅沢というか、趣味的な部分も否めないと思います。
読みやすさ、保存性を考えるなら紙目録でしょうけれど、
経済効率を考えるなら、やはり紙目録は厳しいですね。

月の輪書林さん、お葉書、ありがとうございます。家宝にします。
一文一文、大事に拝読しました。何度も読み返して今も目の前にあります。
ああ、月の輪さんもご苦心なさっていたんだろうなあ、
ああ、目録をつくる人の気持ちをさすが知っている人の文章だなあと、噛み締めました。

「月の輪さんの目録の影響をひきずっている」ととある同業者に今回の目録について言われましたが、月の輪さん、そして、えびな書店さんの影響を受けていない目録業者はいないんじゃないでしょうか。
だけど、あれだけ凄いものを作り出して、たぶんうちなんかとレベル違いで売れているであろう月の輪さんだって、風船舎さんだって、台所事情はまあ楽ではないのでは。

デジタル全盛のこの時代にあって、紙目録はやはり贅沢品ですよ。あまりにも経済的・経営的に厳しそうだったら、今回でもう最後にする(せざるをえない)かもしれません。

長くなって貴重なお時間をいただき恐縮です。
長くなったついでにもうちょっと書かせていただきます。ああ、どうしてこう、いつだって書きすぎてしまうのか、出来上がったものでばーんと勝負したらいいのに・・・。

自分は、社交的ではなく、学校ではずっといじめられっこでした。
女子のなかでグループがいくつかあって、私はどちらにも所属したくない、小5のころ「コウモリ」と言われて女子三人、孤立した思い出があります。
近所の児童文庫(ひまわり文庫という名前だったと思う)や学校の図書室の本にはずいぶん慰められました。だから、絵本・児童書には自分なりに思い入れがありますし、作り手や送り出してくれた方々に微力ながら恩返ししたい、絵本・児童書を通して、どなたかのお役に立てたらという思いはずっとありました。

それで、自分はオンライン古書店を始めたとき、絵本を扱ってみたところたまたまほかのジャンルよりも売れましたから、これならなんとかやっていけるかも? と思いましたし、
お世話になっていた学研という出版社から出ていた絵本雑誌で記事も書いていたこともありましたし、
もともと絵本・児童書ならではの、独自性ある世界が好きなんです。
一方で、ひとつの世界のなかにいろんなものがぎゅっと圧縮している箱庭的な世界も大好きなんです。だから、海外に行っても書店にばかり行きたくなるし、雑誌や紙の古書目録が大好きです。見るのも楽しいけれど、作るのはまた違った面白さがあります。

それで、自分が子供のころからなにげなく読んでいた絵本・児童書の作り手さんたちが
誰からインスパイヤされていたのか知りたくなって探っていくと、どうしたって石井桃子さんにたどりついていくし、「こどものとも」「キンダーブック」など絵雑誌を無視できないし、茂田井武や初山滋、武井武雄にいきついていくし、
昔はよく知りませんでしたが、こうして目録づくりのためにたどっていくと
堀内誠一さんや瀬田貞二さん、もっというと、名前はあまり知られていないけれど多大なる功績を刻んでいった方々を見逃せないわけです。日本童画会のことだって、鳥居敏文さんだって、もっともっと知られて然るべきです。日本童画会として力をあわせて頑張ってきた童画家さんたちの努力なしに、今日の絵本・児童書はありえません。
瀬田さんも晩年、懸命に取り組んでいらっしゃいましたが、本当はもっと遡って大正・明治・その前からの歴史にいきついていくわけです。ただ、そのあたりは古書市場でもすでにしっかりおやりの重鎮がいらっしゃる。経済的にも教養的にもとても入り込むスキが(今はまだ)ありませんし、私は、大正から昭和はじめぐらいにつくられた美しい児童書が大好き(ほらほら、いずれ、古書店の皆さん憧れの1920年代30年代へ? 高いぞ、お金ないと買えないぞー)。
一方で、戦時中あれほどのことが起こっているのに、そこから復興してめざましい発展を遂げ、素晴らしい絵本・児童書をつくりあげようとしていった人たちの情熱・エネルギーにもとても関心があります。

洋書の年代もの・初版ものにも興味はありますが、グリム書房さんや下井草書房さんらがおやりになっていますし、生半可な知識・経済力では難しいだろうと(今はまだ)感じています。

一方で、自分がいいなと思ったのに、歴史の狭間に埋もれてしまっている作品や人のことを伝えたくて、ほら、いいんだよいいんだよと紹介したくて仕方がないときます。
小笠原の人を取材して、硫黄島における民間人の歴史を伝えたいと奮闘した時期がありましたが、
自分がこの人と思った対象をなんとか取材して、紹介していく。私がやっていることは、昔となんら変わりません。
これからもきっと古書店という形態でもって、何かやっていくのだろうと思う。

