2006年04月28日

旅から日常へ

先日までプラハにいました。
つい先ほどまでロンドンにいました。
ついさっきまで飛行機の中で本を読んでいました。
「旅は驢馬をつれて」(スティヴンソン 吉田健一 訳)。

成田に着いた私を待ち受けていたのは、
20キロ超の荷物。むろん、重量の大半を占めるのは本。
大枚はたいてプラハから2箱、ロンドンから1箱、
送ったけれども、ちーっとも入りきらず。

成田を出て待ち受けていたのは、大渋滞。
ふだん成田から自宅までは2時間ほど。
ところが、本日の首都高は事故渋滞、
環八その他が連休前の金曜で、どこもかしこも渋滞。
4時間かけて自宅にたどりつく。

待ち受けていたのは、散歩をねだるねこ。
玄関先に買取の段ボール3箱。
テーブルの上に郵便物やらFAXやらの山。
1週間ぶりにマイ・パソコンを起動したら、
あれ、私のパソコンってこんなタッチだった?
メールが5百件近くあった。大半はゴミメールだけれど、
大事なメールをゴミ箱に入れてはいけないので1件1件見ていく。
「こんにちは」「お久しぶりです」などの件名はよくないですね。
風俗メール・迷惑メールかと勘違いして削除しそうになる。

注文メールがうわうわうわっと(ってほどではないけれど)。大変ありがたい。
しかし、中には、返信がないことをかなり憤っている方がいらして、
ひじょうに申し訳なくて・・・。一気に現実に引き戻される。
ホームページのトップに休業のよし記していったけれど、
トップなどごらんにならない方も多いのでしょう。
書庫から本を探し出して、状態を確認して、
ホームページに品切れ表示を出して、
楽天フリマにも出しているものがあれば楽天のほうは削除して…。
ああ、私の日常がまた始まりました。何がなんだか頭ぐるぐる。
ポラン書房さんに電話をして、いただいたFAXをじっくり読みたいので、
返事を少し延ばしていただく。
家人が新宿に行くというので、岡崎武志さん特集の
彷書月刊を買ってきてほしいと頼む。
揚羽堂さんの「古本屋残酷物語」読みたい。
明日、オヨヨ書林か古書ほうろうで買うか、
それとも小川書店に電話しようか(しました。1冊購入)。
いつも面倒見のいい小川書店さん、ありがとうございます。
ロンドン、プラハ、日本・・・
古書店は居心地がいい。おもしろい店主さんが大勢います。
その話はまたそのうち。

ようやく、あと残り1件、受注メールを書いて、
さて、これから発送です。
お待たせしてしまったので、少しでも早く送らなくては。
これ以上、ご迷惑をおかけできませんから。
なのに、私の体は一体どうなっちゃってるの? 眠くて眠くて死にそうです。
ロンドン、プラハでは毎朝6時ごろ起きて、早寝早起きの生活でした。
通常、夜型の人間は、向こうに行くと自然と朝型に切り替わって便利。
ただし、西から東へ移動すると、てきめんに時差ボケします。
ぼーっとしてしまうので、眠気覚ましに書いてみました。

買取本の箱を早く開いて中を見てみたい。
ロンドン情報をいただいたSさん、Nさんにメールしたいけれど、
眠くてダメそう…。少しお待ちいただいてもいいでしょうか。
旅のことは、またそのうち。新着本もできそうにありません。
うーむ、連休は本の整理と新着本に励みたいものです。

一日中、ボオトを漕いでいても、
夜になって、自分の家に戻った時、
我々は始めて(海ねこ注・原文ママ)爐の傍で、
愛や死が我々を待っているのに直面するのである。
そして最も美しいできごとは、
我々が探しにでかけたものではないのである。(「旅は驢馬をつれて」より)

プラハの郊外に宿泊したところ、
ホテルの裏手に団地、そして鳥のさえずる渓谷が広がっていました。
団地のベランダは日当たり抜群。
デッキチェアに犬がねそべり、
窓にねこの出入り口があけてあったりして。
なんて気持ちよさそうなベランダ。
「生活」っていいなあ。「生活」が恋しくなった。
生活していれば旅に出たくなり、
旅していれば生活が懐かしくなる。
あっちにいれば、こっちが恋しくなり、
こっちにいれば、あっちへ行きたくなる。
その繰り返しなんですかね。

スティヴンソンが人はどこかへ行くために旅をするのではなく、
旅行をするために旅行をするのだ、と書いていました。
星空のもと、寝袋で眠るってよさそう。
人や犬が怖いらしい。
朝方、雲が金色に輝くらしい。
屋外寝袋、ちょっとやってみたい。できそうにないけど。


投稿者 tomoko : 2006年04月28日 19:51 | トラックバック
コメント
コメントする









名前、アドレスを登録しますか?