金子彰子詩集 二月十四日(214冊限定 亀鳴屋)

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金子彰子さんの詩集「二月十四日」。
どうご紹介したらいいかなあ、と考えて、
ちょっと書き出してみたのですが、
ああ、よけいなことは書かないほうがいい、と思いました。

金子彰子さんご自身からご許可をいただくことができましたので、
ひとつ詩をひかせていただきます。

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バッテリー

またひとつ、朝が
君のいる場所を照らす

人吉からメールが来て
そして桜島
わたしは祖母をなくし
オムツの心配がなくなった父母に
内臓が消えたかのように安堵している

渡って昼寝して
それだけ
それだけだよ
私達
いつかは果てるけど
まだまだだし
仕事に殉じて
何が消えたのか

もうすぐ正午だよ
圏外に遠ざかる君よ
そこに
破格の笑顔はないけれど

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「金子彰子詩集 二月十四日」(亀鳴屋)214冊限定。

●亀鳴屋
http://www.spacelan.ne.jp/~kamenaku/

●金子彰子さんのブログ
http://d.hatena.ne.jp/Kaneco/

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執着、忘却、煩悩・・・、ありとあらゆるもの、詰まっています。
こんなきれいな詩集の中いっぱいに(下の写真)。

追記 当方、思いもよらぬ形で金子さんと関わらせていただきました。ずいぶん前になりますが、雑誌「鳩よ!」の入力をとある女性に依頼しました。「固有名詞、名前など出来るだけ拾ってください」と依頼。入力、さぞかし大変だったと思います。とても時間がかかりましたが、丁寧な仕事ぶりでした。結果として「金子彰子」名の検索で当店にご注文くださったのが金子さん。「鳩よ!」に以前掲載された若き日々の詩作を金子さんご自身が再発掘することにつながりました。入力したAさん、今ごろどこでどうしているでしょうか。Aさんのおかげで何かと何かがつながっていったことを知らせたい、以前メールしたのですが連絡がついたのかどうか不明です。どうしてるかな、Aさん。ウサギ好きのAさん。古書店勤務は続けているのでしょうか? どこかでご覧になっているようでしたら、ありがとうと言いたいです。

kaneko.jpg

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コメント(2)

ご紹介ありがとうございます。書影を見て、かつてともに暮らした愛猫を思い出し、感激しました。昨年、『女子の古本屋』を求め、その後『鳩よ!』の旧作の探索でお世話になり、本に結ばれたご縁の不思議さを思います。手製の詩集から応援いただき励まされました。私は信心のないものですが、古書店主の皆様の心ある仕事の上にはきっと、古本の神様が宿っておられるのだと確信しております。まだまだ寒い日々、どうぞご自愛ください。

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