振り市と古書月報 財布の復活

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珍しく早朝から目が覚める。
天気予報のおねえさんが
晴れから雨に変わると言っている。
ウソじゃないの? と思うほど、まばゆい青空。

倉庫に本をとりにいき、
渋滞の中、眠気を振り払うべくどうにか運転して五反田へ。
「五反田展」が22・23日にあるので
何かしらよいものを安く買えないかと願って。

ところが、そう甘いものではなく、
気づいてみたら他店が声をあげないものばかり買ったような気がする。
つまり、他店が買わないような本
=あまり人気がない本ばかり買ったような…。
絵本などはともかく、
古書展を意識して買った、いわゆる黒っぽい本はカンだけが頼り。
このカン、かなりいい加減そうなのだ。
行くたびに、他店の皆さん、本当に本をよく知っているなあ、
ちょうどいい値段できちんと買うなあと感心ばかりしている。
キャリアが違うものなあ、仕方ないなあ、と
それだけで片付けられないような気もして。

振り手まで結構距離があるので、
中身を見られないのは普通で、本の表紙さえよく見えないことも多いのだ。
やはり振り市は、本をよく知っていないと
ここぞというタイミングで声を出せないなあと思う。
経験が浅い人間には結構、難しいですよ。
「毎週来ないとダメだね」と北上さんに言われたけれども、
中央市会、明治古典会と、さらに五反田も行っていたら
すぐさま破産だしなあ。

それでも、結構買った。

チェゴヤで腹を満たしてから、
山のように買った本を整理して、
値つけして束ねていく。
軽自動車に積める量は限られているので
運ぶものをこれ以上増やせない。
できるだけ自宅や倉庫に持ち帰らず
南部古書会館で値つけして、
南部古書会館のロッカーにしまいたいのだ。
順序を考えながらきちんとロッカーにしまっていけば、
五反田展の前日に、地下ロッカーから順番に出して
エレベーターで2階に運ぶだけで終わり、とシンプルにいく。

髪の長い男性がぶらっと入ってきた。
だれかと思ったら、古書 百年さんだった。
いつもポニーテールのように髪をゆわえているのだが、
今日はロン毛で、英国のバンドマンか歌舞伎役者? みたい。
「1月5日にバーをやりますんで来てください」と笑顔を残して去っていった。
いいなあ、1日バーって楽しそうだなあ。
私もやってみたいなあ。
でも、私がやったら主催者側でありながら、
いのいちばんに飲みすぎて酔ってしまいそうだ。

まだ五反田展の当日まで少し日にちがあるが、
これじゃあまり値段のつけられるものがないなあ、
均一用の本ばかりだなあ、
2階に並べられる本が足りないかもなあ、
どうしようかなあ、倉庫から何をどう持ってこようかと考えながら作業する。
BGMは、換気扇の音と、南部経営員の皆のおしゃべりだ。
1冊1冊、いくらつけたらいいのか考え考えなので、
とても時間がかかる。
不慣れなので、面倒だし、すぐに疲れてしまう。
重たい本の束をしばったり、入れ替えたり、
背筋にすぐきいてくる。

中川書房・サトシさんに効率よく値つけをするための
コツを教えてもらう。
まずは、値段を書いた札を本の間にはさんでいって、
一通り済んでから、あとは糊付け作業に集中したほうが
効率がよいという話は、目から鱗だった。
「糊付けしながら1冊1冊、貼っているの?
それじゃ、糊のキャップをとったりつけたりの
手間だけでもだいぶかかるでしょう。
うちはバイトさんに手伝ってもらって
二人がかりでじゃんじゃんやるときもあるよ」と言われる。
中川書房は、はじめから値札紙に値段を
何通りか印刷したものを用意しているという手際のよさだ。

振り市で買ったものにしても、
自分が本当にひよっこのよう。情けなくなってくる。

雨もあがったし、疲れたし、もう帰ることにしよう。
帰りの車は、今日の振り市と、
さらに先日の入札市で買った本でずっしり。
立ち寄りたいところもあるのだが、
以前、本の重みで突然、後ろの扉が開いてしまい
あわや事故という思いをしたので、大事をとって直帰。
重すぎて、バックするときハンドルが重たいほどだ。

冬のしおりの不在配達記録(居ぬさん、明日にでも受け取りますね。感謝!)などとともに
1枚のハガキが届いていた。
なんと、警視庁遺失物センターから届いた
「取得物通知」のハガキだった!

先日、財布をなくしたことをブログに書いてはみたものの、
翌日、読み返したらあまりにも情けなくて、
店として信用問題にかかわると思い、削除した。
ところが、短い時間にご覧いただいた方から心配していただき、
すみません、旅猫さん。ご心配ありがとうでした。
その財布がどうやら出てきたらしいんですよ。
届けて書類を書いたりって面倒だと思うのに、
その面倒を厭わない人がいたらしい。
ありがたいことです。
日本人もまだまだ捨てたもんじゃないですねえ。
人に親切にしてもらうと、自分も人に親切にしたくなるなあ。
明日、ふちがみとふなとのライブに行くので、
その前にでもとりにいってみよう。

古書組合の機関誌「古書月報」最新号が届いていた。
古書いとうさん、有馬浩一さん、狩野俊さん、西村文生堂さん、
内堀弘さん、うさぎ書林さん…
名前の列挙が追いつかないぐらい、書き手が凄腕揃い。
面白くてワクワク読む。
ひぐらしさん、飲んでいる姿と
あわあわと物を探している姿ばかりが目に浮かぶが、
文章、本当ーにいいですよねえ。

「へんですねぇ へんですねぇ」(今江祥智・長新太 72年)
「たことせんちょう」(トミー・ウンゲラー 66年)など
にまにましながらちょっと眺める。
だけど、持ち帰った本すべて見る余裕がない。眠い。
お客さまー、発送は明日しますので、許してくださいませー。
もう一仕事したら眠ってしまうかも。

海外在住の友人Mの元・夫から
「Mの借金の取立てが自分のところに来た」と
連絡があったらしい。
どうしよう、とMを共通の友人とするNちゃんからメールがあった。
つらそうなあの人もいる。この人もいる。
あまり力になれてないよね、ごめんねー、と思いながら、
睡魔にひきずられそうな…。

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コメント(2)

おさいふー。よかったですねぇ。
年末年始、またお召しになる機会も多いかと……
いつも柱の陰から見守っていたいところですが(笑)、
常に指差し確認! してくださいますよう。

私も糊付けしながら1冊1冊、貼ってました値札付け。
なるほど〜参考になりますー。

旅猫さん、各方面でご活躍のご様子。
頼もしく拝見しておりますー。
さまざまな人のブログに名前が登場しているのを見るにつけ、元気づけられてますよー。
ご心配いただき、すみませんでした&ありがとうございましたー。
まったくいつまでたっても情けないでございます。
指差し確認、ですね。了解です!
雑司が谷、行きたいですー。松坂屋はどうするのでしょう?

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