雨の日

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南部古書会館の振り市へ。
そして、月曜に買った本を引き取りに神保町の古書会館へ。
雨の日の運転は、視界が悪い。見えない分、神経をつかう。
運転に不慣れな私は、ふだんの倍ぐらい疲れる。
4-5時間も運転するとかなりぐったり。

帰宅して、本の束をほどいて1冊1冊確認。
市場だとすべて入念にチェックしきれないことがある。
この本が含まれている束だから私(当店)好みかもと。
半ばカンを頼りに何十冊、百何十冊もの束をどかんと買ってくるのだが、
見ていくと何かしらおもしろいものが出てくることも多い。
なにしろ、プロの古書店が市場でなるべく
高く売れるようにとこしらえた本の束ですから。
書棚をこしらえるかのように、それなりに工夫され、編集されている。
まるで福袋をあけるような楽しさ。
70年代の女性誌の束をほどいていくうち、
その時代が目の前に突然やってきたようでタイムトリップする。

束の中にはさまっていたのは、73年のワンダーランド(「宝島」に誌面変更してすぐの)。
古い児童書束に紛れるかのように、武井武雄…。
どちらもぼろぼろ。おそらく、出品した店も捨てるに捨てられず入れたんだろうなあ。
前者を開いて
「本を読もう! 長谷川四郎と片岡義男の対談」「植草甚一 神保町 元町を歩く」など
ぱらぱらと読む。
後者は背がなく、見開きごとにご丁寧にテープ補修され変色している。
が、腐っても鯛、ぼろぼろでも武井武雄。
うーん、ねこほか動物の絵、色刷りがすばらしい。

個人的には補修されつくした本・雑誌は人の体温を感じて嫌いではない。
しかし、これほど壊れていると売り物にはならない。自家用かな。

運転疲れもあって、しばしぼーっと眺めて時間がたってしまう。

は、いけない、発送しにいかなくては。
梱包して、雨の中、出かける。
夜の郵便局はいつも大混雑だが、雨なので空いていた。
力尽きて、早めに休んだ。

ほかに、書くべきは、半年前に買取したお客様からいただいたメールのこと。
当時、セットもののうち1つどうしても見つからないとのことで恐縮なさっていた。
こちらとしては、なければないで仕方がないと思ってすでに半年が経過したわけだが、
最近、引越しの際、見つかったそう。
ずっと気にかけていてくださったのだろう。
なかったことにしても、こちらは何も気づかずにいたと思うのに、
わざわざご丁寧にメールを下さった。
そして、送料を出してほしいとも何もおっしゃらず、宅配で送ってくださった。
大型のもので梱包だって楽じゃなかっただろうに。
大型なので送料だってずいぶんかかっただろうに。
恐縮しつつも、大変ありがたい。

メールには、新居の写真を3枚、添付していただいた。
ああ、素敵。趣味の良いヨーロッパのお宅のよう。
眼福、眼福。
ああ、このように素敵なお宅からお譲りいただいたセットたちだったのか。
おし抱くような気持ちだ。
セットもののうち1つはかなり入手しにくいもの。
いったん手放したら再入荷は見込めないだろうと思う。
まとまった量があるし、大事に売りたい。
どうやって売ればいいのかずっと考えていたのだけれど、
どなたか必要としてくださる方に、
きちんと橋渡しできるよう努めていかねば、と心新たに。

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コメント(1)

73年の宝島には、グレイトフルデッドとザ・バンドが競演したフェスティバル取材記事(写真いっぱい)や山下洋輔初期の文章など私にとってもかなり興味深い内容でした。
おもしろいものです。

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