こんな一日

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19日は、明治古典会へ。
金曜・月曜とも一度休んでしまったので、
久々という気がする。

「絵画・写真・建築 他 美術書 カーゴ2台分」ということで、
アート関係が4階にたくさん出品されていた。
海ねこも1件、2本分、落札。
3階では中原淳一関係14冊を落札。
1万円未満は上値と下値の2通り、
1万円以上は上値・中値・下値の3通り、
落札希望価格を書き込める仕組みだが、どちらも下値で落ちた。
1週間休んだだけでもカンが鈍るのだろうか、
高く入れすぎたようだ。
でもまあ、買えてよかったと自分に言い聞かせる。

前に中央市会で落札した分を支払いにいく。
19日に落札した分をまた来週、支払わないといけない。
諭吉が飛んでゆく。さらば、諭吉。

終わりかけ、他店がどんな本をいくらで落札したのか
見てまわる。これがとても勉強になるのだ。
N秋さんが落札した古い絵本、ああ、これいいなあと
勝手に見させていただく。
玉晴さんに「それ、買ったの。それ、いいよ。
めったに見ないよ」と言われる。
ノミラくんも「買ったんですか」と寄ってくるが
「違う違う、買ったのは私じゃなくてN秋さん」と言う。
さすがN秋さんはよく見ている。
自分がこの絵本に気づかなかった、見落としていた、
とは口が裂けても言えない(書いて懺悔した)。
おまえの目は節穴か、と、自分を呪う。

徳尾書店さん、股旅堂さんと食事でも、ということになる。
石神井書林さん、港や書店さんがそば屋に食事をしていくので、
よかったらどうと誘っていただき、5人で話す。
長年、自家目録を中心に活動している石神井さん、港やさん、
そして、
自家目録第一号を出したばかりの徳尾さん、
目録に関心がある股旅堂さんと私、ということで、
自家目録の話題など。

徳尾書店さんの自家目録第一号には
写真900点以上が掲載されて、ひじょうによく作られていた。
聞けば聞くほど感心することばかりだが、どおりで目録づくりに慣れているわけだ。
以前勤務していた佐藤書房時代に、ずっと目録を作ってきたそうだ。

「華宵叙情画集」全3集(昭和4年)を3冊、苦心して集めた話に刺激を受けた。
1冊めは、華宵が好きで、もともと所有していた。
2冊めは、目録に華宵を掲載したくて3冊揃えられたらいいな
と念じていたら、運よく市場に出品されていた。
「高く買いすぎたね。うちでいくらで売ってるか知ってる?」と
他店さんに言われたそうだが、3冊揃えて目録に
掲載するんだからいいんだいいんだと自分に言い聞かせたらしい。
できることなら3冊揃えて、目録のあのページの
あのスペースに掲載したいと夢のようなことを思っていたら、
あちらこちらの市場をまわっているうち、
ついに埼玉の市で3冊目を見つけたらしい。

最近は、自家目録に掲載する珍しい本を探すため、
神保町の市場ばかりでなく、神奈川や埼玉にも顔を出している。
4月、大阪で開催される全古書連の大市にも行きたいのだという。

自家目録を自分がつくりたい本・つくりたい構成で
埋めたいという気合・気迫が、彼のモチベーションにつながっている。
欲しい本を探し続け、買い続けるためには、モチベーションの維持が必要だ。
私にとっても課題。
年は若いけれども、経験豊富な徳尾書店さん
股旅堂さんのやる気におおいに刺激していただく。

目録に関心があるので、
石神井書林さん、港や書店さんに自家目録をお送りいただきたいと
勇気を出してお願いする。

終わって、銀座へ。
銀座7丁目・月光荘画室で22日まで開催中の
羊毛倉庫スズキチアキ×poppetドモンユウコ
「イーハトーブの人形たち」展をみにいく。
宮沢賢治の世界を、人形で表現しようというのである。
チャレンジングな試みだと思う。
丁寧に丁寧にこしらえてある羊毛フェルト人形に見入る。
全長20センチにも満たないような小さい人形なのだが、
ドモンさんの解説によれば、
ストールはカシミアの手織りだったり、
セーターは母上の手編みだったり、
小道具のドングリは友人の手作りだったりするそうだ。
ご本人の思い+さまざまな人の思いが「作品」として結実している印象。

羊毛のぬくもり、
ディテールまで心をこめてつくられている丁寧さ、
揺ぎない安心感がそこにある。
よいものを見せてもらった。
心がほっこりしてくる。
市場で高く買いすぎただろうか、
なぜあの絵本を買わなかったのだろうかという
ちっぽけな悔やみを束の間、忘れる。

スズキチアキさんに
「カッコいいおねえさんですねー」と言われた。
カッコいいだなんて生まれて初めて言われた。
最初で最後かもしれないので、日記に書いておこう(笑)。

そろそろ仕事をせねば、なので、あとは駆け足になるが。

高円寺・円盤で「上野茂都 月例ひとり会」。
上野さんのHPはこちら。
招き猫を見てみたい。
ライブの様子は連れがブログに書いているので、そちらをどうぞ。

円盤でご一緒させていただいたスーさんと3人、
コクテイルへ。
スーさんの話がひじょうに心に響いてきたのだが、ここには書けない。
泊まり客のため、
ザラメを使ってビーフシチューを煮込んでいるスーさんであった。

金曜晩のコクテイルはひじょうににぎわっていた。
人の声がどわわーんと暖かく渦巻いていた。
週末、リラックスした様子で語り合う人の声っていいなあと思う。

魚雷さんとはいまだ緊張して、うまく話せず。
酔ったノミラくんには相変わらずやられっぱなし。
コクテイルでバイトしているコウケさんに作品である写真を見せてもらう。
ハンドルネーム(?)を教えてもらったのでネットで日記を読んてみた。
勢いたっぷりで、ひじょうに面白い。
夢と不安いっぱい、はちゃめちゃだった
自分の二十代のころを思い起こさせる。
「でも、私はもっと暗いところがあったかもね」と家人に聞くと、
「彼女だって明るいばかりじゃないよ、書いてないだけだよ。
明るいばっかりの人なんていないでしょ」と言われた。

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