水を飲む。当たり前のことが生を支えている

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「クロッチが水を舐めた。あけたての缶詰の匂いをかいで鳴いた」

ツイッターに書いたら、すぐさまコメント、ダイレクトメッセージをいただく。
ありがとうございます。
右に貼り付けた分と異なるのだが、私のツイッターTL(タイムライン)上には、自分をフォローしてくれている人からの書き込みが表示される。涙が出た。

水分を吸収して、おしっこを出せるようになれば、もしかして回復していくのか。もしやもしや・・・? ああ、つい欲が出ちゃうなと自分を笑った。

配偶者をご病気で亡くされた人が「彼女も生きたかったと思う」といっていた言葉を思い出す。

が、ダメだった。クロッチは確かに水を舐めたが、まもなくして全部戻してしまった。

もうツイッターにはあまり書かないほうがいい。
ツイッターはTLに並ぶ声を、読み飛ばすにしても、
ざっとは目を通すことになるので、これ以上、やめようと思う。

ブログだったら、読みたい人だけ読めばいいから、書いても大丈夫でしょうか・・・。
読みたくない人はやめてくださいね。

夜、靴箱の下側に潜り込んでしまったクロッチ。
物陰へ物陰へ、寒いほうへ寒いほうへ行ってしまう。
吐く音がして、みにいくと、物陰の隙間から涙目だけが見えた。
あとで見たら、吐く音はしたものの、ほとんど何も吐いていなかった。
彼女の体内には、吐けるものがもうあまりないのかもしれない。
なのに、吐き気ばかりがあるのである。
吐き気が体力を消耗させ、眠らせない。
体内で何が起こっているのか。一体どういうことなんだろう。

私がそばにいると、ほかのねこが来てしまうからクロッチが休まらない、と連れに言われた。
それもそうだ、と思う。

その後、クロッチは風呂場のイスの影でうずくまっていた。

なすすべもなく、そばに毛布やらマットやら敷いてやる。
なんとか少しでも眠って欲しい。そっとして離れる。

私も寝不足なので、早めに布団に入ってみる。
クロッチが眠れますように、吐かずに眠れますようにと祈りながら。

ちょっとうとうとしたが、目がさえて眠れない。
眠れない思いをどうしたらいいのかわからない。

すると、2階 台所から何かが飛び乗ったような音がしたのだった。

ほかのねこかと思って、でも一応みにいった。

すると、我が目を疑うような光景がそこに。

クロッチがシンクにいるではないか。いつも水をためてあるボールが置いてあって、
そこがクロッチ愛用の水飲み場なのだった。
ほとんど動きがとれなくなっているのに、
1階の物陰から2階までよく上がってこられたものだ。
しかも、シンクの高さまでどうやって飛び上がったのだろう。
最後に吐いたのが夜9時半か10時ごろだろうか。
もしかしたら少し眠って、体力が少し戻ったのかもしれない。

クロッチはただそこにたたずんでいた。
水飲みのボウル、水面に顔を近づけたまま、動かずにいる。

時間が経過して、しばらくして、ぴちゃぴちゃ。
水を舐める音がした。
確かに水を舐めた。
吐く一方なので、体が水分を必要としているのだろう。
動物の本能で、水が欲しくなったのだろう。

シンクのはじに置いてあった缶詰の空き缶の匂いをかぐ。
もしかして缶詰に関心を持ったのだろうかと、
試しに、新しい缶詰をあけて匂いをかがせた。
すると、はっとした感じで「ニャー」と鳴いた。口はつけないが、食べものの匂いを久々に思い出したようだった。

水を飲む。食べものの匂いを思い出す。
これはもしかしたら生きようとしているのか?

そこで、冒頭の言葉をツイッターに書いたら、すぐさま
反応をいただく。涙が出る。クロッチにも、反応をくださった人にも、
前にツイッターでコメントをくださった人にも、すべてに感謝する。

ゆっくり時間が経過する。
シンクから降りて、今度は冷蔵庫前に置いてあった水入れの脇でじーっとしていた。
水分をとることを思い出したかのように。

ずーっとそこで動かずにいたが、ピチャピチャと水を舐めた。

生きようとしているのだ。
とったものをすべて吐いてしまう状態なのに、水をとろうとしたのだ。
とった水分がクロッチの体内で吸収されますように、
吐かずに吸収されますようにと祈る。

ノドが乾いたら水分をとる。食べる。排泄する。眠る。
そんな普通の行為が、生を支えていることを、私たちはふだん意識しない。
なぜかというと、健康な人間・生きものにとっては普通のことだから。
「寝てばかりいて」とダメ人間のように自己嫌悪する人がいるようだが、
眠れる、ということは大事な生の営みなのだ。

クロッチはもうすでに、食べる、消化吸収する、排泄する、眠る、をほとんどできていない。

水分をとったあと、動けずに水入れの脇にうずくまったままだったが、
やがて、すべて戻してしまった。
とった水分よりもっと多くを吐いてしまった。

ゲエゲエ、吐いて、吐く際、エエーっとノドが鳴る。
大変苦しそうだ。

吐いて消耗して、力を振り絞って階段をゆっくりゆっくり降りていき、
玄関たたきでぐったりしている。
水分をとってみたものの吐いてしまった自分がもうダメだと
気づいてしまったのかどうか。
あるいは、ただ消耗して疲れ切っているのか。

食事はおろか、水分さえ自力でとれずに、すべて戻してしまう。
彼女はもうダメなのかもしれない。
でも、確かに水分をとろうとした。生きようとしていた。
気力があったのは確かなのだ。
気力が体力を支える、と信じたい。

わずか4日でねこをここまで弱らせてしまった原因は一体なんなんだ。
検査結果が出るまで治療方針をかためにくいため、
点滴で水分・栄養投与する以外に治療方法がないらしい。
私の身勝手かもしれないが、もうちょっと、何かしら、納得のいく説明をしてほしい。
近くの動物病院の先生たちが、なんとなく疲れていて
大変そうだが、もっと説明してほしい。
もっと治療方法がないのか、もうちょっと熱意を持って考えてみてほしい。
遠くの動物病院に連れていくことは不可能だけれど、
何もしないでいるのは辛すぎる。
あまりにいろいろなことが急に起こって、心理状態が追いついていかない。

昨日、アンチヘブリンガンで、どなたかから紹介してもらった動物病院の電話番号が
携帯にはさまっていた。
彼女がなぜこんなことになっているのか、何か打つ手はないのか、電話してお尋ねしてみようかと思う。電話だけだと治療費につながらないので良くないんですけどね。

なんとか生きてくれるよう、見守るしかない。
だけど、何か手があるなら教えてほしい。
検索しても似た体験談や欲しい情報を得られずにいるので、こんな拙文でも、いつか、どなたかのお役に立てば、とも思う。本当は何も手につかず、書くぐらいしかできないので書いているんですけどね。こんな乱文にお付き合いいただき、感謝申し上げます。

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