昨夜、仕事に疲れて、目の前にあった目録用の本を手にしたら、
ついつい読みふけってしまいました。
ご注文いただいたため、お客様にまもなく送る予定の本です。
著者(すでにこの世にはいらっしゃいません)の献呈署名入り。
初版なのですが、本文のあちらこちらに、
鉛筆やペンで、誤字脱字、行がえなど、校正を入れたあとがあります。
署名の文字と比べても、これって、
著者が入れた直筆文字じゃないかなあ、と思うのですが。
実は、当方、その昔、さまざまな人のお力を借りて出したささやかな著書があるのですが、
初版、改訂版、文庫と本が仕上がってきたとき、
そのたび、読み直して気になった部分に直しを書き込んだ覚えがあるので、
それと同じなんじゃないかなあと。大作家と当方を一緒に考えたら申し訳ないのですが。
作家が自分用の本のつもりで文字の直しを入れ、
うっかり贈呈本に使って署名してしまったんじゃないかなと。
推測ではありますが。
実際そうだとしたら、研究者ユース、よね。
金曜の市場で買ったので、仕入値も安くないし、
あらま、また値つけを間違ったかなあとも思う。
手放すのがちょっとさびしくもあるんですが。
でもまあ、私が抱え持っていても仕方ないし、古書は天下の回り物。
心をこめて梱包し、お客様のもとへ送り出すことにします。
ところで。
「佐藤泰志 作品集」入荷しました。
本代のほか、送料実費(+振り込み代の手数料)をいただきますが、
在庫さえあれば、できるだけ早くお送りします。宅配の代金引換、可。
在庫が切れたときは取り寄せになりますので、数日お待ちいただく場合があります。
葉書でのご注文も承ります。あて先は「古本 海ねこ」トップページの最下部にあります。
この本は、電車での携帯本には向いていません。
老眼の人には、多少つらいかもしれません。
なぜかというと、本文は上下二段組になっていて、
686ページと、ひじょうに分厚い本だからです。
定価3300円と聞くとかなり高いイメージですが、
高いから買わない、と決め付けてしまうのは勿体ないです。
なにしろ、これまで、主な作品を古書を集めようとしても、
そうは見つけられないし、あったとしても値段が・・・だったのが、
この1冊で主だった名作をすべて読むことができます。
さらには、単行本未収録の代表作と、
詩・エッセイ、年譜と著作目録が収録されています。
「佐藤泰志作品集に寄せて」という小冊子がついていて、
執筆者のひとりは岡崎武志さん。
岡崎さんもブログに書いていましたが、ネットでずいぶん前から話題になっていた佐藤泰志です。
私自身、ネットで買おうとしたけれど扱っているところを見つけられず、
新刊書店でもあまりないらしいので。
だったら、1冊は自分用に購入したいし、いっそ同じ気持ちの人のためにネットで販売しようと思ったのです。
幸い、版元のクレインが吉祥寺にあるため、当方宅から遠くないのも何かのご縁かなと。
クレインは、文弘樹さんがひとりで立ち上げている出版社。
ひそかに応援したい気持ちもあります。
詳しくは、クレインのHPをご覧ください。
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