花吹雪

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市ヶ谷で仕事。
外濠公園の土手も、靖国通りも、
桜は早くも散り始めている。
花吹雪が舞い、葉桜になりつつある木もあった。

週末、友人と会う予定があるため、
夜半ひとりで、かたかたパソコンに向かっている。
本日仕事をしてきた分のテープ起こし。

当店は、会社員の家族が生活を支えてくれているうえ、
上記のようにあれこれやりながら。
本当におかげさまで、今のところは続いている。
もっとも、終身雇用制など今は昔。
いつまでもこの状態が続くとは、
家族も私も思っていないはず。
当方の経営状態は、春夏秋冬を通して陽炎の彼方である。
市場に本を買いにいきたいが、
市場へ売却のほうに力を入れないとまずそうだなあ。

先日のコクテイル対談では、
なかなか聞くことができない広瀬さんの苦心談を聞くことができた。

すばらしい品揃え、リーズナブルな値段で
提供し続けるのが、楽なわけはない。
想像以上のものを感じた。
いつだれが来てもなんとか満足してもらえるように、
広瀬さんをもってしてもギリギリの感じで、
なんとか棚作りを維持し続けているのだということ。
100円均一が名物だが、
苦肉の策であるという話は意外だった。

催事に参加しないで、ネットもやらない。
何よりも店が大事だと言い切って、工夫し続けている。
奇跡の書店だと拍手喝采ではあるのだけれど、
薄利多売を少人数で続けていくのは、どれほど大変だろう。
火曜定休と決めるのに、さぞかし決断がいったことと思う。
市場にいるときも店舗にいるときも、
広瀬さんは真剣な眼差しだ。
広瀬さんとご家族の方、
体だけは大事にしてくださいねと祈るばかり。

ブック・ハンティングは面白いでしょうけれど、
少しでも続いていってほしい古書店には
なるべくお金を落としてあげてくださいね、
あるいは、良書を売ってあげてくださいね。
続いてほしい店はあちらこちらにあるので、
そういった店のために祈ります。
古書店が次々姿を消していく社会は楽しくないもの。

3月28日のエントリーに
ナンダンナさんからコメントの書き込みをいただいた。
私から見て、
今現在もっとも高い志を持つ編集者のひとりだと思う。

思想と経済活動…の兼ね合い。
つねに、自分にもついてまわる問題だ。

桜が散り急ぎそうなので、
週末、新着本は休みます。
メール対応、少々お待たせします。

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