古書市場へ

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古い本は、すぐ売れなくても慌てない、焦らない。
ただでさえ、時代をかいくぐって今日まで残ってきている本なのだ。
良いなと思ったものを選んでおけば、
きっと、どこかに同じように感じている人がいる。
いつかは、持つべき人のもとへとたどりつく宿命にあるようだ。

このほど、検索でたどりついた方からご注文をいただいた。

「・・・しかしまあ、こんな本がようありましたね・・・すごいですね」
と、メールに書いていただく。

5年ほど前にコピーをようやく入手されたそうだが、実物があるとは、と驚いたそうだ。
何か情報がないかと、ときどき検索をかけていて、
探しあててくださったらしい。

自分がいいと思ったものに、どなたかが反応してくださる。
その瞬間、本の作り手、過去の売り手、かつて所有していた人、今この時代に生きるどなたか、
そして、私がつながりあう。

あと50年もたったら、私が書いているこのような文章はどこにも残っていないだろう。

それでも、私のような思いをする人は、きっといることだろう。

先頃、先輩書店N堂さんから
「自分がいいと思ったら、それでいいんです。自信を持てばいい」と言われた。
「私は人目を気にしすぎ?」と聞いたら否定されなかった。

まだまだN堂さんのようにはいかないが、
今日も何か、いいなと思えるものと巡り合えるだろうか。
そんなわけで古書市場に行ってきます。

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