原弘さんが気になります

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アメリカにリトル・ゴールデン・ブックがあるなら、
日本には岩波書店の「岩波の子どもの本」あり、ですね。

発送しながら「ねずみとおうさま」(昭和28年、昭和42年の13刷)を
ぱらりとめくったら、装丁の素晴らしさに見入ってしましました。
古い版の原弘さんの装丁が大好きです。
カンガルーや鳥、草…。
カバー見返し部分の「よむまえに手をあらってね」のイラストなど。

岩波書店のHPを見ていたら、こんなふうに書いてありました。
岩波書店 岩波の子どもの本

●1953年の創刊当時、「絵本」というと通俗的なイメージが強かったため、
それを避けたくて「岩波の子どもの本」というシリーズ名にしたそうです。

●第二次大戦後の貧しさから抜けだしていなかった時代だったので、
できるかぎり安価な本を作るために、子どもが読むのに手頃で、
紙の使い方としても効率のよい大きさが選ばれたとか。

●50年前は外国の絵本が自由に入手できる時代ではなかったので、
光吉夏弥さんの蔵書を中心に、石井桃子さんをはじめとする編集スタッフが編集。
ラインナップも編集スタッフによるもの。
光吉さんは「ひとまねこざる」シリーズや「ガンビーさんのふなあそび」などの訳者としても
有名ですが、当時は新聞記者、バレエや写真の評論家として活躍していて、
大の絵本コレクターでした。

●本についているカンガルーとゾウのマークは、
カンガルーは、幼児~小学1・2年向き、ゾウは小学3・4年向き。
デザインは原弘(はら・ひろむ)さん。
初期の本は、装丁・題字・見返しなどを原さんに依頼。

こんなに素敵な絵本の装丁をした原弘さんは、どのような人なのでしょうか?
とても気になります。
原弘さんについて知りたい。
原さんは、1930年代に早くも欧米のモダンタイポグラフィに出会って、
日本の戦後デザイン史に多大な足跡を残したグラフィックデザイナー。
川上宗薫さんの著書の装丁なども手がけています。
亡くなって早20年以上になります。

原弘さんのことを知りたいなら、次のような本を読むとよさそうです。

●原弘紙の本 原弘(平凡社 85年 20000円)
●原弘-グラフィック・デザインの源流- 原弘(平凡社 85年 20000円)
●『原弘と「僕達の新活版術」』 (川畑直道著 DNPグラフィックデザイン・アーカイブ 3333円)
●現代日本のブックデザイン-1975―1984- 原弘ほか 編 (講談社 86年 23000円)
●世界のグラフィックデザイン 2   原弘編 (講談社 79年 8500円)
●『装幀時代』臼田捷治著(晶文社 2600円)
  「原弘―戦後モダニズムの集大成」というページがあります。

ーー探せば、まだまだあるかもしれません。
 図書館でも探すことができます。

こんなふうに、自分の好きなものがひとつ見つかると、
芋ヅル式に、興味のあるものがどんどん見つかります。
そして、あれこれ集め始めると、家じゅうが本だらけになっていきます。

そういえば、先日、我が家に来た友人らは、本のすさまじい山やごちゃごちゃの仕事部屋、
書庫を見て、目が点、口あんぐりになっていました。
開架式にして、書庫もかねつつ、月一度でも週一度でも店舗か家庭文庫のように
公開できればいちばんいいのですが…。
せめて開架式にしたいのですが、壁はすでに手持ちの本&本棚で埋まっています。
壁を使えないので、本棚を何本も入れるとなると、
図書室や古本屋のように、本棚をにょきにょき林立させるしかないのかな。
どうしたものかと頭を抱えております。

コメント(2)

本棚にょきにょき、で、
ブックエンド代わりに猫5匹を配置(笑)
そんな古本屋さんだったら行きますよ、私は。

猫ねー、動くブックエンドですね~(笑)。
鳴いて、ケンカして、食べて、眠って…。
せめてブックエンドとしてぐらい活躍してほしいもんじゃ。

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