「童画家・東山魁夷の世界」展 20日から市川市にて

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千葉県・市川市。
海ねこにとって「市川」は、
小5から大学生のころまでピアノを習いにいった(行かされた?)思い出の地です。

三人兄弟で、家計は火の車でした。そんな中、かつてピアニストに憧れた母親は、ずいぶん無理をしたことでしょう、娘を某・大学の先生のもとへ送り込んだのでした。いじめられっ子だった私をなんとかしなければと考えたのかもしれません。
しかしながら、親の思惑と異なって、練習が好きでなかった私。

毎回毎回、練習不足がバレるかもとビクビクした記憶、親がきちんと月謝を払ったのかどうかという不安・・・。劣等感と「習わされている」感が結構重たかった。
大人になった今でもときどき、「今日はレッスンの日だったっけ? あ、違った~・・・」という夢を見ます。
レッスンのあと、駅前の松坂屋(でしたっけ?)をぶらぶら歩くこと、
そして、母親がたまに同行した日、レッスン後にご馳走してもらえる甘味喫茶が楽しみでした。ところ天と鍋焼きうどんが好きという、ちょっと変わった子でした。

お茶の水駅で黄色い総武線に乗り換えて
大きな川をひとつ、またひとつと横切って近づいていく市川。

市川駅から歩いて、京成電鉄の線路をこえると、先生宅はすぐそこでした。

ほろ苦い・・・、しかしながらインパクトの強い思い出となりました。何十年たっても忘れられない思い出であり、今となっては、妙に懐かしい気もします。

石井桃子さんは子どものころの思い出を忘れず、そのときどき、すんなり思い出せるのが私の強みだといったことを書き残しています(雑誌「子どもの館」)。
だれにとっても、子どものころの思い出は、特別なものなのでしょう。

おしゃべりが過ぎました。

さて。
東山魁夷(1908年~99年)というと、どんなイメージをお持ちでしょうか?
私たちが抱いているイメージは、もしかしたら実態のごくごく一部かもしれません。
2005年11月に開館した「市川市東山魁夷記念館」において開催される
「童話家・東山魁夷の世界」展に出かけてみませんか?

東山魁夷は戦後まもない1945年(昭和20年)から1999年(平成11年)に亡くなるまで
50年以上もの間、市川に居を構えていました。
生誕100年を記念して、このほど、
童画家としての東山魁夷にスポットをあてようという試みがなされました。

大正から昭和初期、児童文学の黄金期。
ご存じ「コドモノクニ」をはじめ、すばらしい絵雑誌が世に送り出されました。
絵雑誌は、当時活躍していた画家たちにとって仕事の舞台ともなりました。
若き日の東山魁夷もまた、「コドモノクニ」「少年倶楽部」といった雑誌に挿絵を寄稿していました。
東京美術学校日本学科在学中の1930年、実家の経済状況の悪化から仕送りを断りました。
生活のために童画を手掛けたではないかという見方もありますが、
はたして生活のためだけだったのでしょうか?

本名「東山新吉」で発表された絵には、初々しさとともに、
子どもたちへ寄せる温かな視線が感じられます。

魁夷は、1933年から35年にかけてドイツ留学しますが、
滞在先のベルリンでも挿絵の仕事を続けていました。
帰国後も、日本画家としての制作の傍ら、少なからぬ数の挿画を手掛けています。

挿絵画家としての東山魁夷に光をあて、業績をまとめて紹介した初の企画展です。
当時の児童向け書籍・雑誌に掲載された挿絵やその原画、
当時の様子を伝える書簡などによって「童画家・東山魁夷」の実像をよみがえらせます。

大正から昭和初期にかけての童画家たちの活躍について
いろいろ思い出を巡らせる絶好の機会となるでしょう。

●「童話家・東山魁夷の世界」展●

期日 9月20日(土曜)~10月26日(日曜)
会館時間 10時~17時(入館は16時半まで)
入館料 一般700円 65歳以上560円 高大生350円 中学生以下、無料
休館日 毎週月曜(祝休日にあたる10月13日は開館、翌14日は休館。
    9月23日は開館)

