面白がれればいいんです

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読売新聞の取材。

カメラマンがガッツの塊のような人。
「左手で本を開いて持って、右手は上のほうの本に触れて、
中腰になって、左足を伸ばして、はい、で、目線は上向き、このあたりでお願いします。
はい、そのまま。次は、できればちょっと笑ってもらってもいいですか。次は考えるポーズふうで、ちょっと首をかしげて、手をあごにつけてください。で、目線は斜め上で」
言われるがまま、手や足の位置、目線や表情をかえたり、
ツイスター・ゲームかと思った(笑)。

"演技指導"つきな割に、
記者が「仕上がりは案外自然なんですよ」というとおり、
デジカメの画像を見せてもらったら、うわ、面白い写真。
うちの倉庫で、こんな写真が撮れるのか、と驚く。
まるで本の巣窟で格闘しているかのようなユニークな写真。
写真も撮影する側とされる側の共同作業みたいな部分がありまして、
よくやってくれました、と言っていただく(笑)。

美容院に行くヒマがなかったので穴埋めがわり、
協力的でしょう、必要なら何でもやりますよ、本当すみません、とゴモゴモ小声で詫びる。

有名人のあの人は、顔は左側からしか撮影させない。
政治がらみのあの人は右側からのみ。
大物女性シンガーとの対談で、二人とも右側から撮影してほしいと頼んできた。
対談なのにどちらも右側からの顔じゃおかしい。
そしたら「私は左側からの顔でもいいですよ」と女性シンガーが言ったとか。
そんな話を聞けるのも面白い。

記者さんは沖縄・首里門近くの出身。両親とも先生で、父親は永井荷風好きだったとか。
とっても感受性豊かな人で、鋭さと柔らかさの両面を感じさせた。
カウンセリングを受けにいって、自分さえ忘れかけていた思いを呼び起こされたかのよう。
グチりみたいな話をすると、冷静に別のこういう見方をすればどうかと提起してくれる。
新聞記者には本当にいろいろな人がいるのだなあ。学ばせていただきました。
取材って、する側が取材対象をよーく観察しているのは当然だけれど、
受ける側も相手をすごく見ているのですね。

出来上がりの記事のことは私などどうこういうべき領域ではなく、おまかせするのみ。
自分としてはお二人と出会えて、お話が出来、刺激をいただき、とても良い時間でした。
店をきちんと続けていけるよう心します。ありがとうございました。

古書店をあと何軒だか取材するそう。どこを取材するか取材前に聞いたのだけれど、
セレクトが通り一遍じゃない。かなりマニアックな選び方で、
のっけから記者さんタダモノじゃないなと思わせられたが、そのとおりでした。
まあ、うちの扱いは小さいと思いますが、髪バサバサで古書と
格闘しているかの写真になるのかどうか(笑)。
いずれにしても記事になるのは7月中とか、ずいぶん先らしいです。

ネット古書店、女性店主ということで
取材に来ていただけるのもいつまでなんだろうか。古書業界に注目していただけるだけでもかなり有り難いことと思います。広報活動は大事、やれることはやります、個人的にはそう考えます。

それにしても、取材後って、さっき聞かれて答えたことを反芻したり変更したくなったり、
相手の言葉が響いて、心があっちへいったりこっちへ戻ったり。普通じゃない感じで、
仕事する気分でなくなってしまうのが困りものといえば、そう。
芸能人や有名人は、取材、取材、取材、打ち合わせ、さらには収録へと続いても、
どんどん次へとさくさく切り替えていかなければいけないわけで、
私など、とてもそうはなれない。そらま、当たり前ですね。日曜、徒歩徒歩会で山歩きだそうですが、泣く泣く断りました。よよよ。

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