1月5日

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昨日の朝日新聞朝刊で
フィリパ・ピアスの訃報が報道されていた。
86歳。
AP通信によると、昨年12月21日、脳卒中のため死去。
このほど出版社が明らかにした、とのこと。

「トムは真夜中の庭で」は、
いつだったか、秋元康さんが雑誌で推薦していた記事を機に、
読んだ記憶がある。
子供のころではない。
成人してからのちのこと。
成人してから読んでも、物語の世界にぐいぐい引き寄せられた。

フィリパ・ピアスについては、ほかの方がいろいろお書きになるだろう。
沼辺信一さんのブログをぜひご覧ください。

昨日1月5日は、初市だった。
明治古典会。
出品期間が短かったため、品物が少なかった。
三島由紀夫の生原稿を少し読む。
こんな字だったのだな、達筆ではないと思う。
「思ふ」が「思う」など、
旧字体が新字体に赤字で直されているのに関心を持つ。
その横にあった「性と~」という生原稿は、だれのものだったか失念(情けない)。
字に魅力がある。
あの有名な文章の生原稿がここに、と、わくわくする。

古書のやりとりという以上に
組合員どうし新年の挨拶をする場といった趣だったので、
そこそこに挨拶をかわし、昨年末に落札した分の支払いを済ませて、
まもなく退出。
開店間もない石田書房さんにお邪魔する。
店主・石田さんは年末、風邪で臥せったようだが、
もうだいぶお元気になっていた。
引越しすぐのころからお邪魔していたので、
当時のガランとした光景が目に焼きついている。
石田さんの努力あって、店は整い、
並んだ本が1冊1冊息づいている。
生命を吹き込まれたお店はこれほど変わるのだと学んだ思い。
逆にいうと、手をかけないと店はじき抜け殻になってしまうのだろう、
海ねこもどうにかしていかないと。

石田書房は錦華通り、旧ナウカの北側あたり。
中国茶のファーストフード前、がらんどうの隣です。
いい店ですよ。皆様、ぜひお立ち寄りくださいね。

近くで遭遇した石神井書林さん、港や書店さんと食事。
あとから石田さんも加わって。

店舗をやってみたいなら、
自分がやったらどうなるのかシュミレーションを考えてみればいいと
アドバイスしていただく。
売り上げが高い店は高い店なりに、
低い店は低い店なりに、毎日毎日、売り上げを気にして
その呪縛から逃れられないことも聞く。

石神井さんも港やさんも、
ほとんど目録販売のみで店を展開していると聞いて、
どうしてそんなことができるのだろうかと。
目録の魅力に開眼しそう。

市場ではついつい熱くなってしまう。
帰ってから、なんでこんなに高く買ってしまったんだろうと
熱くなってしまった自分を悔やむ話。
いやしかし、どうしても欲しいものがあって、
ついつい高く入れてしまうほどでないと、
市場として活気がないだろうし、魅力がないのでは、という話など。

日本の古本屋で注文があった本をとりに、
五反田の南部古書会館へ。
遠藤書店さんと新年のご挨拶。
前日4日からの営業だそうで、お客様も結構いらしたとのこと。
遠藤書店さんのご商売ぶりには
今年もいろいろ学ばせていただきたいと思う。

ロッカーに詰め込んだ本をよいしょよいしょと
いったんすべて出しながら、注文本を必死に探す。
ところが、なんと。
がっくし。なかった…のである。
在庫管理がいかにできていないか、ということ。
我ながら情けない。

五反田展ですでに売れてしまっていたのだ。
五反田展で売れた本をきちんと整理して、
HPや日本の古本屋からはずす作業さえ済んでいなかった。

無駄足だったと思いたくないので、
ロッカーに詰め込んであった本の一部、
南部の振り市に出品してくる。

帰宅して、梱包につぐ梱包。
発送を終え、倉庫に注文本をとりにいく。
帰宅して、家人がこしらえた遅い夕食をとる。
発送メールは日を改めてからになってしまった。
皆様のもとに、本が無事に届きますように。

6日は雨なので、落ち着いて海ねこの作業に集中できそうだ。
なんとかもうちょっとどうにか
魅力的に店を展開していきたいと思う今日このごろ。
本年もよろしくお願いいたします。

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