アクセスなど、市川市東山魁夷記念館のHPをご覧ください。

http://www.city.ichikawa.chiba.jp/bunka/higashiyama/index.html

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市川のピアノの思い出…私にも似た記憶があります。
姉のお稽古につきあわされ、家に一人で置いておけないからという親の理由から、3歳でオルガンを習い始めました。
もともと自発的に始めたわけでもないので、まったく弾けるようにはならず、2年留年(?)した末、3年目に上がる年、ついにお教室を除籍になりました。前代未聞の出来事に、親はタイヘン!姉も気まずい思いでいたようですが、除籍になって私は背中に羽根がはえたように気持ちが軽くなったものです。
ところが…小学校に上がって、音楽の教科書に音符を見いだした時の何とも言えない絶望感たるや…。
でも、大人になって、わが人生のいちばんの後悔は、音楽恐怖症になってしまった自分をやり直せなかったということ。音楽がこんなに素晴らしいものだったなんて、オルガン教室では教わらなかった!楽器がダメなら、「歌う」世界に飛び込んでみてもよかったのにね…と思います。
海ねこさんが今でも夢に見るというので、ちょっと安心しました。私はオルガンの先生のきつい化粧のニオイを40年忘れることができません。木曜4時も、どことなくキライ。
とは言いつつ、現在は、ヴェートーベンのピアノソナタに心癒され、オペラも好きだし、邦楽も好き。目下のところは、中島みゆきさんの夜会チケットがゲットできますように、と祈る日々です。


 

はじめまして、こんにちは!
主人がいつも市場などで大変お世話になっております、
いつもブログを拝見させていただいております(^^)
ピアノのレッスン通いのお話・・本来先生は何よりもまず、生徒達に音楽に興味を持ってもらい、その楽しさや喜びを知ってもらうことを一番大切にしなければいけないと思うのですが、それが出来ていない先生達が残念ながらなんと多いことか・・。
習ったことによりすっかり音楽嫌い(クラシック嫌い)になってしまったというお話もよく聞きます、非常に残念なことです。
かくいう私も、いまだにたまにピアノに向かったときに
「あ、こう弾けばきっと先生にほめられるな」「こう弾いたらきっと先生に怒られちゃうな」
などど反射的に考えているのに気が付いて苦笑いしてしまいます、1人で楽しむために弾いているのですから、そんなこと一切考えずに自由に弾けばいいのに(;;´∀`)ゞ
自分の感情や心の動きを音楽を通して表現したり、あるいは作曲家が心を込めて書いた音符からパワーや感動をもらったり・・そういった喜びを子供達に教えてあげることが出来る、そんな先生達が増えてくれることを願ってやみません。

あしたさん、にゃん子さん、ありがとうございます。

あしたさん、きっといろいろな思いを抱えてきたことでしょうね。子どものころって自分から何かを選ぶってなかなかできなくて、親が選んだコースにはまりきれないこと、ありますよね。
私も、一口では説明できないぐらい、結構、複雑な思いをしてきたので、
あしたさんもさぞかし、いろいろあったのでしょうね~と思います。
「オルガンの先生のきつい化粧のニオイを40年忘れることができません。木曜4時も、どことなくキライ」っていうの、
なんとなくわかるような気がしますー。忘れられない時間・密度の濃い体験だったのでしょうね、でも、今だから笑って言えるのですよね。夜会チケット、無事にとれますように!

にゃん子さん。ブログ、いつも拝見して楽しませていただいてます。ダーリン様にもお世話になってます。ありがとうございます。
私が子どものころから習っていた近所のピアノの先生はなぜか威圧感があり、ちょっと怖かったです。市川の先生も私にとっては、とても偉い人というか、笑わない先生というイメージでした。学校の音楽の先生は、ひとりひとりタイプがまったく違いました。やっぱり先生の影響は大きいですよね。

ブログにいろいろ書きましたが、音楽を学んだことによって、つらいこともありましたが、自分の生涯にとってプラスになったこともあります。自宅でクラシック曲を弾いているうちに、ほんのときたま、恍惚とした瞬間がありました。あれは、本当に気持ちよかった。作曲者と瞬間通じ合ったというのか、まさに自分のために楽しんだ瞬間だったのかもしれません。
それから、十代後半はジャズやフュージョンを聴くようになり、大学のサークルでキーボードやピアノを担当することになりました。さまざまなライブに行きました。譜面に縛られず自由に演奏する楽しみがあるのかと。衝撃でした。でも、自分はクラシックピアノを学んできた枠から離れらず、アドリブに憧れながらも、自分では自由に演奏できなかった、どっちつかず、だったかも。結局、未熟だったのです。当たり前ですが、矢野顕子みたいに誰もがなれるわけじゃないですね。
音楽は聴くのも好きですが、でもやっぱり自分でやるほうが私は好きかも。親にやらされた重たい記憶、期待にこたえられない挫折感もありましたが、楽器をやらせてくれて親にありがとうという気持ちもあります。老後は、のんびりピアノを弾きたいです、そのときは純粋に自分の楽しみとして。
ところで、組合でバイトしているオペラ嬢から借りたコミック「のだめ」21巻まで読みました。面白いですね。

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