いざ市場。掘り出しものはありやなしや

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しばらく休んでしまいました、市場。
行かないでも、まだ手元に更新すべきものがたまっているしなあ。
といっても、このまま休み続けると行かないまま日々が過ぎていきそうな。
いかんいかん。何か見つかるやもしれぬ、行くのが務め。
いざ、古書&古書店の皆様にまみれに行かん、神保町は古書会館。携帯本は「狂人日記」。

金曜の市場(明治古典会)、以前は敷居が高いばかり。
まったく買えやしない、一時は、ただただ憂鬱な場所でした。
行くのやめようかと何度思ったことか。
この際、何でもいいから買おうと、売り物にならないものを買ってしまっては自己嫌悪。
ますます嫌になった。
されど、最近は面白い。たとえ、ほとんど買えないとしても、
先輩古書店の動向とともに、さまざまな古書を生で見るのが面白い。
なんでもかんでも手にとって拝めるのである。
市場って凄いねえ。美術館に行けばガラスケース内にあるようなレベルのものであっても、
なんのお咎めもなく、わが手にとって拝めるのでありますよ。

本日は、何がなんでも買いたいと念じた2件を
貯金残高を省みず、一か八か、文字どおり「どうにかこうにか」「かろうじて」入手。
絵雑誌でおなじみ、木俣武のスクラップブック(超大物の生原稿あり)。
そして、木俣武も茂田井武も描いている戦中戦後の絵本十数冊。
なんとかかんとか買えたものも、うーむ、安くなかった。
買わなかった他店が正しかったのかもしれない、答えは誰も知らぬ。
そもそも海ねこ経営はどうなるやら、の危機ではありますが、
物がないと始まらない、のが古書店。
物があってこそ、の古書店。
惜しくも買えずは、井上洋介、いつか目録で特集しようと狙っていたのに買い損ねてしまった某詩人の生原稿。
うう、気づきもしなかった、と風船舎とともに悔しがったとある本。

最近、スランプだと嘆く店あり、調子がいい店あり、
市場に渦巻くドラマの数々。
悲喜こもごも、さまざまな店の歓喜、情熱、失望、落胆・・・
さまざまなものがどわーっ、どわーっと、蠢いています。

「メシ食べにいきますか」と、徳尾さん、風船舎夫妻、日月堂、あとから駆けつけた股旅さんと遅めの昼食&お茶。

そうそう、風船舎さん、つい最近、ホームページをスタートしました。

果たして、僅か1時間後ぐらいでしょうか。
帰りがけ「じゃあ、ちょっとお茶でも寄っていきますか。風船舎さんもどう?」
石神井書林さん鶴の一声で、先ほどまで一緒にいた皆+石神井さん+港や書店さんとヒナタ屋へ。

ヒナタ屋、ようやく行った。居心地がよい。隠れ家にしたいかも。

呑まなくても流暢に喋れる石神井さんや日月堂さんが羨ましかった。
・・・って、そんな感想かい?

飛び交う人名。会話を聞きながら、今は亡き人々が甦り、昭和20年代の新宿に居るかのようだった。

日月堂さんの父上関係の話の絡みで、
関係者が必死に探しているときは出てこない、
誰もかも忘れたころにひょいっと出てくる、
今、僕らが市場で見ているのはそういうものなんだねー、という
石神井さんの言葉が胸に染み入った。

今日の市場にも、書簡の山がいくつも出品されていたし、
木俣武のスクラップブックを在り難くも買えた今日だからこそ、よけいに。
大事に売っていきたし、いずれお目見えさせますが、さて、どうやって? 課題が一つ増えた。

市場に行くたび、楽しみとともに、苦しみも増えてゆく。嗚呼。

また、古書店の今後がどうなっていくのか、
買い支えてくれる顧客はいるのかどうか、
信頼関係をどう保っていけばいいのだろうか、といった話で終わった。
長年、第一線でやっている人たちの言葉は重たい。

深夜までメール対応など続けたのだが、ついに呑んで、またしても酔いどれ日記になりました。
発送&受注をお待たせしている方、申し訳ございません。明日、早速に対応していきます。

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コメント(4)

こんばんは。幣店の出来立てホヤホヤ、拙いHPをご紹介してくださってありがとうございます!!う~~ん、悔しかったですねぇ、あの一品は。サイズも小さくはないあの本をどうして気がつかなかったのか…悔しいやら情けないやら。
それにしても今日のお茶会は興奮しました!消えたはずの人・情景が次々に浮かび上がってくるような、とてもスリリングで楽しいひとときでした☆

早速コメントをいただき、ありがとうございます。
ホームページ、どんどんご覧いただき、ご利用いただけるよう、できるだけこまめに魅力的なものを更新していきましょう、お互いに。
更新には本当に手間がかかりますが、やはりネット古書店の肝はそこか、と私は思ってます。
楽しみにしています。

初めまして(^^)。木俣武氏のことを調べていてこちらに辿り着きました。村上博子さんという方が木俣武氏に捧げた詩を読んだのが、興味を持ったきっかけです。木俣武氏は武井武雄のお弟子さんだったそうですね。

村上博子さんの名前をよく覚えておくようにいたします。コメントありがとうございました。

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