きのうの書き忘れ。
米原万里さん追悼「こころの旅」の再放送を14日夜、BSで見た。
96年に放送された番組。十代のころ、プラハでともに学んだ友人に再会するドキュメント。
プラハ、ブカレスト、ベオグラードを旅して、
青春、夢や希望をともにした友人らと何十年ぶりかで再会を果たす。
最後に会うアーニャはロンドンから飛んできた。
父親が政治問題にかかわった関係で暮しにくくなり、
「カメラが回ってないところで話そうよ」「空気みたいに生きたい」とつぶやいた友人。
「ギリシャ人なので自国の空や海のきれいさを自慢していた。
当時まだギリシャに行ったこともなかったのにね」と米原さんが回想した友人は、
実際ギリシャに行ってみたら、空はきれいだったけれど
国は好きでなかったという。
個人が歴史に巻き込まれざるをえない運命の悲しさ。
民族問題をからめ、ひじょうに見ごたえある番組になっていた。
歴史の荒波をくぐって再開した友人が語った
「言葉は人と人をつなぐ道具にすぎない。
私たちは言葉なんて関係なく、ニュアンスでわかりあえるのよ」といった言葉もよかった。
米原万里さんの中には、単なる再会レポートというのみでなく、
地球規模で伝えたかったことがあったはず、と思う。
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