捨てる神あれば、拾う神

| コメント(0) | トラックバック(0)

9月12日は、業者の市場(中央市会)へ。
最近は買うばかりでなく、毎回何かしら出品するように心がけています。
HPへの更新が追いつかず、
買う一方だと、貯金がどんどん減っていく一方なので。
そう、業者の市場には"売り手"として、本を出品することもできるのです。

渋滞することが多いので、眠い目をこすりつつ早めに出発して神保町まで運転。

実は、今日、運転のミスをおかしました。
ゆっくりバックしていて、ちょっとこすってしまったのです。
(どこにこすったかは、先方があることですので、ちょっと伏せておきますが、
結果としては大きな問題にならなかったようです。
一日中、電話がなるたびびくっとしたことだけ書いておきます)
周囲の方から「大丈夫だよ」と言われても、本人はすっかりしょげきって…。

しかし、捨てる神あれば拾う神あり。
当店の定番商品を含んだ束を買ってきたところ、
束をほどいて1冊1冊見ていったら復刊希望が多い
絶版本が何冊も含まれていました。
昭和のある時期、ひじょうに時間とお金をかけ、
存分なる人材を投入して
良質の児童書が編纂されていたころのものです。

この束を市場に出品した店主さんとは顔は知っていて、
ご挨拶はする関係。
その人は、この本にさほど思い入れがなかったようで
止め札(いくら以上でなければ売らないという意志表示をする札)も
入っていませんでした。
それで、当店は運よくひじょうにリーズナブルに入手することができ、
静かに深く感謝しております。
時代や傾向から、おそらく同じ人の持ち主だったものが
何かの理由から売りに出されたものと思われます。
あるいは、どこかの古書店の店主が集めてきたものなのかも。
良質の児童書を買い集め、大事になさっていた方。
人となりを想像しました。
男女の性別さえわからないけれど。

ほかにも今日は久々に良い買い物をすることができました。
他店が買わないけれど、自分の店は買うというものがないと、
市場ではそうたやすく買い物ができません。
本当に一瞬、自分をほめてやりたい気持ちです(うぬぼれるな)。

組合に入れば、良い本を入手できるという図式はありえません。
自分が欲しい本は、他店も欲しいわけで、
買いたいものを買いたい値段で入手できることは稀です。
先輩書店の教えに従って、
毎週3日も4日も市場に通い続けてきて、
ようやくたまにチャンスにめぐり合うということです。
行くたびに何かしら買っておくかと思うものとは出会うため、
昨年秋から組合に支払いを重ね、いまやすっかり貧乏店です。
しかし、飲み込みが悪い私は身銭を切り、
市場で買い続けて体で覚えこまないとダメみたい。
「ただのバカ」「計画性がない」ともいう。
しかし、苦心してこれまで払い続けてきた"授業料"も、
たまには生きるってことで、ふふ(安心するな、うぬぼれるな)。

海ねこHPか、あるいは10月公開の「本の散歩展」目録か
11月公開の「月曜倶楽部」目録か。
いつかごらんいただけると思いますので、お探しの方がいらっしゃいますように。

運転にバテて、ほんの1冊だけですが、チェコのねこ本を更新。
大好きな本です。画像をごらんになるだけでもどうぞどうぞ。
左の欄にある「古本 海ねこ」をのぞいてみてください。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.omaken.com/mt-cgi/mt-tb.cgi/4579

コメントする

2012年4月

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

アーカイブ