「これは、小さな子どものための本です。
しかしまた、大きな子ども、いえいえ、もしかしたら、大人たちをもまた、
つい、ひきずりこんで、にっこり笑わせてしまうかもしれない本です。
じっさい、訳者であるわたしじしん、つい、おかしいものだから、
訳しながら、笑わずにいられないところがありました。
しかし、訳すのは、笑っていては、できませんから、わたしは、笑いをこらえながら、
しかつめらしい顔をして、日本語探しをしていたにちがいありません。
(中略)
わたしは、欲ばりなので、厳密に本当のことも、好んで読みたがるのですが、
こういう、なんでもかんでも、おかしな物語にくみこんでしまう
幼児童話の空想性にも、たいへん魅力を感じてしまうのです」
「この『こんどまた ものがたり』には、パフィン版に入っている四十三篇から、
わたしが面白いと思った十篇を選びだし、日本語にしたものです。
詩や短篇の本をつくる場合、だれが選んだか書いてないで出されることが日本では多く、
わたしはそういう慣習にはっきりと批判的なので、
ここにそのことを明らかにしておきたいと思います」
(一九七九年初春 木島始 あとがき より)
本日送りだす本のうちの1冊から。
『こんどまた ものがたり』(岩波ようねんぶんこ)
ドナルド・ビセットのお話とイラストもさることながら、木島始さんの文章がまた格別。
月の湯に持っていく本は102冊用意しました。
絵本は、お勧めのものばかり。
では、梱包・発送をしてから続きを用意します。
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