だから、売れないであろうと思うものも含め、その人の章を作りたくて必要と感じるものは必死に買い集めてページ構成したりもします。
目録の構成上ぜひ欲しいと思えば、市場でいくらで買って、いくらで売れるのか緻密に考える以前に、闇雲に買い集めたりもします。周囲の古書店から見れば、ああ、なかなか売れないものをそんな値段で買って無謀だと思われているでしょうし、市場に本を出品する店にとってはラッキーとも思われているでしょう。もっともっとそう思われてもいいから、いろいろ買い集めて、また目録をつくってみたい。ですが、でも、やっぱり収支が成り立たないことには、店は続いていかない。

売れないかもしれない本や資料がある以上、ちょっとはほかで売れ線のものを、と、あちらこちらに買っていただけそうなものもちょこちょこ散りばめたりもしています。勿論、自分で心底、良いと思うものばかりを集めています。お買い上げいただくたび、あ、これに目をとめていただけたんですね、お、そうきましたか、お目が高いなあと嬉しくてたまりません(バカですいません)。

まあそんなこんな。

ああ、やっぱり紙目録なのかもしれない。ホームページのほうが経済的だけれど、「本」の形をした目録で「本」を紹介するって素敵だなと思う。贅沢だけれど。

絵本・児童書を扱ううえでは見栄えも大事ですが、でも、もうちょっと安く作れる道を探る必要もあるだろうな、と。そして、同業先輩からアドバイスしてもらったのですが、目録は売るためのもの、売れてなんぼ、目録の命は顧客名簿の量と質、自分の店で機能する目録名簿を積み上げていく努力が大事などと御助言いただき、大変ありがたいなあと思う。本当に、なんとか目録商品を買ってくれるお客様をあの手この手を使って探し出してご入り用の方のもとに届けていく努力がもっともっと必要です。ああ、こうしてはいられない。とある児童図書の出版社の方に、とある作家さんに託していただくお手紙を書かなくちゃ。

長くなってしまいました。

----------------------------------------------------------

http://www.omaken.com/umi-neko/2010/07/2-7.html

目録は、●古書往来座(JR山手線ほか池袋駅) ●音羽館(JR中央線・総武線 西荻窪駅)●にわとり文庫(下記参照)●古書ほうろう(下記参照) にて販売中です。海ねこちゃんしおりつき!

また、600円分の切手(50円切手・80円切手の組み合わせで)を封書でお送りいただけましたら全国どこにでも発送します。

なお、「ミニミニ展示会」を開催いたします。

目録に掲載した洋書絵本を中心に、展示予定です。
目録掲載品の現物をご覧になりたい場合、できましたら2日前までにご連絡ください。
ご希望の品を用意して、ご来場をお待ち申し上げます。

●日時 8月7日(土曜)8日(日曜)9日(月曜)12・00~22:00
●場所 にわとり文庫 東京都杉並区西荻南3-17-5(JR中央線・総武線

西荻窪駅南口より徒歩3分。高架下マクドナルドの脇の道を50メートル 左手。
果物屋さんの隣)℡ 03-3247-3054

●日時 8月12日(木曜)13日(金曜)14日(土曜)11:00~23:00
●場所 古書ほうろう 東京都文京区千駄木3-25-5(JR西日暮里駅、千代田線
・千駄木駅から徒歩5分。JR駅 日暮里駅から徒歩10分)Tel 03-3824-3388

猛暑の中、ご足労いただきますのは恐縮ですが、どちらも
その個性からして都内随一といってよい古書店だと思います。
この機会に、ぜひお立ち寄りください。

にわとり文庫は、リーズナブルで可愛い絵本がいっぱい。「絵本まつり」になりそうです。

古書ほうろうは、今ちょっとゆったりしているので、椅子にかけて本をお手にとっていただけます。まだ行ったことがない人も、古書ほうろうのものすごい本にどうぞご注目!

最終日14日17時からは"Mongo Night 2010"と称して、モンゴという一人の音楽好きが、自分のライブ遍歴を音と語りで(?)ご披露するらしいです。詳細は「もんごメモ」http://www.omaken.com/mongo/2010/08/post-677.html

8月6日(金曜)から8日(日曜)"イケブックロ"という新しいイベントの会場でも目録販売します。
お手頃価格の絵本・児童書も出します。
http://f.hatena.ne.jp/wamezo/20100708151933

以下、poppetさんがつくってくれた素晴らしいしおり。
各色あってどれもこれも素敵です。いろいろな色のしおりをぜひご覧いただきたい。ミニミニ展示会でお買い上げくださった方に差し上げます。poppetさんにはポスター、フラッグまでつくっていただきました。可愛いですー! ミニミニ展示会の会場でどうぞご覧ください。

shiori.jpg

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.omaken.com/mt-cgi/mt-tb.cgi/7219

コメントする

2013年9月

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

アーカイブ