お届け

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公共機関に本を届けにいく。

状態重視、出向いて確認したいとのお申し出。
オンライン古書店なので店舗がなくて、とお詫びして、
直接、お届けしにいく。

買っていただけそうなもの、すぐ返されたもの、どちらもあり。

OKな理由、ダメな理由をそれぞれ聞いて、とても勉強になる。
どのような基準で選んでいるのか、かなり明快だ。

その公共機関にまだないこと。
完品であること。永久保存に耐えうる状態であること。
「玩具」の扱いではなく「書籍」であること
(ぬりえは「玩具」の扱いになるそうだ)。

珍しいものであっても、永久保存に耐えうる状態でないとダメだという。大変な仕事。

OKを出していただいたものに関しては、
本当に購入いただけるのかまだわからないが(預けてきた)、
納品させていただけるのだとしたら光栄だと思う。
そこに足を運んだ人が希望すれば閲覧できるように、
資料として、抜群の環境で保存してもらえるわけだから。

ただ、それらの本は、そこにずっと保存されるわけで、
一般蒐集家が手放せば再び古書が古書市場に出回るのとは異なる。
いったんそこに保存されたが最後、
同じものが市場に出てくることはない。予期せぬ別れ。でも、これでいいんだ。いいんだ。

本を譲ってくださった方のことが思い出された。
息子さんが絵の勉強のため東京の大学を受験しにいく。その準備に付き合ったそうだ。
新居の写真を撮影してメールに添付して送ってくださったこと。
その後もしばらく無事売れたかどうか気にかけてくださったこと。
お元気でしょうか。無事、行き先が決まりそうですよ。
お礼の手紙を書こうか、どうしようか。

本日お目にかかりました方々には、快く対応していただき、
自分のバカな質問にも嫌がらずに答えていただき、ありがとうございました。

お預けした古書たちがきちんと整理され、保存していただいて、
次世代、次々世代の方々にも利用していただけますように。

それにしても、戦前、戦後まもなくに出版され、永久保存に耐えうる状態のものは、
この世にあるのだろうか。
古書市場に出たとしたら、いったいいくらつくものだろうか。

せっかくの機会なので、ちょうど開催中だった展示も見せてもらう。
北沢楽天や深澤紅子の描いたねこの絵を見る。
キンダーブックの創刊号は、ほお、一般的にあれと考えられているB5の縦判でなく、
B4の横判のものがあったのか。
かねがね不思議だったのだが、なぜキンダーブックは時期ごとに、
あれほどコロコロ判型が変わっていったのだろうか、というのが私の知りたいこと。

あの絵雑誌も、この絵雑誌も、
古書市場で状態のよいものを買い続けようと思ったら、
あの店にも勝たなければならない、この店にも勝たなければならないのだ。
顔がいくつも浮かぶ。
そう考えると、いったいいくらお金を持っていれば
状態のよいものを買い揃えられるものか。
ほえほえほえー。もはや勝ち目なし。絶望的な気分になってくる。

店舗や事務所にかける経費は、集書にかけたほうがと思っていたのだけれど。

いつか訪問していただきやすく、
いくらでも古書を広げてご確認いただけるように
広いテーブルのある事務所を構えるぞー。
あああ、そんなちっちぇえこと誓ってどうするんだ。
点でなく線じゃないと(古書現世ブログより)。

"永久"って何年ぐらいかなあ。
100年じゃないよね。でも、千年ってことはないだろうなあ。
千年たっても紙の本が残っていて、誰かの手にとられていますように。

「ベルリンコレクション」
「標準コドモヱ文庫」(東方書院)買取いたします。誠実評価いたします。

夜の高速で目が疲れてしまった。散歩展、搬入日と時間の連絡あり。
まだ準備は1割ぐらいだろうか。アウチーですな。
さて、本日の梱包・発送にかかろう。月が丸い。

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